2010年02月26日
「ディナモB」ことロコモティーヴァを牽引するニーノ・ブーレ
2月25日、82日間ものウィンターブレイクが開け、「ロコモティーヴァvs.ヴァルテクス・ヴァラジディン」戦を皮切りにクロアチア・リーグが再開しました。 基本は土曜日開催なのですが、マクシミール・スタディオンをディナモ・ザグレブとロコモティーヴァが共同使用し、今節はそれぞれがホーム開催のため、ロコモティーヴァがディナモより2日早く試合を行うことになったのです。今年のクロアチアの冬は厳しく、予定よりも一週間遅れの試合開催となりました。先週は一日中気温がマイナス、今週になって最低気温がようやくプラスに転じ、昨日はいきなり日中が17度まで上がる春の陽気となりました。私もそんな陽気に誘われるかのように、カメラを背負って今年最初の撮影取材へと行ってきました。 ロコモティーヴァが一部になってからの試合は初めて。取材パスを申請してなかったのですが、ディナモのシーズンパスですんなり入ることができたのです。観客は300人ほどと少ないものの(それでも普段のロコモティーヴァのカードよりも観客は多いようですが)、長く待ったシーズン再開に高揚感が湧いてきます。そして3ヶ月ぶりに会うジャーナリストやカメラマン、スタッフらと親交を深めたのでした。 さて、ロコモティーヴァはその名前が示す通り、鉄道員のチームとして1914年に設立された由緒あるクラブです。第二次大戦後は長くユーゴラスビア一部リーグに属し、1952年にはハイドゥク・スプリト、ツルヴェナ・ズヴェズダに次ぐ3位という好成績を残しました。しかし、その後はディナモの陰に隠れるように没落し、1955年に二部リーグに転落。翌年は一部に上がったものの、その一年後に再び二部リーグに転落したあとは一度も表舞台に出てくることはありませんでした。 クロアチアが独立したあとも常に下位リーグをうろうろし、2006年には4部リーグまで転落。そこで浮上したプランが、ディナモとの提携でした。ディナモの育成における悩みは、ユース学校を経てきた選手達に出場機会をどう与えるかというもの。国内では常勝を求められ、欧州カップ戦では1970年以来の冬越えを目指すクラブだけに、18歳~20歳辺りの経験の浅い選手が出場機会を得て、簡単にレギュラーを取れるわけではありません。18歳まではユース・カテゴリーのリーグがあるのですが、それを越えると成長の場がなくなってしまいます。そのためにレンタルという手があるわけですが、将来を嘱望されながらも芽で出ずに消えていく選手が多いのが実情です。 かつてディナモの選手を頻繁に受け入れていたのが、インテル・ザプレシッチでした。FWエドゥアルド・ダ・シルヴァ(現アーセナル)、MFルカ・モドリッチ、DFヴェドラン・チョルルカ(共にトットナム)、DFデヤン・ロヴレン(リヨン)、DFフルヴォイエ・チャレ(トラブゾンシュポール)といった選手は、いずれもディナモの主力になる前、インテル・ザプレシッチにレンタルされることで経験を積みました。 しかしその後、インテルはディナモと提携を結んでBチーム化されることを拒否。そんな中、イリヤ・ロンチェレヴィッチ(元ディナモ、ロコモティーヴァ監督)のアドバイスの下、4年前に新たな提携先として浮かんだクラブが4部のロコモティーヴァでした。 インテルのケースと違うのは、ロコモティーヴァにコーチ陣も送ることで、ディナモ(・ユース)と同じたコンセプトでサッカーを行うことです。また、若い選手の模範となるようなベテラン選手も加入させます。そのベテランの代表格の一人がエディン・ムイチンです(2007/08シーズンにプレー)。 ロコモティーヴァは2006/07シーズンを四部リーグを1位で終えて昇格を決めると、2007/08シーズンは三部リーグを2位で終えて目標だった二部昇格。そして昨シーズンは二部を3位で終えたわけですが、一部リーグが12クラブから16クラブに拡大されたこともあり、昇格対象になりました。事実上の「ディナモB」が本家ディナモ・ザグレブと同じリーグでプレーしていいのか?