2008年07月30日
ディナモ、ハイドゥク揃って苦しみがらの勝利スタート/クロアチア・リーグ2008/09開幕戦
7月27日、クロアチア・リーグ2008/09シーズンが開幕し、第一節が行われました。 その他のニュースをまとめるのに時間が掛かったため報告が遅れましたが、今季もディナモとハイドゥクの戦いを中心にレポートしていきます。 レギュレーションは三年ぶりにプレーオフ・プレーアウト制が復活すると言われていたのにもかかわらず、開幕が近づいてから昨シーズン同様に三回戦総当りになることが最終決定しました。また観客増加を図るため、今季は全試合が日曜日に行われることになり、照明塔のないスタジアムは使用不可に。よって今節はクロアチア史上初めて、全試合がナイターで行われています。 三連覇中のディナモ・ザグレブは昨季4位のリエカと対戦。奇しくも昨シーズンの最終カードと同じで、その際には6-1とディナモが圧勝しています。 フルゴヴィッチ獲得に反発するBBB(ディナモ・サポーター)の過激な行動を重く見て、一時はディナモのマミッチ副会長によって無観客試合になる可能性もあったわけですが、最終的には有料試合として開催が決定(当初は無料試合だった)。6000人ほどの観客がマクシミール・スタディオンに訪れました。旅行から戻って滑り込みとなりましたが、私もこの試合を撮影取材して来ました。 2006年から2007年にかけてディナモのリーグ28連勝という記録を打ちたてた「プロフェッサー」ことブランコ・イヴァンコヴィッチが監督のポストに戻りました。トットナム・ホットスパーに売却したMFモドリッチを失ったことで、どのようなチーム作りをするかが気になりますが、チャンピオンズ・リーグ予備戦・対リンフィールド戦を見る限りではまだまだ模索状態といったところ。 BBBの反発は承知の上で新加入のフルゴヴィッチを左SBに先発起用し、また昨シーズンは3部ロコモティーバでレンタルさせ、リンフィールド戦で活躍した攻撃MFバデリをボランチとして先発起用しました。マンジュキッチがサスペンションのため、タディッチがトップ下に。鳴り物入りで入団したチリ代表「10番」のモラレス(写真)は左MFに入りました。4-2-3-1システムの信奉者であるイヴァンコヴィッチは以下のスタメンを敷いてきました。 GKブティナ-(右から)エトー、ドゥルピッチ、ビシュチャン、フルゴヴィッチ-MFヴルドリャク、バデリ-ミキッチ、タディッチ、モラレス-FWバラバン 一方のリエカは、前監督のダリッチがディナモ・ティラナへと去り、FWヂャロヴィッチを始め、次々と主力が退団していく中、アシスタントのポジションから指揮を引き継いだイヴァンチッチ監督は新加入選手5人を組み合わせた以下の布陣を敷いています(4-2-3-1)。 GKラドマン-DFミラディン、トルカリ、ブディチン、ボドゥルシッチ-MFシャファリッチ、ランデカ-ハリロヴィッチ、シュトロク、An.シャルビーニ-FWシュコーロ
フルゴヴィッチとマミッチ副会長に対して敵意むき出しのBBBが作り出す殺伐とした雰囲気の中、最初のディナモのチャンスは6分に訪れます。セットプレーを得意とするモラレスの左CKがドゥルピッチの頭上にピタリと合ったものの、ヘディングシュートはポスト右へと逸れていきました(写真)。 守勢だったリエカも18分、シュコーロが30mのロングシュートを放つと、ボールは手を伸ばしたブティナを越えて最後はクロスバーを叩きました。 ディナモは30分以降に立て続けにチャンスが訪れます。31分、モラレスの左クロスからバラバンがヘディングシュートするもGKラドマンの正面。34分にはミキッチの右クロスからモラレスがボレーシュートを放ちましたが、DFにブロックされクロスバーの上。34分にはドリブルで一人かわしたモラレスの右からの折り返しにバラバンがフリーでシュートを放つものの枠を捉えられません。39分には巧みなステップで3人をかわしたバデリの狙いすましてのミドルもクロスバーの上に終わりました。 後半に入り、ディナモは攻勢を強めますが、しつこいリエカのディフェンスを前に得点がなかなか奪えません。47分、ミキッチの右クロスにタディッチが飛び込んでヘディングシュートするもポストの左へ。
