2008年02月24日
クロアチア代表FWエドゥアルド、卑劣なタックルで重傷
既にテレビ放映やニュースでご存知だと思いますが、アーセナル所属のクロアチア代表FWエドゥアルド・ダ・シルヴァ(写真)が、24日のプレミアリーグ・対バーミンガム戦でイングランドのDFマーティン・テイラーに卑劣極まりないタックルを浴び、利き足である左足を開放骨折してしまいました。余りに酷い光景に中継していたスカイスポーツはリプレイを流さなかったほどですが、このニュースはクロアチア国内を瞬く間に流れ(民放のニュース映像)、サッカー関係者だけでなく国民も悲しみにくれている状態です。悲劇は試合が開始し、わずか2分でおきました。中央からドリブルで仕掛けるエドゥアルドをあからさまに潰すかのようにテイラーは足首に目掛けてタックル。左足首が90度折れ曲がり、骨もむき出しになるほどの重傷。もちろんのことテイラーはレッドカード。8分間試合は中断し、エドゥアルドは酸素マスクをつけたまま運ばれ、そのままバーミンガムの病院に送られました。 アーセナルの選手たちも動揺を隠せず、試合は終了間際のPKで2-2に追いつかれたわけですが、試合後、ヴェンゲル監督は 「あのような選手はレッドカードが必要なだけではない。ピッチで何をしでかすか分からないのだから。決してもうサッカーをする必要はないはずだ。長いキャリアにおいて多くの汚いものを見てきたが、あのような残虐なタックルを見たのは極稀なことだ。彼にとってはシーズンだけでなく、それ以上のものが失われてしまった。エドゥアルドは素晴らしい若者で、痛みに苦しむ彼を見たチームメイトは非常にショックを受けていた」 と、テイラーに対して怒りをぶつけました(その後は"言い過ぎた"と釈明しましたが)。 ワールドカップ後にビリッチ監督が就任して以来、エドゥアルドはクロアチア代表のエースとして予選全試合に出場し、チーム最多の10得点を挙げました。
イングランド戦やイスラエル戦を始め、彼の活躍でモノにした試合は随分とあったわけですが、エドゥアルドのユーロ絶望云々よりも、選手生命が関わるほどの重傷かという悲劇的なニュースにクロアチアのサッカー関係者は衝撃を受けています。 代表広報とお茶をしていた時に第一報を耳にしたビリッチ監督は 「たった今、私が何を言えばいいのか分からないし、何かを言うことに意味があるのかすらも分からない。エドゥアルドは私にとって息子のような存在だ。彼が良くなることが私にとって唯一重要なことなんだ。ドゥドゥ(エドゥアルドの愛称)は帰ってくる。それは間違いない。しかし、それがユーロ開幕の前だろうが後だろうが、構想からは絶対に外れてしまうだろう。とにかく怪我を治して欲しい…。今、彼に送れるメッセージは"私は君を本当に愛しているし、代表の仲間たちも心から君を支えている"ということだ。」 と言葉を選びながらコメントを残しました。 テレビ中継を見ていたアシスタントコーチのアサノヴィッチは 「タックルを見て直ぐにスラヴェン(ビリッチ)に連絡をした。ここはクロアチアにとって、クロアチアのスポーツ界にとって大きなショックだし、我々、そして選手たちにとっても大きなショックだ。今、何かを予想するのは困難だ。言えることはドゥドゥはユーロの舞台にいないということ。映像を見たところ怪我は重いし、復帰にどれぐらいかかるのかを口にするのは難しい。長いのだけは確かなことだ。残念ながら代表チームの大事な鎖の一つを私たちは失ってしまったのだよ。しかしまず何より、彼がなるべく早くサッカーに戻り、また良いプレーをしてくれることを私たちは願っているんだ」 同じくビリッチのアシスタントを務めるプロシネチュキは 「我々全員がショックだ。それ以外、何を言えばいいんだね。スタッフ全体もショックを受けているし、我々だけでなく国家全体がショックを受けている。キャリアそのものを破壊させるようなことが起こりえるのも、この職業のリスクだ。しかし、今回起きてしまったことには我々全員が悲しんでいる。 代表のFWのポジションに誰が代わりとして来ても大変だよ。なぜならドゥドゥは絶好調だったからね。ただし我々の幸運は、他のFWの選手たちも調子がいいので、代わりの適任者は見つけられるだろう。とはいえ、最も重要なことは彼が回復することだ」 また、ご意見番でもあるブラジェヴィッチ(現NKザグレブ監督)は 「恐ろしいことだ。私は心を落ち着かせるために薬を飲まなければならないほどだった。本当に言葉を失った。これは大きな悲劇だよ。誰が代表で彼の代わりになるか、なんて今の私には関心はない。たとえ、それが国家的な関心事だとしても、今はこの悲劇にショックを受けている。ビリッチは間違いなく代わりを見つけるだろうが、時間は必要だろう。 エドゥアルドが間違いなく戻れるほど、今日の医学は進歩している。彼も以前に困難な怪我を克服して帰ってきた(2001年に踵の骨と筋肉を負傷)。彼が戻ってくることには疑いはない。しかし、これは大きなショックだ」 とコメントを残しています。 エドゥアルドのチームメイトも同様に悲しみに暮れています。
