2008年08月29日
8月27日、UEFAカップ予備戦二回戦第二戦が行われました。
初戦をリアソールにてデポルティーボ・ラコルーニャと0-0で引分けたハイドゥク・スプリトは、ホームのポリュウド・スタディオンで迎え撃ちました。相手がビッグネームだけあってチケットは完売。欧州カップ戦では五大リーグのチーム相手に22年間勝ち上がったことがなく、そのジンクスを破るべく戦いました。
ハイドゥクのスタメン(4-3-2-1)は以下の通り。土曜のスラヴェン・ベルーポ戦同様、疲れの見えるMFイブリチッチはベンチスタートとなりました。
GKスバシッチ-(右から)DF J.ブリャト、マロチャ、ジヴコヴィッチ、ガブリッチ-MF M.ブリャト、スココ、アンドリッチ-バルトロヴィッチ、ティチノヴィッチ-FWカリニッチ
またデポルティーボは週末にリーガ・エスパニョールの開幕戦・対レアル・マドリッド戦を控えていることもあり、レギュラーの何人かを温存した以下のスタメンを敷いてきました(4-2-3-1)。
GKアランスビア-DFラウレ、ロポ、アドリアン・ロペス、フィリピ-MFデ・グスマン、アントニオ・トマス-グアルダド、バレロン、ファン・ロドリゲス-FWリキ
いきなり開始52秒、ガブリッチからの縦パスをカリニッチがトラップからの素早い反転でロポを振り切り、左からゴールへと突進。近距離で右足でシュートを放つものの、GKアランスビアの好反応でゴールが奪えません。
ここ最近は滅多に満員にならないポリュウドですが、この日は3万5000人もの観客で埋まり、熱い応援に支えられたハイドゥクはアグレッシブに勝負へと出ます。しかし、デポルティーボもカウンターやセットプレーから好機を見出し、8分にはグアルダドの左FKからチャンスを作ったものの、ファーポストでフリーのロポはシュートを決められずに終わりました。
ハイドゥク最大のチャンスは25分、スココがドリブルで何人も選手をかわしたのち縦へのスルーパス。カリニッチが抜け出し、右からシュートするもGKアランスビアにまたして止められてしまいました。
次第にデポルティーボがボールを支配するようになり、43分、中央のバレロンからペナルティエリア左へ侵入するフィリピにパスが通ると、フィリピの折り返しはGKスバシッチの股間を抜けてファーサイドに走り込んだリキに。合わせるだけのシュートで得点を奪われてしまいます。前半終了前に集中力を欠いたところでの失点は一日前のディナモと同じでありました。
リードされたとはいえディナモ以上に勝ち抜けるチャンスがあるハイドゥクは、後半もファウルを厭わない積極性を見せます。しかしながら実力差は埋めることはできず、攻撃の形を作ることはできません。この日のイタリアのロッキ主審はファウルに対してカードを次々と切っており、65分にGKアランスビアの足を踏んだ主将のアンドリッチが二枚目のイエローで退場。これで勝負ありました。
デポルティーボは86分、ヴェルドゥがマロチャに倒されてPKを得ると、ヴェルドゥ本人が左に決めて2-0。ロスタイムにはデ・グスマンが二枚目のイエローで退場したもののゲームを左右するものではなく、ハイドゥクはここで欧州の舞台から消えることとなりました。
ハイドゥクのヴチェヴィッチ監督は
「クオリティの差は歴然としていた。最初の30分はとても良いプレーをしていたが、このような戦い方で90分に渡って対抗するのは不可能だったよ。デポルティーボは勝利に値したし、アンドリッチが退場した時には実質的に全てが終わってしまった。
もし最初の30分でゴールが決まっていたら、後半も希望があったかもしれない。前半終了間際の失点は理解できないものだった。うちの三選手がナイーブすぎたことで生まれたゴールだった。
失望はしている。当たり前だ。サプライズを期待していたし、試合に向けて準備もした。スタジアムも満員だったんだ。しかしながら、これが現実であることを受け入れなくてはならない」
とコメント。今後は国内リーグ一本に絞られたわけですが、そこでもチームは低迷しているだけにヴチェヴィッチ監督は首一枚つながった状態で指揮を続けることになるでしょう。
ディナモに続いてハイドゥクも格上相手に力負けし、監督それぞれが「これが現実」と言い訳したわけですが、唯一、気を吐いてくれたのはスラヴェン・ベルーポでした。格上のアリス・テッサロニキをホームのグラツキ・スタディオンに迎えての第二戦。初戦は1-0で落としたものの、その善戦ぶりに第二戦へと希望を繋いでいました。
アリスのスタメンにはスペイン人とブラジル人が多く、ギリシャ人はプリタスのみ。逆にスラヴェンはスタメン全員がクロアチア人(FWユリッチはボスニア生まれのクロアチア人)となります。
13分、スラヴェンは思わぬ形で先制点を奪います。FWヴルチーナの左CKをMFレケイロがヘディングでクリアしたところ、ボールはアリスのゴール前で宙へと浮きます。落下してきたボールをMFナチョ・ガルシアがクリアに失敗、自ゴールへと蹴り込んでしまいました。