イヴァンコヴィッチは61分、モラレスに代えてブラジル人MFサミールを投入。71分にはエトーに代えてアルゼンチン人MFスアレス、そして78分にはヴルドリャクに代えてカメルーン人MFチャゴを投入。 昨年にパスを買い取ってからというもの、レンタル時代の鳴りを潜めていたサミールですが、イヴァンコヴィッチが寵愛する彼は期待に応えます。 82分、左サイドでサミールがボールを持つと、ペナルティエリアのスペースへ走り込んだバデリへパス。バデリはトラップの左足を軸に上手く反転し、GKラドマンの左脇を抜くシュートを決めます(写真)。 「この瞬間、僕以上に幸せな人はいないよ」 と喜びをかみ締めるバデリは、ディナモ・ユースで育ちの19歳。3年前のマンチェスターでのユース大会では最優秀選手に選ばれ、地元のマンチェスター・ユナイテッドも関心を示したという選手です。昨季は3部のロコモティーバで武者修行し、シーズン前のトップチーム合宿に帯同してからというもの、イヴァンコヴィッチの眼鏡にかないました。これからもっと経験を積む必要がありますが、垣間見せる豊かなセンスはポスト・モドリッチを担う存在になりそうです。 ロスタイムにはサミールのスルーパスをもらったバラバンが、ようやくGKラドマンとの一対一を制して2-0。苦しみながらもディナモは開幕戦を勝利でスタートしました。
苦虫を潰した顔で記者会見に現れたイヴァンコヴィッチ監督(写真)は 「中盤はもっと良いプレーをするものと期待していたが、新たな顔ぶれだけに、もっとシンクロするには時間と練習が必要だろう。リエカは10人の選手で守備のブロックを築いたため、流れるほどの速いパススピードは不可能だった」 と述べ、ブーイングの中、90分間プレーし続けたフルゴヴィッチのことを聞かれると 「彼は今日と似たような状況を味わった経験あるプロフェッショナルな選手だ。サッカーをする雰囲気を我々が眼にすることはなかったが、フルゴヴィッチはクオリティを見せてくれた。彼にも時間は必要だろうが、彼の獲得は大きな補強だと確信している。今日の試合の雰囲気には悲しんでいるよ。サッカーは第一に"喜び"であるべきものだからだ」 とBBBの振舞いには批判的な態度を取りました。 そんな中、昨日にBBBの中心グループ"ディナモ・サポーター協会"のシュグルド会長が健康上の理由で会長職辞任。しかしながら、実際の辞任理由は批判を浴びる一連のサポーターの行為の責任を取ったと言われています。その一方で、リーダーを失ったディナモ・サポーター協会は自らのサイトで「決してミルコ・フルゴヴィッチを受けいれるつもりはない」と改めて声明文を出しています。 ライバルのハイドゥク・スプリトは、ホームのポリュウド・スタディオンにザダールを迎えての開幕戦。財政難を乗り越えるために組織を株式化し、その株式の一部を一般に売却したこともあって、サポーターの関心はより一層高まったようで、この試合も1万人を越える観客が集まりました。 大胆な補強を繰り返してきたハイドゥクですが、中盤の底のアンドリッチが膝の怪我で離脱したため、イェルテツが不慣れなポジションを務め、以下の布陣を敷いてきました(4-3-1-2)。 GKスバシッチ-(右から)DFルビル、パンジャ、ジヴコヴィッチ、ストゥリニッチ-MFリニッチ、イェルテツ、ガブリッチ-イブリチッチ-FWカリニッチ、ブシッチ ハイドゥクもディナモ同様、開幕戦独特の雰囲気に呑まれます。中盤をしっかりと固めてきたザダールをなかなか崩すことができず、逆に12分、昨季までザダールのゴールで守っていたハイドゥクのGKスバシッチがバックパスをトラップミス。あわよくオウンゴールになりそうでしたが、クロスバーに当たって救われます 23分、ザダールのMFミリンがGKスバシッチの頭上を狙ってミドルシュートを放つも、これにはスバシッチがパンチング。28分にはFWラショのチップキックのパスを受けたMFトマソフがDFパンジャを置き去りにし、続けてGKスバシッチも置き去りにするも、GKを抜く際のボールタッチが大きくシュートチャンスを逃します。 ハイドゥクも32分、右クロスをカリニッチがヘディングで落とし、右からイブリチッチがシュートするも右に。更に前半ロスタイム、ルビルの右クロスにカリニッチが中央でヘディングシュートしましたが、GKイェジナの正面に終わります。 後半頭からハイドゥクのヴチェヴィッチ監督は精細のないイェルテツに代え、新加入のオーストラリア代表MFスココを中盤の底に投入。試合後にヴチェヴィッチ監督が 「スココがこの価値ある勝利の鍵となった」 と発言したように、ベテランの起用が中盤の構成力を高めます。しかしながら、48分、ジヴコヴィッチのロングパスにカリニッチがヘディングで決定機をお膳立てするも、ブシッチはフリーの状態でシュートを決められません。