、という倫理的な問題が浮上したものの、ティン・ドリチュキ会長の強い主張もあって、一部リーグに加わることを決めたのです。 ロコモティーヴァを活用するプランは、ここ10年のディナモで一二を争う成功例です。この4年間、1988年生まれ以降でディナモからロコモティーヴァに送られたユース選手は実に33人。既にディナモで活躍している選手にMFミラン・バデリ(1989年生)、MF/DFイヴァン・トメチャク(1989)、DFトミスラフ・バルバリッチ(1989)、FWアンドレイ・クラマリッチ(1991)が挙げられます。そして今季前半をロコモティーヴァでプレーし、後半にディナモへ戻されたのが、MFドマゴイ・アントリッチ(1990)とDFシーメ・ヴルサリコ(1992)。とりわけヴルサリコは、18歳ながら冬のキャンプでディナモのレギュラーを勝ち取りました。
さて、今季のロコモティーヴァですが、リーダーとなるベテランは二人います。一人は昨季からプレーするMFジェリコ・ソピッチ(35歳・写真左)。ボルシア・メンヒェングラートバッハをはじめ、ドイツで何年間もプレーし、中盤のハードワーカーとなる主将です。 そしてもう一人は今季から加入したFWニーノ・ブーレ(33歳・写真右)。2000~2002年にガンバ大阪で活躍したことでお馴染みの彼は、この10年間で数多くのクラブを渡り歩きました。昨年6月にパンセライコス(ギリシャ)を退団したのち、ブーレは最初に打診してきたロコモティーヴァのオファーを受け、2年契約を結んだのです。 しかしながら、開幕戦はリエカに0-6の完敗。続くイストラ戦は1-3、ヴァルテクス戦も1-3と三連敗を喫し、一部の洗礼を味わされます。その頃のブーレはこう語ります。 「若いチームだけにシーズンを通して何度も揺らぐことだろう。本当のサッカー選手になるためにもっと練習せねばならない未熟な選手はたくさんいる」 ロコモティーヴァはそれから二連勝。ブーレ自身も牽引役となり、開幕5戦でゴールランクトップに並ぶ5ゴールを記録します。第9節は兄貴分のディナモと対戦。0-1で敗れはしたものの、手を抜くようなことは一切なく、堅いディフェンスと鋭いカウンターでディナモを手こずらせたのでした。ウィンターブレークまでの18節を終えて、8勝1分8敗の勝点25。降格争いどころか、中位の8位につけました。ブーレもまたゴールランク3位の8ゴール、アシストランクも3位の5アシストをマークし、若者に囲まれながら「第二の青春」を謳歌しています。
前置きが幾分と長くなりましたが、試合は両者のチーム事情が反映されたものとなりました。ロコモティーヴァはこの春から1991~92年生まれの6人のユース選手が新たに送り込まれ、そのまま彼らが初めてトップチームのベンチに座るほどの若々しいチームです。逆にピッチ上の選手は半年間の一部リーグの経験を積んでおり、「来季こそは俺がディナモのトップチームに」と張り切っています。時にアピールに度が過ぎるばかり、周囲を無視したドリブルやパスを選択する選手にはブーレやソピッチが声を荒げて叱ります。これだけ観客が少なく、サポーターの応援もないと、そんなベテランの怒鳴り声がよく聞こえてきます。 そんな中、前半20分にMFマルティナッツ(26)の左CKからブーレ(写真右)が腰を屈めながらのヘディングシュートを叩き込み、ロコモティーヴァが先制。前線で身体を張ってボールをキープし、またルーズボールを真剣に追っかけ、そしてパスやプレスキックでも非凡な才能を見せるブーレは、Jリーグに戻ったところでもガンバ時代以上の実力を発揮できることでしょう。 ヴァルテクスは前の記事に書いたように、チーム消滅の危機にあります。ドラジェン・ベセク監督は冬に上海申花へ去ったため、新たにユースコーチからダミール・ヤガチッチが昇格したものの、システムから選手まで入れ替えたこともあり、チグハグなプレーが目立ちます。それでもベテランの主将ムムレクが声を張り上げ、若い選手達を鼓舞しました。セットプレーから打開を図るものの、ロコモティーヴァのゴール前には身長202cmのDFバガリッチ(21)が立ちはだかります。また出場機会を求めてディナモからロコモティーヴァに移ってきたGKケラヴァ(22)も身長195cm。普通のクロスボールではあっさりと止められてしまいました。
