2008年08月25日
クロアチア・リーグ第5節/ディナモ、ザダール相手に逆転勝利
23日・24日とクロアチア・リーグ第5節が行われました。 首位ディナモ・ザグレブは最下位ザダールと対戦。今季から照明塔のないスタジアムではクロアチア一部リーグの試合開催が許されていないのですが、このほどザダールのスタノヴィ・スタディオンには照明塔が設置されたことで、ザダール初のナイター試合が行われました。 ディナモにとってはウィークデーを観光地ドゥブロヴニクで息抜きした直後の公式戦。いまだにGKブティナとDFビシュチャンは負傷から癒えていません。一方のザダールは昨季のチュスティッチの死亡事故以来、いまだにチームそのものが立ち直れていないのが実情です。 試合は思わぬ展開で進みます。イヴァンコヴィッチ監督が試合後、 「MFヴルドリャクが接触プレーで足を避けるのを見た時、これは最低の試合になると分かった」 とコメントしたように、ディナモの選手たちは消極的なプレーに陥ります。 開始20分、ザダールのFWミトゥロヴィッチがゴール前のボールへと突進し、DFドゥルピッチのタックルをかわすとGKケラヴァと一対一に。ケラヴァが足をすくった形になってPKとなり、これをキャプテンのMFジュパンが左に決めて先制に成功します。 先発出場のFWタデッチが足首を負傷し、31分にFWバラバンが途中交代で出場。その1分後、さらにザダールがリードを広げます。右サイドからジュパンが右クロスを上げると、昨季の得点王であるFWテルケシュがゴール前でヘディングで合わせ、2-0となります。 さらに34分、U-21代表MFトマソフがドリブルからワンフェイントでドゥルピッチをかわすと、そのまま突進して左足でシュート。これはGKケラヴァの好セーブで防がれます。後半に入り、イヴァンコヴィッチ監督に渇を入れられたディナモの選手たちが目覚めます。55分、バラバン(写真)が左20mの位置でFKを得ると、ボールはワンバウンドして右ネットへと突き刺さって1点差。バラバン曰く、トレーニングでもこなしてきたセンタリングのパターンのはずが誰に触れることもなく、かつザダールGKイェジーナが判断を誤ったことで生まれたゴールとのこと。 その6分後にはロングパスを左サイドでもらったMFマンジュキッチがDF二人を引っ張りながらペナルティエリアへ侵入し、右足で右隅にシュートを決めて2-2と振り出しに。 71分にはDFフルゴヴィッチの縦パスをもらったバラバンがトラップでマーカーを外して縦へと突進し、角度のない左からシュートを決めて逆転に成功。これまでスランプでサポーターの槍玉に挙げれていたバラバンでしたが、この試合は覚醒した感がありました。一方、ザダールのイェジーナにとっては3失点いずれも反応のまずさによるものでありました。 そのイェジーナとU-21代表で正GKのポジション争いをしているケラヴァはトマソフの強烈なミドルシュートを止めると、終了間際も素晴らしい飛び出しでゴールを救い、ディナモの勝利に貢献しました。 水曜日にチャンピオンズ・リーグ予備戦三回戦で、2点ビハインドの状態にてシャフタール・ドネツクを迎えるディナモにとっては2点差を繰り返す縁起の良い試合となりました。 またザダールの司令塔であり、ビッグチャンスを作ったMFトマソフに対して、ディナモの副会長ズドラヴコ・マミッチは200万ユーロの移籍金を提示したとのこと。ザダールの実権は外部協力者のレノ・シノヴチッチ(代理人業にも手を染めるビジネスマンで、いわゆるサッカーマフィアの一人)に握られているのですが、試合前、ハーフタイム、試合後の三度に渡ってシノヴチッチにトマソフを譲るよう説得したようです。しかし、シノヴチッチは 「トマソフを売ることに問題はないが、彼に関するオファーを私は5つ持っている」 としてオファーを拒否。マミッチは 「これほどの額のオファーを拒否するなど、私にとって理解不能だ」 と愚痴をこぼしています。
