2008年12月01日
クロアチア・リーグ第17節/ハイドゥク5連勝、シベニクの強力2トップ
11月30日、クロアチア・リーグ第17節が行われました。この週末は天気がすぐれず、どこもピッチコンディション不良の中で試合をしています。 現在、リーグで最も充実したサッカーを展開している2位ハイドゥク・スプリトは、ホームのポリュウド・スタディオンで6位オシエクと対戦。ミシェ代理監督になってから連勝を続けるハイドゥクは「ミシェは我々をお金で買収したのではなく、ハートで買収したのだ」と、サポーターのトルツィダが横断幕を掲げたほど支持を得ています。しかし、全てがバラ色というわけではなく、27日には三ヶ月の給与と勝利給未払のために選手たちが練習のボイコットをフロントに主張し、翌日になってようやく支払われたなんて事件が起きています。ヴチェヴィッチ前監督が目指したムービング・サッカーがミシェ代理監督になってから上手く体現化され、オシエク相手にもワンツーやスルーをも多用した華麗なサッカーを展開します。4分、左サイドを突いたFWカリニッチが折り返すと、中央のFWイブリチッチは足が届かなかったものの、右から飛び込んだMFガブリッチが合わせてシュート。これにはオシエクのGKスケンデルが上手くセーブします。 20分にはガブリッチの左クロスにイブリチッチがダイビングヘッドするも、これまたGKスケンデルが好セーブ。しかし、その5分後、中央25mからMFアンドリッチ(写真)が放った直接FKは壁に当たって方向が変わり、目測が狂ったスケンデルもどうすることがなく、ボールはネットへと収まります。前半のハイドゥクはその後もシュートの雨を浴びせましたが、ことごとくスケンデルに止められてしまいました。 後半に入って49分、ペナルティエリア手前でMF M.ブリャトが左から横パスを中央のアンドリッチに送ると右足一閃、ボールは左上隅へと一直線に突き刺さり、彼にとっても2点目となるゴールが決まります。 そして57分、ハイドゥクが志向するサッカーの完成形といえるゴールが誕生します。自陣右サイドを皮切りにワンタッチで次々とボールを繋ぎ、左サイドをワンツーで抜けたDFストゥリニッチのクロスにニアへ飛んだイブリチッチが頭で叩き込んで3-0。これで勝負が決まりました。 1分後にDF J.ブリャトのミスからオシエクのFWバリシッチが一点返し、73分にはアンドリッチが相手選手の演技も手伝って一発レッドで退場したものの、ハイドゥクが3-1で5連勝を決めました。ディナモの試合が夜だったため、暫定ですが今季初めての首位に立ちました。 今季の国内リーグでは初めてマリヤン・ヴラクが代理監督としてディナモを指揮する試合となったのは、この日唯一のナイター、アウェーのヴァルテクス・ヴァラジディン戦。昨季はヴァルテクス相手に1分2敗と分が悪く、かつ欧州記録の掛かったリーグ29連勝をストップさせられました。エースストライカーのFWマンジュキッチを膝の負傷で欠き、不安要素の多いディナモですが、ヴァルテクスもキャプテンで司令塔のムムレクを病気で欠いたのが大きく響きました。
お互いが攻め手を欠き、決定機がなかなか生まれない中、ゲームを支配したのはディナモ。9分、FWバラバンが右から放ったシュートは左ポストを叩き、19分にはMFサミールの絶好のアシストに中央フリーのバラバンがシュートするも吹かしてしまいます。 ヴァルテクスも21分、DFドゥルピッチのクリアミスを拾ったFWノヴィニッチがペナルティエリアでシュートするも、ボールはGKブティナ(写真)の手中に。両チームがリスクを負わないプレーに終始し、45分間で見られたシュートはわずか5本と寂しいものでありました。 後半からヴラク代理監督は左SBのフルゴヴィッチをベンチに下げ、FWタディッチを投入すると、ディナモの攻撃が活性化します。61分、左サイドからMFサミールがドリブルで次々と相手をかわし、ペナルティエリアからシュートするもボールはサイドネットに。63分にも個人技でサミールがマーカーをかわし、左からシュートしましたが、ボールはクロスバーを越えます。 均衡が破れたのは70分、タディッチ、サミールと続けざまにGKデレヴェンがシュートを弾き、続くタディッチのシュートはDFプラヒッチがゴールラインで弾いたものの、最後はバラバンが四度目の正直とばかり放ったシュートがDFメルニャクの胸に当たりながらもゴールに吸い込まれ、ようやくディナモがゴールに結び付けます。 ヴァルテクスは75分、MFブレゾヴェッツの右FKにMFムヤノヴィッチがヘディングシュートするも、GKブティナは頭上を襲ったボールを払いのけるビッグセーブ。ディナモは一点を守りきり、再びハイドゥクを追い抜く勝点3を収めて首位に立ちました。
