2009年12月28日
移籍が噂されるクロアチア新世代
ディナモ・ザグレブ所属のクロアチア代表DFデヤン・ロヴレン(20・写真)に、欧州のビッグクラブの注目が集まっています。ディナモはトットナム・ホットスパーの移籍金700万ユーロのオファーを断ってますが、トットナムは今週中にも1020万ユーロまで移籍金を上げてオファーを出すらしく、さらにチェルシーも移籍金1100万ユーロでオファーを出すと報じられています。それ以外にもイタリアとフランスのクラブからも書面でオファーが届いているらしく、まだ成長が見込まれるロヴレンの売却には関心を示さなかったマミッチ副会長も今が最高値と見極めて売却するのでは、と一部メディアでは推測されています。 現在、モルジブで休暇を過ごしているロヴレンは 「語られているようなオファーに囚われることはないよ。ディナモとシーズン再開に向けて集中はしているし、ディナモでスタメンに名を連ねることで今のようなオファー話が続くことを望んでいるよ」 と、まるで気にしないように語っていますが、このような背景にはトットナムのオファー話が挙がった際に"もうクロアチア・リーグのプレーは充分だ。国外に移籍したい"とのコメントと報じられ、"思い上がりもほどほどに"と周囲に叩かれたのが原因でした(のちに本人はコメントを否定)。左右のサイドバックでもプレーできるロヴレンはチョルルカ以来のポテンシャルは感じさせる選手でありますが、ディナモではマーキングのミスでコヴァチやブティナから怒られる場面をよく見ており、もう一年はディナモで経験を積んでからでも遅くないと私は見ています。 この冬でディナモから移籍が濃厚とされているのが、クロアチア代表FWマリオ・マンジュキッチ(23)。今年の夏も移籍願望が強い余りに騒ぎを起こしたマンジュキッチですが、ヨーロッパ・リーグの敗北が決まったことでこれ以上、不満分子を引き留める必要はなくなりました。 ただディナモとしてネックなのは彼の移籍金が下落していること。一時は移籍金1200万ユーロのオファーを受けていたマンジュキッチですが、マミッチ副会長は1000万ユーロを放出の際の最低価格として設定。しかし、彼に関心を持ち続けるヴェルダー・ブレーメンは700万ユーロの移籍金提示に留まっているようです。 マンジュキッチ自身はロヴレンと同様にモルジブで休暇中。マンジュキッチはメディアへの不信感から沈黙を続けていますが、代わりに交渉役を務める代理人のツヴィエトコヴィッチ氏が新聞のインタビューで 「ヴェルダーは常に関心を示してくれている。もしかしたら移籍が実現するかもしれないし、実現せずにまったく違うクラブに行くかもしれない。しかし、現状は理想的とはいえないんだ。ディナモはヨーロッパ・リーグで敗退し、クロアチアはワールドカップに出場しない。そして昨今の世界不況だ。届くオファーが現実的な価格かもしれないが、本当の価値は決して安くなるものではない」 と述べており、来年1月15日までには話をまとめたい意向を示しています。
代理人のツヴィエトコヴィッチはもう一人の注目選手を抱えています。オシエクのクロアチアU-21代表のDFドマゴイ・ヴィーダ(20・写真)。強烈なキャプテンシー、打点の高いヘディング、妥協知らずのアグレッシブさなどを特徴に評価はうなぎ上り。ここ最近は国内メディアも頻繁にクローズアップし始めた逸材です(一例:①、②)。 オシエクは財政難から選手やコーチ、スタッフに給与を払い切れてないため、手持ちの選手を売却しなければチーム存続できない状況下ですが、そんな中、ヴィーダがどこに移籍するかに注目が集まっています。ヴィーダ本人は 「僕はオシエクに残りたいよ。どこに急ぐつもりはない。今のオシエクは最高のチームだし、良いサッカーをしている。そして本当の仲間たちなんだ。もし財政的に良かったならば、補強選手を連れてくることで来季のヨーロッパ・リーグ出場の夢が実現するのだろうけど…。もし自分がオシエクから出なければならないならば、外国でプレーをしてみたい」 と自分の気持ちを述べています。現役時代は得点力あるFWとしてシュケルやツヴィタノヴィッチらとチームメイトだった父親ルディカも 「彼にはオシエクに残って欲しいが、今はチーム財政を考えたならば生活を保証するのは難しい。私も外国に行って欲しいが、ディナモに行ったとしても何ら問題ではない」 と述べています。