2008年09月18日

クロアチア・リーグ第7節~ディナモの連勝記録ストップ/シミッチ代表引退

14日、クロアチア・リーグ第7節が行われました。

勝点差が8も開いているとはいえ、首位と2位の対決となった首都ダービー「ザグレブvs.ディナモ」が、ザグレブの本拠地クラニチェヴィチェヴ・スタディオンで行われました。
降りしきる雨のせいで観客は1500人止まり。試合が国営放送で生放送されたこともあって客足は伸びなかったわけですが、シュート数が両チームで合わせて41本、枠内シュートが22本という数字が示すように、チャンスが多いエキサイティングな試合となりました。
nogomet-47532.jpg構図としては攻めるディナモに対し、常にカウンターを伺うザグレブ。ディナモは木曜日のスパルタ・プラハ戦でフルゴヴィッチが出場停止のため、左サイドバックに守備に難のあるアルゼンチン人のイヴァネスを起用したこともあり、ザグレブは右サイド、つまりディナモの左サイドを狙っていきます。
先制点は24分、ザグレブDFミクリッチがペナルティエリア内で突破を仕掛けたMFマンジュキッチを背後からタックルで引っ掛けてPKを与えてしまい、これをバラバンが右へと決めます。
逆に33分、今度はディナモMFチャゴがMFブルクリャチャを手で捕まえて倒したことでザグレブにPK。MFパルロフが右に決めて同点に追いつきます(写真)。
ロスタイムにはザグレブDFチュトゥラがマンジュキッチをペナルティエリアで倒し、この試合三度目のPK。しかしながら、ザグレブGKシュコリッチはバラバンが一本目とは逆方向の左に蹴ることを読んでおり、PKをストップ。前半は1-1のまま折り返します。GKシュコリッチはPKだけでなく、この試合では何度もディナモの100%のチャンスを止めていきました。

nogomet-47533.jpg後半に入ってザグレブが次々とチャンスを迎えたもののゴールに結び付けられずに終わると、52分、ディナモはMFサミールが右サイドから崩し、ファーのマンジュキッチにラストパス。シュートに力強さはなかったものの、コースが良いこともあってネットに吸い込まれ、2-1と勝ち越します。
59分にはマンジュキッチのお膳立てでバラバンが決定機を迎えたものの、近距離のシュートはクロスバーの上に。72分、73分とマンジュキッチがシュートするもののGKシュコリッチがセーブ。イングランド戦で代表初ゴールを決めたマンジュキッチ(写真)は、古巣が相手でも容赦せずに危険なシーンを作りました。
ディナモに負けじとチャンスを作りながら、この試合から復帰したGKブティナの好セーブもあってゴールを奪えなかったザグレブですが、83分、MFペイッチが左サイドでDFロヴレンを振り切ると角度のないところからブティナの頭上にシュートを叩き込んで同点に追いつきます。
ロスタイムにはザグレブのFWクルスタノヴィッチが決定機を決められず、またディナモのバラバンはゴール前で足を滑らしたDFカルテロからボールを奪い、あっさりと決めるべきシーンを吹かしてしまい、電光掲示板の表示は2-2のままタイムアップ。ザグレブはエースのFWヴグリネツを負傷で欠きながらも、ディナモと充分に張り合い、今季のディナモの連勝記録を「6」でストップさせました。


nogomet-47536.jpgハイドゥク・スプリトはホームでシベニクと対戦。負傷のカリニッチを無理に起用するほど得点力不足に泣いているハイドゥクは、リスクを犯すことなく守りに徹する相手と次々とシュートを跳ね返すGKスラヴィツァにてこずりましたが、24分にMFアンドリッチ→MFスココ→MFイブリチッチとボールを右へ右へ繋ぎ、ペナルティエリアに入り込んだMFガブリッチにスルーパス。ガブリッチ(写真)は右からシュートを決めて先制に成功します。
30分、シベニクはシュートの後にぬかるんだピッチで足を滑らせたFWボジッチが腓骨を折ってしまって退場。同日に手術という事故が起きてしまいました。ハイドゥクのヴチェヴィッチ監督も
「なぜこのような怪我がポリュウド・スタディオンで繰り返して起こるのかが分からない。選手たちの足が止まってしまい、ピッチ上は無言になってしった。ショックと恐怖は間違いなく試合に影響してしまった」
とコメントしたように試合はその後盛り上がることなくスコアレスドローで終了。ハイドゥクはサイド攻撃しようにも両サイドバックのM.ブリャト(右)とルビル(初めて左で起用)の攻撃参加が遅く、タレントが揃う中央にボールが密集。3位に浮上したとはいえ、まずい試合運びが目立ち、21日にザグレブで行われるライバル、ディナモとのダービーマッチに不安を覗かせる戦いとなりました。


