2008年04月17日
クロアチア・リーグ第29節/続くディナモの冴えない勝利
16日、クロアチア・リーグ第29節が行われました。 前節で3シーズン連続の優勝を決めたディナモ・ザグレブは5位オシエクとホームのマクシミール・スタディオンで対戦し、この試合を撮影取材してきました。ウィンターブレークが明けてからリーグ戦は7節終了したのですが、オシエクはディナモと並び勝点17を稼ぐ好調ぶり。オシエクは元来優秀な選手が生まれる土地であり(シュケル、ヴラオヴィッチ、バビッチ、ヴラニェシュなど)、かつユース育成には定評があります。この冬にエースFWユキッチ(→サンフレッチェ広島)、U-21代表MFディニャール(→テレク・グロズヌイ/ロシア)、ブラジル人DFロペス(→テレク・グロズヌイ)を放出して140万ドルの移籍金を稼いだ上、ロンチャレヴィッチ監督は現有戦力でチームを整えました。ディナモも欲しがっているFWニクシッチ(20)は右足膝の靭帯損傷で今季は絶望とはいえ、同じく関心を持っているMFヴィーダ(18・写真右)はサスペンション明けでボランチにて先発出場しました。 ディナモは司令塔のモドリッチが病気のために欠場したこともあって、ソルド監督はこの試合も来季を想定したメンバーで戦うことになりました。
オシエクは互角の戦いを見せてくれると期待したのですが、戦意を喪失したかのようなプレーぶり。ディナモも優れたサッカーをするわけでなく、攻撃で目立つ選手は持ち前のスピードで右MFに定着したミキッチ(写真)とレギュラーの座を取り戻したいFWマンジュキッチの二人だけでした。 先制点はそのマンジュキッチが生み出します。20分、MFサミールからピッチ中央でボールをもらったマンジュキッチはドリブルで相手をかわしてミドルシュート。ボールはDFスタラナティッチに当たって方向が変わり、今季リーグ10得点目となるゴールとなります。 その5分後、縦へのロングパスをマンジュキッチがヘディングで落とし、FWタディッチがペナルティエリアでシュートするも、ボールはクロスバーの遥か上。 しかし45分、GKコッホのゴールキックをマンジュキッチがヘディングで前方へと押し出すと、ゴール前へと走り込んだタディッチはDFプラニッチの処理ミスもあってシュートを決め、リードを2点とします。
この試合で一番美しかったアクションは57分、DFブリャトがマンジュキッチとのワンツーから前方のタディッチにボールを当て、タディッチは背後のマンジュキッチを使ってのパス&ゴー。浮き球で貰い返したタディッチは胸トラップとフェイントでマーカーをかわし、最後はゴール前へと走り込んだMFヴコイェヴィッチへラストパス。これを押し込んで3-0とします(写真左)。 しかし、またしてこの試合でもディナモの悪い癖が出てしまいます。オシエクもようやくエンジンが掛かってチャンスを作り始め、74分、途中交替のMFヴィタイッチがミドルシュートを左に決めて3-1。 82分にFWパブリチッチがGKコッホを右からかわしてシュートするも、ゴール前をカバーしたDFドゥルピッチにクリア。しかし、終了間際には再びヴィタイッチが20mの距離のミドルシュートを決めて3-2としてタイムアップ。 「私のチームは90分間集中して、試合の終わりを迎えることができない。3対0とした段階で、ルーチン的に試合を運ぶのではなく、問題を抱える状況へと飛び込んでしまっている。理由は集中力の低下。それが唯一だ。またコミュニケーションの問題を抱えている。選手にはいつもピッチでコミュニケーションしろと注意を促しているのだが」 と試合後、ソルド監督も苦言を呈しています。また優勝が決定してから最初のホームの試合というのに、優勝チームを迎えた観客は約2000人と、非常に寂しい雰囲気ともなりました。 注目のカードは2位ハイドゥク・スプリトと3位スラヴェン・ベルーポの対決。ポリュウド・スタディオンで行われたこの試合はクロアチア国営テレビで生中継されました(こちらも観客は2500人ほど)。 スラヴェン・ベルーポは主力5人を怪我とサスペンションで欠きながら、分厚い中盤を敷いてハイドゥクの攻撃を食い止めます。ハイドゥクは左サイドバックのフルゴヴィッチを移籍で失って以来、有効なサイド攻撃を仕掛けられません。かつてはクロアチア代表の名サイドバックであり、4バックの信仰者でもあるヤルニもこれには苦悩しており、前半の攻撃は中央からのロングパス一辺倒。前線のFWコンビ、カリニッチとルカビナも孤立してしまいます。