ザダールも負けじと、54分に温存していた昨季の得点王テルケシュと、昨季は彼とツートップを組んだジュパンの二人のFWを投入。ハイドゥクも62分に不調のブシッチに代えて、スピードのあるFWバルトロヴィッチを送り込み、流れを再び引き寄せます。 72分、スココのループパスにカリニッチが反応し、相手二人に囲まれてシュートするもボールは枠の外。78分、ゴール左上隅を狙ったイブリチッチの正面18mのFKは、GKイェジナが好セーブを見せます。 試合が決まったのは86分でした。左コーナー際でFKを得たハイドゥクは、角度のないところをイブリチッチ(写真)が直接ゴール、それもニアの方へと叩き込み、ようやく勝ち越しに成功。ハイドゥクの伝説的なファンタジスタ、スリシュコヴィッチ(元ボスニア、元ハイドゥク監督)が24年前のスパルタ・プラハ戦で決めたFKと比較されるほどのゴールでした。補強選手の活躍もあって、ハイドゥクもまた初陣を飾っています。 全試合の結果はこちらです。 (試合のところをクリックすれば、クロアチア国営放送の動画サイトに繋がります) Dinamo Zagreb - Rijeka 2:0 1:0 82' Badelj 2:0 90' Balaban Hajduk Split - Zadar 1:0 1:0 86' Ibricic Cibalia Vinkovci - Slaven Belupo 0:0 Varteks Varazdin - Zagreb 2:1 1:0 7' Mujanovic 2:0 23' Smrekar 2:1 75' Vugrinec Croatia Sesvete - Osijek 1:1 1:0 71' V.Petrovic (PK) 1:1 90' Babic Inter Zapresic - Sibenik 2:3 0:1 32' Iftic (OG) 0:2 63' Bozic 1:2 73' Cavric (PK) 1:3 77' Zec 2:3 90' Dodik
かつてガンバ大阪に在籍し、昨季はリエカに所属していたMF/FWニーノ・ブーレ(32・写真)が、アゼルバイジャン一部のFKバクーに移籍することになりました。 昨季はリーグ8位だったFKバクーの現監督は、2000年にジュビロ磐田を率いたマケドニア人のハジェヴスキー。スロベニアでキャンプを張った際にブーレも参加したことがきっかけで入団の運びとなりました。 FKバクーのマムメドフ副会長は 「我々は彼を非常に気に入った。非常に足が速いし、我々にはウィンガーのポジションでスピードのあるフォワードが必要だった。数日中に彼を獲得することに決めた」 と語り、ハジェヴスキー監督は 「彼が日本にいた時から働きぶりを見ていたよ。彼は優秀な選手だ」 とコメントしています。ここ最近はオイルマネーもあってアゼルバイジャンがことのほか潤沢な資金をサッカーに投入しており、このほど代表監督にはヴェルディ・フォクツを招聘(ちなみに前代表監督はハジェヴスキーが兼任)しています。
posted by 長束恭行 |05:28 |
サッカーニュース |
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トットナム・ホットスパーに売却したMFモドリッチを失ったことで、どのようなチーム作りをするかが気になりますが、チャンピオンズ・リーグ予備戦・対リンフィールド戦を見る限りではまだまだ模索状態といったところ。
BBBの反発は承知の上で新加入のフルゴヴィッチを左SBに先発起用し、また昨シーズンは3部ロコモティーバでレンタルさせ、リンフィールド戦で活躍した攻撃MFバデリをボランチとして先発起用しました。マンジュキッチがサスペンションのため、タディッチがトップ下に。鳴り物入りで入団したチリ代表「10番」のモラレス(写真)は左MFに入りました。4-2-3-1システムの信奉者であるイヴァンコヴィッチは以下のスタメンを敷いてきました。
GKブティナ-(右から)エトー、ドゥルピッチ、ビシュチャン、フルゴヴィッチ-MFヴルドリャク、バデリ-ミキッチ、タディッチ、モラレス-FWバラバン