木曜日にUEFAカップのCSKAモスクワ戦を控えるスラヴェン・ベルーポは、FWクレシンゲルの2ゴールなどでは難敵オシエクを4-2で振り切り、2位に浮上しています。
全試合の結果はこちら。試合名をクリックすればクロアチア国営放送の動画が見られます。
また次節から夜開催の1試合を除く昼間5試合を五元生中継で繋ぐ「Volim nogomet」という番組がクロアチア国営放送でスタート。まだ詳細は分かりませんが、クロアチア国営放送のサイトでこの番組がストリームで見られるようです。


Hajduk Split - Sibenik 1:0
1:0 24' Gabric

Zagreb - Dinamo Zagreb 2:2
0:1 24' Balaban (PK)
1:1 32' Parlov (PK)
1:2 52' Mandzukic
2:2 83' Pejic

Cibalia Vinkovci - Rijeka 3:1
1:0 26' Mesic
1:1 44' Budicin
2:1 73' Malcic
3:1 82' Baraban

Zadar - Croatia Sesvete 1:2
1:0 44' Zupan
1:1 73' V.Petrovic
1:2 76' V.Petrovic

Slaven Belupo - Osijek 4;2
0:1 12' Knezevic (PK)
1:1 19' Vruvina (PK)
2:1 45' Rogulj
3:1 76' Kresinger
3:2 80' Melicevic
4:2 88' Kresinger

Varteks Varazdin - Inter Zapresic 1:0
1:0 23' Prahic


【順位】
1位…ディナモ・ザグレブ (勝点19)
2位…スラヴェン・ベルーポ (13)
3位…ハイドゥク・スプリト (13)
4位…ザグレブ (11)
5位…チバリア・ヴィンコヴチ (11)
6位…ヴァルテクス・ヴァラジディン (10)
7位…リエカ (10)
8位…オシエク (8)
9位…クロアチア・セスヴェッテ (8)
10位…インテル・ザプレシッチ (7)
11位…シベニク (7)
12位…ザダール (1)

【ゴール】
6ゴール…カリニッチ(ハイドゥク)
5ゴール…マンジュキッチ(ディナモ)
4ゴール…ドディク(インテル)、シヴォニッチ(インテル)、ヴルチーナ(スラヴェン)、バラバン(ディナモ)
3ゴール…バビッチ(オシエク)、スムレカール(ヴァルテクス)、ヴグリネツ(ザグレブ)、モラレス(ディナモ)、マルチッチ(チバリア)、ミリチェヴィッチ(オシエク)、ペトロヴィッチ(セスヴェッテ)


nogomet-47534.jpg8月のスロベニア戦でクロアチア代表100キャップを記録したDFダリオ・シミッチ(32・写真)ですが、このほど代表引退を決意しました。
ワールドカップ予選のカザフスタン戦ではベンチ入りしたものの、イングランド戦ではベンチ入りさせてもらえず客席から見ることになったシミッチは今が引き際と考えたようです。
「もちろんチームに残りたいという願望はあるけど、願望と現実は別物なんだよ。今回の件で論争や失望、怒りといったものは1グラムもないよ。ビリッチ監督とは話し合いをしたし、不明な点は全くない。ユーロ以前から僕のステータスを直接に言ってくれたし、私はそれを受け入れて自分の課題を忠実にこなしてきた。カザフスタン戦の前には完全にお互いがカードを全て開け、彼は僕を右サイドバックの控えと考えていると語った。ストッパーには代わりがいると。正確な話だったさ。シミッチは1996年3月13日の韓国との親善試合で代表デビュー。以来、クロアチア代表では唯一、ワールドカップ、ユーロの計6大会に出場した重鎮でありました。人間としても人格者として知られるシミッチだけに、足掛け13年に渡っての代表での貢献にお疲れさまとの言葉を送りたいです。


posted by 長束恭行 |01:47 | サッカーニュース | コメント(5) |
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この記事に対するコメント一覧
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クロアチア・リーグ第7節~ディナモの連勝記録ストップ/シミッチ代表引退

シミッチの代表引退はかなり痛いと思います。この混乱してる時期ですし、チョルルカの控えはいませんし、スルナも守備に不安があると思いますし、私はイングランド戦でコバチ弟が退場した時はシミッチが当然のように出てくるかと思ったのですが…。控えにも入っていないのは…でしたが。シミッチもプライドがあるでしょうし表向きには良心的なコメントみたいですが。何だかクロアチア代表を取り巻く雰囲気がきな臭くなってきましたね。エドゥアルドの骨折に始まり、ユーロのトルコ戦、そして今回のホームでのイングランド戦と厳しい試練が続いてしまいますね。
ただこういう試練を乗り越えれば本当にFIFAランキング5位に値する強豪の仲間入りが出来るかもしれません。クロアチア代表ファンの私でもさすがにブラジルやアルゼンチンより力が上とはとても思えません(笑)
次のアウェイのウクライナ戦は今予選最大の山場だと思いますし、ここで敗戦なら、一気に崩れて終わりそうです…。何とか踏ん張って欲しいところです。

