2008年05月11日
クロアチア・リーグ最終節/リーグ三連覇を6ゴールで祝ったディナモ・ザグレブ
10日、クロアチア・リーグ最終節(第33節)が行われました。首位ディナモ・ザグレブは2位リエカをホームのマクシミール・スタディオンに迎えました。ここ3年は最終節を待たずして連続優勝をしているディナモは、毎回最終節のチケット購入者に優勝記念Tシャツをプレゼントし、お祝い色を高めたエンディングを迎えます。過去2シーズンは相手が宿命のライバル、ハイドゥク・スプリトということもあって満員になりましたが、今季は相手がリエカだったことから過去より少ない約2万人の観客が試合に訪れました。
リエカにとっても2位確保が来季のUEFAカップ出場に繋がるのですが、水曜日にハイドゥクを粉砕したディナモの勢いを止めることは不可能でした。前半11分、カウンターからFWマンジュキッチが右サイドをドリブルで疾走し、そのまま70m近く持ち込んで、右から正確なシュートを決めて先制します。22分には左サイドでMFミキッチが上げたクロスボールにファーポストでMFヴコイェヴィッチ(写真)がダイビングヘッドでシュートを決めて2-0。 更に26分、マンジュキッチが右サイドで突破してGKラドマンと一対一になろうとしたところを、リエカDFのチャガリが倒してしまって一発退場(とはいえ、チャガリがファウルで止めたのは事実であるものの、倒れたマンジュキッチはシミュレーション)。11人相手でもディナモは好き放題に攻めていたわけですが、この退場で完全にゲームは決まりました。 39分、右サイドからミキッチがグラウンダーで折り返したところにFWタディッチが正面から押し込んで3-0。続く41分にはMFモドリッチから右サイドのDFエトーへ大きく展開し、先ほどと同じ形で折り返しからタディッチが押し込んで4-0。 45分にはヴコイェヴィッチがタディッチに当ててから中央を駆け込み、最後はボールを貰い返してからシュートを決めて5-0。前半で5点差をつけたのは、クロアチア・リーグ以降、ディナモにとってのタイ記録でありました。 これだけの点差となるともちろん後半はペースが落ち、57分にはリエカDFのタデイェヴィッチに左サイドをドリブルで割られ、あっさりとゴールを決められて点差を縮められます。
ディナモは再びエンジンが掛かり、64分にはモドリッチが中央からミドルシュートを放つも、これはGKラドマンが好セーブ。また1分後にはモドリッチ(写真右)がDFヴチュコの背後を抜けたマンジュキッチに正確なミドルパスを送り、GKと一対一になりましたが、シュートはポストにぶつけてしまいます。 しかし、71分、中央からタディッチがドリブルで持ち込み、最後はゴール右上隅に正確なシュートを放って6-1。タディッチにとっては今季12ゴール目、プロになって初のハットトリックを達成しました。 80分、疲れが顕著だったモドリッチがベンチに交替を希望。来季からトッテナム・ホットスパーへの移籍が決まり、ディナモのユニフォームを着てマクシミールでプレーするのは最後の試合となるモドリッチにはスタンディングオベーションが送られ、チームメイトが集まって肩車で彼を持ち上げました。リーグ三連覇の原動力となり、ディナモ史上屈指のプレーメーカーになったモドリッチに対してのサポーターの愛は深く、モドリッチも交替後にグラウンド(外側)を一周して、サポーターたちに挨拶していきました。カメラマンが構えるゴール裏を通り過ぎる際、私もモドリッチに「Sretno!(幸運を)」との言葉と共に握手をしました。 また88分には北側スタンドのサポーター(BBB)からフロント批判のコールののち、ソルド監督に対してのコールが起きました。シーズン後半の試合内容の悪さからフロントがソルド監督に不満を持ち、彼を更迭して再びイヴァンコヴィッチを監督に迎えると噂されているのですが、サポーターはソルド支持に回っているのが明らかな光景でありました。 試合は6-1でディナモの圧勝。33戦で26勝4分3敗、2位に28点差もつけた勝点82で今季もクロアチア・リーグを制覇しました。一方のリエカはシーズン前半までは唯一のディナモの対抗馬だったのにもかかわらず、後半はまったく調子を落としてしまい、結局は4位にまで転落してしまっています。 ザグレブの観客に別れを告げたモドリッチ(写真)は試合後、
「ゴールを決めたかったけど、それはどうでもいいことよ。今日の一瞬一瞬は永遠に記憶することだろう。世界最高のサポーターが僕に与えてくれたものはアンビリーバルなものさ。余りの感動のせいで涙を流すことがないよう僕は必死だったよ。間違いなくディナモ、そしてディナモのサポーターは一生心に残るだろうね」 と語りました。モドリッチはキャプテンとしてリーグ優勝のトロフィーを掲げ、それからチームメイトと共に北側スタンドへと入り、初めてBBBのリードを張りました。先の冬に移籍を逃していたモドリッチでしたが、それを補うほどの美しい別れとなったようです。 「冬の移籍期間にザグレブを離れなかったことを最初は残念に思ったけど、今こうして振り返ると最後はこのような形になって本当に嬉しいよ。