2010年02月08日

ユーロ2012予選組合せ決定/クロアチアは楽なグループに

昨日まで日本に帰国していたため、更新が滞っておりました。久しぶりのニュースはもちろん、こちらから。

2月7日、ワルシャワにてユーロ2012予選の抽選会が行われ、第1ポッドのクロアチアはグループFに属し、ギリシャ、イスラエル、ラトビア、グルジア、マルタと同居することになりました。昨今の予選を振り返れば、今回は非常に恵まれた組合せといえます。とりわけワールドカップ・アフリカ大会を逃した直後の予選だけに、クロアチア関係者は安堵しているところです。
(ちなみにギリシャ、イスラエル、ラトビアはワールドカップ予選でも同組)

nogomet-141268.jpg「客観的に見たところでも、過去二度の抽選結果は我々にとって最も困難なものだった。とうとう幸運が我々にキスする時が訪れるのだよ」
そう抽選前に希望を語ったスラヴェン・ビリッチ監督(写真)は、第6ポッド~第2ポッドまで決まっていたグループの組合せを引き合いに出しながら、このように喜びを述べました。
「どこのグループでやりたいか、どこのグループでやりたくないかは自分の中で線引きをしていた。トルコ、オーストリア、ベルギー、そして遠い旅路となるカザフスタンとアゼルバイジャンが同居するグループAには決して入りたくなかったよ(※第1ポッドからはドイツ)。グループCのセルビアとスロベニアとかち合わなかったことも私にとってはとりわけ重要だ(※イタリア)。デンマーク、ノルウェー、キプロス、アイスランドが待つグループHに入ったならば、最も楽な仕事となっただろう(※デンマーク)。スウェーデン、フィンランド、ハンガリー、モルドバ、サンマリノのいるグループEも良かったな(※オランダ)。私はスカンディナビアの国々と対戦したかったんだ。でも最終的には非常に良いグループに入ったと思うよ。このグループFは最も楽な抽選結果とも言えないし、選べるのなら更に楽なグループが見つけられたとはいえ、この結果に我々が満足していることを隠す必要はないだろう」

"クロアチアはトップ通過の本命では?"との質問には
「我々、第1ポッドの国々はトップ通過の本命となる。とりわけ我々、クロアチアにとってはね。少なくともグループFで本命国を挙げようならば、我々とギリシャとなるだろう。ギリシャを過小評価するつもりはない。なぜなら我々を蹴落としたウクライナを倒してのワールドカップ出場国だからだ。そこに不幸もあったことを語ろうにも、彼らの出場は事実なのだから。しかし、ギリシャに対して我々は充分にチャンスがあるのさ」

シャルケに所属するMFイヴァン・ラキティッチは
「抽選会を見ていたけど、運に恵まれたと思っているよ。僕達のグループではギリシャ、イスラエルが強敵となるだろう。他の国々にとってはチャンスが少ないはずだ。過去の予選では小国が大国を驚かし、勝点を奪うこともあっだけど、やっぱりこのグループでは我々が本命だよ」
とコメント。

一同に笑みがこぼれる中、一人憂鬱だったのがクロアチア・サッカー協会会長のヴラトコ・マルコヴィッチ。抽選会会場のクロークに預けた上着から全てのクレジットカード、そして眼鏡まで盗まれたようです。

ちなみに前クロアチア代表監督のズラトコ・クラニチャールは、今月5日にモンテネグロ代表監督に就任。クロアチアとのグループ対決の実現を希望しましたが、イングランドのいるグループGへ。クロアチアとイングランドとの因縁は、異なる形で継続することになります。

予選のグループは9組からなり、1位の9ヶ国と2位で最も成績の良い1ヶ国がストレートインで本大会へ。残る2位の8ヶ国でプレーオフを行います。


posted by 長束恭行 |04:12 | サッカーニュース | コメント(0) |
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2010年01月17日

クロアチアのクラブが活動再開/年俸削減で荒れるハイドゥク・スプリト

12月上旬にウインターブレイクに入ったクロアチア・リーグですが、各クラブが今週からリーグ再開に向けて始動しました。そんな各クラブの事情を。景気の良い話も悪い話も聞こえてきます。

まずは首位のディナモ・ザグレブ。冬のマーケットが動き、もっぱら話題の中心となったのはDFデヤン・ロヴレン(20)の移籍話。13日、正式にリヨンと4年半の契約を結び、現地にて入団会見が行われました。各メディアで報道がまちまちだった移籍金の額もリヨン側から発表され、800万ユーロに加え、出場数等のボーナス最大150万ユーロだったそうです。ちなみに背番号は26になります。
nogomet-136786.jpgそのディナモはロヴレンの代わりとしてオシエクのDFドマゴイ・ヴィーダ(20)の獲得を進めようとしているものの、移籍金の額にて難航中。ディナモが見積もる二倍近くの移籍金(250万ユーロ)をオシエクは最低でも欲しており、直ぐには決まりそうにありません。オシエクは現存選手に対する未払給与に加えて、旧所属選手からも未払給与で訴えられており、このままでは出場資格を奪われてしまいます。もし噂されているMFヨシップ・クネジェヴィッチ(21)のロコモティブ・モスクワ移籍が実現すれば、その移籍金(100万ユーロ相当)で当面は工面できるため、ヴィーダの移籍は夏以降の実現が見込まれます。
さて話を再びディナモに戻すと、先月に元アルゼンチン代表DFレアンドロ・クフレ(31・写真)と元ギリシャ代表FWディミトリオス・パパドプロス(28)に戦力外を通告。理由は年俸に見合った活躍をしなかったからですが、クフレは60万ユーロの年俸を半額の30万ユーロまで下げることに合意し、ディナモでのプレーを続けることになりました。
「ディナモとの2年契約は最後まで全うするつもりだ。ディナモでチャンピオンズリーグにプレーするために来ただけに、それを諦めるつもりはない。世の中の経済状況が苦しいのは分かっているし、ディナモも選手に高い金を払う余裕がないのも明らかだ。年俸を下げてもよいかと聞かれ、直ぐに応えたよ。問題ないさ!と。この素晴らしいチーム、この美しい街でプレーすることが第一だった。正直、ディナモへは金のためにやってきたけど、やはり金が全てじゃないよね?」
とクフレは述べています。左サイドバックは最も層が薄いポジションだけに、現場のユルチッチ監督としてはクフレ残留を大きく歓迎。ちなみに年俸65万ユーロとされるパパドプロスは、新たな移籍先が決まるか契約解除に合意するまで、トップチームと離れて個別練習しています。


