2008年05月12日
一部昇格を賭けたドラマ/フルヴァツキ・ドラゴヴォリャッツvs.クロアチア・セスベッテ
5月11日にクロアチア一部リーグが全節終了しましたが、翌12日には二部リーグが全節終了。その最後を締めくくるのにふさわしいカードがありました。それは昇格をかけた首位フルヴァツキ・ドラゴヴォリャッツと2位クロアチア・セスヴェッテの直接対決。両者の勝点差はわずかに1で、ホームのドラゴヴォリャッツは引分け以上で7シーズンぶりに一部復帰が叶います。ザグレブの小クラブを独立戦争に従軍した兵士たちにちなんで「クロアチア志願兵」と改名し、自らの私財を投げ打ってクラブを維持し続けた名物会長スティエパン・スパイッチ(写真のイラスト)が急死して早4年。1996/97シーズンは一部3位まで登りつけたドラゴヴォリャッツは2002年以来、二部リーグを地道に戦い続け、ようやく一部復帰にリーチをかけました。 一方のクロアチア・セスベッテはザグレブ郊外東にあるクラブで、独立戦争時は武器商人、今では自動車ディーラーで財をなすズボニミール・ズバクが会長。元クロアチア代表のMFヤスミン・アギッチ、ディナモでもプレーしたDFレナート・ピリポヴィッチ、FWヴラディミール・ペトロヴィッチなどベテランを擁し、また今年から前クロアチア代表監督のズラトコ・クラニチャール(写真左)を招聘して初の一部昇格を目指しています。 ドラゴヴォリャッツのホーム、NSCスティエパン・スパイッチ・スタディオンは5000人収容ですが、このカードの注目度は高く、チケットは完売。前日に購入したお陰で私は見ることができましたが、スタジアムの外には500人ほどが溢れていました。 審判買収を始めとした様々な介入行為が当たり前といわれる二部リーグですが、この日は欧州でも笛を吹く国内最高の審判であるベセク氏が主審を務め、公平を保ちました。両者のモチベーションが空回りして、イエローカードが連発する試合でしたが、生きるか死ぬかのような試合にはドラマが待っているものです。
前半14分にはセスベッテ、後半56分にはドラゴヴォリャッツのシュートがクロスバーに嫌われ、均衡はなかなか破れなかったのですが、59分にセスベッテのDFマミッチがシミュレーションで二枚目のイエローカードで退場。 これでドラゴヴォリャッツの昇格がほぼ決まりと思いきや、引分けでOKのドラゴヴォリャッツは消極的になり、自陣に引きこもってしまいました。クラニチャール監督は劣勢とはいえ二枚のカードを切って攻撃の手を緩めることをせず、84分、左サイドからペトロヴィッチ(写真右)が上げたクロスにエリア内中央でフリーだったMFチズメクがヘディングシュートを決めて勝ち越しに成功します。。 その後は一点を奪うべく猛攻を仕掛けたドラゴヴォリャッツでしたが、時既に遅し。タイムアップの笛と共にピッチに倒れこむドラゴヴォリャッツの選手たちと、ユニフォームを脱いで喜びで弾けるセスベッテの選手たちとで明暗がはっきりと分かれました。ワールドカップ・ドイツ大会のグループリーグ敗北後は泣かず飛ばずだったクラニチャール監督もこれで再び男を上げた感があります。
セスベッテはこれで昇格が決まり、ドラゴヴォリャッツは一部11位のインテル・ザプレシッチとの入替え戦へと回ります。初戦はインテルのホームで5月17日、第二戦はドラゴヴォリャッツのホームで21日に行われますが、この入替え戦実施が確定するのは前日になるまで分かりません。 というのは、ドラゴヴォリャッツのスタジアムは新たな基準では一部リーグでの使用許可が認めらておらず、一部昇格の際にはインテルのスタジアムを使用するよう申し合わせをしていたのですが、いざ入替え戦で対決することが決まるとインテル側が拒否。最悪のケースでは入替え戦がないまま、ドラゴヴォリャッツの一部昇格の夢が絶たれることになります。ちなみにセスベッテも一部で使用可能なスタジアムはなく、来季から遠く離れたカメン・イングラッドのスタジアムを使用する予定です。