移籍してしまってたら、このような素晴らしい瞬間を経験することはなかっただろうからね。ディナモを去るのは残念だし、辛い気分だ。ザグレブでは美しい年月を過ごしてきたんだから。しかし、トッテナムへの移籍はキャリアにおける更なるステップだし、避けられなかったことなんだ。いつかは再びディナモに帰ってくることだろう。でも、あんまり先のことは考えたくはない。間違いなく国外で何年間はプレーするだろうからね」 とコメントを残しています。 またソルド監督は 「スタジアムは本当に素晴らしい雰囲気だったし、選手たちはモチベーションが高かった。勝利とタイトルを勝ち取った彼らを祝福するよ。スタンドがサポーターで埋まり、サポートしてくれたならば、プレーするのは本当に楽なことだ。サポーターたちに最高の形でお返しができたものと私は願っているよ」 とコメントしています。 【試合後にトロフィーを囲んで優勝を祝うディナモの選手、スタッフ、フロントたち】
UEFAカップ出場権を得る2位の座には、アウェーでシベニクと引分けたスラヴェン・ベルーポが滑り込みました。昨季はカップ戦準優勝(優勝はディナモ)で出場権を得たスラヴェン・ベルーポにとっては2年連続のUEFAカップ出場となります。 また3位には後半に一気に追い上げてきたオシエクが浮上。またハイドゥク・スプリトはザグレブに1-2と敗れ、5位に留まっています。 全試合はこちら。(試合のところをクリックすればクロアチア国営放送のダイジェストが見られます) Zagreb - Hajduk Split 2:1 1:0 57' Jurendic 2:0 60' Ibricic (PK) 2:1 74' Linic Sibenik - Slaven Belupo 0:0 Inter Zapresic - Osijek 1:2 0:1 8' Primorac 1:1 15' Lovren 1:2 55' Babic Varteks Varazdin - Zadar 5:2 1:0 11' Brezovec 2:0 21' Vuk 2:1 23' Surac 3:1 29' Balajic 4:1 67' Melnjak 5:1 77' Vuk 5:2 83' Raso Cibalia Vinkovci - Medimurje 3:0 1:0 12' Malcic 2:0 64' Gusic 3:0 66' Dzafic Dinamo Zagreb - Rijeka 6:1 1:0 11' Mandzukic 2:0 22' Vukojevic 3:0 39' Tadic 4:0 41' Tadic 5:0 45' Vukojevic 5:1 55' Tadejevic 6:1 72' Tadic 最終順位はこちら。 【順位】 1位…ディナモ・ザグレブ(勝点82) 【優勝・チャンピオンズリーグ予選へ】 2位…スラヴェン・ベルーポ(54) 【UEFAカップ予選へ】 3位…オシエク(54) 【インタートトカップへ】 4位…リエカ(53) 5位…ハイドゥク・スプリト(52) 【カップ戦決勝進出・UEFAカップ予選へ】 6位…ザグレブ(44) 7位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(40) 8位…チバリア・ヴィンコヴチ(40) 9位…ザダール(40) 10位…シベニク(39) 11位…インテル・ザプレシッチ(33) 【入替え戦へ】 12位…メヂムリエ(15) 【二部降格】 【得点】 21ゴール…テルケシュ(ザダール) 18ゴール…ヂャロヴィッチ(リエカ) 17ゴール…カリニッチ(ハイドゥク) 14ゴール…ロヴレク(ザグレブ) 13ゴール…モドリッチ(ディナモ) 12ゴール…マルチッチ(チバリア)、マンジュキッチ(ディナモ)、イブリチッチ(ザグレブ) 11ゴール…バラバン(ディナモ)、シャルビーニ(リエカ)、タディッチ(ディナモ)、ヴコイェヴィッチ(ディナモ) 9ゴール…ムムレク(ヴァルテクス)、ルカビナ(ハイドゥク) 【アシスト】 10アシスト…モドリッチ(ディナモ)、マンジュキッチ(ディナモ)、マルチッチ(チバリア) 9アシスト…チュトゥラ(ザグレブ)、ツェルナト(ハイドゥク) 8アシスト…ムムレク(ヴァルテクス) 7アシスト…トマソフ(ザダール)、ブーレ(リエカ)、ムイジャ(ザグレブ)、シャルビーニ(リエカ)、ヂャロヴィッチ(リエカ) 6アシスト…ミキッチ(ディナモ)、ジュパン(ザダール)、パヴリチッチ(オシエク)
posted by 長束恭行 |21:18 |
サッカーニュース |
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首位ディナモ・ザグレブは2位リエカをホームのマクシミール・スタディオンに迎えました。ここ3年は最終節を待たずして連続優勝をしているディナモは、毎回最終節のチケット購入者に優勝記念Tシャツをプレゼントし、お祝い色を高めたエンディングを迎えます。過去2シーズンは相手が宿命のライバル、ハイドゥク・スプリトということもあって満員になりましたが、今季は相手がリエカだったことから過去より少ない約2万人の観客が試合に訪れました。
