2008年05月07日
5月5日、欧州選手権(ユーロ)に向けたクロアチア代表メンバーが発表されました。
本大会は23名まで登録できるわけですが、代表候補として事前にリストを広げることはせず、スラヴェン・ビリッチ監督はあくまで23名だけを発表し、将来性を見込んで代表チームに随行する若手2名を加えた計25名の名前を挙げました。
予選では基本的に固定メンバーを召集してきたビリッチですが、常に呼ばれながらもチャンスを活かせなかったMFヴラニェシュ(ブレーメン)、MF/DFバビッチ(べディス)、FWバラバン(ディナモ)を外した一方で、一度も代表でプレーしていないFWカリニッチ(ハイドゥク)、MFポリヴァチュ(モナコ)を選出しました。また随行の若手としてはDFパミッチ(レッドブル・ザルツブルク)、またU-21代表でラディッチ監督と対立したMFシャルビーニ(リエカ)が選出されました。
メンバーは以下になります。
GK:
スティペ・プレティコサ (スパルタク・モスクワ/ロシア)
ヴェドラン・ルニェ (ランス/フランス)
マリオ・ガリノヴィッチ (パナシナイコス/ギリシャ)
DF:
ダリオ・シミッチ (ACミラン/イタリア)
ロベルト・コヴァチ (ボルシア・ドルトムント/ドイツ)
ヨシップ・シムニッチ (ヘルタ・ベルリン/ドイツ)
ヴェドラン・チョルルカ (マンチェスター・シティ/イングランド)
ダリオ・クネジェヴィッチ (リボルノ/イタリア)
フルヴェイエ・ヴェイッチ (トムスク/ロシア)
MF:
ニコ・コヴァチ (レッドブル・ザルツブルク/オーストリア)
ダリヨ・スルナ (シャフタール・ドネツク/ウクライナ)
ニコ・クラニチャール (ポーツマス/イングランド)
イェルコ・レコ (モナコ/フランス)
ルカ・モドリッチ (ディナモ・ザグレブ/クロアチア)
ダニエル・プラニッチ (ヘーレンフェーン/オランダ)
イヴァン・ラキティッチ (シャルケ04/ドイツ)
オグニェン・ヴコイェヴィッチ(ディナモ・ザグレブ/クロアチア)
ニコラ・ポクリヴァチュ (モナコ/フランス)
FW:
ムラデン・ペトリッチ (ボルシア・ドルトムント/ドイツ)
イヴィツァ・オリッチ (ハンブルガーSV/ドイツ)
イヴァン・クラスニッチ (ヴェルダー・ブレーメン/ドイツ)
イゴール・ブダン (パルマ/イタリア)
ニコラ・カリニッチ (ハイドゥク・スプリト/クロアチア)
随行メンバー:
DFイゴール・パミッチ (レッドブル・ザルツブルク/オーストリア)
MFアナス・シャルビーニ (リエカ/クロアチア)
代表発表記者会見でビリッチ監督(写真)は以下のように質問に答えています。
-ポクリヴァチュを選んだのは?
「なぜポクリヴァチュで、ヴラニェシュではないか? なぜなら、ニコラ(ポクリヴァチュ)は左サイドバックもカバーできるからだ。アリョーシャ(アサノヴィッチ・コーチ)と私はU-21代表から彼のことを知っており、モナコではユルチェヴィッチ(コーチ)とアリョーシャが視察してきた。私もモナコには足を運んだ。彼は中盤で素晴らしく適応しているんだ。」
-カリニッチは?
「ドゥドゥ(エドゥアルド)の不幸のあと、バラバン、マンジュキッチ(ディナモ)、カリニッチの三人の中から一人を選ばねばならなかった。カリニッチを選んだのは、そのメンバーの中では最も必要な選手だと判断したからだ。」
-落選したバビッチ、ヴラニェシュ、バラバン、DFドゥルピッチ(ディナモ)、FWマンジュキッチらについては?