選手個々の能力に優れたアリスは猛攻を仕掛けるものの、ファウルで何度も止め、そこからのセットプレーも防ぐことでスラヴェンはゴールを割らせません。
後半にプレッシャーを高めてきたアリスの最大のチャンスは57分、FWコケが落としたところにカルヴォが近距離でシュートするも、スラヴェンのGKロディッチがセーブ。
そして64分、DFプリッチが左サイドから左足でゴールへと迎うクロスボールを上げると、そこにはオフサイドトラップを抜けたFWヴルチーナが。足を伸ばしてボールを合わせ、値千金の勝ち越しゴールを決めます。
アリスがリスク承知で攻め込んできたのに対し、スラヴェンも引きこもることなく勇敢に3点目を奪いに行ったことで、アリスは次第に攻め手を失います。最後の何分かはスラヴェンもピンチを幾度と迎えますが、拙攻や運にも助けられてリードを保ち、2-0で勝利。トータルスコア2-1で勝利し、UEFAカップ一回戦へと見事にコマを進めました。ペトコヴィッチ監督は「大きな自信はあった」と勝利に胸を張っています。
試合のニュース動画(クロアチア国営放送)は以下で見られます。
ディナモ・ザグレブvs.シャフタール・ドネツク
ハイドゥク・スプリトvs.デポルティーボ・ラ・コルーニャ
スラヴェン・ベルーポvs.アリ・テッサロニキ
そして28日、UEFAカップ一回戦の抽選会が行われました。ディナモ・ザグレブはスパルタ・プラハ、スラヴェン・ベルーポはCSKAモスクワを引いています。
ディナモのイヴァンコヴィッチ監督は
「難しい相手だが、越えられない相手ではない。チェコ・サッカーのクオリティは世界的に知られており、スパルタ・プラハは国内リーグの頂点だし、長い伝統と実力を持ったチームだ。第一戦(9/18、ザグレブ)はしっかりと準備しなくてはならない。チームのプレーの穴を埋めることで、組織力と真剣勝負を持ってして勝つことはできる」
とコメントしています。またリバプールなどの活躍で有名なスパルタ・プラハ所属のベテラン、パトリック・ベルガーは
「ディナモと対戦するのは我々にとって非常に難しいことだろう。バルカンのチームはテクニック面で強いかしらね。またディナモは熱烈なサポーターを抱えたクロアチアで最も人気のあるクラブだ。(予備戦三回戦で対戦した)パナシナイコスの時と同じほど激しい雰囲気のアウェーマッチが待っている」
と警戒しています。初戦は9月18日、第二戦は10月2日に行われます。
posted by 長束恭行 |22:48 |
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2008年08月27日
26日、クロアチア代表監督のスラヴェン・ビリッチ監督は来月6日の対カザフスタン戦、10日の対イングランド戦に向けたクロアチア代表メンバー22名を発表しました。
クラニチャールが怪我のため外れ、新たな召集としてはディナモのFW/MFマンジュキッチ(写真)が選ばれています。また補欠召集ではありますが、第3GKの扱いとしてハイドゥクのGKスバシッチが挙がりました。
カザフスタン戦について聞かれたビリッチは
「カザフスタンはアンドラやサンマリノよりもずっと優れた真剣なチームともいえる。とりわけホームでは強く、セルビアやポルトガルといったチームもつまずいたことは知られている。アウェーでは80%の試合に負けているとはいえ、5-0で倒せるような相手ではなく、いつも結果は2-1、3-1、2-0といったような感じだ。つまり、(前予選で一緒だった)エストニアと似たランクのチームだ」
と述べ、イングランド戦のことを聞かれると
「カザフスタン戦が終わるまで、つまり日曜(9月7日)の朝まではイングランドに関して話したくはない。いくらイングランド戦がアトラクティブな試合だといってね」
と言葉少なでありました。カリニッチとマンジュキッチは他のFWの調子次第では、U-21欧州選手権予選のアルバニア戦(5日)とイタリア戦(9日)があるU-21クロアチア代表へと貸し出す可能性があります。
代表メンバーは以下のようになります。
GK:
スティペ・プレティコサ (スパルタク・モスクワ/ロシア)
ヴェドラン・ルニェ (ランス/フランス)
DF:
ダリオ・シミッチ (モナコ/フランス)
ロベルト・コヴァチ (ボルシア・ドルトムント/ドイツ)
ヨシップ・シムニッチ (ヘルタ・ベルリン/ドイツ)
ヴェドラン・チョルルカ (マンチェスター・シティ/イングランド)
ダリオ・クネジェヴィッチ (ユベントス/イタリア)
フルヴェイエ・ヴェイッチ (トムスク/ロシア)
イヴィツァ・クリジャナッツ (ゼニト・サンクトペテルブルク/ロシア)
MF:
ニコ・コヴァチ (レッドブル・ザルツブルク/オーストリア)