posted by 長束恭行 |23:15 |
サッカーニュース |
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それは昇格をかけた首位フルヴァツキ・ドラゴヴォリャッツと2位クロアチア・セスヴェッテの直接対決。両者の勝点差はわずかに1で、ホームのドラゴヴォリャッツは引分け以上で7シーズンぶりに一部復帰が叶います。ザグレブの小クラブを独立戦争に従軍した兵士たちにちなんで「クロアチア志願兵」と改名し、自らの私財を投げ打ってクラブを維持し続けた名物会長スティエパン・スパイッチ(写真のイラスト)が急死して早4年。1996/97シーズンは一部3位まで登りつけたドラゴヴォリャッツは2002年以来、二部リーグを地道に戦い続け、ようやく一部復帰にリーチをかけました。
一方のクロアチア・セスベッテはザグレブ郊外東にあるクラブで、独立戦争時は武器商人、今では自動車ディーラーで財をなすズボニミール・ズバクが会長。元クロアチア代表のMFヤスミン・アギッチ、ディナモでもプレーしたDFレナート・ピリポヴィッチ、FWヴラディミール・ペトロヴィッチなどベテランを擁し、また今年から前クロアチア代表監督のズラトコ・クラニチャール(写真左)を招聘して初の一部昇格を目指しています。
ドラゴヴォリャッツのホーム、NSCスティエパン・スパイッチ・スタディオンは5000人収容ですが、このカードの注目度は高く、チケットは完売。前日に購入したお陰で私は見ることができましたが、スタジアムの外には500人ほどが溢れていました。
審判買収を始めとした様々な介入行為が当たり前といわれる二部リーグですが、この日は欧州でも笛を吹く国内最高の審判であるベセク氏が主審を務め、公平を保ちました。両者のモチベーションが空回りして、イエローカードが連発する試合でしたが、生きるか死ぬかのような試合にはドラマが待っているものです。
前半14分にはセスベッテ、後半56分にはドラゴヴォリャッツのシュートがクロスバーに嫌われ、均衡はなかなか破れなかったのですが、59分にセスベッテのDFマミッチがシミュレーションで二枚目のイエローカードで退場。
これでドラゴヴォリャッツの昇格がほぼ決まりと思いきや、引分けでOKのドラゴヴォリャッツは消極的になり、自陣に引きこもってしまいました。クラニチャール監督は劣勢とはいえ二枚のカードを切って攻撃の手を緩めることをせず、84分、左サイドからペトロヴィッチ(写真右)が上げたクロスにエリア内中央でフリーだったMFチズメクがヘディングシュートを決めて勝ち越しに成功します。。
その後は一点を奪うべく猛攻を仕掛けたドラゴヴォリャッツでしたが、時既に遅し。タイムアップの笛と共にピッチに倒れこむドラゴヴォリャッツの選手たちと、ユニフォームを脱いで喜びで弾けるセスベッテの選手たちとで明暗がはっきりと分かれました。ワールドカップ・ドイツ大会のグループリーグ敗北後は泣かず飛ばずだったクラニチャール監督もこれで再び男を上げた感があります。
セスベッテはこれで昇格が決まり、ドラゴヴォリャッツは一部11位のインテル・ザプレシッチとの入替え戦へと回ります。初戦はインテルのホームで5月17日、第二戦はドラゴヴォリャッツのホームで21日に行われますが、この入替え戦実施が確定するのは前日になるまで分かりません。
というのは、ドラゴヴォリャッツのスタジアムは新たな基準では一部リーグでの使用許可が認めらておらず、一部昇格の際にはインテルのスタジアムを使用するよう申し合わせをしていたのですが、いざ入替え戦で対決することが決まるとインテル側が拒否。最悪のケースでは入替え戦がないまま、ドラゴヴォリャッツの一部昇格の夢が絶たれることになります。ちなみにセスベッテも一部で使用可能なスタジアムはなく、来季から遠く離れたカメン・イングラッドのスタジアムを使用する予定です。