後半に入って直ぐの48分、ロコモティーヴァは追加点を奪います。決めたのはFWハヴォイッチ(21・写真右)。マルティナッツのスルーパスに対応し、ドリブルで持ち込んでの左足でのシュート。既に2年前にディナモのトップチームでデビューしてますが、一年前の時点で「22歳になれば本物の選手になるだろう」と彼を育てたコーチが明言している逸材です。 その後はゴール前をしっかりと固め、中盤でボールキープすることで相手をじらしながらゲームを殺していきます。ロイ・フェレンチナ監督(39)は、この試合がデビュー戦となるモルドバ人MFアンドロニク(18)、MFフラニッチ(18)を投入する余裕も見せ、若いチームの割に大人びた勝利をもたらしたのでした。 (試合のニュース動画はこちら) これでロコモティーヴァは暫定ながら勝点でハイドゥク・スプリトと並びました。ロコモティーヴァの戦い方は一貫しています。ディフェンスでは激しく当たり、オフェンスでは連携を重視しながらも最後は個人技にモノを言わせて得点を奪いに行くもの。これはディナモ・ザグレブと限りなく似たコンセプトです。フェレンチナ監督(写真左)は試合後、
「勝利には値したものの、まだまだ決定力という問題を解決せねばならない。そして完璧にしなければならないポイントも幾つかある。何もないところから選手を作り出すという仕事は楽じゃないんだよ」 と若手を指導する難しさを口にしました。それでも将来のスターを次々と生み出すような遣り甲斐ある仕事には間違いありません。 ディナモはこれから無駄な外国人補強をとりやめ、育成重視に方向展開することを明言しました。ユース出身の選手が続々とディナモのトップチームで活躍する現象に「ベビーブームが来た」とさえ表現する記者もいます。そんなベビーブームの陰にはロコモティーヴァというクラブがあり、また若い選手達を牽引する機関車となるべきブーレやソピッチのようなベテランが頼りにされているのです。 p.s. 前半が終わって選手達がピッチからドレッシングルームに向かう途中、ゴール裏にいる僕に近づいたブーレが「オゲンキデスカ」と挨拶をしてくれました。遡ること9年前、私が最初にインタビューをした選手だけに、こうして今でも交流を持てるのは嬉しいものです。
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posted by 長束恭行 |07:47 |
サッカーニュース |
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「ディナモB」ことロコモティーヴァを牽引するニーノ・ブーレ
コメント投稿者ID : NID00002543
初めまして、ガンバサポーターです。
ブーレは本当にいい選手でした。久しぶりにブーレが見れて嬉しいです。
ところで彼の金髪は染めていたんでしょうか?笑
posted by アズル | 2010-02-27 10:38
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今年のクロアチアの冬は厳しく、予定よりも一週間遅れの試合開催となりました。先週は一日中気温がマイナス、今週になって最低気温がようやくプラスに転じ、昨日はいきなり日中が17度まで上がる春の陽気となりました。私もそんな陽気に誘われるかのように、カメラを背負って今年最初の撮影取材へと行ってきました。
ロコモティーヴァが一部になってからの試合は初めて。取材パスを申請してなかったのですが、ディナモのシーズンパスですんなり入ることができたのです。観客は300人ほどと少ないものの(それでも普段のロコモティーヴァのカードよりも観客は多いようですが)、長く待ったシーズン再開に高揚感が湧いてきます。そして3ヶ月ぶりに会うジャーナリストやカメラマン、スタッフらと親交を深めたのでした。