また前の記事で、ディナモのMFフランク・マンガ・グェラが退団に際して、MFアンテ・トミッチ(写真)が練習中に人種差別発言をしたという話に触れましたが、昨日、トミッチがディナモのクラブハウスで公式記者会見をしました。 自動車の修理を巡ってグェラと喧嘩をしたことは認めたものの、人種差別発言に関しては否定しています。 「人生を通して決して"黒んぼ"なんて言葉を発したことがないんだ。グェラにも言ったことはないし、誰に対しても言ったことはない。そんな教育を僕は受けていないよ。両親が僕に人種差別的な考えを植えつけたことなんてなかった。彼が車をぶつけたことは許したとしても、彼の重い批判は許すことはできない。練習中の衝突に関しては、グェラが僕を殴ってきた。チームメイトが止めなかったら、もちろん僕もやり返すつもりだった」 グェラとトミッチのどちらが本当のことを言っているかは分かりませんが、昔からトミッチは私に対してフレンドリーに接しているだけにグェラのインタビューを最初に聞いた時には正直辛いものがありました。ちなみに3年の契約を残していたグェラの退団に関しては、代理人とマミッチ副会長の間で合意に達しており、人種差別に関しても訴えることはないと報じられています。 10位に甘んじるハイドゥク・スプリトは、2位スラヴェン・ベルーポをホーム、ポリュゥド・スタディオンに迎えました。 開始7分、DFチャバルの左FKからあっさりとFWユリッチのヘディングシュートを許し、ハイドゥクは先制点を奪われてしまいます。
とはいえ、ハイドゥクはホームの意地もあって主導権はしっかりと手中に。20分、FWカリニッチ(写真)が相手をかわしながら中央突破し、左サイドに走り込んだFWバルトロヴィッチにスルーパス。しかしながら、バルトロヴィッチのシュートはGKロディッチの正面を突いてしまいました。 34分にはカリニッチがMFビレンをかわしてGKと一対一の形を作るものの、ロディッチの飛び出しで防がれてしまいましたが、40分、MFアンドリッチの右CKのボールにバルトロヴィッチがヘディングで触れ、それからゴール前のカリニッチが右足で合わせて同点に追いつきます。 後半もハイドゥクがチャンスを作れど、なかなかゴールが生まれない状況でしたが、70分に縦パスに抜け出したカリニッチがペナルティエリアでボールをカットしようとしたDFログリに倒された形となりPK。これを右に蹴り込んで勝ち越すと、その7分後にも右クロスに飛び込んだカリニッチをログリが引っ張り倒したとしてPK。これもまた右に決めてハットトリックを達成しました。 カリニッチの活躍で3-1で勝利を収めたハイドゥクは、第1節のザダール以来の勝利となり、7位に浮上しています。 ザダール同様、照明塔が設置されて今季初めて本拠地クラニチェヴィチェヴァ・スタディオンで試合を行ったザグレブはオシエクと対戦。私も今季初めてザグレブの撮影取材をしてきました。
前半はお互いが組織立った攻撃ができず、またシュートミスやパスミスの連発でに閉塞状態にはまった試合でしたが、後半から試合が動きます。 53分、オシエクのMFクネジェヴィッチが左サイドから突破し、エリア内でポストとなるFWプリモラッツに当てようとしたボールがザグレブのDFメフメダギッチに跳ね返され、それがワンツーの形になって貰い返したクネジェヴィッチが右下隅にシュートを決め、オシエクが先制に成功します。 しかし、ザグレブも60分に俊足FWピシュコールを投入するとエンジンが掛かり、71分、DFチュトゥラが得意のミドルシュートを放ち、オシエクGKスケンデルのキャッチミスもあって同点に追いつくと、88分、MFペイッチの左クロスにFWヴグリネツ(写真右)がヘディングシュートを叩き込んで逆転に成功。ここぞという仕事をこなすベテランの助けもあって、ザグレブが2-1で勝利し、3位へと浮上しています。 全試合の結果はこちらです。試合名をクリックするとクロアチア国営放送のダイジェスト映像が見られます。 Zadar - Dinamo Zagreb 1:0 20' Zupan (PK) 2:0 32' Terkes 1:2 55' Balaban 2:2 61' Mandzukic 2:3 71' Balaban (71) Hajduk - Slaven Belupo 3:1 Hajduk Split - Slaven Belupo 3:1 0:1 7' Juric 1:1 40' Kalinic 2:1 70' Kalinic (PK) 3:1 77' Kalinic (PK) Zagreb - Osijek 2:1 0:1 54' Knezevic 1:1 71' Cutura 2:1 88' Vugrinec Cibalia Vinkovci - Inter Zapresic 4:3 1:0 10' Pavlicic 1:1 22' Sivonjic 1:2 48' Sivonjic 1:3 54' Sivonjic 2:3 58' Mesic 3:3 68' Husic 4:3 70' Malcic Croatia Sesveta - Rijeka 0:1 0:1 27' Ljubovic Varteks Varazdin Sibenik 2:1 1:0 16' Brezovec 2:0 24' Smrekar 2:1 45' Bozic 【順位】 1位…ディナモ・ザグレブ (勝点15) 2位…スラヴェン・ベルーポ (10) 3位…ザグレブ (9) 4位…オシエク (8) 5位…ヴァルテクス・ヴァラジディン (7) 6位…リエカ (7) 7位…ハイドゥク・スプリト (7) 8位…チバリア・ヴィンコヴチ (7) 9位…シベニク (6) 10位…クロアチア・セスヴェッテ (4) 11位…インテル・ザプレシッチ (4) 12位…ザダール (1) 【ゴール】 5ゴール…カリニッチ(ハイドゥク) 4ゴール…マンジュキッチ(ディナモ) 3ゴール…バビッチ(オシエク)、ヴルチーナ(スラヴェン)、シヴォニッチ(インテル)、バラバン(ディナモ)、スムレカール(ヴァルテクス)、ヴグリネツ(ザグレブ)
posted by 長束恭行 |21:16 |
サッカーニュース |
コメント(0) |
コメントする
「他サービスID/メールアドレス」で投稿する場合は、そのID/メールアドレスは表示されず、当サービス専用の固定のコメント投稿者ID「英数+連番」に変換され表示します。
- Yahoo! JAPAN IDでコメント投稿
- mixiアカウントでコメント投稿
- Googleアカウントでコメント投稿
- Hatena IDでコメント投稿
- Biglobeアカウントでコメント投稿
- ログインしてコメント投稿
- メールアドレスでコメント投稿
※新規のメールアドレスによる投稿IDご利用は停止しました。
※コメント投稿手順
(1)上記リストから希望のIDを選択する。
例: Yahoo! JAPAN IDでコメント投稿
(2)Yahoo! JAPAN上の本人確認画面でIDとパスワードを入力する。
(3)スポーツナビ+blog側のコメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。
詳しくは以下2ページをご覧下さい
・【仕様変更】PCからのコメント投稿について
・ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」
※コメント投稿手順
(1)上記リストからログイン/メールアドレスのどちらかを選択する。
例: ログインしてコメント投稿
(2)plus-blogのアカウントとパスワード/メールアドレスを入力する。
(3)コメント入力画面が表示される。
(4)コメント本文を記入し、投稿ボタンをクリックする。
(5)コメント投稿者IDとコメントが表示される。
詳しくは以下2ページをご覧下さい
・【仕様変更】PCからのコメント投稿について
・ブログ利用マニュアル「コメント投稿方法」

後半に入り、イヴァンコヴィッチ監督に渇を入れられたディナモの選手たちが目覚めます。55分、バラバン(写真)が左20mの位置でFKを得ると、ボールはワンバウンドして右ネットへと突き刺さって1点差。バラバン曰く、トレーニングでもこなしてきたセンタリングのパターンのはずが誰に触れることもなく、かつザダールGKイェジーナが判断を誤ったことで生まれたゴールとのこと。
その6分後にはロングパスを左サイドでもらったMFマンジュキッチがDF二人を引っ張りながらペナルティエリアへ侵入し、右足で右隅にシュートを決めて2-2と振り出しに。
71分にはDFフルゴヴィッチの縦パスをもらったバラバンがトラップでマーカーを外して縦へと突進し、角度のない左からシュートを決めて逆転に成功。これまでスランプでサポーターの槍玉に挙げれていたバラバンでしたが、この試合は覚醒した感がありました。一方、ザダールのイェジーナにとっては3失点いずれも反応のまずさによるものでありました。
そのイェジーナとU-21代表で正GKのポジション争いをしているケラヴァはトマソフの強烈なミドルシュートを止めると、終了間際も素晴らしい飛び出しでゴールを救い、ディナモの勝利に貢献しました。
水曜日にチャンピオンズ・リーグ予備戦三回戦で、2点ビハインドの状態にてシャフタール・ドネツクを迎えるディナモにとっては2点差を繰り返す縁起の良い試合となりました。
