2008年07月13日

ブラジェヴィッチ、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表監督に/FWツヴィタニッチがクロアチア代表を選択

元クロアチア代表監督で昨季はザグレブの監督を務めていたミロスラフ・ブラジェヴィッチ(73・写真)が、10日、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表監督に全会一致で指名されました。
ブラジェヴィッチクロアチアでは彼の指導を受けた選手が次々と監督となり、「全ての監督における監督」とも呼ばれている彼ですが、実の生まれはボスニア・ヘルツェゴビナ。2002年に同国代表監督の候補になった際には、彼はクロアチア民族主義者であるとして他の民族派閥から圧力が掛かり実現しませんでした。サッカー協会はコドロ前監督を解任した後、サポーターの抗議活動にさらされたのですが、"ウルトラC"的にブラジェヴィッチが就任したことは衝撃として捉えられています。一報を受けたブラジェヴィッチは
「選んでくれたことに感謝している。期待に応えられるよう全てを成し遂げるつもりだ。正直、私はショックを受けているよ。この瞬間、多くの言葉が見つからないしね。ただ私が言いたいのは、これまで決して無職の状態に陥ったことがなく、テーブルには常に3つ4つのオファーがあった。私の時代はまだ終わっていないんだ」
とコメント。一部では限界説がささやかれていただけに、改めて彼の存在がクローズアップされました。金銭面を考えればブラジェヴィッチは雇えないのでは、と言われてたのですが、友人でもあるザグレブ市長ミラン・バンディッチ(彼はヘルツェゴビナ出身)がスポンサーを探してきたようです。またムスリム人やセルビア人との間に問題はないのか、と聞かれ
「サッカー協会の全てのセルビア人とムスリム人が私を受け入れてくれた。彼ら民族のサポーターも私を受け入れてくれるだろう。私は誰も恨んできたことはないし、誰に対しても罪を犯したことはない。代表チームと一緒に本物の結果を成し遂げたいし、必要なことは何でもやれると考えているんだ。いかなる問題やボイコットは予想してない。全員が一緒になるべきだ」
と答えています。多くの選手たちが協会に離反して代表拒否しており、彼のカリスマ性をもってして一致団結したいところですが、これまでの長いキャリアで一番難しい仕事になるのは間違いないでしょう。ボスニア・ヘルツェゴビナ国内でも賛否両論分かれているものの、今は批判以前に誰もが驚いている状況です。
ボスニア・ヘルツェゴビナ・サッカー協会長のイリョ・ドミンコヴィッチは
「ボスニア・ヘルツェゴビナのサッカー界にとって最良の選択をしたと我々は信じている。とはいえ、グラチャン、(アマル・)オシム、ズカノヴィッチ、リスティッチ、オブラク、ピリッチといった他の候補の実力は低く見ているわけではない。大きな経験を持った人物が代表を率いることになる。彼は世界で一時代を築いた優れた監督の一人であり、選手や世論全体にモチベーションを与えられる素晴らしい指導者だ」
と今回の人選に関して語っています。ブラジェヴィッチにとっては、スイス、クロアチア、イランに次いで四ヶ国の代表監督となります。


