2008年03月31日
クロアチア・リーグ第26節/ヴァルテクスに勝てないディナモ
3月28日・29日にクロアチア・リーグ第26節が行われました。 首位ディナモ・ザグレブは、10位ヴァルテクス・ヴァラジディンとアウェーで対戦。ディナモは今季3敗しかしていないのですが、そのうち2敗はヴァルテクスに喫しています。ディナモにとってヴァルテクスはまさに鬼門という相手。10位に甘んじているとはいえ、ヴァルテクスのサッカーは現時点でクロアチアの最高水準です。若くて足の速いタレントをずらり並べ、老獪な司令塔ムムレクが彼らを巧みに操り、また最終ラインは浅く、攻撃に転じると少ないタッチとフリーランニングを活かしたサッカーを展開。選手のクオリティではディナモに劣るとはいえ、またして互角以上の戦いを見せてくれました(試合はクロアチア国営放送で生放送)。この試合に勝てば数字上においても優勝を確定できるディナモ。3連敗は許すまじとキックオフと同時に果敢に攻撃を仕掛けます。3分にFWバラバンが左からドリブルで崩してシュートを放ったものの、GKの正面に終わりました。 それからはヴァルテクスもリズムを掴み、流れるようなサッカーを展開。6分にFWムヤノヴィッチがスペースに送ったボールにFWスムレカールがシュート。これはGKコッホが伸ばした右足に防がれます。10分にはMFブレゾヴェッツがロングシュートを放ったものの、手前でバウンドするボールをコッホは何とか弾き返しました。 それでもディナモは臆することなく、13分、MFモドリッチが左サイドをドリブルで突破しながら、最後は左足のアウトサイドでセンタリング。しかし、FWタディッチのシュートはアウトネットに留まります。 27分にはバラバンが中央からドリブルし、タディッチにラストパス。DFメルニャクをかわしてシュートするも、シュートはGKマヂャリッチの正面。 しかしながら、その3分後に拮抗が破れます。右SBに入ったディナモのミキッチが前方へ大きく蹴り出すと、ヴァルテクス守備陣が処理に躊躇。バラバン(写真右)がDFルチッチを追い越し、ボールに向かって飛び出してきたGKマヂャリッチ(写真左)をワンタッチでかわすと、そのままシュート。ディナモに先制点が生まれます。 ヴァルテクスも43分、ブレゾヴェッツのミドルシュートにGKコッホが反応に遅れ、前へと弾くと、そこにムヤノヴィッチが突進。コッホに倒された形になりましたが、コヴァチッチ主審はPKを取りませんでした。 後半頭より、ディナモは背中の怪我から不安定な守りを見せていたGKコッホを代えて、若手のケラヴァを起用。またヴァルテクスはFWをスムレカールからノヴィニッチ(写真)に交替。結果的にはこの両監督の采配が当たります。
50分、ムムレクのヘディングパスをもらったムヤノヴィッチがペナルティエリアへ侵入し、右足アウトサイドでシュートするものの、GKケラヴァが上手く飛び出してセーブ。その3分後にはムムレクの右からのFKにノヴィニッチがヘディングシュート。ボールはゴール右上を捕らえましたが、GKケラヴァが素晴らしい反応でキャッチします。 ヴァルテクスがリズムを維持する一方で、ディナモはゲームをコントロールできない苛立ちでファウルを多発。57分にFWマンジュキッチを投入し、72分にはモドリッチのスルーパスからマンジュキッチが抜けてGKと一対一となりましたが、接触の際にシミュレーションを取られます。 ヴァルテクスの努力がようやく報われたのは81分、右サイドからMFパパが左足でセンタリングを上げ、ミキッチがヘディングでクリアしたはずのボールがゴールに近いブレゾヴィッチに。ヘディングで右のスペースに走り込んだノヴィニッチへと送り、これを押し込んで同点に追いつきます。 その4分後にはディナモのDFドゥルピッチが相手選手の顔を叩いて二枚目のイエローで退場。ディナモはドローに持ち込むのが精一杯で、ヴァルテクスとの三度目の戦いも勝てずに終わりました。優勝決定は次節のインテル戦に持ち越しとなります。 現役時代は華麗さはなくとも、80年代のディナモの中盤のダイナモとして活躍したヴァルテクスのベセク監督は 「試合前の目標は勝点1を奪うことだったが、プレースタイルとしては勝点3を狙いに行った。一度の事故から失点したわけだけど、リードしたディナモ相手に追いつくのは難しいことも貴方たちは知っているだろう。それでも選手たちは力を振り絞ることに成功したんだ。選手たちを祝福するし、我々は勝点1に値した戦いをしたと考えている」 とコメントしています。 この試合を観戦したサッカー協会のスレブリッチ事務総長は 「先週、プレミアリーグのトットナムvs.ポーツマス戦を観戦したが、今日の試合のレベルはそれに引けを取らないものだった。唯一の違いはプレミアの素晴らしい雰囲気だけだ」 とその内容に褒めています。ちなみに観客は6000人とまずまずの入りでありました。 2位ハイドゥク・スプリトはアウェーで最下位のメヂュムリエと対戦しました。 13分、ロングボール一本からFWブシッチがヘディングで落とすと、FWカリニッチがそのままボールをキープしながらGKをもかわしてシュート。今季16ゴール目で得点ランクトップに並びます。
