2008年05月09日
クロアチア・ダービー「ディナモvs.ハイドゥク」/リーグ第32節、カップ決勝第1戦
報告が遅れましたが、まずは5月3日に行われたクロアチア・リーグ第32節から。 注目カードはクロアチア・ダービーことライバル対決の「ハイドゥク・スプリトvs.ディナモ・ザグレブ」。 リーグの行方は既に決まり、両者には勝点27という大きな差が開いたわけですが、この試合はこれから控えるクロアチア・カップの前哨戦的となります。ただし、ポリュウド・スタディオンはいつもより少ない15000人ほどの観客に留まっています。 ホームのハイドゥクは怪我人が多く、この日は中盤の守備の要MFアンドリッチが負傷欠場。代わりに若手のリュビチッチを置き、ここ最近ヤルニ監督が固定しつつあるメンバーとシステム(3-4-1-2)で戦いました。 GKバリッチ-(右から)DFブリャト、ジヴコヴィッチ、マロチャ-MFルビール、リニッチ、リュビチッチ、ガブリッチ-チェルナト-FWルカビナ、カリニッチ 一方のディナモは一部の選手をローテーションしているとはいえ、攻撃を意識した布陣を組んできました(システムは4-4-2)。 GKコッホ-DFブリャト、ビシュチャン、ミクリッチ、チャレ-MFエトー、ヴコイェヴィッチ、モドリッチ、サミール-FWマンジュキッチ、ヴグリネツ 前半はホームのハイドゥクが積極的に攻めます。カリニッチがフリースローのボールをヒールキックで前方へと蹴り込むと、ルカビナがちょこんと左へ落としたところにチェルナト。しかし、チェルナトはボールコントロールに失敗し、シュートチャンスを潰してしまいます。7分にはチェルナトの右CKが弧を描いて直接ゴールへと向かいますが、GKコッホがパンチングで逃れました。守勢に回っていたディナモの最初のチャンスは13分、右サイドにてブリャトからの縦パスがエトーに繋がり、突破してセンタリング。しかし、ボールはヴグリネツに届くことなくGKバリッチがキャッチします。23分にはモドリッチのパスを受けたサミールが左からシュートを放ちますが、ボールは左ポストを逸れていきました。 次第にディナモがボール・ポゼッションを高めていく一方で、ハイドゥクも25分以降に攻撃の形を作っていきます。27分にはチェルナトの右FKがゴールを襲うも、またしてGKコッホがパンチング。29分にはリニッチからの縦パスが俊足を飛ばしたルカビナ(写真)へと繋がり、ブリャトを背にしながらGKと一対一になりましたが、右足のシュートはわずかに外れてしまいました。 均衡が破れたのは35分、チェルナトが左からセンタリングを上げると、エリア内中央のルカビナはチャレとミクリッチに挟まれながらもヘディングシュートをゴール右へと叩き込み、ハイドゥクが先制します。41分にはハイドゥクのブリャトが30mの距離から強烈なFKを放ちましたが、ボールは左ポストの横。ハイドゥクのリードで試合は折り返します。 後半に入ってもハイドゥクの勢いは止まらず、50分にはチェルナトが正面から30mのドライブシュートを放ちます。ミドルシュートの反応が鈍いGKコッホでありますが、難しい軌道だったとはいえ何とか食い止めます。一方のチェルナトはシュートの際にヴコイェヴィッチのタックルに遭い、右足首を負傷してしまいました。
それでもハイドゥクは試合を決定づけるチャンスを迎えます。56分、右サイドでルカビナがドリブルでチャレをかわして中央に切れ込んでいくと、ディフェンスの背後へとすり抜けたカリニッチにラストパス。カリニッチはGKコッホと一対一になり、得意の近距離からのゴールを決めるだけだったのですが、シュートはGKコッホの頭に当たったままゴールラインを割ってしまいます。このチャンスを潰したのを契機にハイドゥクの勢いは尻すぼみになってきます。 ディナモは65分、マンジュキッチが左からミドルシュートを放ちますが、ボールは枠の外。しかしながら、79分にあっさりとゴールが決まりました。フリースローのボールをマンジュキッチがペナルティエリアへ突っ込むモドリッチに繋ぎ、途中交替のタディッチへパス。タディッチはフェイントを入れてから縦に抜けようとするも、左からブリャトがタックルが入って空振り。しかしボールはブリャトの足に当たってこぼれ、右でフリーのエトー(写真)がそのまま押し込んでゴール。ディナモが同点に追いつきます。 試合はそのままタイムアップ。ディナモに勝利して今季の悪いイメージを払拭したかったハイドゥクとしては勿体の無い引き分けとなりました。 