2008年12月05日
UEFAカップ リーグ第4節/BBB、ウディネで暴れて試合が中断
12月3日、UEFAカップのリーグラウンド「ウディネーゼvs.ディナモ・ザグレブ」が行われました。トットナム・ホットスパーに続き、スパルタク・モスクワに致命的な敗北を喫したあと、ディナモが自力で決勝トーナメント進出の3位以内に入るのは不可能な状態。それでもわずかな望みを持ってスロベニアとの国境に程近いイタリア・ウディネの町へと向いました。 ディナモはFWマンジュキッチが膝、MFモラレスが背中を痛めており欠場。スパルタク戦同様にミキッチとイバネスを両ウィンガーに据えた布陣で挑みました(4-2-3-1)。 GKブティナ-(右から)DFエトー、ドゥルピッチ、ビシュチャン、フルゴヴィッチ-MFヴルドリャク、トミッチ-ミキッチ、サミール、イバネス-FWバラバン 一方のウディネーゼは、セリエAで9節を終えて首位に立ちながら、その後は4連敗と絶不調。UEFAカップでは計算上、決勝トーナメント進出は残り2試合で勝点1で十分なわけですが、マリーノ監督は悪いシリーズを断ち切るため、戦術面から多少のポジション変更はあったとはいえ、ほぼベストメンバーでディナモと相対しました(4-3-3) GKハンダノヴィッチ-ネフ、サーラ、フェリペ、ドミッツィ-MFインレル、オボド、ルコヴィッチ-FWペーペ、クアッリャレッラ、ディ・ナターレ ヴラク代理監督はポゼッションを意識したイヴァンコヴィッチ前監督のプレーコンセプトを継承していますが、変わったことといえば個人主義を厳禁し、ゲームに取り組む姿勢がより真剣になったところ。しかしながら、速攻堅守のウディネーゼのようなチームにとってみれば、ディナモのような中途半端なポゼッションサッカーはカウンターの格好の餌食となりました。 ディナモは2分、ミキッチの右サイド突破からの折り返しにトミッチがノープレッシャーでシュートという幸先良い絶好機を外してしまうと、3分後にその罰を食らいます。 左サイドでルコヴィッチがディ・ナターレにパスを繋ぐと、ディ・ナターレはドゥルピッチをかわして一気に加速。ペナルティエリアへと侵入して中央のクアッリャレッラに折り返し、クアッリャレッラはあっさりとシュートを決めてウディネーゼが先制します。 ディナモも反撃し、11分にはミキッチのミドルシュートがGKハンダノヴィッチを襲い、その直後もイバネスがミドルシュートを試みますが、得点にはつながりません。 ウディネーゼもまた、14分にインレルのスルーパスでディ・ナターレがGKブティナと一対一になるも、これはGKブティナが好セーブ。20分にはペーペが近距離でボレーシュートを放ちましたが、GKブティナが続けて立ちはだかります。ディナモは相手陣内でもボールを繋ぎ、チャンスを作ろうとしますが、ボールを取られるやディ・ナターレやクアッリャレッラをターゲットにしたカウンターにさらされ、スピードのないビシュチャンとドゥルピッチの両センターバックが苦しみました。 後半になり、ディナモは疲れのあるイバネスを下げ、技術あるMFバデリを左サイドに投入。続けて55分にバラバンを下げてFWタディッチを入れますが、彼らでは形勢を変えるまで至りません。時間だけが無駄に過ぎていく中、非常事態が発生します。この試合にはディナモ・サポーターのBBBが1000人ほど応援に駆けつけ、ウディネ市も試合前には彼らをワインやビール、生ハム、チーズなどを無料で振る舞うなど友好ムードだったのですが、試合になると何度もロケット花火や発炎筒を投げ込む始末。主審は76分、試合を中断し、両選手をドレッシングルームへと下げました。試合中止を望む審判団に対し、ディナモ幹部は続けてくれるよう説得。ショコタとビシュチャンがBBBの下に向かい、発炎筒の投げ込みをしないよう説得に向うものの逆にライターなど投げつられてしまいました。 