22分には左サイドでMFミキッチが上げたクロスボールにファーポストでMFヴコイェヴィッチ(写真)がダイビングヘッドでシュートを決めて2-0。
更に26分、マンジュキッチが右サイドで突破してGKラドマンと一対一になろうとしたところを、リエカDFのチャガリが倒してしまって一発退場(とはいえ、チャガリがファウルで止めたのは事実であるものの、倒れたマンジュキッチはシミュレーション)。11人相手でもディナモは好き放題に攻めていたわけですが、この退場で完全にゲームは決まりました。
39分、右サイドからミキッチがグラウンダーで折り返したところにFWタディッチが正面から押し込んで3-0。続く41分にはMFモドリッチから右サイドのDFエトーへ大きく展開し、先ほどと同じ形で折り返しからタディッチが押し込んで4-0。
45分にはヴコイェヴィッチがタディッチに当ててから中央を駆け込み、最後はボールを貰い返してからシュートを決めて5-0。前半で5点差をつけたのは、クロアチア・リーグ以降、ディナモにとってのタイ記録でありました。
これだけの点差となるともちろん後半はペースが落ち、57分にはリエカDFのタデイェヴィッチに左サイドをドリブルで割られ、あっさりとゴールを決められて点差を縮められます。
ディナモは再びエンジンが掛かり、64分にはモドリッチが中央からミドルシュートを放つも、これはGKラドマンが好セーブ。また1分後にはモドリッチ(写真右)がDFヴチュコの背後を抜けたマンジュキッチに正確なミドルパスを送り、GKと一対一になりましたが、シュートはポストにぶつけてしまいます。
しかし、71分、中央からタディッチがドリブルで持ち込み、最後はゴール右上隅に正確なシュートを放って6-1。タディッチにとっては今季12ゴール目、プロになって初のハットトリックを達成しました。
80分、疲れが顕著だったモドリッチがベンチに交替を希望。来季からトッテナム・ホットスパーへの移籍が決まり、ディナモのユニフォームを着てマクシミールでプレーするのは最後の試合となるモドリッチにはスタンディングオベーションが送られ、チームメイトが集まって肩車で彼を持ち上げました。リーグ三連覇の原動力となり、ディナモ史上屈指のプレーメーカーになったモドリッチに対してのサポーターの愛は深く、モドリッチも交替後にグラウンド(外側)を一周して、サポーターたちに挨拶していきました。カメラマンが構えるゴール裏を通り過ぎる際、私もモドリッチに「Sretno!(幸運を)」との言葉と共に握手をしました。
また88分には北側スタンドのサポーター(BBB)からフロント批判のコールののち、ソルド監督に対してのコールが起きました。シーズン後半の試合内容の悪さからフロントがソルド監督に不満を持ち、彼を更迭して再びイヴァンコヴィッチを監督に迎えると噂されているのですが、サポーターはソルド支持に回っているのが明らかな光景でありました。
試合は6-1でディナモの圧勝。33戦で26勝4分3敗、2位に28点差もつけた勝点82で今季もクロアチア・リーグを制覇しました。一方のリエカはシーズン前半までは唯一のディナモの対抗馬だったのにもかかわらず、後半はまったく調子を落としてしまい、結局は4位にまで転落してしまっています。
ザグレブの観客に別れを告げたモドリッチ(写真)は試合後、
「ゴールを決めたかったけど、それはどうでもいいことよ。今日の一瞬一瞬は永遠に記憶することだろう。世界最高のサポーターが僕に与えてくれたものはアンビリーバルなものさ。余りの感動のせいで涙を流すことがないよう僕は必死だったよ。間違いなくディナモ、そしてディナモのサポーターは一生心に残るだろうね」
と語りました。モドリッチはキャプテンとしてリーグ優勝のトロフィーを掲げ、それからチームメイトと共に北側スタンドへと入り、初めてBBBのリードを張りました。先の冬に移籍を逃していたモドリッチでしたが、それを補うほどの美しい別れとなったようです。
「冬の移籍期間にザグレブを離れなかったことを最初は残念に思ったけど、今こうして振り返ると最後はこのような形になって本当に嬉しいよ。移籍してしまってたら、このような素晴らしい瞬間を経験することはなかっただろうからね。ディナモを去るのは残念だし、辛い気分だ。ザグレブでは美しい年月を過ごしてきたんだから。しかし、トッテナムへの移籍はキャリアにおける更なるステップだし、避けられなかったことなんだ。いつかは再びディナモに帰ってくることだろう。でも、あんまり先のことは考えたくはない。間違いなく国外で何年間はプレーするだろうからね」
とコメントを残しています。
またソルド監督は
「スタジアムは本当に素晴らしい雰囲気だったし、選手たちはモチベーションが高かった。勝利とタイトルを勝ち取った彼らを祝福するよ。スタンドがサポーターで埋まり、サポートしてくれたならば、プレーするのは本当に楽なことだ。サポーターたちに最高の形でお返しができたものと私は願っているよ」
とコメントしています。



