2008年12月24日
ミハエル・ミキッチのサンフレッチェ広島移籍、事実上決定
以前より話題に上っているディナモ・ザグレブのMF/DFミハエル・ミキッチ(28・写真)のサンフレッチェ広島への移籍ですが、ズドラヴコ・マミッチ副会長がミキッチと話合いの席にて容認。これで事実上、移籍が決定しました。ユタルニ・リスト紙の記事によると、移籍金は明らかになってませんが、マミッチ副会長がミキッチがディナモに残した功績を考慮した上、障害になるような吊り上げはせずに広島の提示額を呑んだようです。 ミキッチは契約内容について口を閉ざしたのですが、マミッチ副会長との会談が上手くいったことを喜び、こうコメントしています。 「大変に満足しているよ。フロントは本当に適切な態度を取ってくれた。そのことには本当に感謝している。(将来の)生活を解決するような機会を得られたのだから。 この2年間は僕のキャリアで最も美しい時代だった。2位になるということがどんな意味かなんて知らなかったほどだからね。(連続優勝という)事実が充分にそれを語ってくれてるよ」 ミキッチはこの先の予定を以下のように語っています。 「近日中にミハイロ・ペトロヴィッチ監督がオーストリアにやってくる予定で、その際に残りの詳細について話し合うつもりだ。広島は1月23日から始動するが、僕は1月末に始まるアンタルヤ合宿からチームに合流することになるだろう」
ちなみにミキッチには幾つかのクラブが関心を示しており、その中でもトラブゾンシュポール(トルコ)とレッドブル・ザルツブルグ(オーストリア)が積極的だったものの、実現しなかった理由を以下のように述べています。 「ザルツブルグでは獲得希望のリストにおいて僕が一番トップだった。しかし、彼らは移籍を夏に引き伸ばししたかったんだ。なぜなら、30人の選手を抱えており、何人かを放出するには時間が必要だったからね。またトラブゾンは移籍用の全資金(900万ユーロ)を一人のフォワード獲得に使い切ってしまうとの見通しをしていた。もし彼らがそのフォワード獲得を諦めたならば、僕を獲得するというオプションが存在していたんだけど、待ちたくはなかったのさ。広島は素晴らしい条件を提示してくれ、我々は直ぐに合意したんだ」 ミキッチはディナモの歴史上、14度と最も優勝経験の多い選手でもあります。過去6度ずつのリーグ優勝とカップ戦優勝に加え、2度のスーパーカップ優勝。また1998年のチャンピオンズ・リーグのポルト戦で初スタメンながら初得点を挙げ、これがディナモの選手で初のチャンピオンズ・リーグ本戦のゴール得点となっています。 彼のプレーは10年近く観察してますが、FWとして注目されていた頃と比べたら、ポジションもプレースタイルも随分と変化をしました。
スピードはあってもシュートセンスに欠けていたため、ショコタやバラバン、オリッチ、エドゥアルドらとのポジション争いは難しく、ポジションを下げて右MFとして活路を見出します。スピードに加え、持ち前のアグレッシブさで出場機会は増えるも、一本調子なプレーとクロスの精度の低さが仇となり、安定したプレーはできませんでした。右サイドをスピードを活かして抜けたと思ったら、ノープレッシャーでクロスを吹かしてしまい、スタンドからは失笑を買う、なんて場面もしばしば見られたものです。それでも常に闘争心を見せるミキッチにはファンは多く、彼の好プレーに対してバックスタンドからは「ミーカ! ミーカ!」とコールが起こりました(ディナモでは個々の選手にコールが起こるのは非常に稀なこと。ミキッチの愛称は「ミカ」)。 同世代の生え抜きでは最も遅く、2004年にカイザースラウテルンに移籍。リエカを経て2007年にディナモに戻ってくると、プレーに成長が見られます。オフ・ザ・ボールの動きやクロスの精度も向上し、またドリブルも内へと切れ込むプレーが増えてきました。チョルルカやエトーといったオーバーラップを得意とする右サイドバックと組んだり、サイドによく流れるモドリッチとのコンビネーションプレーが増えたのも原因でしょう。彼はクロアチア系に多いテクニカルな選手ではないですが、逃げのプレーを決して好まないプロフョッショナルな選手と言えます。 また昨季にはチョルルカが移籍し、エトーに怪我が多くなったため、ミキッチが右サイドバックを務めるようになりました。サミールとの併用が多かった右MFのポジションも、今季は安定したプレーを見せる彼が一番手に。今のディナモには精神的な面でも欠かせない存在でありますが、ディナモに長く貢献してきた彼に対し、年俸的に好条件のサンフレッチェ広島のオファーを潰すほどマミッチ兄弟は鬼になれなかったのでしょう。 基本的にフレンドリーな性格で、カメラを抱えた私に声を掛けてくることもありました。負け試合で若手たちがコメント拒否しようとも、彼は大人としてインタビューに対して真摯に答えますし、ピッチ内外で地に足がついた選手と言えましょう。Jリーグの速いプレーリズムに最初は戸惑いはあるでしょうが、まだポテンシャルを発揮できていないユキッチの再生も手助けし、「ミカ&ユカ」のコンビで一緒に活躍してくれたらと期待しています。
posted by 長束恭行 |10:05 |
サッカーニュース |
コメント(2) |
この記事に対するコメント一覧
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ミキッチ 広島への移籍が事実上から正式に決定へ
コメント投稿者ID :
中国新聞 08/12/25
ミキッチと入団合意 近く正式契約
http://www.chugoku-np.co.jp/Sanfre/Sw200812250313.html
この記事では、ミキッチは、今年2月にトルコ・アンタルヤであった広島との練習試合に出場していたそうです。
サンフレッチェと、すでに面識があって良かった。
中国新聞 08/12/26
ミキッチの加入を発表 即戦力候補の右MF
http://www.chugoku-np.co.jp/Sanfre/Sw200812260118.html
正式に移籍の発表がありました。
ミキッチの来年の活躍が楽しみです。
また、ユキッチも来年は厳しいJ1だから活躍頼むよ!
