2008年10月31日
29日、クロアチア・カップでベスト8を賭けた戦いが行われました。ここまでのラウンドは一発勝負で行われます。
ディナモ・ザグレブはフルヴァツキ・ドラゴヴォリャッツと相手の本拠地「NSCスティエパン・スパイッチ」で対戦しました。前節の国内リーグのリエカ戦ではウイルス集団感染で試合延期の恩恵を受けたディナモですが、感染者のうち6人までが先発出場。リエカ側からは捏造の疑いが持たれているわけですが、そう思われても仕方ないほど選手たちはピンピンとしていました。怪我で長期離脱していた右SBのエトーが2ヶ月半ぶりに出場しています。
このほど元セレッソ監督のポボルが新監督に就任した二部のドラゴヴォリャッツにとって、同じザグレブ市にホームを置くディナモは別格でありました。
13分、FWバラバン(写真右)が30m近い直接FKを右ポストに当てながら相手ゴールに沈めると、32分にはDFイバネスの左からのミドルシュートがGKユリッチ・バーレのキャッチミスも手伝って股間を抜けてゴールに刺さります。
ドラゴヴォリャッツも24分にFWコプノヴィッチが同点に追いつく機会があるも、GKケラヴァの好判断もあってセーブされてしまいます。
後半は更なるディナモのゴールショー。61分にMFスアレスの右クロスからバラバンがファーポストでヘディングシュートを決めると、その7分後にも全く同じ形でバラバンが決めてハットトリックを達成。ようやくバラバンも本調子になってきました。
69分には外国人で唯一ウイルスにやられたMFサミールが左からコースを上手く突いたシュートを決めれば、その2分後にはサミールとエトーのブラジルコンビで左サイドを崩し、最後はFWタディッチが押し込んで、6-0という大量スコアで勝利しました。
ハイドゥク・スプリトは3部リーグのコナヴリャニン・チリピと対戦。ヴチェヴィッチ監督辞任後、最初の試合となるハイドゥクを指揮したのはアシスタントのアンテ・ミシェでした。コナヴリャニンは2006/07シーズンにベスト8まで勝ち抜いた伏兵ですが、24分にMFアンドリッチが直接FKを決めると、49分にはFWのポジションに入ったイブリチッチがDFルビルのアシストからシュートを決めて2-0で退けています。
ちなみにハイドゥクの後任監督ですが、本命視されるズラトコ・クラニチャールがヤル気を見せているものの、ハイドゥクの一部の株主の中には彼が無類のアルコール好きであることに不信感を持っているため、未だに契約まで話が進んでいません。ミシェが次のヴァルテクス戦も率いる可能性が高くなっています。
カップ戦の予想外の結果としては、二部ポモラッツ(監督は元代表DFダミール・ミリノヴィッチ)がヴァルテクス・ヴァラジディンを下し、また前ラウンドではオシエクを葬り去った三部ザゴラ・ウネシッチが現在二部首位のカルロヴァッツを終了間際の決勝ゴールで下しています。
全試合の結果はこちら。
Hrvatski Dragovoljac - Dinamo Zagreb 0:6
Konavljanin Cilipi - 0:2
Zagora Unesic - Karlovac 2:1
Oriolik Oriovac - Cibalia Vikovci 0:4
Moslavina Kutina 0:2
Inter Zapresic - Zagreb 0:2
Zadar - Rijeka 2:2 (PK 4:5)
Pomorac - Varteks Varazdin 2:0
また準々決勝の組み合わせも既に決まっています。初戦は11月12日、第2戦は11月27日ですが、11月27日にUEFAカップの対スパルタク・モスクワ戦が控えるディナモは別の日取りになる予定です。
Zagora Unesic - Dinamo Zagreb
Hajduk Split- Slaven Belupo
Rijeka - Zagreb
Pomorac - Cibalia Vinkovci
元名古屋グランパスのDFで、今季からオーストリア一部のラスク・リンツの監督を務めていたアンドレイ・パナデイッチが、不振の責任を取って解雇されました。ここ三試合で最下位のアルタッハ(1-3)、オーストリア・ウィーン(0-5)、ケルンテン(0-1)と連敗したことを受け、レイシェル会長は「ネガティブなスパイラルを断ち切りたい」ということでパナディッチ監督を切ってしまいました。ちなみにパナディッチが指揮した14試合は7勝7敗、現在は10チーム中6位に位置しています。
posted by 長束恭行 |02:05 |
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2008年10月28日
26日のブンデスリーガ第9節でホッフェンハイムがハンブルガーSVを3-0と粉砕し、堂々の首位に立ちました。この試合の前半は衛星放送で見ていましたが、ハンブルガーSVがハーフウェーラインを一向に超えられず、オリッチとペトリッチが立ち往生し、あっさりと三発をぶち込こまれる光景を見て、ホッフェンハイムというチームが如何に本物であるかを見せつけられました。
今から2年半前、片田舎のジンスヘイムに足を運びれ、当時はまだ三部だったホッフェンハイムでトレーニングするトミスラフ・マリッチ(写真)の元を訪ねました。浦和レッズでの経験や日韓ワールドカップに関連してマリッチにロングインタビュー(こちらに掲載)を行ったわけですが、あの時に彼は
「ホッフェンハイムはブンデス一部参入の野心を持ったクラブで、いずれはそのサクセスストーリーがドイツで語られることだろう」
と予言していました。2007/08シーズンに二部に昇格し、今季から一部に昇格。そして今は首位。これまで多くのクロアチアのサッカー関係者にインタビューしてきましたが、その中でもマリッチは一つ一つの言葉に最も心がこもっていたのを覚えています。それだけに今のホッフェンハイムの躍進を喜ばずにいられません。
そのハンブルガーSVとの決戦を前に、Sportske Novosti紙がトミスラフ・マリッチにインタビューをしています。ホッフェンハイムの躍進の理由やクロアチア代表に関する話がある興味深い内容なので翻訳してみました。
「クロアチア代表での古くからの知人であるイヴィツァ・オリッチとムラデン・ペトリッチと会えることを楽しみにしているよ」
-ホッフェンハイムのラルフ・ラングニックの第一アシスタントコーチのトミスラフ・マリッチは語った。
「オリッチとは私がクロアチア代表に最後に呼ばれた2003年末以来会ってない。ペトリッチとは今夏、(クロアチアの保養地)ブレラでの夕食で会ったよ」
-クロアチアの強力ツートップに対し、ホームのホッフェンハイムは厳格に対処していくつもりか?
