2008年03月27日
親善試合「スコットランドvs.クロアチア」/収穫あるドロー
26日、グラスゴーのハンプデン・パークで親善試合「スコットランドvs.クロアチア」が行われました。妥協しない国民性のスコットランドとの対戦をビリッチ監督は大事なテストの機会と考えており、スペクタクルな内容ではなかったとはいえ、収穫のある試合となりました。クロアチアにとっては2月のオランダ戦に続く今年二試合目の親善試合。FWエドゥアルド、MFラキティッチを怪我で欠いたものの、FWクラスニッチとFWブダンが代表復帰しまた。クロアチアとしてはオランダの敗北(0-3)で生まれたネガティブな雰囲気を払拭したいところ。新たなテストとしてMFプラニッチ(写真)を初めてスタメン起用し、本職とは違う左SBのポジションに置きました。ミランで出場機会のないDFシミッチを外し、DFシムニッチを左SBからセンターバックにスライド。またツートップはペトリッチ&オリッチでスタートし、ペトリッチはオリッチよりも若干低い位置に立ちました。スタメンは以下のよう(4-4-2)。 GKプレティコサ-(右から)DFチョルルカ、コヴァチ弟、シムニッチ、プラニッチ-MFスルナ、コヴァチ兄、モドリッチ、クラニチャール-FWペトリッチ、オリッチ 一方のスコットランドはユーロ予選でフランスとイタリアを苦しめながらも最終節で脱落。ジョージ・バーリーが新新監督に就任して最初の指揮なわけですが、土曜日にオールドファームを控えているため、レンジャースとセルティックの選手を中心に7選手が召集に断りを入れています。スタメンは以下のようになりました(4-4-2)。 GKゴードン-DFハットン、マクマナス、コールドウェル、ネイスミス-MFブラウン-マロニー、D.フレッチャー、ハートリー-FWミラー、S.フレッチャー チケット代が25ポンドと通常よりも高く設定されたことから客足はさほど伸びず、5万人以上入るハンプドン・パークに駆けつけた観客は28,821人。冷たい雨でピッチがぬかるみ、ショートパスとコンビネーションを主体とするクロアチアにとっては不利な条件でした。それでも無理な仕掛けはせずに足元で繋ぎながら、ゲームをコントロールしていきます。
静かな立ち上がりだったとはいえ、先制点は早くも10分に生まれます。左タッチラインのスローインのボールを受けたモドリッチは前にいるクラニチャール(写真)に繋ぐと、クラニチャールは縦へと移動してコースを作りながらノートラップでミドルシュート。シュートに対しての準備してなかったGKゴードンは無回転で生まれた軌道もあって反応できず、ボールはネット右に突き刺さります。 ようやく闘争心に火がついたのか、スコットランドも前へ前へと攻撃を仕掛けていきます。幾度とセットプレーの場面を迎えますが、クロアチアの守備陣がしっかりと対処しました。 その一方でクロアチアは攻撃で見所が少なく、20分にはモドリッチから、22分にはスルナから縦への長いスルーパスがオリッチに通るものの、コース取りの悪さと相手DFがカバーしてシュート体勢へと持ち込めません。25分にもモドリッチからのロングパスにオリッチが抜けるものの、バウンドしてからの球足が早くGKにキャッチされました。 すると、スコットランドに意外な形で同点ゴールが生まれます。31分、S.フレッチャーが自陣左から大きく前方へと蹴り出すと、クリアに入ったコヴァチ弟が足を滑らせて転倒。走り込んだミラーがボールを持ってエリア内へ。カバーに入ったシムニッチは中途半端に近づいたところを左からミラーがシュート。ボールはシムニッチの足に当たって弾道が変わり、ネットへと収まりました。 それからはクロアチアが再び主導権を握り、35分にはクラニチャールが左から中央へと切れ込んでミドルシュートを放ちますが、GKゴードンが好セーブ。43分には正面からスルナが得意の距離からFKを放ちますが、ボールはGKゴードンの正面を突きました。 後半からは病気から治って間もないコヴァチ兄を外し、MFヴコイェヴィッチが登場。