2008年02月13日

クロアチア国外滞在記

一ヶ月半の日本滞在を経て、ザグレブへと戻ってきました。毎年、日本には冬の時期に帰国しています。理由はクロアチア・リーグがお休みなのと、観光や通訳の仕事も閑散期に当たるからです。とはいえ、クロアチア・サッカーとは遮断されるわけではなく、簡単にネットで情報が入り、かつ映像が見られる時代。おかげで日本滞在時にもニュースを継続できたわけですが、それとは別に今回の帰国は何かとサッカーに縁のあるものになりました。

マミッチ昨年12月末、ザグレブを発ち、経由地のロンドンへと飛んだのですが、この便でディナモのマミッチ兄弟と一緒になりました。ザグレブ空港での搭乗口にて太い声で呼びかけられて振り向くと、そこにはディナモの副会長ズドラヴコ・マミッチ(写真)と、その弟でスポーツ・ディレクターのゾラン・マミッチが立っていました。
クロアチア・サッカーの支配者といってもいいズドラヴコ・マミッチですが、2003年にインタビューをして以来の知人です。きってのトラブルメーカーとしてメディアの寵児となり、コワモテとして知られる彼。ところが、なぜか私にはフレンドリーで、ワールドカップ絡みのディナモ取材で行き詰った時は彼の権力に助けられたものです。ゾランに関していえば、2002年にクロアチアテレビのワールドカップ特番にお互いゲスト出演した際に知り合いました。
今回はモドリッチの移籍交渉でプレミアのクラブを渡り歩くということで、どこのクラブと交渉するのかなどを聞かせてくれました。この時は売却の方向性だっただけに、その後の展開には驚かされたわけですが…。
ヒースロー空港到着後は一緒に市内までタクシーで送ってくれる話もあったものの、チェルシーvs.バーミンガムの試合に急いで向かわねばならない分、丁重にお断りすることに。ディナモのエンブレムを手製で縫い付けたダウンコートを私は着ており、「そんなのを着るのだったらオリジナルをプレゼントするぞ」との言葉を信じ、再会を約束してお別れしました。

チェルシーvs.バーミンガム経由地となるロンドンでは2泊しました。私にとっては初めてのイギリス訪問です。プレミアのチケットは高騰しているとは知っていたとはいえ、ネットで取れた最も安いチケットが定価で50ポンド(約1万3000円)。スタンフォード・ブリッジの到着はギリギリとなり、キックオフから1分経過したところで席につきました。
結果から先にいえば、両者打ち合いとなって4-4のドロー。昨季はチェルシーで苦渋を味わったシェフチェンコとバラックの活躍があったわけですが、GKチェフのミスも含め、両者のディフェンスのレベルがそう高くない印象を抱きました。その一方でプレミアの雰囲気は独特なもので、クロアチアと違うサッカー文化を楽しませてもらいました。商業主義臭さは否めませんが…。
その後はロンドンの有名な観光名所に加え、昨年のイングランドvs.クロアチア戦の会場となったウェンブリー、エドゥアルドがプレーするアーセナルの新本拠地エミレーツ、また解体中のハイバリーなどを散策してきました。

1月30日には親善試合「日本vs.ボスニア・ヘルツェゴビナ」を観戦しました。
日本vs.ボスニア国際Aマッチデイではない日のマッチメイクのため、召集が届いたボスニア・ヘルツェゴビナの選手の実に30人近くが所属クラブによって参加拒否。何とか寄せ集めた三軍同然のボスニア・ヘルツェゴビナ相手ということで、テストマッチとしては物足りないものでした。日本は3-0と快勝したわけですが、岡田監督になってオシム色が消えていく現実には寂しさを覚えました。
後日、そのオシムともお会いする機会がありました。彼の手記「日本人よ!」(新潮社)を翻訳した関係で昨年は幾度と話をしたのですが、脳梗塞で倒れる、とのニュースを聞いてショックを受けたものです。本人そして周囲の方々の努力の甲斐もあって、ご存知の通り、公の場にまで姿を現すまでになりました。
挨拶するや否や「おお、スロベニア人」とジョークをかまされ、テーブルで隣に座ると「最近のハイドゥクのどうだ?」「モドリッチのプレーぶりは?」などとクロアチアのサッカー事情を色々と質問されました。相変わらずのサッカー人ぶりで嬉しかったです。別れ際に握手をすると、ニヤリと「じゃあな、ヤネズ(スロベニア人の一般的な名前)」と再びジョークをかましてくれました。

2月6日にスプリトで行われた親善試合「クロアチアvs.オランダ」戦は、試合が決まる以前に航空券を手配していたために現地観戦は不可能でしたが、WOWOWの生放送において資料制作に関わりました。試合は当局の放送センターで観戦したものの、結果はニュースで書いたように0-3でクロアチアが惨敗。私も楽観視していただけに、結果には幾ばくの失望感を感じました。まだ本大会まで日数があるだけに、ビリッチの修正能力に期待したいところです。

そして11日、成田からザグレブへ。ロンドン便のゲートの横がグァム便だったわけですが、ちょうど浦和レッズのチーム一向がキャンプに向かうところでした。コンコースでジャージ姿のエンゲルスを見た時にアレッと思ったのですが、出国審査を終えた選手が次々と登場。搭乗の際には近くの旅行者たちにフラッシュを炊かれていました。
私が乗るロンドン便の機内プログラムにサッカー番組を見つけ、中身はアーセナルとトットナムのほかに、ディナモ・ザグレブとハイドゥク・スプリトのライバル関係をテーマにしたレポルタージュでありました。馴染みのサッカー関係者(ボバン、ビリッチ、モドリッチ、シュリャク…)が登場し、昨年に私も撮影取材したダービーマッチの映像も出てきて、英語は苦手とはいえ食い入るように見ました。こんなところでクロアチア・サッカーと遭遇するのも何かの縁なのでしょうね。

クロアチアを離れても何かとサッカーと縁のあった一ヶ月半でしたが、私のフィールドであるクロアチアへとまた戻ってきました。初めての訪問から11年、そして滞在は今年でもう8年目となります。他の仕事との兼ね合いもあるのですが、スタジアムには極力足を運び、現地から写真と共にクロアチア・サッカーの情報ならびに魅力をお伝えしようと思います。今後もどうぞ宜しくお願いします。


posted by 長束恭行 |05:54 | サッカーコラム | コメント(3) |
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