「再び発炎筒が飛ぶようなことがあったら、好きなようにしていいから、もう一度だけチャンスをください」 そんな幹部(UEFA委員でディナモ・ディレクターのブルバノヴィッチ)の願いが通じ、10分ほどの中断ののち、試合が再開されました。今度こそUEFAから重罰が与えられるのは間違いなく、最悪なケースとして欧州カップからの締め出しすらも考えられます。BBBは中断中も 「マミッチ(副会長)のジプシー野郎、聖地から出て行け!」 「マミッチ、知っているか。全てが終わりだ。出てけ、そして二度と戻ってくるな!」 とのコールを繰り返しました。クラブへの愛をはき違えたBBBの行為は断じて許されることなく、クロアチアの世論もまた「恥さらしめ」と批判をしています。 (写真は協力関係にあるSport-netより) この試合中断はディナモの選手たちの集中力すらも断ち切ってしまいました。再開直後、右サイドでフリーのペーペに展開されると、ドリブルを加えてGKブティナとDFラインの間へ憎い形でクロスボールを通すと、詰めていたオボドが押し込んで2点目を決めます。 崖っぷちのディナモは81分に途中交代のFWショコタがペナルティエリア中央から反転してシュートするもGKハンダレヴィッチの止められ、87分にはトミッチとのワンツーからサミールがペナルティエリア内右でシュートするも枠を大きく外します。ロスタイムにはフルゴヴィッチのFKにディナモがヘディングシュート。ボールはDFモッタの足に当ってオウンゴールとなり、一点差となるもそこまで。1-2で敗北を喫し、これでUEFAカップ三連敗となりました。 もう一試合のカード「スパルタク・モスクワvs.NEC」は、アウェーのNECが終盤でよもやの逆転勝利を収め、スパルタク、NEC、ディナモが勝点3で並ぶ事態に。しかし、ディナモは全日程を終えており、既に突破を決めたウディネーゼをホームに迎えるNECが3位に入る可能性が大。ディナモも数字上は可能性が残っていますが、NECが4点差以上で敗北し、またスパルタクもトットナムに0-4もしくは5点差以上の敗北をした場合、と有りえない条件となっており、敗退が決定したと言って過言はありません。 1位 ウディネーゼ 勝点9 (試合数3、得点:失点 6:2) 2位 トットナム 勝点6 (試合数3、得点:失点 5:2) 3位 NEC 勝点3 (試合数3、得点:失点 4:5) 4位 スパルタク 勝点3 (試合数3、得点:失点 3:4) 5位 ディナモ 勝点3 (試合数4、得点:失点 4:9)
冬の移籍市場が開くということで、少しずつ移籍の話題も出てきています。ディナモのクロアチア代表FW/MFマリオ・マンジュキッチ(写真)をバイエルン・ミュンヘンが獲得すると、ドイツのテレビ局DSFが報じました。代理人のツヴェトコヴィッチ氏は誤報だとあくまで否定をしていますが、マンジュキッチにはヴェルダー・ブレーメンを始め、幾つかのクラブが興味を示しています。 またクロアチア代表DFディノ・ドゥルピッチにはワトフォード(イングランド)とフローニンゲン(オランダ)がオファーを出しており、またブンデスで席巻するホッフェンハイムも関心を持っているとのこと。ホッフェンハイムはMF/DFミハエル・ミキッチにも関心を寄せています。幾つか欧州のクラブのオファーが届く中、ミキッチにはサンフレッチェ広島からの話もあったようで、それは本人が拒否したそうです。 また韓国の仁川ユナイテッドがMFアンテ・トミッチを視察すべくウディネーゼ戦を訪れており、DF/MFカルロスにも関心を示しているとか。またFWボシュコ・バラバンには米MSLのクラブからオファーがあるものの、さほど好条件ではない模様です。 もちろん、今のディナモは補強が必要で、これまでの外国路線を改め、クロアチア人の獲得に向うつもりです。