一方のリエカは、前監督のダリッチがディナモ・ティラナへと去り、FWヂャロヴィッチを始め、次々と主力が退団していく中、アシスタントのポジションから指揮を引き継いだイヴァンチッチ監督は新加入選手5人を組み合わせた以下の布陣を敷いています(4-2-3-1)。
GKラドマン-DFミラディン、トルカリ、ブディチン、ボドゥルシッチ-MFシャファリッチ、ランデカ-ハリロヴィッチ、シュトロク、An.シャルビーニ-FWシュコーロ
フルゴヴィッチとマミッチ副会長に対して敵意むき出しのBBBが作り出す殺伐とした雰囲気の中、最初のディナモのチャンスは6分に訪れます。セットプレーを得意とするモラレスの左CKがドゥルピッチの頭上にピタリと合ったものの、ヘディングシュートはポスト右へと逸れていきました(写真)。
守勢だったリエカも18分、シュコーロが30mのロングシュートを放つと、ボールは手を伸ばしたブティナを越えて最後はクロスバーを叩きました。
ディナモは30分以降に立て続けにチャンスが訪れます。31分、モラレスの左クロスからバラバンがヘディングシュートするもGKラドマンの正面。34分にはミキッチの右クロスからモラレスがボレーシュートを放ちましたが、DFにブロックされクロスバーの上。34分にはドリブルで一人かわしたモラレスの右からの折り返しにバラバンがフリーでシュートを放つものの枠を捉えられません。39分には巧みなステップで3人をかわしたバデリの狙いすましてのミドルもクロスバーの上に終わりました。
後半に入り、ディナモは攻勢を強めますが、しつこいリエカのディフェンスを前に得点がなかなか奪えません。47分、ミキッチの右クロスにタディッチが飛び込んでヘディングシュートするもポストの左へ。
イヴァンコヴィッチは61分、モラレスに代えてブラジル人MFサミールを投入。71分にはエトーに代えてアルゼンチン人MFスアレス、そして78分にはヴルドリャクに代えてカメルーン人MFチャゴを投入。
昨年にパスを買い取ってからというもの、レンタル時代の鳴りを潜めていたサミールですが、イヴァンコヴィッチが寵愛する彼は期待に応えます。
82分、左サイドでサミールがボールを持つと、ペナルティエリアのスペースへ走り込んだバデリへパス。バデリはトラップの左足を軸に上手く反転し、GKラドマンの左脇を抜くシュートを決めます(写真)。
「この瞬間、僕以上に幸せな人はいないよ」
と喜びをかみ締めるバデリは、ディナモ・ユースで育ちの19歳。3年前のマンチェスターでのユース大会では最優秀選手に選ばれ、地元のマンチェスター・ユナイテッドも関心を示したという選手です。昨季は3部のロコモティーバで武者修行し、シーズン前のトップチーム合宿に帯同してからというもの、イヴァンコヴィッチの眼鏡にかないました。これからもっと経験を積む必要がありますが、垣間見せる豊かなセンスはポスト・モドリッチを担う存在になりそうです。
ロスタイムにはサミールのスルーパスをもらったバラバンが、ようやくGKラドマンとの一対一を制して2-0。苦しみながらもディナモは開幕戦を勝利でスタートしました。
苦虫を潰した顔で記者会見に現れたイヴァンコヴィッチ監督(写真)は
「中盤はもっと良いプレーをするものと期待していたが、新たな顔ぶれだけに、もっとシンクロするには時間と練習が必要だろう。リエカは10人の選手で守備のブロックを築いたため、流れるほどの速いパススピードは不可能だった」
と述べ、ブーイングの中、90分間プレーし続けたフルゴヴィッチのことを聞かれると
「彼は今日と似たような状況を味わった経験あるプロフェッショナルな選手だ。サッカーをする雰囲気を我々が眼にすることはなかったが、フルゴヴィッチはクオリティを見せてくれた。彼にも時間は必要だろうが、彼の獲得は大きな補強だと確信している。今日の試合の雰囲気には悲しんでいるよ。サッカーは第一に"喜び"であるべきものだからだ」
とBBBの振舞いには批判的な態度を取りました。
そんな中、昨日にBBBの中心グループ"ディナモ・サポーター協会"のシュグルド会長が健康上の理由で会長職辞任。しかしながら、実際の辞任理由は批判を浴びる一連のサポーターの行為の責任を取ったと言われています。その一方で、リーダーを失ったディナモ・サポーター協会は自らのサイトで「決してミルコ・フルゴヴィッチを受けいれるつもりはない」と改めて声明文を出しています。