「いや、決して我々は"警官"(マンマーク)を置くことはしないよ。選手個々やスペースではなく、ボールに狙いを定めるのさ。ボールホルダーに対して我々は二人、行けるのならば三人で当って行くんだ」
-それには申し分のない程のフィジカルの準備が必要なのでは?
「もちろん。走力は現代サッカーの最も重要な要素の一つだ。パワーのない選手なんて選手じゃないよ」
-ブンデス初参戦ながら今季のヒットとなったホッフェンハイムだが、ハンブルガーSVとの試合でどんな結果だったら満足できる?
「ホームだろうがアウェーだろうが、我々は同様に戦うんだ。つまり、勝利するよう努力するということだ。けれども、"相手をぶっ壊す"なんて命題を持ってして戦うことは決してない。ハンブルガーSVの長所も短所も分かっている。カウンターに気をつけながら、勝点3を狙いに行くよ。引分けでも充分だろう」
-多くの人々に印象づける貴方たちの成功をどのように捉えているか?
「トレーニングにおいて我々は完全に集中しているんだ。誰もが完璧ではないのだから、個々の練習次第でクオリティを高められることは意識している。また完璧なセレクション、とりわけユース学校でのセレクションには誇りを持っているよ。このように上手く進んでいることは幸せだけど、順位表を見て浮かれることはないし、調子にも乗ることはないさ。目標は美しく、そして速いプレーをすることだ。一試合ずつ戦いながらも、勝った際には高揚感に溺れることはなく、負けた時でもフラストレーションに悩まされはしない。自分たちがどんな存在かは分かっているし、他のチームがどうかも分かっているんだ。バイエルン、シャルケ、バイヤー……彼らは僕たちが傲慢になれるような相手でないことは当たり前だ」
-マリッチは攻撃陣の構築を担当している。ボスニア代表のイビシェヴィッチ、サリホヴィッチ、フランス国籍のセネガル人バの調子を見れば、彼の成果はファンタスティックだ。
「素晴らしい若者だし、個性のある若者だよ。向上心やヤル気で溢れているね」
-トミスラフはなぜホッフェンハイムへやってきたのか?
「ヘイルブロンに生まれただけに、ここは私の出身地方だ。天皇賞決勝から3部リーグへとやってきたこと、(浦和の)7万人のサポーターが(ホッフェンハイムの)1000人のサポーターに変わることが通常でなかったことは認識しているよ。いくらホッフェンハイムのプロジェクトが約束されたものであってもね。私はリスクへと赴き、それが当ったんだ」
-ブンデス二部昇格の際には、スタッフとしてのポジションを与えたラングニック監督と協力しながら、選手としても大いにチームを助けた。
「同時に自分自分もトレーニングし、必要とあればピッチへと飛んでいったんだ。そんな役割を喜んで引き受けたよ」
-束の間に彼はケルンの有名な監督学校でB級とA級のライセンスを取得した。まもなく最も価値のあるプロ級ライセンスを所有することになる。
「サッカーを学ぶことに恐ろしいほど関心を持っているんだ。シェフ(ラングニック)からは多くのことを学んだよ。彼は相当な完璧主義者だし、システムや戦術のエキスパートだ。お互いが理解しながら、補完し合っているよ。気を使い合うこともないしね。袖を絡めながら一緒に働いているんだ。またスポーツには運も必要で、現時点では運が我々についている。そして自らのコンセプトを諦めることはしない。安定したブンデス一部のクラブになることを我々は確信していのさ」
-トミスラフ・マリッチと彼の妻レナータは定期的にクロアチア国営放送を見ているだけに、クロアチアで起こっていること全てに眼を向けている。元代表として今のクロアチア代表に関しては?
「現在戦っている予選でミスを犯したというつもりはない。イングランドと戦う前から自らを英雄視する必要はなかった、という意見に同意するけど、あの敗北は様々な状況が重なり合って起きたものだ。泣く必要はないんだよ。プレーオフを経て、南アフリカまで到達すればいい。プレーオフは我々にとって初めてでないのだから」
-ビリッチ監督は?
「スラヴェン・ビリッチはカールスルーエで一シーズン一緒にプレーした。5歳年上だったわけだけど、彼はスター選手だったし、キャプテンマークを身につけたリーダーで、僕はまだ駆け出しだった。彼がいかなる才能かは直ぐに理解したよ。エドゥアルドとクラニチャールが怪我から回復し、モドリッチが活躍し、マンジュキッチが定着するようになれば、クロアチアはまた脅威となり、輝く存在になるだろうね」
-左足首の骨折が貴方をユーロ2004・ポルトガル大会を遠ざけてしまったことを悔やんでいるか?
「いや、信じ難い協調性と愛国心が染み渡った雰囲気を持つクロアチア代表の一員となったことを私は本当に幸せに感じているんだ。クロアチア代表としての9試合は、生きている間ずっと記憶していることだろう」
posted by 長束恭行 |21:31 |
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