posted by めも | 2008-12-26 01:12
ミハエル・ミキッチのサンフレッチェ広島移籍、事実上決定
コメント投稿者ID :
ミキッチ
サンフレッチェ広島の華麗なパスサッカーにとって、無くてはならない存在になっています。素晴らしい選手です。
posted by hide | 2009-06-23 10:52
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以前より話題に上っているディナモ・ザグレブのMF/DFミハエル・ミキッチ(28・写真)のサンフレッチェ広島への移籍ですが、ズドラヴコ・マミッチ副会長がミキッチと話合いの席にて容認。これで事実上、移籍が決定しました。
ちなみにミキッチには幾つかのクラブが関心を示しており、その中でもトラブゾンシュポール(トルコ)とレッドブル・ザルツブルグ(オーストリア)が積極的だったものの、実現しなかった理由を以下のように述べています。
「ザルツブルグでは獲得希望のリストにおいて僕が一番トップだった。しかし、彼らは移籍を夏に引き伸ばししたかったんだ。なぜなら、30人の選手を抱えており、何人かを放出するには時間が必要だったからね。またトラブゾンは移籍用の全資金(900万ユーロ)を一人のフォワード獲得に使い切ってしまうとの見通しをしていた。もし彼らがそのフォワード獲得を諦めたならば、僕を獲得するというオプションが存在していたんだけど、待ちたくはなかったのさ。広島は素晴らしい条件を提示してくれ、我々は直ぐに合意したんだ」
ミキッチはディナモの歴史上、14度と最も優勝経験の多い選手でもあります。過去6度ずつのリーグ優勝とカップ戦優勝に加え、2度のスーパーカップ優勝。また1998年のチャンピオンズ・リーグのポルト戦で初スタメンながら初得点を挙げ、これがディナモの選手で初のチャンピオンズ・リーグ本戦のゴール得点となっています。
彼のプレーは10年近く観察してますが、FWとして注目されていた頃と比べたら、ポジションもプレースタイルも随分と変化をしました。
スピードはあってもシュートセンスに欠けていたため、ショコタやバラバン、オリッチ、エドゥアルドらとのポジション争いは難しく、ポジションを下げて右MFとして活路を見出します。スピードに加え、持ち前のアグレッシブさで出場機会は増えるも、一本調子なプレーとクロスの精度の低さが仇となり、安定したプレーはできませんでした。右サイドをスピードを活かして抜けたと思ったら、ノープレッシャーでクロスを吹かしてしまい、スタンドからは失笑を買う、なんて場面もしばしば見られたものです。それでも常に闘争心を見せるミキッチにはファンは多く、彼の好プレーに対してバックスタンドからは「ミーカ! ミーカ!」とコールが起こりました(ディナモでは個々の選手にコールが起こるのは非常に稀なこと。ミキッチの愛称は「ミカ」)。
同世代の生え抜きでは最も遅く、2004年にカイザースラウテルンに移籍。リエカを経て2007年にディナモに戻ってくると、プレーに成長が見られます。オフ・ザ・ボールの動きやクロスの精度も向上し、またドリブルも内へと切れ込むプレーが増えてきました。チョルルカやエトーといったオーバーラップを得意とする右サイドバックと組んだり、サイドによく流れるモドリッチとのコンビネーションプレーが増えたのも原因でしょう。彼はクロアチア系に多いテクニカルな選手ではないですが、逃げのプレーを決して好まないプロフョッショナルな選手と言えます。
また昨季にはチョルルカが移籍し、エトーに怪我が多くなったため、ミキッチが右サイドバックを務めるようになりました。サミールとの併用が多かった右MFのポジションも、今季は安定したプレーを見せる彼が一番手に。今のディナモには精神的な面でも欠かせない存在でありますが、ディナモに長く貢献してきた彼に対し、年俸的に好条件のサンフレッチェ広島のオファーを潰すほどマミッチ兄弟は鬼になれなかったのでしょう。
基本的にフレンドリーな性格で、カメラを抱えた私に声を掛けてくることもありました。負け試合で若手たちがコメント拒否しようとも、彼は大人としてインタビューに対して真摯に答えますし、ピッチ内外で地に足がついた選手と言えましょう。Jリーグの速いプレーリズムに最初は戸惑いはあるでしょうが、まだポテンシャルを発揮できていないユキッチの再生も手助けし、「ミカ&ユカ」のコンビで一緒に活躍してくれたらと期待しています。