ライバルのハイドゥク・スプリトは、ホームのポリュウド・スタディオンにザダールを迎えての開幕戦。財政難を乗り越えるために組織を株式化し、その株式の一部を一般に売却したこともあって、サポーターの関心はより一層高まったようで、この試合も1万人を越える観客が集まりました。
大胆な補強を繰り返してきたハイドゥクですが、中盤の底のアンドリッチが膝の怪我で離脱したため、イェルテツが不慣れなポジションを務め、以下の布陣を敷いてきました(4-3-1-2)。
GKスバシッチ-(右から)DFルビル、パンジャ、ジヴコヴィッチ、ストゥリニッチ-MFリニッチ、イェルテツ、ガブリッチ-イブリチッチ-FWカリニッチ、ブシッチ
ハイドゥクもディナモ同様、開幕戦独特の雰囲気に呑まれます。中盤をしっかりと固めてきたザダールをなかなか崩すことができず、逆に12分、昨季までザダールのゴールで守っていたハイドゥクのGKスバシッチがバックパスをトラップミス。あわよくオウンゴールになりそうでしたが、クロスバーに当たって救われます
23分、ザダールのMFミリンがGKスバシッチの頭上を狙ってミドルシュートを放つも、これにはスバシッチがパンチング。28分にはFWラショのチップキックのパスを受けたMFトマソフがDFパンジャを置き去りにし、続けてGKスバシッチも置き去りにするも、GKを抜く際のボールタッチが大きくシュートチャンスを逃します。
ハイドゥクも32分、右クロスをカリニッチがヘディングで落とし、右からイブリチッチがシュートするも右に。更に前半ロスタイム、ルビルの右クロスにカリニッチが中央でヘディングシュートしましたが、GKイェジナの正面に終わります。
後半頭からハイドゥクのヴチェヴィッチ監督は精細のないイェルテツに代え、新加入のオーストラリア代表MFスココを中盤の底に投入。試合後にヴチェヴィッチ監督が
「スココがこの価値ある勝利の鍵となった」
と発言したように、ベテランの起用が中盤の構成力を高めます。しかしながら、48分、ジヴコヴィッチのロングパスにカリニッチがヘディングで決定機をお膳立てするも、ブシッチはフリーの状態でシュートを決められません。
ザダールも負けじと、54分に温存していた昨季の得点王テルケシュと、昨季は彼とツートップを組んだジュパンの二人のFWを投入。ハイドゥクも62分に不調のブシッチに代えて、スピードのあるFWバルトロヴィッチを送り込み、流れを再び引き寄せます。
72分、スココのループパスにカリニッチが反応し、相手二人に囲まれてシュートするもボールは枠の外。78分、ゴール左上隅を狙ったイブリチッチの正面18mのFKは、GKイェジナが好セーブを見せます。
試合が決まったのは86分でした。左コーナー際でFKを得たハイドゥクは、角度のないところをイブリチッチ(写真)が直接ゴール、それもニアの方へと叩き込み、ようやく勝ち越しに成功。ハイドゥクの伝説的なファンタジスタ、スリシュコヴィッチ(元ボスニア、元ハイドゥク監督)が24年前のスパルタ・プラハ戦で決めたFKと比較されるほどのゴールでした。補強選手の活躍もあって、ハイドゥクもまた初陣を飾っています。
全試合の結果はこちらです。
(試合のところをクリックすれば、クロアチア国営放送の動画サイトに繋がります)
かつてガンバ大阪に在籍し、昨季はリエカに所属していたMF/FWニーノ・ブーレ(32・写真)が、アゼルバイジャン一部のFKバクーに移籍することになりました。
昨季はリーグ8位だったFKバクーの現監督は、2000年にジュビロ磐田を率いたマケドニア人のハジェヴスキー。スロベニアでキャンプを張った際にブーレも参加したことがきっかけで入団の運びとなりました。
FKバクーのマムメドフ副会長は
「我々は彼を非常に気に入った。非常に足が速いし、我々にはウィンガーのポジションでスピードのあるフォワードが必要だった。数日中に彼を獲得することに決めた」
と語り、ハジェヴスキー監督は
「彼が日本にいた時から働きぶりを見ていたよ。彼は優秀な選手だ」
とコメントしています。ここ最近はオイルマネーもあってアゼルバイジャンがことのほか潤沢な資金をサッカーに投入しており、このほど代表監督にはヴェルディ・フォクツを招聘(ちなみに前代表監督はハジェヴスキーが兼任)しています。