ディナモでも代表でもチームメイトだったチョルルカ(マンチェスター・シティ)は 「トレーニングから帰ってくると、ペトロフが電話でエドゥアルドに酷いことが起こったと連絡をくれた。脅えながらも直ぐにインターネットで写真を見ると、僕は完全にショックを受けた。ドゥドゥがユーロに出られないことは大して重要ではない。このような怪我から回復し、いつかは再びプレーすることだけが重要なんだ。僕たち代表のチームメイト全員が彼の健康のために祈っている。あのディフェンダーのタックルには酷く失望しているよ。あれはサッカーと関係ない。あのような輩にはピッチに立つ場所などないはずだ。エドゥアルドは人生で知り合った人の中で最も好青年だし、一つの欠点もない人間なのに」 ディナモ・ユースで一緒に育ったクラニチャール(ポーツマス)はワールドカップ以来、クロアチア・メディアへ貫き通した取材拒否を忘れて口を開き、 「彼に起こったこと全てが僕には気の毒でならない。ジュニアの時からディナモ、そして代表で友情を温め、一緒の道を進んできた。怪我が起きてから数分後、スルナが僕に電話をしてきたが、スルナも電話口で喋ることができなかった。テイラーの残忍なタックルには誰もが衝撃を受けているんだよ。まだショックだろうから明日に連絡することはないけど、2,3日したらロンドンの彼を訪れるつもりだ。全員が彼と一緒だし、全員が彼を支えているんだ」 代表でツートップを組んだペトリッチ(ボルシア・ドルトムント)は 「言葉にできないよ。ハンザ・ロシュトクとの試合前に重い怪我をしたと聞いたが、試合後にどれだけのものか知ることになった。まだ写真は見てないが、誰もが恐ろしいものだと言っている。ショックだね。エドゥアルドのような良い人間にあのようなことが起こるなんて酷すぎるよ。あんな怪我は誰に対しても望まないし、最悪な相手にだって望まない。しかし、なぜエドゥアルドに? どんな怪我にしろ、戻ってくるのは難しい。僕もそうだった。再び一対一になったり、ボールを受けた時には、選手には怪我の前と同じではないんだよ。エドゥアルドには表現しようのない痛みが間違いなくあっただろう。長い時間が掛かるが、戻ってくることがまず重要だ」 と述べています。 また午後5時からディナモ・ザグレブvs.ヴァルテクス・ヴァラジディンの試合があったのですが、昨シーズンまでエドゥアルドと一緒にプレーしていたディナモの選手たちもショックからか覇気がなく、試合も1-2で敗れてしまいました。試合後にコメントを求められたヴコイェヴィッチは 「お願いだから、私に何も聞かないでくれ」 と眼に涙を貯め、 「僕の人生で最も悲しい日の一つだ。僕の大親友であるエドゥアルドが怪我したあと、試合にも負けてしまった。これより最悪なことがありえるのかい」 声を振り絞って悲しいコメントを残しています。 試合同日、バーミンガムの病院でエドゥアルドには長時間に渡る手術が施され、最新の情報だと幸運なことに手術は成功。メスを入れたのはイングランド代表のドクターも務める外科医で、これまで似たようなケースの手術を経験していたそうです。骨折箇所は外側の腓骨だけで、内部の骨まではいたらず。もし内部まで損傷していたならば選手生命が終わる可能性が十分にありました。とはいえ、ギプスを付けるのは6週間、治るまでには5~6ヶ月と見られています。日曜の昼までバーミンガムの病院に留まり、それからロンドンの病院へと移される予定です。
エドゥアルドとは私がザグレブに来た2001年以来よく知っていますが、控えめながらもフレンドリーな好青年です。ワールドカップ・ドイツ大会では最後に代表を外され、続くユーロでは怪我で棒に振ってしまうことに悲しさと悔しさでいっぱいです。 ブラジル人でありながらもクロアチアに同化し、ここでは"同胞"としてクロアチア国民の誇りとなってきました。皮肉にも明日がエドゥアルドの25歳の誕生日でありますが、愛すべき彼の下にはお祝いと共に多くの励ましが届くことでしょう。まずは怪我をしっかり完治して、献身的なプレーと華麗なゴールを再び見せて欲しいです。 「Drzi se, DUDU! (頑張れ、ドゥドゥ!)」