またザダールの司令塔であり、ビッグチャンスを作ったMFトマソフに対して、ディナモの副会長ズドラヴコ・マミッチは200万ユーロの移籍金を提示したとのこと。ザダールの実権は外部協力者のレノ・シノヴチッチ(代理人業にも手を染めるビジネスマンで、いわゆるサッカーマフィアの一人)に握られているのですが、試合前、ハーフタイム、試合後の三度に渡ってシノヴチッチにトマソフを譲るよう説得したようです。しかし、シノヴチッチは
「トマソフを売ることに問題はないが、彼に関するオファーを私は5つ持っている」
としてオファーを拒否。マミッチは
「これほどの額のオファーを拒否するなど、私にとって理解不能だ」
と愚痴をこぼしています。
また前の記事で、ディナモのMFフランク・マンガ・グェラが退団に際して、MFアンテ・トミッチ(写真)が練習中に人種差別発言をしたという話に触れましたが、昨日、トミッチがディナモのクラブハウスで公式記者会見をしました。
自動車の修理を巡ってグェラと喧嘩をしたことは認めたものの、人種差別発言に関しては否定しています。
「人生を通して決して"黒んぼ"なんて言葉を発したことがないんだ。グェラにも言ったことはないし、誰に対しても言ったことはない。そんな教育を僕は受けていないよ。両親が僕に人種差別的な考えを植えつけたことなんてなかった。彼が車をぶつけたことは許したとしても、彼の重い批判は許すことはできない。練習中の衝突に関しては、グェラが僕を殴ってきた。チームメイトが止めなかったら、もちろん僕もやり返すつもりだった」
グェラとトミッチのどちらが本当のことを言っているかは分かりませんが、昔からトミッチは私に対してフレンドリーに接しているだけにグェラのインタビューを最初に聞いた時には正直辛いものがありました。ちなみに3年の契約を残していたグェラの退団に関しては、代理人とマミッチ副会長の間で合意に達しており、人種差別に関しても訴えることはないと報じられています。
10位に甘んじるハイドゥク・スプリトは、2位スラヴェン・ベルーポをホーム、ポリュゥド・スタディオンに迎えました。
開始7分、DFチャバルの左FKからあっさりとFWユリッチのヘディングシュートを許し、ハイドゥクは先制点を奪われてしまいます。
とはいえ、ハイドゥクはホームの意地もあって主導権はしっかりと手中に。20分、FWカリニッチ(写真)が相手をかわしながら中央突破し、左サイドに走り込んだFWバルトロヴィッチにスルーパス。しかしながら、バルトロヴィッチのシュートはGKロディッチの正面を突いてしまいました。
34分にはカリニッチがMFビレンをかわしてGKと一対一の形を作るものの、ロディッチの飛び出しで防がれてしまいましたが、40分、MFアンドリッチの右CKのボールにバルトロヴィッチがヘディングで触れ、それからゴール前のカリニッチが右足で合わせて同点に追いつきます。
後半もハイドゥクがチャンスを作れど、なかなかゴールが生まれない状況でしたが、70分に縦パスに抜け出したカリニッチがペナルティエリアでボールをカットしようとしたDFログリに倒された形となりPK。これを右に蹴り込んで勝ち越すと、その7分後にも右クロスに飛び込んだカリニッチをログリが引っ張り倒したとしてPK。これもまた右に決めてハットトリックを達成しました。
カリニッチの活躍で3-1で勝利を収めたハイドゥクは、第1節のザダール以来の勝利となり、7位に浮上しています。
ザダール同様、照明塔が設置されて今季初めて本拠地クラニチェヴィチェヴァ・スタディオンで試合を行ったザグレブはオシエクと対戦。私も今季初めてザグレブの撮影取材をしてきました。
前半はお互いが組織立った攻撃ができず、またシュートミスやパスミスの連発でに閉塞状態にはまった試合でしたが、後半から試合が動きます。
53分、オシエクのMFクネジェヴィッチが左サイドから突破し、エリア内でポストとなるFWプリモラッツに当てようとしたボールがザグレブのDFメフメダギッチに跳ね返され、それがワンツーの形になって貰い返したクネジェヴィッチが右下隅にシュートを決め、オシエクが先制に成功します。
しかし、ザグレブも60分に俊足FWピシュコールを投入するとエンジンが掛かり、71分、DFチュトゥラが得意のミドルシュートを放ち、オシエクGKスケンデルのキャッチミスもあって同点に追いつくと、88分、MFペイッチの左クロスにFWヴグリネツ(写真右)がヘディングシュートを叩き込んで逆転に成功。ここぞという仕事をこなすベテランの助けもあって、ザグレブが2-1で勝利し、3位へと浮上しています。
全試合の結果はこちらです。試合名をクリックするとクロアチア国営放送のダイジェスト映像が見られます。