しかしながら42分、左クロスがオーバーしたところをMFチェルナトが背面で上手くトラップすると、振り向いてマーカーをフェイントでかわして縦へと切れ込み、クロスボール。これにルカビナがヘディングで合わせて先制点を生み出します。 後半はハイドゥクがゲームをしっかりとコントロールするものの決定機はなかなか作れず、試合が終わるに連れ、徐々に押し込まれます。85分、途中交替で入ったスラヴェン・ベルーポのFWクレシンゲルが右サイドからシュートするも、ポストにシュートは叩かれてしまいました。 しかしながらロスタイム、MFカブリッチ(写真)が強烈なミドルシュートをゴール右上隅に叩き込み、2-0で納得の勝利。ハイドゥクは3位スラヴェン・ベルーポに勝点4、また今節で今年初の勝利を収めた4位リエカにも勝点5を引き離し、2位の座を固めつつあります。 ちなみにクロアチアは来季のUEFAカップの枠を二つ持っており、カップ優勝とリーグ2位が出場できるわけですが、ハイドゥクは2位と共にカップ戦の決勝進出が濃厚です。ということでUEFAカップの枠はリーグ3位に周ってくることになり、次節のスラヴェン・ベルーポとリエカの直接対決が大事な一戦となります。 今節はハットトリック達成者が実に3人。ザダールのFWテルケシュは19ゴールで単独トップとなり、今年は不振に喘いでいたリエカのFWヂャロヴィッチも得点ランク2位タイに浮上。またザグレブのMF/FWイブリチッチはPKを含む4得点を叩き出しています。 全試合の結果はこちら。 (試合名をクリックすれば、クロアチア国営テレビのダイジェスト動画が見られます) Zagreb - Medimurje 6:1 1:0 12' Senijad Ibricic (PK) 2:0 15' Senijad Ibricic 2:1 37' Josip Milardovic 3:1 39' Senijad Ibricic 4:1 47' Miroslav Pejic 5:1 55' Senijad Ibricic 6:1 65' Miroslav Pejic Sibenik - Inter Zapresic 0:0 Cibalia Vinkovci - Varteks 0:1 0:1 59' Mario Lucic Dinamo Zagreb - Osijek 3:2 1:0 20' Mario Mandzukic 2:0 44' Josip Tadic 3:0 57' Ognjen Vukojevic 3:1 75' Ante Vitaic 3:2 90' Ante Vitaic Rijeka - Zadar 5:3 1:0 1' Luka Vucko 2:0 19' Radomir Dalovic 3:0 46' Radomir Dalovic 3:1 47' Zelimir Terkes 4:1 61' Radomir Dalovic 4:2 82' Zelimir Terkes 5:2 89' Anas Sharbini 5:3 90' Zelimir Terkes Hajduk Split - Slaven Belupo 2:0 1:0 42' Ante Rukavina 2:0 90' Drago Gabric 【順位】 1位…ディナモ・ザグレブ(勝点69) 【優勝】 2位…ハイドゥク・スプリト(50) 3位…スラヴェン・ベルーポ(46) 4位…リエカ(45) 5位…オシエク(42) 6位…ザダール(39) 7位…ザグレブ(37) 8位…ヴァルテクス・ヴァラジディン(34) 9位…チバリア・ヴィンコヴチ(30) 10位…シベニク(29) 11位…インテル・ザプレシッチ(29) 12位…メヂムリエ(12) 【得点】 19ゴール…テルケシュ(ザダール) 16ゴール…カリニッチ(ハイドゥク)、ヂャロヴィッチ(リエカ) 14ゴール…ロヴレク(ザグレブ) 13ゴール…モドリッチ(ディナモ) 10ゴール…マルチッチ(チバリア)、バラバン(ディナモ)、マンジュキッチ(ディナモ)、イブリチッチ(ザグレブ)
posted by 長束恭行 |23:05 |
サッカーニュース |
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ウィンターブレークが明けてからリーグ戦は7節終了したのですが、オシエクはディナモと並び勝点17を稼ぐ好調ぶり。オシエクは元来優秀な選手が生まれる土地であり(シュケル、ヴラオヴィッチ、バビッチ、ヴラニェシュなど)、かつユース育成には定評があります。この冬にエースFWユキッチ(→サンフレッチェ広島)、U-21代表MFディニャール(→テレク・グロズヌイ/ロシア)、ブラジル人DFロペス(→テレク・グロズヌイ)を放出して140万ドルの移籍金を稼いだ上、ロンチャレヴィッチ監督は現有戦力でチームを整えました。ディナモも欲しがっているFWニクシッチ(20)は右足膝の靭帯損傷で今季は絶望とはいえ、同じく関心を持っているMFヴィーダ(18・写真右)はサスペンション明けでボランチにて先発出場しました。
ディナモは司令塔のモドリッチが病気のために欠場したこともあって、ソルド監督はこの試合も来季を想定したメンバーで戦うことになりました。