ハイドゥクのヤルニ監督は 「このような馬鹿げたゴールを食らったことが勝負の分かれ目だった。我々は勝利に値する戦いをしたが、今日も不幸がついてまわった。水曜日のカップ戦では今日以上の戦いができることを望んでいる」 とコメント。またディナモのソルド監督は 「ハイドゥクは前半はよりアグレッシブで、うちの選手たちは非常に悪い形で試合にはいってしまった。ハイドゥクがリードしたのは仕方ないが、ハーフタイムにある事柄を変えたら、その先は随分と良くなった。カップ戦ではもっとアグレッシブに戦わねばならない」 とコメントしています。 全試合の結果はこちら。インテル・ザプレシッチが最下位メヂムリェに0-4と大敗し11位が確定。2部2位との入替戦に回ることが決まっています。 (試合のところをクリックすると、クロアチア国営放送の試合ダイジェストが見られます) Rijeka - Cibalia Vinkovci 2:0 1:0 75' Radomir Djalovic 2:0 88' Anas Sharbini Slaven Belupo - Zagreb 1:0 1:0 17' Srebrenko Posavec (PK) Zadar - Sibenik 0:2 0:1 48' Ermin Zec (PK) 0:2 76' Krunoslav Jambrusic Osijek - Varteks Varazdin 2:0 1:0 13' Aleksandar Solic 2:0 90' Goran Todorcev Medimurje - Inter Zapresic 4:0 1:0 31' Eliomar 2:0 47' Franjo Pintaric) 3:0 60' Zoran Ratkovic 4:0 63' Eliomar Hajduk Split - Dinamo Zagreb 1:1 1:0 35' Ante Rukavina 1:1 79' Etto 【順位】 1位…ディナモ・ザグレブ(勝点79) 【優勝】 2位…リエカ(53) 3位…スラヴェン・ベルーポ(53) 4位…ハイドゥク・スプリト(52) 5位…オシエク(51) 6位…ザグレブ(41) 7位…ザダール(40) 8位…シベニク(38) 9位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(37) 10位…チバリア・ヴィンコヴチ(37) 11位…インテル・ザプレシッチ(33) 【入替戦へ】 12位…メヂムリエ(15) 【降格】 【得点】 21ゴール…テルケシュ(ザダール) 18ゴール…ヂャロヴィッチ(リエカ) 17ゴール…カリニッチ(ハイドゥク) 14ゴール…ロヴレク(ザグレブ) 13ゴール…モドリッチ(ディナモ) 11ゴール…マルチッチ(チバリア)、バラバン(ディナモ)、マンジュキッチ(ディナモ)、イブリチッチ(ザグレブ)、シャルビーニ(リエカ) 【アシスト】 10アシスト…モドリッチ(ディナモ)、マンジュキッチ(ディナモ) 9アシスト…マルチッチ(チバリア)、チュトゥラ(ザグレブ)、ツェルナト(ハイドゥク) 8アシスト…ムムレク(ヴァルテクス) 7アシスト…トマソフ(ザダール)、ブーレ(リエカ)、ムイジャ(ザグレブ)、シャルビーニ(リエカ)、ヂャロヴィッチ(リエカ)
続いて、5月7日に行われたクロアチア・カップ決勝第1戦の報告です。決勝では2001年以来の顔合わせとなったディナモ・ザグレブとハイドゥク・スプリト。初戦はディナモのホーム、マクシミール・スタディオンで行われました(観客は15000人ほど)。他国のカップ戦とは違って、クロアチア・カップ決勝は二試合行われます。2001年時は旅行者として決勝を現地観戦しましたが、今回はカメラマンとして取材をしてきました。 ディナモは先の試合で温存したミキッチを右のミッドフィルダー、またモドリッチを左のミッドフィルダーに配置。怪我のビシュチャンに代わってドゥルビッチ、また若いタディッチを先発起用しました。 GKコッホ-DFエトー、ドゥルビッチ、ミクリッチ、チャレ-MFミキッチ、ヴルドリャク、ヴコイェヴィッチ、モドリッチ-FWマンジュキッチ、タディッチ ハイドゥクはゲームメイカーのチェルナトが先の試合で足首を負傷したために欠場。トップ下には18歳のチョップが入り、また左サイドバックに18歳のヨジノヴィッチを起用しての4バックを採用。代表経験のあるDFサブリッチも復帰し、メンバーは以下のようになりました(システムは4-2-3-1)。またこの試合から赤と青の横縞からなる新しいアウェーのユニフォームを着用しています。 GKバリッチ-(右から)DFジヴコヴィッチ、マロチャ、サブリッチ、ヨジノヴィッチ-MFリニッチ、リュビチッチ-ガブリッチ、チョップ、ルカビナ-FWカリニッチ 4日前の試合と打って変わって、前半はソルド監督就任以来、ディナモは最高の内容で試合を推し進めます。ハイドゥクは守備陣の集中力も低く、あっさりとディフェンスから崩壊します。