その後もハイドゥクは幾度とチャンスを作るも追加点を奪えずにいましたが、32分、GKヴァルヴォディッチのスローイングをもらったMFチェルナト(写真)がドリブルで前方へと上がり、カリニッチに当てて更にMFリニッチを経由して、再びゴール前のツェルナトに。一度はGKバノヴィッチにシュートを止められますが、跳ね返りを押し込んで2-0とスコアを広げます。 降格がほぼ決まっているメヂュムリエは前半に成す術がなかったわけですが、気が緩んだハイドゥクに後半にしっぺ返しを食らわせます。 65分、メヂュムリエはMFピンタリッチが左ポストでボールを拾って後ろへと戻すと、フリーでMFダルモピルが左足でシュート。ボールはGKヴァルヴォディッチの手に当たり、更に右ポストに弾かれますが、それをFWエリオマールが押し込んで1点差。 更にその3分後、ハイドゥク自陣内の左サイドでDFジヴコヴィッチが不用意なパスをカットされ、FWラトコヴィッチが中央に折り返すと、ダルモピルが左隅へと正確なシュート。これで試合を振り出しに戻します。ハイドゥクはショックから抜け出せず、そのままドローに試合は終わりました。 ハイドゥクのヤルニ監督は失望感を抱きながら 「幾度もチャンスを失敗しておきながら前半2-0でリードしたのにもかかわらず、後半にこれほど酷いプレーするのは理解できない。後半は余りに多くのミスが生じた。相手に勝点1は値するだろうが、試合を重ねても我々は同じことばかり繰り返している」 とコメントしています。とはいえ、3位スラヴェン・ベルーポ、4位リエカとも敗北したため、ハイドゥクは2位をキープしています。 全試合の結果はこちら。 (試合名をクリックするとクロアチア国営放送のダイジェストが見られます) Inter Zapresic - Rijeka 2:1 1:0 24' Davor Kukec 2:0 30' Bernard Gulic (PK) 2:1 56' Nikola Safaric Medimurje - Hajduk Split 2:2 0:1 12' Nikola Kalinic 0:2 31' Florin Cernat 1:2 60' Eliomar dos Santos 2:2 67' Mario Darmopil Zadar - Cibalia Vinkovci 1:0 1:0 79' Ante Mitrovic Sibenik - Zagreb 0:2 0:1 10' Marko Kartelo 0:2 88' Marin Orsulic Osijek - Slaven Belupo 1:0 1:0 48' Karlo Primorac Varteks Varazdin - Dinamo Zagreb 1:1 0:1 30' Bosko Balaban 1:1 81' Enes Novinic 【順位】 1位…ディナモ・ザグレブ(勝点63) 2位…ハイドゥク・スプリト(44) 3位…スラヴェン・ベルーポ(43) 4位…リエカ(42) 5位…オシエク(39) 6位…ザダール(39) 7位…ザグレブ(33) 8位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(30) 9位…チバリア・ヴィンコヴチ(30) 10位…シベニク(27) 11位…インテル・ザプレシッチ(27) 12位…メヂムリエ(12) 【得点】 16ゴール…テルケシュ(ザダール)、カリニッチ(ハイドゥク) 14ゴール…ロヴレク(ザグレブ) 13ゴール…ヂャロヴィッチ(リエカ)、モドリッチ(ディナモ) 10ゴール…マルチッチ(チバリア)、バラバン(ディナモ) 9ゴール…マンジュキッチ(ディナモ)、ムムレク(ヴァルテクス)

この試合に勝てば数字上においても優勝を確定できるディナモ。3連敗は許すまじとキックオフと同時に果敢に攻撃を仕掛けます。3分にFWバラバンが左からドリブルで崩してシュートを放ったものの、GKの正面に終わりました。
それからはヴァルテクスもリズムを掴み、流れるようなサッカーを展開。6分にFWムヤノヴィッチがスペースに送ったボールにFWスムレカールがシュート。これはGKコッホが伸ばした右足に防がれます。10分にはMFブレゾヴェッツがロングシュートを放ったものの、手前でバウンドするボールをコッホは何とか弾き返しました。
それでもディナモは臆することなく、13分、MFモドリッチが左サイドをドリブルで突破しながら、最後は左足のアウトサイドでセンタリング。しかし、FWタディッチのシュートはアウトネットに留まります。
27分にはバラバンが中央からドリブルし、タディッチにラストパス。DFメルニャクをかわしてシュートするも、シュートはGKマヂャリッチの正面。