オシエクは互角の戦いを見せてくれると期待したのですが、戦意を喪失したかのようなプレーぶり。ディナモも優れたサッカーをするわけでなく、攻撃で目立つ選手は持ち前のスピードで右MFに定着したミキッチ(写真)とレギュラーの座を取り戻したいFWマンジュキッチの二人だけでした。
先制点はそのマンジュキッチが生み出します。20分、MFサミールからピッチ中央でボールをもらったマンジュキッチはドリブルで相手をかわしてミドルシュート。ボールはDFスタラナティッチに当たって方向が変わり、今季リーグ10得点目となるゴールとなります。
その5分後、縦へのロングパスをマンジュキッチがヘディングで落とし、FWタディッチがペナルティエリアでシュートするも、ボールはクロスバーの遥か上。
しかし45分、GKコッホのゴールキックをマンジュキッチがヘディングで前方へと押し出すと、ゴール前へと走り込んだタディッチはDFプラニッチの処理ミスもあってシュートを決め、リードを2点とします。
この試合で一番美しかったアクションは57分、DFブリャトがマンジュキッチとのワンツーから前方のタディッチにボールを当て、タディッチは背後のマンジュキッチを使ってのパス&ゴー。浮き球で貰い返したタディッチは胸トラップとフェイントでマーカーをかわし、最後はゴール前へと走り込んだMFヴコイェヴィッチへラストパス。これを押し込んで3-0とします(写真左)。
しかし、またしてこの試合でもディナモの悪い癖が出てしまいます。オシエクもようやくエンジンが掛かってチャンスを作り始め、74分、途中交替のMFヴィタイッチがミドルシュートを左に決めて3-1。
82分にFWパブリチッチがGKコッホを右からかわしてシュートするも、ゴール前をカバーしたDFドゥルピッチにクリア。しかし、終了間際には再びヴィタイッチが20mの距離のミドルシュートを決めて3-2としてタイムアップ。
「私のチームは90分間集中して、試合の終わりを迎えることができない。3対0とした段階で、ルーチン的に試合を運ぶのではなく、問題を抱える状況へと飛び込んでしまっている。理由は集中力の低下。それが唯一だ。またコミュニケーションの問題を抱えている。選手にはいつもピッチでコミュニケーションしろと注意を促しているのだが」
と試合後、ソルド監督も苦言を呈しています。また優勝が決定してから最初のホームの試合というのに、優勝チームを迎えた観客は約2000人と、非常に寂しい雰囲気ともなりました。
注目のカードは2位ハイドゥク・スプリトと3位スラヴェン・ベルーポの対決。ポリュウド・スタディオンで行われたこの試合はクロアチア国営テレビで生中継されました(こちらも観客は2500人ほど)。
スラヴェン・ベルーポは主力5人を怪我とサスペンションで欠きながら、分厚い中盤を敷いてハイドゥクの攻撃を食い止めます。ハイドゥクは左サイドバックのフルゴヴィッチを移籍で失って以来、有効なサイド攻撃を仕掛けられません。かつてはクロアチア代表の名サイドバックであり、4バックの信仰者でもあるヤルニもこれには苦悩しており、前半の攻撃は中央からのロングパス一辺倒。前線のFWコンビ、カリニッチとルカビナも孤立してしまいます。
しかしながら42分、左クロスがオーバーしたところをMFチェルナトが背面で上手くトラップすると、振り向いてマーカーをフェイントでかわして縦へと切れ込み、クロスボール。これにルカビナがヘディングで合わせて先制点を生み出します。
後半はハイドゥクがゲームをしっかりとコントロールするものの決定機はなかなか作れず、試合が終わるに連れ、徐々に押し込まれます。85分、途中交替で入ったスラヴェン・ベルーポのFWクレシンゲルが右サイドからシュートするも、ポストにシュートは叩かれてしまいました。
しかしながらロスタイム、MFカブリッチ(写真)が強烈なミドルシュートをゴール右上隅に叩き込み、2-0で納得の勝利。ハイドゥクは3位スラヴェン・ベルーポに勝点4、また今節で今年初の勝利を収めた4位リエカにも勝点5を引き離し、2位の座を固めつつあります。
ちなみにクロアチアは来季のUEFAカップの枠を二つ持っており、カップ優勝とリーグ2位が出場できるわけですが、ハイドゥクは2位と共にカップ戦の決勝進出が濃厚です。ということでUEFAカップの枠はリーグ3位に周ってくることになり、次節のスラヴェン・ベルーポとリエカの直接対決が大事な一戦となります。
今節はハットトリック達成者が実に3人。ザダールのFWテルケシュは19ゴールで単独トップとなり、今年は不振に喘いでいたリエカのFWヂャロヴィッチも得点ランク2位タイに浮上。またザグレブのMF/FWイブリチッチはPKを含む4得点を叩き出しています。
全試合の結果はこちら。
(試合名をクリックすれば、クロアチア国営テレビのダイジェスト動画が見られます)