さて、ロコモティーヴァはその名前が示す通り、鉄道員のチームとして1914年に設立された由緒あるクラブです。第二次大戦後は長くユーゴラスビア一部リーグに属し、1952年にはハイドゥク・スプリト、ツルヴェナ・ズヴェズダに次ぐ3位という好成績を残しました。しかし、その後はディナモの陰に隠れるように没落し、1955年に二部リーグに転落。翌年は一部に上がったものの、その一年後に再び二部リーグに転落したあとは一度も表舞台に出てくることはありませんでした。
クロアチアが独立したあとも常に下位リーグをうろうろし、2006年には4部リーグまで転落。そこで浮上したプランが、ディナモとの提携でした。ディナモの育成における悩みは、ユース学校を経てきた選手達に出場機会をどう与えるかというもの。国内では常勝を求められ、欧州カップ戦では1970年以来の冬越えを目指すクラブだけに、18歳~20歳辺りの経験の浅い選手が出場機会を得て、簡単にレギュラーを取れるわけではありません。18歳まではユース・カテゴリーのリーグがあるのですが、それを越えると成長の場がなくなってしまいます。そのためにレンタルという手があるわけですが、将来を嘱望されながらも芽で出ずに消えていく選手が多いのが実情です。
かつてディナモの選手を頻繁に受け入れていたのが、インテル・ザプレシッチでした。FWエドゥアルド・ダ・シルヴァ(現アーセナル)、MFルカ・モドリッチ、DFヴェドラン・チョルルカ(共にトットナム)、DFデヤン・ロヴレン(リヨン)、DFフルヴォイエ・チャレ(トラブゾンシュポール)といった選手は、いずれもディナモの主力になる前、インテル・ザプレシッチにレンタルされることで経験を積みました。
しかしその後、インテルはディナモと提携を結んでBチーム化されることを拒否。そんな中、イリヤ・ロンチェレヴィッチ(元ディナモ、ロコモティーヴァ監督)のアドバイスの下、4年前に新たな提携先として浮かんだクラブが4部のロコモティーヴァでした。
インテルのケースと違うのは、ロコモティーヴァにコーチ陣も送ることで、ディナモ(・ユース)と同じたコンセプトでサッカーを行うことです。また、若い選手の模範となるようなベテラン選手も加入させます。そのベテランの代表格の一人がエディン・ムイチンです(2007/08シーズンにプレー)。
ロコモティーヴァは2006/07シーズンを四部リーグを1位で終えて昇格を決めると、2007/08シーズンは三部リーグを2位で終えて目標だった二部昇格。そして昨シーズンは二部を3位で終えたわけですが、一部リーグが12クラブから16クラブに拡大されたこともあり、昇格対象になりました。事実上の「ディナモB」が本家ディナモ・ザグレブと同じリーグでプレーしていいのか?、という倫理的な問題が浮上したものの、ティン・ドリチュキ会長の強い主張もあって、一部リーグに加わることを決めたのです。
ロコモティーヴァを活用するプランは、ここ10年のディナモで一二を争う成功例です。この4年間、1988年生まれ以降でディナモからロコモティーヴァに送られたユース選手は実に33人。既にディナモで活躍している選手にMFミラン・バデリ(1989年生)、MF/DFイヴァン・トメチャク(1989)、DFトミスラフ・バルバリッチ(1989)、FWアンドレイ・クラマリッチ(1991)が挙げられます。そして今季前半をロコモティーヴァでプレーし、後半にディナモへ戻されたのが、MFドマゴイ・アントリッチ(1990)とDFシーメ・ヴルサリコ(1992)。とりわけヴルサリコは、18歳ながら冬のキャンプでディナモのレギュラーを勝ち取りました。
さて、今季のロコモティーヴァですが、リーダーとなるベテランは二人います。一人は昨季からプレーするMFジェリコ・ソピッチ(35歳・写真左)。ボルシア・メンヒェングラートバッハをはじめ、ドイツで何年間もプレーし、中盤のハードワーカーとなる主将です。