10日、アムステルダムにてアヤックス所属のアルゼンチン国籍クロアチア人FWダリオ・ツヴィタニッチ(24)と、クロアチア・サッカー協会のマルコヴィッチ会長とスレブリッチ事務局長が話し合い、ツヴィタニッチがクロアチア代表でプレーすることに合意しました。
曾祖父がクロアチア南部ダルマチア地方のブラーチ島出身という彼は、既に一ヶ月半前にブエノスアイレスのクロアチア大使館でパスポート取得の手続きをしており、10日後にはパスポートができるとのこと。それからFIFAの手続きが一ヶ月半ほど掛かるようです。
クロアチア代表のユニフォームを手にしたツヴィタニッチは
「これ以上に幸せと感じたことは記憶にないよ。僕の夢が本当に実現したんだ。けれでも、これは僕が持っていた"願望の全て"だったとは言えないよ。自分から望めるものではなかったし、単に夢の権利を持ってただけに過ぎなかったのだから。でも、夢は実現して、これから世界最高級の代表の座を競うことになるんだ」
とコメント。2006年に彼と同じ境遇ながらクロアチア代表を拒否したFWダニエル・ビロシュとはバンフィールドでチームメイトだったそうで、
「ビロシュとは友人関係さ。彼がクロアチア代表でプレーするかしないか悩んでいた時に、僕は彼にこう言ったさ。
"君は狂っている! なぜ、ためらっているんだ? 僕だったら決してこんなチャンスを無駄にしない!"
最近、彼と話した時にはこうアドバイスしてくれたんだ。
"ダリオ、君は僕より賢くふるまわなければならない。クロアチアは本物だよ"
とね。」
父親のカルロス・アルベルトはクロアチア系であるものの、母親のマリア・イネスはクロアチア系ではなく、移民四世となるツヴィタニッチもまだクロアチアを訪れたことがないとのこと。それでも
「僕はクロアチア人だし、そのように感じている。家族が一緒になるとクロアチアについて話さない日はないんだ。僕たちはクロアチア人であることを誇りに思っているんだよ。僕の父と祖父はクロアチアとダルマチア地方に憧れているんだ。最初の機会には彼らをクロアチアに連れて行きたいね」
と屈託なく語っています。またクロアチア語もこれから勉強していくそうです。
ビリッチ監督は8月上旬のアヤックス・トーナメントを視察し、早ければワールドカップ予選のカザフスタン戦(9/6)とイングランド戦(9/10)で初召集となりそうです。タイプ的にはエドゥアルドとトーレスの中間、もしくはかつてのヴラオヴィッチみたいな選手だと言われています。


ハイドゥク・スプリトは11日、本拠地ポリュウド・スタディオンでナポリを迎えての親善試合を行い、1-0で勝利しました。準備状況に差があるとはいえ、シーズン開幕を前にして自信を植え付ける勝利となりました。
新加入のイブリチッチをトップ下に起用し、82分に交代するまで期待に応える働きをしました。ナポリのレイア監督も
「ハイドゥクはイブリチッチが中盤を支配し、そこで多くの攻撃パターンを持っている組織されたチームだ」
と褒めています。唯一の得点シーンは29分、イブリチッチのシュートがブロックされたところをMFリニッチがミドルシュートを叩き込んだもの。ディフェンス面は課題を残しており、何度もナポリに崩されましたが、新加入のGKスバシッチがデニスのPKを止めたり、誤審等もあったりして無得点に抑えています。
またハイドゥクは、昨季後半にユース選手ながらレギュラーとしてプレーしたDFマリオ・マロチャ(19)と5年のプロ契約を結んでいます。当初は代理人にそそのかされて条件面に不満を抱き、合宿参加もしなかったマロチャですが、最後は合意に至りました。また足首の故障に悩まされていたDFイゴール・トゥドールがようやく復帰。近いうちにチームの通常練習に合流する予定です。


さて私事でありますが、16日から27日まで休暇等を兼ねて未訪のバルト三国に行くことなりました。旅行するからにはサッカー観戦、ということで、以下のカードを現地観戦(一部撮影取材)してくる予定です。
○7月17日 UEFAカップ予備戦一回戦
ヴェトラ・ビリニュス(リトアニア) vs. バイキング(ノルウェー)
○7月21日 ラトビア・リーグ
SKリエパーヤ・メタルルグ vs. ヴィンダヴァ・ヴェンツピルス
○7月22日 CL予備戦一回戦
ヴェンツピルス(ラトビア) vs. スラネリ(ウェールズ)
○7月26日 エストニア・リーグ
FCフローラ・タリン vs. JKヴァプルス・パルヌ
FCレヴァディア・タリン vs. JKトランス・ナルヴァ
戻りましたら、向こうのサッカー事情も少し触れられたらと思います。旅行中はしばらくブログはお休みと致しますが、ご了承下さい。


posted by 長束恭行 |23:00 | サッカーニュース | コメント(0) |
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