代理人のツヴィエトコヴィッチは近いうちにヴィーダ親子、オシエクのスポーツ・ディレクターとと話し合いを持ち、移籍させるかしないかを話し合うとのこと。オシエクが設定している移籍金が200万ユーロとされており、100万ユーロを提示したディナモの話は流れてしまいましたが、ロヴレンの売却次第では話がディナモへと一気に動く可能性も出ています。また秋の時点で10ほどの国外クラブが関心を示していると報じられています。ちなみにヴィーダはまだ18歳だった2007年5月、リバプールからのオファーがあったものの、彼自身がもう2年間はクロアチア・リーグでプレーしたいとオファーを断った経緯があります。 クリスマス前の話になりますが、モナコに所属するクロアチア代表MFイェルコ・レコ(29)にチェルシーが短期間の契約を考えていると報じられました。 発信源がイギリスを代表するイエローペーパー「サ・サン」であることが眉唾なのですが、1月にアフリカ・ネイションズカップでエシェンとミケルが持っていかれるため、その代わりを務めるボランチをチェルシーが探していたところ、モナコで干されているレコに白羽を立てた、とのこと。真相を聞かれたレコ本人は 「その話はチェルシーと近い関係にあるイギリスの記者から聞かされたよ。フロントの一人がミーティングで僕の名前を出すと、アンチェロッティ監督が非常に興味深いオプションだと語った、ってね。記者はそんな話を持ち出して僕のコメントを求めてきたんだ。もちろん何も知らないから、コメントはできなかったわけだけれども。でも、僕は最大限の準備はできているし、アンチェロッティの全ての要求は応えられるつもりだ。そしてチェルシーでもプレーできると考えているよ」 と答えています。のちにアンチェロッティ監督は誰も冬に獲得しないと語り、それ以降、レコの移籍話は語られていません。ちなみにレコは今年の夏にモナコとの契約が切れ、出場機会に恵まれないこともあってこの冬にフリーで移籍したがっているものの、移籍金を少しでも得たいフロントが拒んでいます。ショーケースに挙げるが如く、ここ二試合でようやく途中交代で今季初出場できたのも、そんなフロントの意向が背景にあるとされています。 最後に移籍の噂ではないですが、チェルシーで練習に初参加したクロアチア代表GKマティヤ・デラチュ(17・写真)の話題を。
デラチュは16歳でインテル・ザプレシッチの正GKとなり、今年9月にはチェルシーと5年契約を結んだ逸材ですが、契約後はレンタルという形でインテルでのプレーを続けました。クロアチア・リーグがウィンターブレイクとなった12月、チェルシーの練習に二週間に渡って初参加と相成ったわけです。トップチームの練習に常に加わるという特別待遇を受けたデラチュはこう振り返っています。 「トレーニングでは僕が最年少だった。GKを目指す選手ならば誰もが夢見るように、僕はまだ少年でありながらもチェルシーのゴールに立ったんだよ。常に年上の選手達と時間を過ごしたわけだけど、彼らは僕のことをよく助けてくれ、経験を培うことができた。最初の練習項目では何をすべきかよく理解できなかったんだけど、チェフが直ぐに助けに来てくれたんだ」 言葉の壁はセルビア人のマティッチやイヴァノヴィッチが助け、彼らは街までショッピングにも連れてってくれたとのこと。また最初のチームメイトに対する自己紹介ではドログバに"ほら、英語で何か言え"と脅され、震えながら"チェルシーは世界最高のクラブです"と英語で答えたら大歓声が起き、ドロクバが抱きしめてくれた、なんてエピソードも残っています。チェルシーでの経験はデラチュにとって変え難いクリスマスプレゼントになったことでしょう。
posted by 長束恭行 |20:54 |
サッカーニュース |
コメント(5) |
この記事に対するコメント一覧
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移籍が噂されるクロアチア新世代
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南アW杯出場を逃し、気持は早くも2012年のユーロや2014年のブラジルに向かっていますが、その時に代表としてピッチに立っているかもしれない若き逸材達の話題にはとても胸が躍ります。
posted by いでも・ふるヴぁつか! | 2009-12-28 23:35
移籍が噂されるクロアチア新世代