今節は5位ザグレブvs.3位シベニクのカードを取材してきました。財政面で恵まれないチームながら、カリニッチ監督の下で堅い守備をベースにカウンター中心の実利サッカーを魅せるシベニクですが、注目はFWゼッツ(写真左)とFWロディッチ(写真右)の俊足コンビ。カップ戦で疲れの見えるザグレブ相手にこの二人が大活躍します。 開始5分、右サイドから縦へのロングボールに走り込んだロディッチが、相手DFのクリアミスも手伝ってGKシュコリッチとの一対一の形を作り、右へときちっと決めてアウェーのシベニクが先制に成功します。 攻撃を仕掛けざる得ないザグレブはカウンターの格好の餌食となり、後半62分には右サイドのMFアリスパヒッチの縦パスにゼッツが抜け出し、右からシュートを決めて0-2。72分にもカウンターからゼッツが抜け出し、併走したロディッチへシュートのお膳立てをすると、85分にはDFクエディのスルーパスに途中交代のFWコヴァチが決めて0-4。 今季合わせて14ゴールのツートップを抱え、それと同数のゴールしか喫していないリーグ最小失点チームであるシベニクの強さが際立った試合でありました。次節はウィンターブレイクを前にした今年最後の試合ですが、シベニクはホームにハイドゥクを迎えます。この「ダルマチア・ダービー」は好試合が期待できそうです。 全試合の結果はこちら。 試合前をクリックすればクロアチア国営放送のダイジェスト動画が見られます。 Varteks Varazdin - Dinamo Zagreb 0:1 0:1 70' Balaban Zagreb - Sibenik 0:4 0:1 4' Rodic 0:2 63' Zec 0:3 74' Rodic 4:0 84' Kovac Cibalia Vinkovci - Croatia Sesvete 3:1 1:0 3' Malcic 1:1 40' Vojnovic 2:1 45' Malcic 3:1 90' Mazalovic Hajduk Split - Osijek 3:1 1:0 25' Andric 2:0 48' Andric 3:0 56' Ibricic 3:1 60' Barisic Zadar - Inter 1:1 1:0 22' Tomasov 1:1 88' Sivonjic Slaven Belupo - Rijeka 2:1 0:1 48' Krizman 1:1 55' Vrucina (PK) 2:1 74' Vrucina 【順位】 1位…ディナモ・ザグレブ (勝点36) 2位…ハイドゥク・スプリト (35) 3位…シベニク (28) 4位…スラヴェン・ベルーポ (27) 5位…ザグレブ (24) 6位…オシエク (22) 7位…リエカ (22) 8位…ヴァルテクス・ヴァラジディン (21) 9位…チバリア・ヴィンコヴチ (21) 10位…インテル・ザプレシッチ (18) 9位…クロアチア・セスヴェッテ (16) 12位…ザダール (13) 【ゴール】 11ゴール…ヴルチーナ(スラヴェン) 10ゴール…カリニッチ(ハイドゥク) 8ゴール…ゼッツ(シベニク)、シヴォニッチ(インテル) 7ゴール…マンジュキッチ(ディナモ)、モラレス(ディナモ)、 6ゴール…ムヤノヴィッチ(ヴァルテクス)、ムムレク(ヴァルテクス)、ヴグリネツ(ザグレブ)、シャルビーニ弟(リエカ)、ブーレ(インテル)、バリシッチ(オシエク)、ロディッチ(シベニク)
posted by 長束恭行 |21:49 |
サッカーニュース |
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ヴチェヴィッチ前監督が目指したムービング・サッカーがミシェ代理監督になってから上手く体現化され、オシエク相手にもワンツーやスルーをも多用した華麗なサッカーを展開します。4分、左サイドを突いたFWカリニッチが折り返すと、中央のFWイブリチッチは足が届かなかったものの、右から飛び込んだMFガブリッチが合わせてシュート。これにはオシエクのGKスケンデルが上手くセーブします。
20分にはガブリッチの左クロスにイブリチッチがダイビングヘッドするも、これまたGKスケンデルが好セーブ。しかし、その5分後、中央25mからMFアンドリッチ(写真)が放った直接FKは壁に当たって方向が変わり、目測が狂ったスケンデルもどうすることがなく、ボールはネットへと収まります。前半のハイドゥクはその後もシュートの雨を浴びせましたが、ことごとくスケンデルに止められてしまいました。