悲劇は試合が開始し、わずか2分でおきました。中央からドリブルで仕掛けるエドゥアルドをあからさまに潰すかのようにテイラーは足首に目掛けてタックル。左足首が90度折れ曲がり、骨もむき出しになるほどの重傷。もちろんのことテイラーはレッドカード。8分間試合は中断し、エドゥアルドは酸素マスクをつけたまま運ばれ、そのままバーミンガムの病院に送られました。
アーセナルの選手たちも動揺を隠せず、試合は終了間際のPKで2-2に追いつかれたわけですが、試合後、ヴェンゲル監督は
「あのような選手はレッドカードが必要なだけではない。ピッチで何をしでかすか分からないのだから。決してもうサッカーをする必要はないはずだ。長いキャリアにおいて多くの汚いものを見てきたが、あのような残虐なタックルを見たのは極稀なことだ。彼にとってはシーズンだけでなく、それ以上のものが失われてしまった。エドゥアルドは素晴らしい若者で、痛みに苦しむ彼を見たチームメイトは非常にショックを受けていた」
と、テイラーに対して怒りをぶつけました(その後は"言い過ぎた"と釈明しましたが)。
ワールドカップ後にビリッチ監督が就任して以来、エドゥアルドはクロアチア代表のエースとして予選全試合に出場し、チーム最多の10得点を挙げました。
イングランド戦やイスラエル戦を始め、彼の活躍でモノにした試合は随分とあったわけですが、エドゥアルドのユーロ絶望云々よりも、選手生命が関わるほどの重傷かという悲劇的なニュースにクロアチアのサッカー関係者は衝撃を受けています。
代表広報とお茶をしていた時に第一報を耳にしたビリッチ監督は
「たった今、私が何を言えばいいのか分からないし、何かを言うことに意味があるのかすらも分からない。エドゥアルドは私にとって息子のような存在だ。彼が良くなることが私にとって唯一重要なことなんだ。ドゥドゥ(エドゥアルドの愛称)は帰ってくる。それは間違いない。しかし、それがユーロ開幕の前だろうが後だろうが、構想からは絶対に外れてしまうだろう。とにかく怪我を治して欲しい…。今、彼に送れるメッセージは"私は君を本当に愛しているし、代表の仲間たちも心から君を支えている"ということだ。」
と言葉を選びながらコメントを残しました。
テレビ中継を見ていたアシスタントコーチのアサノヴィッチは
「タックルを見て直ぐにスラヴェン(ビリッチ)に連絡をした。ここはクロアチアにとって、クロアチアのスポーツ界にとって大きなショックだし、我々、そして選手たちにとっても大きなショックだ。今、何かを予想するのは困難だ。言えることはドゥドゥはユーロの舞台にいないということ。映像を見たところ怪我は重いし、復帰にどれぐらいかかるのかを口にするのは難しい。長いのだけは確かなことだ。残念ながら代表チームの大事な鎖の一つを私たちは失ってしまったのだよ。しかしまず何より、彼がなるべく早くサッカーに戻り、また良いプレーをしてくれることを私たちは願っているんだ」
同じくビリッチのアシスタントを務めるプロシネチュキは
「我々全員がショックだ。それ以外、何を言えばいいんだね。スタッフ全体もショックを受けているし、我々だけでなく国家全体がショックを受けている。キャリアそのものを破壊させるようなことが起こりえるのも、この職業のリスクだ。しかし、今回起きてしまったことには我々全員が悲しんでいる。
代表のFWのポジションに誰が代わりとして来ても大変だよ。なぜならドゥドゥは絶好調だったからね。ただし我々の幸運は、他のFWの選手たちも調子がいいので、代わりの適任者は見つけられるだろう。とはいえ、最も重要なことは彼が回復することだ」
また、ご意見番でもあるブラジェヴィッチ(現NKザグレブ監督)は
「恐ろしいことだ。私は心を落ち着かせるために薬を飲まなければならないほどだった。本当に言葉を失った。これは大きな悲劇だよ。誰が代表で彼の代わりになるか、なんて今の私には関心はない。たとえ、それが国家的な関心事だとしても、今はこの悲劇にショックを受けている。ビリッチは間違いなく代わりを見つけるだろうが、時間は必要だろう。