開始4分、ヘディングのクリアミスを拾ったタディッチのシュートはクロスバーを越えましたが、8分、右サイドでサブリッチがクリアを空振りしたのに付け込み、ミキッチが中央フリーのタディッチへラストパス。GKバリッチと一対一となったタディッチはキックフェイントを入れたのち、股下を抜くシュートを決めて先制に成功します。 14分にはマンジュキッチが左サイドのスペースに走り込むモドリッチにパスを通し、中央のタディッチにグラウンダーでクロスを入れるものの、わずかに足が届きません。 ツェルナトの欠場が大きく響いたハイドゥクも、16分に最終ラインのミクリッチからルカビナがボールを奪い、中央フリーのカリニッチ(写真中央)に。カリニッチは狙いすましてシュートしましたが、GKコッホが好セーブを見せます。 追加点は20分、モドリッチの左CKに対してGKバリッチはキャッチミス。ボールはファーサイドにいるマンジュキッチに通り、ヘディングで押し込んで2-0。失点のいずれもが致命的なミスから発生したことで、ハイドゥクの選手たちの士気は完全に落ちてしまいました。 23分、タディッチがマンジュキッチのパスを受けて突破しようとしたところ、サブリッチが思い切り倒してしまい、抜けたらGKと一対一になる状況なのでサブリッチにはレッドカードが普通なのにイエロー止まり。もしレッドカードだったら、ハイドゥクは最悪の展開に陥りかねませんでした。
後半に入ってもディナモが押し続けますが、追加点がなかなか生まれません。61分、左サイドのチャレの横パスがずれたのにもかかわらず、モドリッチは後ろ足で掻き出しながらそのままトップスピードから鋭いシュート。あいにくGKバリッチの正面で弾かれてしまいましたが、スタジアムから拍手が起こります。 73分に、フリースローからの競合いに勝ったマンジュキッチが中央フリーのミキッチにパスを通すものの、近距離のシュートはGKバリッチにぶつけてしまいます。 しかしながら、89分、モドリッチのパスを受けたマンジュキッチは左サイドを駆け上がり、ペナルティエリアでドリブルでマロチャをかわしてシュートコースを作ると、角度のない位置からシュートを決めて3-0(写真)。試合どころか、カップ戦そのものを決定づけるゴールとなりました。 両者の実力差を考えれば、ハイドゥクがホームのポリュウドで3-0以上の結果で勝利するのは不可能に近く、ある新聞は「唯一ハイドゥクのチャンスがあるとしたら、ディナモがポリュウドに行かない時だけだ」とまで皮肉られています。 記者会見でヤルニ監督(写真右)は血相を変えながら
「失望している。とりわけ前半の戦いには。このようなプレーや姿勢では上手くいくわけがなかった。怪我で5人も6人もレギュラーを使えない状況だけに、どれだけ私にこの敗北の責任があるかは分からない。」 と吐き捨てました。一方のソルド監督(写真左)は 「疑いなく、今日はこの春の最高の試合だった。我々はアグレッシブだったし、力もあった。観客もそれを分かってくれ、後半も我々を支えてくれた。納得の上で勝利を祝うことができたんだ。我々は二冠達成を望んでいるし、そのことだけに関心を持っている。とはいえ、この試合で全てが決まったと断言するほど、ハイドゥクに敬意を払っていないわけではない。スプリトでの試合は楽ではないだけに、一週間後の試合に集中しなければならない」 と語っています。 第2戦は5月14日、ハイドゥクの本拠地ポリュウド・スタディオンで行われます。
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posted by 長束恭行 |21:56 |
サッカーニュース |
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クロアチア・ダービー「ディナモvs.ハイドゥク」/リーグ第32節、カップ決勝第1戦
コメント投稿者ID :
5月3日ハイデゥク、ディナモの試合観戦しました。