ボランチ間での役割分担がはっきりしている分、モドリッチが前半よりも攻撃参加できるようになり、ボールがより回りました。 開始早々、チョルルカの右クロスにペナルティエリアのクラニチャールがシュートチャンスを得ますが、トラップが大きく相手守備陣にクリアされます。 スコットランドも負けじとその1分後、D.フレッチャーのパスを受けたブラウンが左足でシュート。ボールは右ポストを逸れていきます。51分にはマロニーの右CKからニアに立ったミラーがヘディングシュートを試みますが、これはポスト際に立っていたプラニッチがヘディングでクリアしました。 クロアチアは56分、スルナの右CKは大きく逸れたものの、ペナルティエリア外でクラニチャールが拾ってグラウンダーのミドルシュート。ボールは密集を抜けてGKゴードンを襲い、こぼれたところをオリッチが詰めますが、間一髪でコールドウェルがクリアします。
その直後にビリッチ監督はツートップをごっそりと代え、ブダンとクラスニッチを投入します。67分、左サイドのパス交換からクラニチャールがスルーパス。ブダン(写真)が左から抜けて近距離からシュートを放ちますが、これにはGKゴードンが好反応を見せます。74分にはヴコイェヴィッチのスルーパスにクラスニッチが反応したものの、マーカーを外しきれず、シュートかブダンへのラストパスかはっきりしない蹴り方でチャンスを台無しに。82分にはクラニチャールのラストパスにブダンが反応。しかし、彼もクラスニッチと同じ失敗を繰り返してしまいました。 スコットランドもやられっ放しではなく、84分にマンチェスターU所属のD.フレッチャーが中央をドリブルで突進していくと、最後は途中交替で入ったFWボイドにラストパス。ボイドは右から強烈なシュートを放ちますが、GKプレティコサが素晴らしいセーブで逃れます。 試合は1-1のまま終了。これまで両者の対決は日韓ワールドカップ予選で二度とも引分けていますが、三度目もまた引き分けとなりました。クロアチアとしてはプラニッチの左SB起用がまずまず上手くいったこと、また組織重視のサッカーをきちんと遂行し、オランダ戦で失いかけていた自信を取り戻したことで意味のある試合でありました。 心配な点としてはドルトムントでもここ最近起用されていないコヴァチ弟の実力に陰りが見えていること。シミッチもミランで起用されておらず、ベテランのセンターバック二枚がどこまで本大会で本調子を迎えられるが課題です。今回のプラニッチのSB起用は高さの面でディフェンスに問題を抱えるとはいえ、運動量でクラニチャールの背後をカバー。よりオフェンシブなオプションとして目処が立ったかと思います。またチームに陰を落とすのはエドゥアルドの不在。この日に起用された4人のFWそれぞれが優れた選手とはいえ、チャンスからあっさりとゴールを決めるタイプはエドゥアルドだけのため、ユーロでは得点力不足に泣く可能性も見えています。 ビリッチ監督は試合後のインタビューにて 「一線を引いたとしたならば、試合には満足はしている。真剣な試合であったし、そんな試合を我々は望んでいた。先制点の後も試合を支配し続けるのではなく、まるで試合の終わり際であるかのように気が抜けてしまったよ。そのために我々は(同点ゴールという形で)罰せられたんだ。前半の内容にはさほど満足していない。後半の方が良いプレーをしたし、全員が上向きとなった。ベンチスタートの選手たちも素晴らしかったよ。後半に勝ち越すこともできたとはいえ、プレーと結果には満足しているよ。今回はエドゥアルド抜きでの初めての試合だった。もちろんハンディキャップは感じている。けれども、ブダンとクラスニッチは最高の形で戻ってきてくれたんだ」 またスコットランドのバーリー監督は 「負けなかったことにはラッキーだし、誇りに思っている。負ける可能性もあったのだから。しかし一方では勝利する可能性もあった。最後の場面(ボイドのシュート)ではGKが素晴らしい反応で救ったのだから。クロアチアにあれほど巧みに、あれほど長くボールをコントロールすることを許してはいけなかった」 とコメントしています。 次の親善試合は5月24日、リエカでモルドバと対戦する予定です。