ダリヨ・スルナ (シャフタール・ドネツク/ウクライナ)
イェルコ・レコ (モナコ/フランス)
ルカ・モドリッチ (トットナム・ホットスパー/イングランド)
ダニイェル・プラニッチ (ヘーレンフェーン/オランダ)
イヴァン・ラキティッチ (シャルケ04/ドイツ)
オグニェン・ヴコイェヴィッチ(ディナモ・キエフ/ウクライナ)
ニコラ・ポクリヴァチュ (モナコ/フランス)
FW:
ムラデン・ペトリッチ (ハンブルガーSV/ドイツ)
イヴィツァ・オリッチ (ハンブルガーSV/ドイツ)
イヴァン・クラスニッチ (ナント/フランス)
ニコラ・カリニッチ (ハイドゥク・スプリト/クロアチア)
マリオ・マンジュキッチ (ディナモ・ザグレブ/クロアチア)
補欠メンバー:
GKダニイェル・スバシッチ (ハイドゥク・スプリト/クロアチア)
またアルバニア戦とイタリア戦(ともにヴァラジディン開催)で行われるU-21クロアチア代表メンバーは以下のようになっています。
ドラジェン・ラディッチ監督は、個人的に対立しているリエカのMFアナス・シャルビーニを「かつてよりプレーが落ちている」という理由で外しています。またディナモが先のボスニア・ヘルツェゴビナとの親善試合の召集を拒否したMFミラン・バデリとFWヨシップ・タディッチですが、ラディッチがクラブ側と話し合いを済ませており、今回は召集に応じています。
GK:
アントニオ・イェジーナ (ザダール)
イヴァン・ケラヴァ (ディナモ・ザグレブ)
シルヴィオ・ロディッチ (スラヴェン・ベルーポ)
DF:
カルロ・シメク (ヴァルテクス・ヴァラジディン)
ドマゴイ・ヴィーダ (オシエク)
マヌエル・パミッチ (レッドブル・ザルツブルク/オーストリア)
イヴァン・ステゥリニッチ (ハイドゥク・スプリト)
アンテ・クルシッチ (シベニク)
クリスティアン・イプシャ (ミドティランド/デンマーク)
マリオ・マロチャ (ハイドゥク・スプリト)
イゴール・プラヒッチ (ヴァルテクス・ヴァラジディン)
MF:
ミラン・バデリ (ディナモ・ザグレブ)
マト・ヤヤロ (スラヴェン・ベルーポ)
マルコ・ディニャール (テレク・グロズヌイ/ロシア)
アンドレイ・ケーリッチ (スロヴァン・リベレツ/チェコ)
マリン・トマソフ (ザダール)
クレショ・リビチッチ (アントラフト・フランクフルト/ドイツ)
イヴォ・イリチェヴィッチ (グロイター・フュルト/ドイツ)
FW:
トミラスフ・ブシッチ (ハイドゥク・スプリト)
ヨシップ・タディッチ (ディナモ・ザグレブ)
マティヤ・スムレカール (ヴァルテクス・ヴァラジディン)
ポーツマス所属のクロアチア代表MFニコ・クラニチャール(写真)が、20日のスロベニア戦におけるMFキルムのタックルで右足首の上、腓骨と脛骨の間にある靭帯結合を損傷しており、今日ロンドンで手術が行われました。無事に手術は成功。この先6週間は松葉杖を使い、ピッチに戻るまでには2~3ヶ月必要とのこと。ワールドカップ予選のカザフスタン戦、イングランド戦、ウクライナ戦は欠場することになりますが、今の代表チームには必要な選手であり、コーチ陣はいずれ彼の見舞いへと訪れるそうです。
今月20日に17歳の誕生日を迎えたばかりのハイドゥク・スプリトのMFマリオ・ティチノヴィッチが、26日にプロ契約を結びました。小柄ながらボディバランスを活かしたドリブルとボールテクニックに優れ、「クロアチアのネドヴェド」と将来性を期待される彼は今季、左MFのレギュラーを獲得。これまでプロ契約の際にユース選手が条件の低さから他チームへ逃げることの多かったハイドゥクですが、代理人がイゴール・シュティマッツの弟ダミールということもあり、ティチノヴィッチとはFIFA規則では未成年最長となる3年契約を結びました。成年になり次第、更なる複数年契約を結ぶ予定です。ティチノヴィッチは
「ダルマチア地方出身の子供は誰もがハイドゥクでプレーすることを夢としているだろう。僕の夢は実現し、今は本物のプロサッカー選手となったんだ。ハイドゥクで、それもレギュラーとしてね」と記者会見で喜びを語っています。
ちなみにハイドゥクはドムジャレ所属のMFアンドラージュ・キルム(前述のクラニチャールを怪我させた選手)にオファーを出したもののキルム本人が拒否。またヴチェヴィッチ監督はスピードあるFWを望んでいることもあり、スラヴェン・ベルーポ所属の元ボスニア・ヘルツェゴビナ代表FWのアスィム・シェーヒッチ(27)に関心を高めていると報じられています。ちなみにシェーヒッチはリエカのMFニコラ・シャフリッチとの交換トレードの話があったものの、リエカとの年俸交渉で決裂しています。
posted by 長束恭行 |22:36 |
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