初めてのクロアチアだったのですが、他国リーグとは違った雰囲気がなんとも印象的でした。特にサポーターの発煙筒が想像以上でした。
来期からチェックしていこうと思っています。
posted by Andy | 2008-05-10 05:25
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守勢に回っていたディナモの最初のチャンスは13分、右サイドにてブリャトからの縦パスがエトーに繋がり、突破してセンタリング。しかし、ボールはヴグリネツに届くことなくGKバリッチがキャッチします。23分にはモドリッチのパスを受けたサミールが左からシュートを放ちますが、ボールは左ポストを逸れていきました。
次第にディナモがボール・ポゼッションを高めていく一方で、ハイドゥクも25分以降に攻撃の形を作っていきます。27分にはチェルナトの右FKがゴールを襲うも、またしてGKコッホがパンチング。29分にはリニッチからの縦パスが俊足を飛ばしたルカビナ(写真)へと繋がり、ブリャトを背にしながらGKと一対一になりましたが、右足のシュートはわずかに外れてしまいました。
均衡が破れたのは35分、チェルナトが左からセンタリングを上げると、エリア内中央のルカビナはチャレとミクリッチに挟まれながらもヘディングシュートをゴール右へと叩き込み、ハイドゥクが先制します。41分にはハイドゥクのブリャトが30mの距離から強烈なFKを放ちましたが、ボールは左ポストの横。ハイドゥクのリードで試合は折り返します。
後半に入ってもハイドゥクの勢いは止まらず、50分にはチェルナトが正面から30mのドライブシュートを放ちます。ミドルシュートの反応が鈍いGKコッホでありますが、難しい軌道だったとはいえ何とか食い止めます。一方のチェルナトはシュートの際にヴコイェヴィッチのタックルに遭い、右足首を負傷してしまいました。
それでもハイドゥクは試合を決定づけるチャンスを迎えます。56分、右サイドでルカビナがドリブルでチャレをかわして中央に切れ込んでいくと、ディフェンスの背後へとすり抜けたカリニッチにラストパス。カリニッチはGKコッホと一対一になり、得意の近距離からのゴールを決めるだけだったのですが、シュートはGKコッホの頭に当たったままゴールラインを割ってしまいます。このチャンスを潰したのを契機にハイドゥクの勢いは尻すぼみになってきます。
ディナモは65分、マンジュキッチが左からミドルシュートを放ちますが、ボールは枠の外。しかしながら、79分にあっさりとゴールが決まりました。フリースローのボールをマンジュキッチがペナルティエリアへ突っ込むモドリッチに繋ぎ、途中交替のタディッチへパス。タディッチはフェイントを入れてから縦に抜けようとするも、左からブリャトがタックルが入って空振り。しかしボールはブリャトの足に当たってこぼれ、右でフリーのエトー(写真)がそのまま押し込んでゴール。ディナモが同点に追いつきます。
試合はそのままタイムアップ。ディナモに勝利して今季の悪いイメージを払拭したかったハイドゥクとしては勿体の無い引き分けとなりました。
ハイドゥクのヤルニ監督は
「このような馬鹿げたゴールを食らったことが勝負の分かれ目だった。我々は勝利に値する戦いをしたが、今日も不幸がついてまわった。水曜日のカップ戦では今日以上の戦いができることを望んでいる」
とコメント。またディナモのソルド監督は
「ハイドゥクは前半はよりアグレッシブで、うちの選手たちは非常に悪い形で試合にはいってしまった。ハイドゥクがリードしたのは仕方ないが、ハーフタイムにある事柄を変えたら、その先は随分と良くなった。カップ戦ではもっとアグレッシブに戦わねばならない」
とコメントしています。
全試合の結果はこちら。インテル・ザプレシッチが最下位メヂムリェに0-4と大敗し11位が確定。2部2位との入替戦に回ることが決まっています。
(試合のところをクリックすると、クロアチア国営放送の試合ダイジェストが見られます)
決勝では2001年以来の顔合わせとなったディナモ・ザグレブとハイドゥク・スプリト。初戦はディナモのホーム、マクシミール・スタディオンで行われました(観客は15000人ほど)。他国のカップ戦とは違って、クロアチア・カップ決勝は二試合行われます。2001年時は旅行者として決勝を現地観戦しましたが、今回はカメラマンとして取材をしてきました。
ディナモは先の試合で温存したミキッチを右のミッドフィルダー、またモドリッチを左のミッドフィルダーに配置。怪我のビシュチャンに代わってドゥルビッチ、また若いタディッチを先発起用しました。