後半に入って49分、ペナルティエリア手前でMF M.ブリャトが左から横パスを中央のアンドリッチに送ると右足一閃、ボールは左上隅へと一直線に突き刺さり、彼にとっても2点目となるゴールが決まります。
そして57分、ハイドゥクが志向するサッカーの完成形といえるゴールが誕生します。自陣右サイドを皮切りにワンタッチで次々とボールを繋ぎ、左サイドをワンツーで抜けたDFストゥリニッチのクロスにニアへ飛んだイブリチッチが頭で叩き込んで3-0。これで勝負が決まりました。
1分後にDF J.ブリャトのミスからオシエクのFWバリシッチが一点返し、73分にはアンドリッチが相手選手の演技も手伝って一発レッドで退場したものの、ハイドゥクが3-1で5連勝を決めました。ディナモの試合が夜だったため、暫定ですが今季初めての首位に立ちました。
今季の国内リーグでは初めてマリヤン・ヴラクが代理監督としてディナモを指揮する試合となったのは、この日唯一のナイター、アウェーのヴァルテクス・ヴァラジディン戦。昨季はヴァルテクス相手に1分2敗と分が悪く、かつ欧州記録の掛かったリーグ29連勝をストップさせられました。エースストライカーのFWマンジュキッチを膝の負傷で欠き、不安要素の多いディナモですが、ヴァルテクスもキャプテンで司令塔のムムレクを病気で欠いたのが大きく響きました。
お互いが攻め手を欠き、決定機がなかなか生まれない中、ゲームを支配したのはディナモ。9分、FWバラバンが右から放ったシュートは左ポストを叩き、19分にはMFサミールの絶好のアシストに中央フリーのバラバンがシュートするも吹かしてしまいます。
ヴァルテクスも21分、DFドゥルピッチのクリアミスを拾ったFWノヴィニッチがペナルティエリアでシュートするも、ボールはGKブティナ(写真)の手中に。両チームがリスクを負わないプレーに終始し、45分間で見られたシュートはわずか5本と寂しいものでありました。
後半からヴラク代理監督は左SBのフルゴヴィッチをベンチに下げ、FWタディッチを投入すると、ディナモの攻撃が活性化します。61分、左サイドからMFサミールがドリブルで次々と相手をかわし、ペナルティエリアからシュートするもボールはサイドネットに。63分にも個人技でサミールがマーカーをかわし、左からシュートしましたが、ボールはクロスバーを越えます。
均衡が破れたのは70分、タディッチ、サミールと続けざまにGKデレヴェンがシュートを弾き、続くタディッチのシュートはDFプラヒッチがゴールラインで弾いたものの、最後はバラバンが四度目の正直とばかり放ったシュートがDFメルニャクの胸に当たりながらもゴールに吸い込まれ、ようやくディナモがゴールに結び付けます。
ヴァルテクスは75分、MFブレゾヴェッツの右FKにMFムヤノヴィッチがヘディングシュートするも、GKブティナは頭上を襲ったボールを払いのけるビッグセーブ。ディナモは一点を守りきり、再びハイドゥクを追い抜く勝点3を収めて首位に立ちました。
今節は5位ザグレブvs.3位シベニクのカードを取材してきました。財政面で恵まれないチームながら、カリニッチ監督の下で堅い守備をベースにカウンター中心の実利サッカーを魅せるシベニクですが、注目はFWゼッツ(写真左)とFWロディッチ(写真右)の俊足コンビ。カップ戦で疲れの見えるザグレブ相手にこの二人が大活躍します。
開始5分、右サイドから縦へのロングボールに走り込んだロディッチが、相手DFのクリアミスも手伝ってGKシュコリッチとの一対一の形を作り、右へときちっと決めてアウェーのシベニクが先制に成功します。
攻撃を仕掛けざる得ないザグレブはカウンターの格好の餌食となり、後半62分には右サイドのMFアリスパヒッチの縦パスにゼッツが抜け出し、右からシュートを決めて0-2。72分にもカウンターからゼッツが抜け出し、併走したロディッチへシュートのお膳立てをすると、85分にはDFクエディのスルーパスに途中交代のFWコヴァチが決めて0-4。
今季合わせて14ゴールのツートップを抱え、それと同数のゴールしか喫していないリーグ最小失点チームであるシベニクの強さが際立った試合でありました。次節はウィンターブレイクを前にした今年最後の試合ですが、シベニクはホームにハイドゥクを迎えます。この「ダルマチア・ダービー」は好試合が期待できそうです。
全試合の結果はこちら。
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