posted by 長束恭行 |22:19 |
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クロアチアにとっては2月のオランダ戦に続く今年二試合目の親善試合。FWエドゥアルド、MFラキティッチを怪我で欠いたものの、FWクラスニッチとFWブダンが代表復帰しまた。クロアチアとしてはオランダの敗北(0-3)で生まれたネガティブな雰囲気を払拭したいところ。新たなテストとしてMFプラニッチ(写真)を初めてスタメン起用し、本職とは違う左SBのポジションに置きました。ミランで出場機会のないDFシミッチを外し、DFシムニッチを左SBからセンターバックにスライド。またツートップはペトリッチ&オリッチでスタートし、ペトリッチはオリッチよりも若干低い位置に立ちました。スタメンは以下のよう(4-4-2)。
GKプレティコサ-(右から)DFチョルルカ、コヴァチ弟、シムニッチ、プラニッチ-MFスルナ、コヴァチ兄、モドリッチ、クラニチャール-FWペトリッチ、オリッチ
一方のスコットランドはユーロ予選でフランスとイタリアを苦しめながらも最終節で脱落。ジョージ・バーリーが新新監督に就任して最初の指揮なわけですが、土曜日にオールドファームを控えているため、レンジャースとセルティックの選手を中心に7選手が召集に断りを入れています。スタメンは以下のようになりました(4-4-2)。
GKゴードン-DFハットン、マクマナス、コールドウェル、ネイスミス-MFブラウン-マロニー、D.フレッチャー、ハートリー-FWミラー、S.フレッチャー
チケット代が25ポンドと通常よりも高く設定されたことから客足はさほど伸びず、5万人以上入るハンプドン・パークに駆けつけた観客は28,821人。冷たい雨でピッチがぬかるみ、ショートパスとコンビネーションを主体とするクロアチアにとっては不利な条件でした。それでも無理な仕掛けはせずに足元で繋ぎながら、ゲームをコントロールしていきます。
静かな立ち上がりだったとはいえ、先制点は早くも10分に生まれます。左タッチラインのスローインのボールを受けたモドリッチは前にいるクラニチャール(写真)に繋ぐと、クラニチャールは縦へと移動してコースを作りながらノートラップでミドルシュート。シュートに対しての準備してなかったGKゴードンは無回転で生まれた軌道もあって反応できず、ボールはネット右に突き刺さります。
ようやく闘争心に火がついたのか、スコットランドも前へ前へと攻撃を仕掛けていきます。幾度とセットプレーの場面を迎えますが、クロアチアの守備陣がしっかりと対処しました。
その一方でクロアチアは攻撃で見所が少なく、20分にはモドリッチから、22分にはスルナから縦への長いスルーパスがオリッチに通るものの、コース取りの悪さと相手DFがカバーしてシュート体勢へと持ち込めません。25分にもモドリッチからのロングパスにオリッチが抜けるものの、バウンドしてからの球足が早くGKにキャッチされました。
すると、スコットランドに意外な形で同点ゴールが生まれます。31分、S.フレッチャーが自陣左から大きく前方へと蹴り出すと、クリアに入ったコヴァチ弟が足を滑らせて転倒。走り込んだミラーがボールを持ってエリア内へ。カバーに入ったシムニッチは中途半端に近づいたところを左からミラーがシュート。ボールはシムニッチの足に当たって弾道が変わり、ネットへと収まりました。
それからはクロアチアが再び主導権を握り、35分にはクラニチャールが左から中央へと切れ込んでミドルシュートを放ちますが、GKゴードンが好セーブ。43分には正面からスルナが得意の距離からFKを放ちますが、ボールはGKゴードンの正面を突きました。
後半からは病気から治って間もないコヴァチ兄を外し、MFヴコイェヴィッチが登場。ボランチ間での役割分担がはっきりしている分、モドリッチが前半よりも攻撃参加できるようになり、ボールがより回りました。