しかしながら、その3分後に拮抗が破れます。右SBに入ったディナモのミキッチが前方へ大きく蹴り出すと、ヴァルテクス守備陣が処理に躊躇。バラバン(写真右)がDFルチッチを追い越し、ボールに向かって飛び出してきたGKマヂャリッチ(写真左)をワンタッチでかわすと、そのままシュート。ディナモに先制点が生まれます。
ヴァルテクスも43分、ブレゾヴェッツのミドルシュートにGKコッホが反応に遅れ、前へと弾くと、そこにムヤノヴィッチが突進。コッホに倒された形になりましたが、コヴァチッチ主審はPKを取りませんでした。
後半頭より、ディナモは背中の怪我から不安定な守りを見せていたGKコッホを代えて、若手のケラヴァを起用。またヴァルテクスはFWをスムレカールからノヴィニッチ(写真)に交替。結果的にはこの両監督の采配が当たります。
50分、ムムレクのヘディングパスをもらったムヤノヴィッチがペナルティエリアへ侵入し、右足アウトサイドでシュートするものの、GKケラヴァが上手く飛び出してセーブ。その3分後にはムムレクの右からのFKにノヴィニッチがヘディングシュート。ボールはゴール右上を捕らえましたが、GKケラヴァが素晴らしい反応でキャッチします。
ヴァルテクスがリズムを維持する一方で、ディナモはゲームをコントロールできない苛立ちでファウルを多発。57分にFWマンジュキッチを投入し、72分にはモドリッチのスルーパスからマンジュキッチが抜けてGKと一対一となりましたが、接触の際にシミュレーションを取られます。
ヴァルテクスの努力がようやく報われたのは81分、右サイドからMFパパが左足でセンタリングを上げ、ミキッチがヘディングでクリアしたはずのボールがゴールに近いブレゾヴィッチに。ヘディングで右のスペースに走り込んだノヴィニッチへと送り、これを押し込んで同点に追いつきます。
その4分後にはディナモのDFドゥルピッチが相手選手の顔を叩いて二枚目のイエローで退場。ディナモはドローに持ち込むのが精一杯で、ヴァルテクスとの三度目の戦いも勝てずに終わりました。優勝決定は次節のインテル戦に持ち越しとなります。
現役時代は華麗さはなくとも、80年代のディナモの中盤のダイナモとして活躍したヴァルテクスのベセク監督は
「試合前の目標は勝点1を奪うことだったが、プレースタイルとしては勝点3を狙いに行った。一度の事故から失点したわけだけど、リードしたディナモ相手に追いつくのは難しいことも貴方たちは知っているだろう。それでも選手たちは力を振り絞ることに成功したんだ。選手たちを祝福するし、我々は勝点1に値した戦いをしたと考えている」
とコメントしています。
この試合を観戦したサッカー協会のスレブリッチ事務総長は
「先週、プレミアリーグのトットナムvs.ポーツマス戦を観戦したが、今日の試合のレベルはそれに引けを取らないものだった。唯一の違いはプレミアの素晴らしい雰囲気だけだ」
とその内容に褒めています。ちなみに観客は6000人とまずまずの入りでありました。
2位ハイドゥク・スプリトはアウェーで最下位のメヂュムリエと対戦しました。
13分、ロングボール一本からFWブシッチがヘディングで落とすと、FWカリニッチがそのままボールをキープしながらGKをもかわしてシュート。今季16ゴール目で得点ランクトップに並びます。
その後もハイドゥクは幾度とチャンスを作るも追加点を奪えずにいましたが、32分、GKヴァルヴォディッチのスローイングをもらったMFチェルナト(写真)がドリブルで前方へと上がり、カリニッチに当てて更にMFリニッチを経由して、再びゴール前のツェルナトに。一度はGKバノヴィッチにシュートを止められますが、跳ね返りを押し込んで2-0とスコアを広げます。
降格がほぼ決まっているメヂュムリエは前半に成す術がなかったわけですが、気が緩んだハイドゥクに後半にしっぺ返しを食らわせます。
65分、メヂュムリエはMFピンタリッチが左ポストでボールを拾って後ろへと戻すと、フリーでMFダルモピルが左足でシュート。ボールはGKヴァルヴォディッチの手に当たり、更に右ポストに弾かれますが、それをFWエリオマールが押し込んで1点差。
更にその3分後、ハイドゥク自陣内の左サイドでDFジヴコヴィッチが不用意なパスをカットされ、FWラトコヴィッチが中央に折り返すと、ダルモピルが左隅へと正確なシュート。これで試合を振り出しに戻します。ハイドゥクはショックから抜け出せず、そのままドローに試合は終わりました。
ハイドゥクのヤルニ監督は失望感を抱きながら
「幾度もチャンスを失敗しておきながら前半2-0でリードしたのにもかかわらず、後半にこれほど酷いプレーするのは理解できない。後半は余りに多くのミスが生じた。相手に勝点1は値するだろうが、試合を重ねても我々は同じことばかり繰り返している」
とコメントしています。とはいえ、3位スラヴェン・ベルーポ、4位リエカとも敗北したため、ハイドゥクは2位をキープしています。
全試合の結果はこちら。
(試合名をクリックするとクロアチア国営放送のダイジェストが見られます)