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> いでも・ふるヴぁつか!さん
コメント、有難うございます。
正直なところ、今が年齢的に見てチームの絶頂期だけに悔やまれるワールドカップ敗退ではありましたが、後に続く若手が着々と育っているのは救いです。
国内リーグを16クラブに拡大したことが、若手に出場機会が恵まれるようになり、今まで知られなかったような選手が目立つようになってきました。2012年や2014年にどんな新たな選手が出てくるか楽しみでありますね。
posted by 長束恭行 | 2009-12-29 23:11
移籍が噂されるクロアチア新世代
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こちらこそありがとうございます。
確かに悔やんでも悔やみきれない予選敗退ですが、現代表たちの捲土重来と、若き逸材たちの順調な成長による融合を期待します。人材という意味では、クロアチアに限らず旧ユーゴの国々は宝庫ですね。
クロアチアひいきの自分としては、長束さんのこのリアルな情報はとてもありがたいです。こちらもさらに期待します。それではよいお年を。
posted by いでも・ふるヴぁつか! | 2009-12-30 14:07
Ermin Zec
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注目のタレントでシベニクのボスニア・ヘルツェゴビナ代表ゼッツという選手の名前をよくみるのですが、どのような選手かよろしければ教えてください。
posted by スタニッチ | 2009-12-30 20:41
移籍が噂されるクロアチア新世代
コメント投稿者ID :
> スタニッチさん
ゼッツはシベニクで開花した俊足FWです。ディフェンスの裏に抜け出すスピードが特段に早く、またゴール前でも冷静にゴールを決められる選手で、今季のボスニア・ヘルツェゴビナ最優秀若手選手、各クラブの主将が選ぶクロアチア・リーグ最優秀選手にも選ばれています。
画像がいまいち良くないのですが、ディナモ戦の動画で彼らしい2ゴール(30秒、48秒辺り)が見られます。
本人はこの冬の移籍を希望しており、シャフタール・ドネツクがオファーを出しているのですが、彼自身は西欧のクラブに行きたいようですね。また、最近はスピード違反でクロアチア警察に捕まった際に9月には労働ビザの期限が切れていたことが発覚し、世を騒がせました。
ちなみに苗字のゼッツ(Zec)とは、こちらの言葉で「ウサギ」という意味。すばしっこさはまさにウサギのような選手です。
http://www.youtube.com/watch?v=BytSzH5Si88
posted by 長束恭行 | 2009-12-31 05:04
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現在、モルジブで休暇を過ごしているロヴレンは
「語られているようなオファーに囚われることはないよ。ディナモとシーズン再開に向けて集中はしているし、ディナモでスタメンに名を連ねることで今のようなオファー話が続くことを望んでいるよ」
と、まるで気にしないように語っていますが、このような背景にはトットナムのオファー話が挙がった際に"もうクロアチア・リーグのプレーは充分だ。国外に移籍したい"とのコメントと報じられ、"思い上がりもほどほどに"と周囲に叩かれたのが原因でした(のちに本人はコメントを否定)。左右のサイドバックでもプレーできるロヴレンはチョルルカ以来のポテンシャルは感じさせる選手でありますが、ディナモではマーキングのミスでコヴァチやブティナから怒られる場面をよく見ており、もう一年はディナモで経験を積んでからでも遅くないと私は見ています。
この冬でディナモから移籍が濃厚とされているのが、クロアチア代表FWマリオ・マンジュキッチ(23)。今年の
代理人のツヴィエトコヴィッチはもう一人の注目選手を抱えています。オシエクのクロアチアU-21代表のDFドマゴイ・ヴィーダ(20・写真)。強烈なキャプテンシー、打点の高いヘディング、妥協知らずのアグレッシブさなどを特徴に評価はうなぎ上り。ここ最近は国内メディアも頻繁にクローズアップし始めた逸材です(一例:
デラチュは16歳でインテル・ザプレシッチの正GKとなり、