候補の筆頭はボーフムが所有権を持つMFイヴォ・イリチェヴィッチ(ブンデス二部グロイター・フェルト所属)。一度は移籍金の高さから交渉が決裂したものの、来年夏に契約が切れることもあり、幾分と手頃な価格になっている模様です。 ハイドゥク・スプリトは、既にザダール所属のクロアチアU-21代表MFマリン・トマソフとの契約に合意。ザダールに支払う移籍金は40万ユーロ、それにハイドゥクから国外のクラブに移籍した際にはザダールに移籍金の50%を支払うという条件のようです。またザダールからレンタル中の現代表GKダニエル・スバシッチも同じ条件で完全移籍させる予定です。 またディフェンスのテコ入れに名前が挙がっているのが、フルヴォイエ・ヴェイッチ(トムスク)、イヴィツァ・クリジャナッツ(ゼニト)という代表クラスに加え、元ハイドゥクのマト・ネレトリャク(水原三星)です。元ハイドゥクのネレトリャクは2011年1月まで契約があり、移籍金は80万ドルと設定されています。彼は 「ハイドゥクがどんな希望かは知らないけど、誰とでも話し合うことは可能だよ。僕の移籍条件ははっきりしているんだから。韓国では素晴らしい契約を持っており、4年連続Kリーグで最優秀DFに選ばれた。それだけに今の低い条件で行くつもりはないよ。けれども、同じクラブでプレーすることはそろそろ十分になってきたところだ。 名前は明らかにしたくないが、Jリーグのクラブから公式にオファーがあった。けれども、もう少し韓国に残りたいんだ。とはいえ、韓国で最強のクラブでプレーしている以上、どうこの国で続けていくかだよ。まだハイドゥクとは公式に話し合いはしてないが、友人たちが私を説得している。"偉大なハイドゥクのために君が必要なんだ"とね。もしヴェイッチが戻ることになったら、僕も真剣に戻ることを考えるよ。欧州でビッグマッチを戦うような強いハイドゥクに僕は関心があるんだ」 と語っています。 また海外のクラブが関心を示すクロアチア代表FWニコラ・カリニッチは、移籍金がネックとなっている模様。ハイドゥクは移籍金を1000万ユーロと設定し、その後は800万ユーロと下げたものの、このところの世界不況もあって彼にそこまで出せるクラブはないようです。 現在はカリニッチの代理人を務めるエルツェグ氏(元サンフレッチェ広島、前ハイドゥク・スポーツディレクター)も 「オファーはあったものの、今は移籍するには完全に誤った時期だ」 とこぼしています。
posted by 長束恭行 |00:36 |
サッカーニュース |
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時間だけが無駄に過ぎていく中、非常事態が発生します。この試合にはディナモ・サポーターのBBBが1000人ほど応援に駆けつけ、ウディネ市も試合前には彼らをワインやビール、生ハム、チーズなどを無料で振る舞うなど友好ムードだったのですが、試合になると何度もロケット花火や発炎筒を投げ込む始末。主審は76分、試合を中断し、両選手をドレッシングルームへと下げました。試合中止を望む審判団に対し、ディナモ幹部は続けてくれるよう説得。ショコタとビシュチャンがBBBの下に向かい、発炎筒の投げ込みをしないよう説得に向うものの逆にライターなど投げつられてしまいました。
「再び発炎筒が飛ぶようなことがあったら、好きなようにしていいから、もう一度だけチャンスをください」
そんな幹部(UEFA委員でディナモ・ディレクターのブルバノヴィッチ)の願いが通じ、10分ほどの中断ののち、試合が再開されました。今度こそUEFAから重罰が与えられるのは間違いなく、最悪なケースとして欧州カップからの締め出しすらも考えられます。BBBは中断中も
「マミッチ(副会長)のジプシー野郎、聖地から出て行け!」
「マミッチ、知っているか。全てが終わりだ。出てけ、そして二度と戻ってくるな!」
