2008年07月14日
14日のSportske Novosti紙にイヴィツァ・オシムのインタビューが掲載されていました。内容はボスニア・ヘルツェゴビナ代表監督にブラジェヴィッチが就任することに関してです。翻訳しましたので、ご紹介します。
ジェリェズニチャールの伝説であり、高名な指導者であるイヴィツァ・オシムの自宅に電話を掛けたならば、おそらく医者の指示によるものだろうが、最初はアシマ夫人が受話器を取る。
-貴方たちはまだオーストリアにいるのですか? 彼はユーロは観戦してきたのですか?
「ならば、私たちが本来いるべき場所はどこというの? サラエボ?」
-もちろん!
「いや、医者がまだ許さないんですよ。シュワーボ(オシム)は毎日、訓練とリハビリに行っているわ。故郷に戻ること、つまりサラエボに戻ることにはまだ青信号が出ないの。」
彼女との短い会話のあと、人気が高いシュトゥラウス(オシム)は高熱があることを嘆いた。日常のことを質問したり、早く完全に回復することを願ったのちは、避けられない質問として、ミロラスフ・"チーロ"・ブラジェヴィッチがボスニア・ヘルツェゴビナ代表に指名され、指揮を引き受けたことについてコメントをお願いした。
「ああ、テレビの画面を通して間接的だが、就任における彼の言葉を聞いたよ。このような条件の下、チーロは水を得た魚のように感じている。経験豊富なサッカーの狼はナイーブではない。報われない代表監督の職に就くことを彼は機械的に、また一晩で決断してはないはずだ。」
-ブラジェヴィッチの起用は、ボスニア・ヘルツェゴビナ・サッカー協会の幹部が良い手を打ったということですか?
「聞きなさい。結果が物差しとなるんだよ。監督の仕事と成果を計る唯一の適切な評価は、最後には結果しかない。しかし、現時点で私が見る限りでは、状況がかなり荒れているだけに、彼を選んだことはもちろん良い手と言えよう」
-彼の就任の後、ネガティブな意見もあるのですが。
「まあ、反応というのはいつもそんなものだ。とりわけ最初はね。とはいえ、最初の評価までは少し待つ必要があるだろう。既に彼は最初の言葉で、どの選手も外すことはしない、前任者のメホ・コドロが起きたようなボスニア・サッカー協会が監督の同意無しで対戦相手や日程を決めることはもうない、私"チーロ"はビジョンを持っていると語っている。選手のモチベーションを高める彼の手法と高い可能性において、言葉を費やす必要はないだろう」
-個人的には、チーロがボスニア・ヘルツェゴビナ代表監督になることに驚きましたか?
「いや、私には何も驚くことはない。とはいえ、私はもっとも指導者の観点から見ているけどね。実力ある指導者の起用は心地良いサプライズとなり得るものだ。いずれにしても、彼の起用に際して、サッカー以外の他の事柄には立ち入るつもりはない。指導者としてブラジェヴィッチの全てを語れる結果が、彼の背中にはあるのだよ。ある人はこう口にする。
"彼はフランスW杯の時には素晴らしいチーム(クロアチア代表)を持っていた。まるで誰かがあのチームに彼にプレゼントしたかのように。"
そして、我々ボスニアでは常にこう言っている。
"素晴らしい選手たちはいるが、チームがない"
しかし、私はそうとは見ていない。最高の選手を持つことができなければ、最高のチームも持つことはないんだ。もしかしたら、これまでボスニア・ヘルツェゴビナ代表が抱えていた非論理性を、まさにチーロが正してくれるかもしれないだろう。けれども、どんなケースであれ、時間が最高の審判だ。まもなく多くのことが明らかになるだろう」
ブラジェヴィッチとオシムは友人関係にもあるわけですが、ボスニアの名将の一人ヴァヒド・ハリロホジッチ(現コードジボワール代表監督)は
「彼を選んだことは全ボスニア・ヘルツェゴビナに対する侮辱だ。彼はボスニア・ヘルツェゴビナが存在することを認めたくなかっただけにね」
と批判的。これを聞いたブラジェヴィッチは就任を一度は諦めかけたそうです。またメフメド・バジダレヴィッチ(現グルノーブル監督)は
「チーロと一緒に宇宙王者になるよりも、FIFAランクで35位にいるほうがマシだ」
とも言われています。そんな批判に対してチーロは
「なぜ彼らが重要だっていうんだね? 彼らから聞こえるのは嫉妬や焼もちといった声だよ。ならば、なぜ彼らは代表監督の職を引き受けなかったんだね?」
と返しています。ちなみにハリロホジッチはのちに態度を一転しており、
「私が何を考えているかは大事ではない。大事なのは良い代表チームを作ることなんだ。もしかしたら何かに到達する可能性があるかもしれない。個人的には、とうとうあのチームが良い結果を残し始めて欲しいと強く願っているんだ。ブラジェヴィッチには幸運を祈っているし、もし私が必要ならば、いつでも彼に助けを出す準備はできている」
と協力姿勢を打ち出しています。
ボスニア・ヘルツェゴビナ代表MF/DFミルコ・フルゴヴィッチ(写真)がジェフユナイテッド千葉との契約を解消し、先週土曜日にクロアチアへと戻ってきました。フルゴヴィッチは
「スプリトへと帰った。どこでキャリアを続けるか考えているところだ。ハイドゥク? 私にとっては、それは常に開かれているオプションだ」
とコメントしています。他のクラブと契約する際にジェフへ移籍金20万ユーロを払わなくてはいけないそうですが、それに関しては
「移籍金が問題になるとは信じていない」
とコメントしています。
その一報で、ハイドゥクのスポーツディレクターのイヴァン・ブリャンは
「ここ数日間はフルゴヴィッチに関して多くが語られているが、まだそのテーマに関して具体的に話し合いはしていない。(昨季のような)失敗がないよう、解決策としてハイドゥクは左サイドバックにストゥルニッチを既に獲得している。現時点ではそのポジションを解決することに優先順位は置いていない」
と述べています。
ちなみにクロアチア生まれながらボスニア・ヘルツェゴビナ代表を選んだフルゴヴィッチは、今年5月にアゼルバイジャン戦召集で日本からサラエボ空港に到着した際、空港で知らない人たちに酷く侮辱され、もう代表でプレーすることはないと決意しています。イランとの親善試合の予定に反発したコドロ監督をサッカー協会が解任したことで、サポーターはサッカー協会に抗議活動を起こし、また選手たちも召集にボイコットしたわけですが、それを知らされないままサラエボへとやってきたフルゴヴィッチは余り混乱の状況にショックを受けたそうです。
posted by 長束恭行 |22:02 |
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