そしてもう一人は今季から加入したFWニーノ・ブーレ(33歳・写真右)。2000~2002年にガンバ大阪で活躍したことでお馴染みの彼は、この10年間で数多くのクラブを渡り歩きました。昨年6月にパンセライコス(ギリシャ)を退団したのち、ブーレは最初に打診してきたロコモティーヴァのオファーを受け、2年契約を結んだのです。
しかしながら、開幕戦はリエカに0-6の完敗。続くイストラ戦は1-3、ヴァルテクス戦も1-3と三連敗を喫し、一部の洗礼を味わされます。その頃のブーレはこう語ります。
「若いチームだけにシーズンを通して何度も揺らぐことだろう。本当のサッカー選手になるためにもっと練習せねばならない未熟な選手はたくさんいる」
ロコモティーヴァはそれから二連勝。ブーレ自身も牽引役となり、開幕5戦でゴールランクトップに並ぶ5ゴールを記録します。第9節は兄貴分のディナモと対戦。0-1で敗れはしたものの、手を抜くようなことは一切なく、堅いディフェンスと鋭いカウンターでディナモを手こずらせたのでした。ウィンターブレークまでの18節を終えて、8勝1分8敗の勝点25。降格争いどころか、中位の8位につけました。ブーレもまたゴールランク3位の8ゴール、アシストランクも3位の5アシストをマークし、若者に囲まれながら「第二の青春」を謳歌しています。
前置きが幾分と長くなりましたが、試合は両者のチーム事情が反映されたものとなりました。ロコモティーヴァはこの春から1991~92年生まれの6人のユース選手が新たに送り込まれ、そのまま彼らが初めてトップチームのベンチに座るほどの若々しいチームです。逆にピッチ上の選手は半年間の一部リーグの経験を積んでおり、「来季こそは俺がディナモのトップチームに」と張り切っています。時にアピールに度が過ぎるばかり、周囲を無視したドリブルやパスを選択する選手にはブーレやソピッチが声を荒げて叱ります。これだけ観客が少なく、サポーターの応援もないと、そんなベテランの怒鳴り声がよく聞こえてきます。
そんな中、前半20分にMFマルティナッツ(26)の左CKからブーレ(写真右)が腰を屈めながらのヘディングシュートを叩き込み、ロコモティーヴァが先制。前線で身体を張ってボールをキープし、またルーズボールを真剣に追っかけ、そしてパスやプレスキックでも非凡な才能を見せるブーレは、Jリーグに戻ったところでもガンバ時代以上の実力を発揮できることでしょう。
ヴァルテクスは
後半に入って直ぐの48分、ロコモティーヴァは追加点を奪います。決めたのはFWハヴォイッチ(21・写真右)。マルティナッツのスルーパスに対応し、ドリブルで持ち込んでの左足でのシュート。既に2年前にディナモのトップチームでデビューしてますが、一年前の時点で「22歳になれば本物の選手になるだろう」と彼を育てたコーチが明言している逸材です。
その後はゴール前をしっかりと固め、中盤でボールキープすることで相手をじらしながらゲームを殺していきます。ロイ・フェレンチナ監督(39)は、この試合がデビュー戦となるモルドバ人MFアンドロニク(18)、MFフラニッチ(18)を投入する余裕も見せ、若いチームの割に大人びた勝利をもたらしたのでした。
(試合のニュース動画は
「勝利には値したものの、まだまだ決定力という問題を解決せねばならない。そして完璧にしなければならないポイントも幾つかある。何もないところから選手を作り出すという仕事は楽じゃないんだよ」
と若手を指導する難しさを口にしました。それでも将来のスターを次々と生み出すような遣り甲斐ある仕事には間違いありません。
ディナモはこれから無駄な外国人補強をとりやめ、育成重視に方向展開することを明言しました。ユース出身の選手が続々とディナモのトップチームで活躍する現象に「ベビーブームが来た」とさえ表現する記者もいます。そんなベビーブームの陰にはロコモティーヴァというクラブがあり、また若い選手達を牽引する機関車となるべきブーレやソピッチのようなベテランが頼りにされているのです。
p.s.
前半が終わって選手達がピッチからドレッシングルームに向かう途中、ゴール裏にいる僕に近づいたブーレが「オゲンキデスカ」と挨拶をしてくれました。遡ること9年前、私が最初に