開始早々、チョルルカの右クロスにペナルティエリアのクラニチャールがシュートチャンスを得ますが、トラップが大きく相手守備陣にクリアされます。
スコットランドも負けじとその1分後、D.フレッチャーのパスを受けたブラウンが左足でシュート。ボールは右ポストを逸れていきます。51分にはマロニーの右CKからニアに立ったミラーがヘディングシュートを試みますが、これはポスト際に立っていたプラニッチがヘディングでクリアしました。
クロアチアは56分、スルナの右CKは大きく逸れたものの、ペナルティエリア外でクラニチャールが拾ってグラウンダーのミドルシュート。ボールは密集を抜けてGKゴードンを襲い、こぼれたところをオリッチが詰めますが、間一髪でコールドウェルがクリアします。
その直後にビリッチ監督はツートップをごっそりと代え、ブダンとクラスニッチを投入します。67分、左サイドのパス交換からクラニチャールがスルーパス。ブダン(写真)が左から抜けて近距離からシュートを放ちますが、これにはGKゴードンが好反応を見せます。74分にはヴコイェヴィッチのスルーパスにクラスニッチが反応したものの、マーカーを外しきれず、シュートかブダンへのラストパスかはっきりしない蹴り方でチャンスを台無しに。82分にはクラニチャールのラストパスにブダンが反応。しかし、彼もクラスニッチと同じ失敗を繰り返してしまいました。
スコットランドもやられっ放しではなく、84分にマンチェスターU所属のD.フレッチャーが中央をドリブルで突進していくと、最後は途中交替で入ったFWボイドにラストパス。ボイドは右から強烈なシュートを放ちますが、GKプレティコサが素晴らしいセーブで逃れます。
試合は1-1のまま終了。これまで両者の対決は日韓ワールドカップ予選で二度とも引分けていますが、三度目もまた引き分けとなりました。クロアチアとしてはプラニッチの左SB起用がまずまず上手くいったこと、また組織重視のサッカーをきちんと遂行し、オランダ戦で失いかけていた自信を取り戻したことで意味のある試合でありました。
心配な点としてはドルトムントでもここ最近起用されていないコヴァチ弟の実力に陰りが見えていること。シミッチもミランで起用されておらず、ベテランのセンターバック二枚がどこまで本大会で本調子を迎えられるが課題です。今回のプラニッチのSB起用は高さの面でディフェンスに問題を抱えるとはいえ、運動量でクラニチャールの背後をカバー。よりオフェンシブなオプションとして目処が立ったかと思います。またチームに陰を落とすのはエドゥアルドの不在。この日に起用された4人のFWそれぞれが優れた選手とはいえ、チャンスからあっさりとゴールを決めるタイプはエドゥアルドだけのため、ユーロでは得点力不足に泣く可能性も見えています。
ビリッチ監督は試合後のインタビューにて
「一線を引いたとしたならば、試合には満足はしている。真剣な試合であったし、そんな試合を我々は望んでいた。先制点の後も試合を支配し続けるのではなく、まるで試合の終わり際であるかのように気が抜けてしまったよ。そのために我々は(同点ゴールという形で)罰せられたんだ。前半の内容にはさほど満足していない。後半の方が良いプレーをしたし、全員が上向きとなった。ベンチスタートの選手たちも素晴らしかったよ。後半に勝ち越すこともできたとはいえ、プレーと結果には満足しているよ。今回はエドゥアルド抜きでの初めての試合だった。もちろんハンディキャップは感じている。けれども、ブダンとクラスニッチは最高の形で戻ってきてくれたんだ」
またスコットランドのバーリー監督は
「負けなかったことにはラッキーだし、誇りに思っている。負ける可能性もあったのだから。しかし一方では勝利する可能性もあった。最後の場面(ボイドのシュート)ではGKが素晴らしい反応で救ったのだから。クロアチアにあれほど巧みに、あれほど長くボールをコントロールすることを許してはいけなかった」
とコメントしています。
次の親善試合は5月24日、リエカでモルドバと対戦する予定です。