「この二日間、私は彼ら全員と電話で話し合った。メンバーに選ばなかった理由を説明し、今後も戦力として考え続けていることを示したんだ。それは当たり前のことであり、不愉快なテーマだが話し合いの感じは良かった。彼らが失望し、怒ることは私にとっても明らかだよ。私が彼らの立場であっても同じ気持ちになったはずだからね。もし可能ならば、彼らにはシーズン終了後も気を抜くことなく、休暇も行かずに待って欲しいともお願いをした。急に誰かが怪我などをして、チームに呼ぶ可能性だってあるのだから。
彼らはこれまで私たちと一緒だったし、本大会に行けたのならば大満足だっただろう。しかしながら数には制限があるんだよ。我々にはシステムに関しては三つのバリエーション(4-4-2, 4-2-3-1, 4-3-3)があるが、全てのポジションがしっかりカバーできるようメンバーを選出したかったんだ。」
-随行メンバーのパミッチとシャルビーニは?
「クロアチアは若いサイドプレイヤーがなかなか育っていなかったが、パミッチはリエカ、そしてザルツブルクで高いレベルのプレーしていたし、利用価値のある選手であることを証明した。
シャルビーニは将来性を買っての選出ではなく、むしろ彼は直ぐにチームに必要となるだろう。今回の選出には色々な反応が起こることは分かっている。彼の代理人(ウガルコヴィッチ氏)が私の友人だから、と疑いをかける人もいるはずだ。しかし、代理業はあくまで仕事の一つだ…。シャルビーニの長所と短所を秤にかけた時、長所の方が上回っていた。もちろん、U-21代表での事件から逃げるわけにはいかない。規律委員会は彼への罰金を10000クーナから8000クーナ(約180万円)へと下げたわけだが、彼はそれを払うことになろう。罰金の一部分は私や私のスタッフ、またU-21代表監督のラディッチも補助することになるだろうから、決して似たような真似を彼がしでかすことはないだろう。」
-DF/MFエトー(ディナモ)とDFクリジャナッツ(ゼニト・サンクトブルク)が選ばれなかったことは?
「エトーはクロアチアのパスポートを手にするまでは、我々のプランの中にあった。しかし、幾らか彼は落ちてしまった。本物のクラブ、例えばオファーの噂があるヘルタ・ベルリンに移籍したならば興味深い選手となるだろうし、秋には呼ぶことになるだろう。
クリジャナッツはゼニトでの活躍でUEFAカップのファイナリトにもなったことで、新聞が持てはやしていた。日曜日の夜に私は彼に電話を入れ、一時間半に渡って話をしたのさ。これまで決して話し合いをしたこともないし、会ったこともなかった選手だ。2006年8月のインタビューが引き起こした全てに関して、またなぜ当時はメンバーに選ばなかったかを私は説明をした。あの批判は私に対してでもなく、私のチームに対してのものでもなかった。クリジャナッツが厳しい言葉で他の選手たちに矛先を向けたことが私たちにとっては厄介だったんだよ。けれども、初めての彼との話し合いは非常に良いものだった。若いディフェンダーの中でエクストラなタレントがいないのが事実だし、いずれは誰かベテランもチームから外れる。彼は比較的若い方だし、チームでレギュラーを維持するようならば、代表の門は開かれているよ。」
-FWルカビナ(ハイドゥク)が選ばれなかったことは?