とのコールを繰り返しました。クラブへの愛をはき違えたBBBの行為は断じて許されることなく、クロアチアの世論もまた「恥さらしめ」と批判をしています。
(写真は協力関係にある
ディナモのクロアチア代表FW/MFマリオ・マンジュキッチ(写真)をバイエルン・ミュンヘンが獲得すると、ドイツのテレビ局DSFが報じました。代理人のツヴェトコヴィッチ氏は誤報だとあくまで否定をしていますが、マンジュキッチにはヴェルダー・ブレーメンを始め、幾つかのクラブが興味を示しています。
またクロアチア代表DFディノ・ドゥルピッチにはワトフォード(イングランド)とフローニンゲン(オランダ)がオファーを出しており、またブンデスで席巻するホッフェンハイムも関心を持っているとのこと。ホッフェンハイムはMF/DFミハエル・ミキッチにも関心を寄せています。幾つか欧州のクラブのオファーが届く中、ミキッチにはサンフレッチェ広島からの話もあったようで、それは本人が拒否したそうです。
また韓国の仁川ユナイテッドがMFアンテ・トミッチを視察すべくウディネーゼ戦を訪れており、DF/MFカルロスにも関心を示しているとか。またFWボシュコ・バラバンには米MSLのクラブからオファーがあるものの、さほど好条件ではない模様です。
もちろん、今のディナモは補強が必要で、これまでの外国路線を改め、クロアチア人の獲得に向うつもりです。候補の筆頭はボーフムが所有権を持つMFイヴォ・イリチェヴィッチ(ブンデス二部グロイター・フェルト所属)。一度は移籍金の高さから交渉が決裂したものの、来年夏に契約が切れることもあり、幾分と手頃な価格になっている模様です。
ハイドゥク・スプリトは、既にザダール所属のクロアチアU-21代表MFマリン・トマソフとの契約に合意。ザダールに支払う移籍金は40万ユーロ、それにハイドゥクから国外のクラブに移籍した際にはザダールに移籍金の50%を支払うという条件のようです。またザダールからレンタル中の現代表GKダニエル・スバシッチも同じ条件で完全移籍させる予定です。
またディフェンスのテコ入れに名前が挙がっているのが、フルヴォイエ・ヴェイッチ(トムスク)、イヴィツァ・クリジャナッツ(ゼニト)という代表クラスに加え、元ハイドゥクのマト・ネレトリャク(水原三星)です。元ハイドゥクのネレトリャクは2011年1月まで契約があり、移籍金は80万ドルと設定されています。彼は
「ハイドゥクがどんな希望かは知らないけど、誰とでも話し合うことは可能だよ。僕の移籍条件ははっきりしているんだから。韓国では素晴らしい契約を持っており、4年連続Kリーグで最優秀DFに選ばれた。それだけに今の低い条件で行くつもりはないよ。けれども、同じクラブでプレーすることはそろそろ十分になってきたところだ。
名前は明らかにしたくないが、Jリーグのクラブから公式にオファーがあった。けれども、もう少し韓国に残りたいんだ。とはいえ、韓国で最強のクラブでプレーしている以上、どうこの国で続けていくかだよ。まだハイドゥクとは公式に話し合いはしてないが、友人たちが私を説得している。"偉大なハイドゥクのために君が必要なんだ"とね。もしヴェイッチが戻ることになったら、僕も真剣に戻ることを考えるよ。欧州でビッグマッチを戦うような強いハイドゥクに僕は関心があるんだ」
と語っています。
また海外のクラブが関心を示すクロアチア代表FWニコラ・カリニッチは、移籍金がネックとなっている模様。ハイドゥクは移籍金を1000万ユーロと設定し、その後は800万ユーロと下げたものの、このところの世界不況もあって彼にそこまで出せるクラブはないようです。
現在はカリニッチの代理人を務めるエルツェグ氏(元サンフレッチェ広島、前ハイドゥク・スポーツディレクター)も
「オファーはあったものの、今は移籍するには完全に誤った時期だ」
とこぼしています。