GKコッホ-DFエトー、ドゥルビッチ、ミクリッチ、チャレ-MFミキッチ、ヴルドリャク、ヴコイェヴィッチ、モドリッチ-FWマンジュキッチ、タディッチ
ハイドゥクはゲームメイカーのチェルナトが先の試合で足首を負傷したために欠場。トップ下には18歳のチョップが入り、また左サイドバックに18歳のヨジノヴィッチを起用しての4バックを採用。代表経験のあるDFサブリッチも復帰し、メンバーは以下のようになりました(システムは4-2-3-1)。またこの試合から赤と青の横縞からなる新しいアウェーのユニフォームを着用しています。
GKバリッチ-(右から)DFジヴコヴィッチ、マロチャ、サブリッチ、ヨジノヴィッチ-MFリニッチ、リュビチッチ-ガブリッチ、チョップ、ルカビナ-FWカリニッチ
4日前の試合と打って変わって、前半はソルド監督就任以来、ディナモは最高の内容で試合を推し進めます。ハイドゥクは守備陣の集中力も低く、あっさりとディフェンスから崩壊します。
開始4分、ヘディングのクリアミスを拾ったタディッチのシュートはクロスバーを越えましたが、8分、右サイドでサブリッチがクリアを空振りしたのに付け込み、ミキッチが中央フリーのタディッチへラストパス。GKバリッチと一対一となったタディッチはキックフェイントを入れたのち、股下を抜くシュートを決めて先制に成功します。
14分にはマンジュキッチが左サイドのスペースに走り込むモドリッチにパスを通し、中央のタディッチにグラウンダーでクロスを入れるものの、わずかに足が届きません。
ツェルナトの欠場が大きく響いたハイドゥクも、16分に最終ラインのミクリッチからルカビナがボールを奪い、中央フリーのカリニッチ(写真中央)に。カリニッチは狙いすましてシュートしましたが、GKコッホが好セーブを見せます。
追加点は20分、モドリッチの左CKに対してGKバリッチはキャッチミス。ボールはファーサイドにいるマンジュキッチに通り、ヘディングで押し込んで2-0。失点のいずれもが致命的なミスから発生したことで、ハイドゥクの選手たちの士気は完全に落ちてしまいました。
23分、タディッチがマンジュキッチのパスを受けて突破しようとしたところ、サブリッチが思い切り倒してしまい、抜けたらGKと一対一になる状況なのでサブリッチにはレッドカードが普通なのにイエロー止まり。もしレッドカードだったら、ハイドゥクは最悪の展開に陥りかねませんでした。
後半に入ってもディナモが押し続けますが、追加点がなかなか生まれません。61分、左サイドのチャレの横パスがずれたのにもかかわらず、モドリッチは後ろ足で掻き出しながらそのままトップスピードから鋭いシュート。あいにくGKバリッチの正面で弾かれてしまいましたが、スタジアムから拍手が起こります。
73分に、フリースローからの競合いに勝ったマンジュキッチが中央フリーのミキッチにパスを通すものの、近距離のシュートはGKバリッチにぶつけてしまいます。
しかしながら、89分、モドリッチのパスを受けたマンジュキッチは左サイドを駆け上がり、ペナルティエリアでドリブルでマロチャをかわしてシュートコースを作ると、角度のない位置からシュートを決めて3-0(写真)。試合どころか、カップ戦そのものを決定づけるゴールとなりました。
両者の実力差を考えれば、ハイドゥクがホームのポリュウドで3-0以上の結果で勝利するのは不可能に近く、ある新聞は「唯一ハイドゥクのチャンスがあるとしたら、ディナモがポリュウドに行かない時だけだ」とまで皮肉られています。
記者会見でヤルニ監督(写真右)は血相を変えながら
「失望している。とりわけ前半の戦いには。このようなプレーや姿勢では上手くいくわけがなかった。怪我で5人も6人もレギュラーを使えない状況だけに、どれだけ私にこの敗北の責任があるかは分からない。」
と吐き捨てました。一方のソルド監督(写真左)は
「疑いなく、今日はこの春の最高の試合だった。我々はアグレッシブだったし、力もあった。観客もそれを分かってくれ、後半も我々を支えてくれた。納得の上で勝利を祝うことができたんだ。我々は二冠達成を望んでいるし、そのことだけに関心を持っている。とはいえ、この試合で全てが決まったと断言するほど、ハイドゥクに敬意を払っていないわけではない。スプリトでの試合は楽ではないだけに、一週間後の試合に集中しなければならない」
と語っています。
第2戦は5月14日、ハイドゥクの本拠地ポリュウド・スタディオンで行われます。