「調子は上がっているが、余りにも長く停滞してしまっていた。けれども、毎日進歩はしている。将来的にはMFトマソフ(ザダール)、GKスバシッチ(ザダール)らと共に期待をしている。」
またこの記者会見では、ビリッチ監督とチームスタッフが新たに契約を2年延長しています。ビリッチには様々な西欧のクラブが巨額なオファーを送ってきたわけですが、結局は月給10万クーナ(約225万円)という世界的に見れば薄給にてクロアチア代表監督を続けることになります。またこれまで監督の資格がないということで無給で働いていたロベルト・プロシネチュキも、ビリッチの後ろ盾もあってサッカー協会と報酬契約を結んでおります。
posted by 長束恭行 |21:45 |
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2008年04月29日
ディナモ・ザグレブのMFルカ・モドリッチがメディカル・チェックを終えて、昨日、正式にトッテナム・ホットスパーと6年契約にサインしました。ただし、今季いっぱいはディナモでプレーし、ハイドゥクとのカップ戦制覇で花道を飾る考えです。トッテナムでの週給は5万ユーロとされ、わずか二週間でディナモでの年俸を稼ぐことになります。ちなみに背番号はクロアチア代表と同じ「14」となっています。
ディナモ所属のドイツ人GKゲオルグ・コッホ(写真)が背中の状態が思わしくなく。今季限りで引退をすることを、スポーツ・ディレクターのゾラン・マミッチが明らかにしています。
今季ディナモに加入した36歳のコッホは常にディフェンス陣を怒鳴り散らすほどの闘争心と数々のスーパーセーブを見せ、わずか一年でサポーターの心を掴みました。しかし、背中の痛みが取れず、後半はミドルシュートをあっさりと決められるシーンが目立ちました。
ディナモは若いケラヴァとロンチャリッチしかGKがおらず、経験豊かな選手の獲得が急がれることになります。第一候補としてはパナシナイコス所属の代表GKガリノヴィッチの名前が挙がっています。
29日、ベジクタシュのディレクター、エンギン氏がザグレブを訪れ、この冬にディナモから獲得したDFゴルドン・シルデンフェルドの返却に関して話し合いをしています。当初はディノ・ドゥルピッチを獲得をするはずが、かつての不祥事がトルコ・メディアに暴かれて変更(ハイドゥクのサポーターに向けて尻を出した事件)。それからシルデンフェルドを200万ユーロで獲得しました。
ベジクタシュでレギュラーとしてプレーしたシルデンフェルドでしたが、右眼の視界がいきなり失われる原因不明の病気に数日襲われてしまい、その後は復帰したとはいえ、ベジクタシュはディナモに返却を要求することになりました。オプションとしてイゴール・ビシュチャンを金銭をプラスして彼と交換できないか希望しているようです。
また先週土曜日の第31節の結果は、水曜日に行われる第27節(延期分)と合わせてレポートします。
posted by 長束恭行 |23:58 |
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2008年04月23日
ユーロ本大会が近づき、国内はクロアチア代表を起用した広告が増えてきました。
今日はそんな特集をしてみましょう。
ビール好きのクロアチア人にとって、長くメインスポンサーとなっているのが「Ozujsko Pivo」(オジュイスコ・ピーヴォ)。日本にとっては「キリン」みたいなものでして、かつてはクロアチア・リーグの冠スポンサーにもなっていました。彼らのユーロ・バージョンのCMはこれです(中央の動画をクリック)。
ちなみに最近は選手が入ったラベルも登場(写真)。500ml瓶にはクラニチャール(左)、1lペットボトルにはモドリッチ(右)が起用されています。
ちなみにオジュイスコのライバルメーカーは「Karlovacko」(カルロヴァチュコ)。彼らはクロアチア・サッカー協会とスポンサー契約を結んでおらず選手起用はできないのですが、大きな大会が近づくと毎回コミカルなサッカーCMを作成します。二年前には日本人にクロアチア国歌を間違えながら懸命に歌うというCMを作り、インパクトは高く、評判は良かったとはいえ、一部の苦情を受けて国営放送が直ぐに放映中止した、なんてこともありました。しかし、しっかりYoutubeには上がっており、ここで見ることができます。ちなみに熱唱しているのは当時の日本人留学生だと聞いています。日本人が少ない国だけに私に声が掛かる可能性は十分あったのですが、彼ほど役にはハマりきれません(苦笑) ナイスキャストだったと思います。
