2008年08月14日
13日、チャンピオンズ・リーグ予備戦三回戦の第一戦「シャフタール・ドネツクvs.ディナモ・ザグレブ」がドネツクのオリンピイスキー・スタディオンで行われました。
アーセナル、ヴェルダー・ブレーメン相手とここ二年は予備戦三回戦で姿を消してきたディナモに取って、今回は三度目の正直となります。アフメトフ会長の莫大な資金力でブラジル選手を中心に次々と補強をするシャフタールは、ウクライナ・リーグ開幕以来4節で1勝2分1敗と不調気味。戦力面、経験面では及ばないとはいえ、ディナモにも多少はチャンスがあると思われていました。
GKブティナが怪我のため、若手のケラヴァがスタメン出場。また太股を痛めているDFビシュチャンは強行出場。バラバンも足首を痛めており、スタメン(4-2-3-1)は以下のようになりました。
GKケラヴァ-(右から)DFエトー、ドゥルピッチ、ビシュチャン、フルゴヴィッチ-MFヴルドリャク、バデリ-ミキッチ、マンジュキッチ、サミール-FWタディッチ
一方のシャフタールのルチェスク監督は前節のドニプロ戦から4人の選手を代え、攻撃的な4-3-3の布陣を敷いてきました。ドログバ・タイプのブランドンが前線を張り、その周囲を小柄なジャジソンがかき回し、かつフェルナンジーニョが左から、ヴィリアンが右からと、計4人のブラジル人がスタメンに。またクロアチア代表であり、シャフタールでは主将を務めるスルナも右サイドバックから積極的に攻撃を仕掛けてきました。
GKピヤトフ-DFスルナ、クチェル、チグリンスキー、ラツ-MFヴィリアン、ヒュプシュマン、フェルナンジーニョ-FWグラドキー、ブランドン、ジャジソン
ハイドゥク出身ということで友人関係にあり、お互いに優れたフリーキッカーであるシャフタールの右SBスルナ(写真)とディナモの左SBフルゴヴィッチの攻防がこの試合の鍵を握ると予想したのですが、レベルの差が現れてしまいました。
開始3分、フルゴヴィッチがスルナに対してのファウルでゴール前やや右20mの位置でシャフタールにFKを与えてしまいます。キッカーとして登場したのはスルナ。スルナは3人の壁を越え、ゴール右下へと沈むFKを蹴り込み、反応に遅れたGKケラヴァの手も届かず、ボールはネットに突き刺さります。いきなりのシャフタールの先制、それも警戒していたスルナのFKということで、ディナモは苦しい立場に立たされました。
最初の10分はやりたいようにやられたディナモでしたが、次第にボールポゼッションを高めていき、12分にはヴルドリャクがペナルティエリア中央でフリーのマンジュキッチにズバッとパスを通すものの、トラップに失敗してチャンスを潰します。
結果的にこの試合を左右したのは、29分にビシュチャンが故障箇所の太股に違和感を覚えて退場したことでした。ディフェンスに安定感を与えるだけでなく、組立ての基点ともなっていた彼の代わりにピッチには若手DFロヴレンが入ります。
その2分後、左クロスのクリアが中途半端に終わり、ボールがバイタルエリアのジャジソンに届くと、一番彼に近かったロヴレンは詰めることなく、ジャジソンの狙いすましたシュートがロヴレンの足元を抜けてゴール左下に突き刺さり、2-0とリードを広げられてしまいました。
更に34分にも不安定なディナモ守備陣の隙を狙って、ヴィリアンがシュート。ボールが左ポストに叩かれたことでディナモは救われます。
後半になってシャフタールがテンポを落とした分、ディナモはボールを持たされた形になりましたが、パスミスやサポートの遅さが目立ち、一向にチャンスが作れず。とりわけ決定力不足の攻撃陣はいいところがなく、57分にタディッチがシュートチャンスを迎えたものの、左足のシュートは見当違いのところへ。64分にエトーを代えてMFグェラ、69分にはサミールに代えてMFモラレスを入れるものの流れは変わりません。
一方、シャフタールは72分、今年に900万ユーロで獲得したボリビア代表FWマルセロ・モレーロを投入。80分にスルナの右クロスからワンクッションあって左からモレーロが飛び込むものの、1mのシュートを外してくれます。その後のモレーロのシュートもケラヴァが好セーブ。前半のリードそのままの2-0でタイムアップしました。
シャフタールは個々の能力は高いものの、チームとしての完成度は低かったわけですが、それ以前にディナモの非力さが目立った試合でありました。ボールホルダーがあっさりと囲まれてしまい、パスの出し所がないまま奪われる場面、また無駄なロングボールを前方へと蹴り込む場面が多くあったわけですが、ディナモのイヴァンコヴィッチ監督は以下のように述べています。
「後半は我々の方がシャフタールより良いチームだった。とはいえ、シャフタールは追加点を決めることができたことも認めなければならない。でも、我々もゴールを決めることはできた。チャンスは作ったわけだからね。ザグレブでの第二戦はシャフタールを倒せるようチャレンジするつもりだよ」
またロヴレンとケラヴァに関しては
「ビシュチャンの怪我については、我々が完全に治せなかったことは明らかだった。幸運なことにロヴレンはしっかりと適応し、良いプレーをしてくれた。
ケラヴァはまだ19歳だし、これが彼にとって最初のビッグマッチだった。スルナは素晴らしいFKを蹴ってきたし、彼は代表でもあのようなゴールをたくさん決めてきたんだ。ケラヴァを攻めることはしないし、難しいボールを何度も処理してくれた」
と二人を擁護しています。
またシャフタールのルチェスク監督は審判団への不満を示しながら
「結果には満足しているが、現実的には3-0で終わるべき試合だったと思う。審判はディナモに好意的だったようだ。(前半終わりに二枚目のイエローを貰ってもおかしくなかった)フルゴヴィッチを退場にしなかったし、うちの選手を肘で殴ったドゥルピッチも退場にしなかったのだから。
まだ何も終わったわけではない。ディナモが実力を持ったチームであることはいかなる場面でも見られたわけだが、我々はそんな相手に勝利した。早い段階でのゴールが試合のリズムを変えたのだと考えている」
とコメントしています。
第二戦は二週間後、ザグレブのマクシミール・スタディオンで行われます。
posted by 長束恭行 |17:44 |
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