クロアチア国営放送のクロアチアリーグの件ありがとうございました。楽しみにしておきます。

posted by ボクシッチ | 2008-09-19 01:49

クロアチア・リーグ第7節~ディナモの連勝記録ストップ/シミッチ代表引退

ディフェンス陣に注目の若手とかっているんですか?
ビシュチャンの復帰とかないんでしょうかね・・・。

posted by アモレビエタ | 2008-09-19 19:53

クロアチア・リーグ第7節~ディナモの連勝記録ストップ/シミッチ代表引退

注目の若手がいなくても、無名でも自分の育てた旧U21以降の世代から抜擢して世代交代をはかるつもりなのでしょうね。
たとえワールドカップの出場権を逃したとしても、長い目で見れば必要なこと考えているのではないかという気がします。
ビリッチにとっては出場権を逃しても自分の財布は痛くないですし、プレミアなりどこなり職はすぐ見つかるでしょうから。

そうでなければイングランド戦でコバチ兄の交代に、モナコで出場機会が得られておらずコンディション不良であろうポクリヴァチュが出て、レコが出てこず、そしてキエフで絶好調のヴコイェヴィッチがベンチ入りしない理由が考えられません。

posted by 赤白アザラシ | 2008-09-21 13:21

クロアチア・リーグ第7節~ディナモの連勝記録ストップ/シミッチ代表引退

> ボクシッチさん
おっしゃるとおり、シミッチの引退は本人のプライドも影響したのでしょうね。
スルナのサイドバック、シャフタールの試合を生で見ましたが、守備面はかなり成長してました。昔みたいに直ぐキレなくなったところを見ると大人になったと思います。
次のウクライナ戦はコヴァチ弟がサスペンションとあって誰を起用するのか見所ですが、クリジャナッツをそろそろ公式戦で出して欲しいところ。ビリッチはそれでもクネジェヴィッチを優先するかもしれませんけどね。
クロアチア国営放送の「Volim nogomet」、ここで見られるようです。ディナモvs.ハイドゥク戦まではやらないかも。
http://www.hrt.hr/?id=1hnl

> アモレエビスタさん
あえて挙げるとしたら、ヴァルテクスのイゴール・プラヒッチ(21)とかですかね。センターバックで冷静なディフェンスをするプレイヤーです。アヤックスなどが関心を持っていると言われ、いずれは国外移籍しそうな選手ですが、ディフェンダーは直ぐにはレギュラーが取れないと思うので、クロアチアでじっくり育てた方がいいかもしれませんね。

> 赤白アザラシさん
よっぽどヴラニェシュの件で恨みを持っているようですね。個々の選手の好き嫌いを背景に批判をされるのは、読んでいて余り気分の良いものではありませんが。

posted by 長束恭行 | 2008-09-21 16:19

クロアチア・リーグ第7節~ディナモの連勝記録ストップ/シミッチ代表引退

長束様

出先の携帯からの投稿で急いで書いたので、激しい文章になってしまい気分を害されてしまったら申し訳ございません。

確かにユーロの最終選手登録発表以降、ワールドカップ予選でのビリッチ代表をナナメからの目線でみていることは認めます。

ですが、今回の書き込みは、前述の今月のイングランド戦のベンチ入りメンバーと選手交代から、国際的には無名でも、ユーロ参加以降出場機会が無くコンディションが不良だとしても、ビリッチ自身が率いたU21選手やそれより下の若手世代を入れて若返りを図る、もしくは現A代表の構成世代を下に広げる考えがあるんじゃないかと書きたかったわけで。
(今の主力は79~83年生まれに人数集中してますし)

それでワールドカップの出場権を逃したとしても、長い目で見て代表にとっては必要と考えているのではないかと思ったわけで。
その抜擢された若手が伸びてくれて、代表の主戦力となればそれでよし。
ワールドカップの出場権を逃したとして解任されたとしても、イングランド以下数々のクラブチームからオファーが引きもきらない状況なら職に困ることは無いだろうから、ビリッチ本人とすれば徐々にベテランを切って世代交代を断行できる環境だろうと、ユーロ予選からの流れと、シミッチの代表引退からそう感じたということを書きたかったのです。

posted by 赤白アザラシ | 2008-09-21 19:03

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