昨年からスポンサーになったのはオシエクの石鹸会社「SAPANIA」(サポニア)。今年2月6日にスプリトで行われたオランダとの親善試合の前に、選手たちを起用してスプリト旧市街に近い広場でCMを撮影しました。場所がスプリトだけに、ハイドゥクでプレーしたスルナやプレティコサがいい役をもらっています(ここからダウンロードが可能)。
しかし、オランダとの試合は0-3で完敗。ビリッチ監督はスポンサーのCM撮影が選手の調整の邪魔になっていると苦言を呈しました。
それにもかかわらず、一ヶ月半後に行われたグラスゴーでのスコットランド戦を前にサッカー協会がやらかしてしまいます。3月25日の記事にも書いていますので引用すると
しかし、そのビリッチを欺くかのような問題が発生しています。クロアチア代表一行は24日、スコットランドとの親善試合が行われるグラスゴーに入りました。しかし、代表スポンサーのCM撮影のため、モドリッチ、ペトリッチ、チョルルカ、ヴコイェヴィッチ、シミッチらが他のチームメイトより長くザグレブに居残ることになり、また飛行機の遅れもあってグラスゴーでの合同練習に参加できず。他にも合流遅れや怪我もあって、合同練習に参加したのはわずか6人。これにはビリッチ代表監督もおかんむりで、
「オランダ戦の前にもスポンサーのせいで時間が割かれ、我々が罰せられることになった。そして今回もまただ。ここへは練習と試合をするためにやってきたんだ。子供にセルティックのジャージを買うためにスコットランドにいるんじゃないんだよ! 我々からは欧州王者を要求している割には、アンドラのレベルでしか機能していない」
とバッサリと協会批判をしています。
そこまでして撮影されたCMは、昨年からスポンサーとなったクロアチア最大のマーケットチェーンの「KONZUM」(コンズム)社。つい最近からテレビでも放送されるようになりました。このCMのツボは左足にギブスをつけながらテレビの前で応援するエドゥアルド。上の二つのCMでも主役級をもらっていたエドゥアルドですが、いずれも骨折事故の前に撮影されたものでした。ですので、このCMが最新だと分かってもらえるでしょう。
スポンサー広告による活動の制約に文句を言うビリッチ監督も、会社にとっては広告に是非欲しい存在。例えば、最近は「CONVERSE」の看板広告に彼が起用されるようになりました(左から二番目がビリッチ監督)。
ユーロのメインスポンサーである「MASTERCARD」の広告には、アサノヴィッチ、プロシネチュキ、ユルチェヴィッチといったコーチ陣と共にビリッチ監督が戦術盤を前にサポーターを指示しています(写真)。そして定番の文句といいますと…
「俺たちの仲間と一緒に過ごす時間-プライスレス」
さらにRawbauというプロのメタルバンドでギタリストを務めているビリッチ監督は、自ら作詞・作曲したというサポーターソング「Vatreno ludilo」(炎の狂気)を発表。19日には故郷スプリトでMTVを撮影しました。それを報じるニュースはこちら(その1、その2)。またこちらは上から一般人が撮影した映像です。
ビリッチの友人であり、サッカー協会の広報担当を務めるダヴォール・ガヴラン氏もプロのロッカーだったりするので、音楽活動には理解を示しているのかもしれません(笑)
クロアチア・サッカー協会とスポンサー契約を結ぶ会社は実に19社。これは増加傾向にあり、ここでは紹介し切れなかった広告もあります。階段でモドリッチとニコ・コヴァチに応援用の太鼓を運ばせたり、アイスクリームを食べるモドリッチに子供が色々とねだったり、と何でもござれ。この企画、好評ならばいずれ第二弾もやりたいものです。
posted by 長束恭行 |00:20 |
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