エドゥアルドが間違いなく戻れるほど、今日の医学は進歩している。彼も以前に困難な怪我を克服して帰ってきた(2001年に踵の骨と筋肉を負傷)。彼が戻ってくることには疑いはない。しかし、これは大きなショックだ」
とコメントを残しています。
エドゥアルドのチームメイトも同様に悲しみに暮れています。
ディナモでも代表でもチームメイトだったチョルルカ(マンチェスター・シティ)は
「トレーニングから帰ってくると、ペトロフが電話でエドゥアルドに酷いことが起こったと連絡をくれた。脅えながらも直ぐにインターネットで写真を見ると、僕は完全にショックを受けた。ドゥドゥがユーロに出られないことは大して重要ではない。このような怪我から回復し、いつかは再びプレーすることだけが重要なんだ。僕たち代表のチームメイト全員が彼の健康のために祈っている。あのディフェンダーのタックルには酷く失望しているよ。あれはサッカーと関係ない。あのような輩にはピッチに立つ場所などないはずだ。エドゥアルドは人生で知り合った人の中で最も好青年だし、一つの欠点もない人間なのに」
ディナモ・ユースで一緒に育ったクラニチャール(ポーツマス)はワールドカップ以来、クロアチア・メディアへ貫き通した取材拒否を忘れて口を開き、
「彼に起こったこと全てが僕には気の毒でならない。ジュニアの時からディナモ、そして代表で友情を温め、一緒の道を進んできた。怪我が起きてから数分後、スルナが僕に電話をしてきたが、スルナも電話口で喋ることができなかった。テイラーの残忍なタックルには誰もが衝撃を受けているんだよ。まだショックだろうから明日に連絡することはないけど、2,3日したらロンドンの彼を訪れるつもりだ。全員が彼と一緒だし、全員が彼を支えているんだ」
代表でツートップを組んだペトリッチ(ボルシア・ドルトムント)は
「言葉にできないよ。ハンザ・ロシュトクとの試合前に重い怪我をしたと聞いたが、試合後にどれだけのものか知ることになった。まだ写真は見てないが、誰もが恐ろしいものだと言っている。ショックだね。エドゥアルドのような良い人間にあのようなことが起こるなんて酷すぎるよ。あんな怪我は誰に対しても望まないし、最悪な相手にだって望まない。しかし、なぜエドゥアルドに?
どんな怪我にしろ、戻ってくるのは難しい。僕もそうだった。再び一対一になったり、ボールを受けた時には、選手には怪我の前と同じではないんだよ。エドゥアルドには表現しようのない痛みが間違いなくあっただろう。長い時間が掛かるが、戻ってくることがまず重要だ」
と述べています。
また午後5時からディナモ・ザグレブvs.ヴァルテクス・ヴァラジディンの試合があったのですが、昨シーズンまでエドゥアルドと一緒にプレーしていたディナモの選手たちもショックからか覇気がなく、試合も1-2で敗れてしまいました。試合後にコメントを求められたヴコイェヴィッチは
「お願いだから、私に何も聞かないでくれ」
と眼に涙を貯め、
「僕の人生で最も悲しい日の一つだ。僕の大親友であるエドゥアルドが怪我したあと、試合にも負けてしまった。これより最悪なことがありえるのかい」
声を振り絞って悲しいコメントを残しています。
試合同日、バーミンガムの病院でエドゥアルドには長時間に渡る手術が施され、最新の情報だと幸運なことに手術は成功。メスを入れたのはイングランド代表のドクターも務める外科医で、これまで似たようなケースの手術を経験していたそうです。骨折箇所は外側の腓骨だけで、内部の骨まではいたらず。もし内部まで損傷していたならば選手生命が終わる可能性が十分にありました。とはいえ、ギプスを付けるのは6週間、治るまでには5~6ヶ月と見られています。日曜の昼までバーミンガムの病院に留まり、それからロンドンの病院へと移される予定です。
エドゥアルドとは私がザグレブに来た2001年以来よく知っていますが、控えめながらもフレンドリーな好青年です。ワールドカップ・ドイツ大会では最後に代表を外され、続くユーロでは怪我で棒に振ってしまうことに悲しさと悔しさでいっぱいです。
ブラジル人でありながらもクロアチアに同化し、ここでは"同胞"としてクロアチア国民の誇りとなってきました。皮肉にも明日がエドゥアルドの25歳の誕生日でありますが、愛すべき彼の下にはお祝いと共に多くの励ましが届くことでしょう。まずは怪我をしっかり完治して、献身的なプレーと華麗なゴールを再び見せて欲しいです。
「Drzi se, DUDU! (頑張れ、ドゥドゥ!)」