荒れに荒れているのがハイドゥク・スプリト。無計画なクラブ経営がたたって、52人ものプロ契約選手を抱えている状況下、エドゥアルド・レーヤ監督はセレクションを行い、25人前後に絞り込みました。
若い選手はまだレンタル移籍できるものの、二軍行き、つまり戦力外扱いになったのがMF/DFマリヤン・ブリャト、MFダリオ・イェルテツ、DFイヴォ・スモイエ、FWイヴァン・ロディッチら。一年半前にディナモから獲得した最初の2人は年俸が高すぎるため(25万ユーロと20万ユーロ)、半年前から年俸削減を試みているものの同意せず、ハイドゥクも強行手段に出ました。2人の練習開始を薄暗い朝7時と定め、2時間45分の間、スタジアム内を延々とランニング。また18時半からも呼び出し、同じく2時間45分のランニングを課しています。彼らが譲歩しない限りは毎日32kmを走らせるだけという我慢大会が続いています。
nogomet-136787.jpg更にフロントは年俸20万ユーロ以上の選手に対して、年俸削減の交渉を始めました。MFヨシップ・スココは今年6月に契約が切れるため対象外。また近い将来に高額で売却が見込めるMFセニヤド・イブリチッチは、今年に入って契約更新し、年俸25万ユーロに上げたばかりなので同じく対象外。残る6名はMFフロリン・チェルナト(年俸45万ユーロ)、DFアンソニー・シェーリッチ(35万ユーロ)、DFフルヴォイエ・ヴェイッチ(35万ユーロ)、MFアナス・シャルビーニ(35万ユーロ)、MFスルジャン・アンドリッチ(25万ユーロ)、FWアフマド・シャルビーニ(25万ユーロ)です。
最初に交渉したヴェイッチ(写真)はこれまでの半額になるほどの年俸提示を拒否。続くシェーリッチも同じく拒否したために、2人とも二軍行きを命じられ、日曜から始まるスペイン合宿のメンバーからも外されてしまいました。アンドリッチは合意したものの、今年夏には移籍の際に自由契約選手にしてもらう条件を取りつけた模様。残る3人もスヴァグシャ会長は「合意に問題はない」と述べています。強引なまでのやり方に現場から不満が出ていますが、スヴァグシャ会長は
「目標はチームの若返りだ。この厄介な削減は誰かがやらねばならなかった。かつてのフロントは勇気がなかったが、我々は若い選手、ユース育ちの選手でチームを作っていくつもりだ」
と語っています。これでレーヤ監督に結果を残せ、というのが無理な話。今のハイドゥクがディナモに追いつくことなど、夢のまた夢です。
ちなみに元クロアチア代表MFでヴェルダー・ブレーメン所属のユーリツァ・ヴラニェシュ(29)と交渉したものの、ハイドゥクが年俸20万ユーロしか提示しなかったのに対し、ヴラニェシュは40万ユーロを希望したために話が流れてしまいました。ブレーメンでのヴラニェシュはシャーフ監督と口を聞かないほどの仲。もしハイドゥクならば移籍金ゼロで移籍可という約束をフロントと取り付けておりました。ハイドゥクはボランチの層が薄く、若手のクレショ・リュビチッチは骨折で離脱中。スココとアンドリッチの一人でも怪我すれば、ユース選手でカバーしなければなりません。またFWもコマがおらず(ブラジル人FWパライーバも返却)、今はザグレブの長身FWイヴァン・クルスタノヴィッチに触手を伸ばしています。


二強以外のクラブは、選手を売却しようにも買い手がつかず、選手を獲得しようにも資金がない状態に陥っています。今季前半の最優秀選手に選ばれたシベニクのFWエルミン・ゼッツも、一時はシャフタール・ドネツク移籍が報じられながらも正式なオファーはなく、近くチームに合流する予定です。

そんな中、戦力に大きく変化が見られるのが、イゴール・シュティマッツ監督率いるNKザグレブ。ユース出身の選手を中心にした年齢的にも若いチームでしたが、降格ラインから脱出するには実績ある選手が必要と考えたことから、フリー選手だったDFマリオ・トキッチ(34)とFWゴラン・リュボイェヴィッチ(26)を獲得しました。
nogomet-136788.jpgトキッチはクロアチア代表キャップ28を数えるベテランですが、昨年3月にラピッド・ウィーンでプレーしたのを最後にアキレス腱の手術のためピッチを離れています。またリュボイェヴィッチは2007年10月に膝を痛め、手術を二度行い、計17ヶ月に渡ってリハビリ。昨年5月にヘンクで戦力外になった後は古巣のオシエクで練習を重ねていました。シュティマッツ監督(写真)は
「彼らは良い人間だし、真のプロフェッショナルだ。だが、長くプレーしてなかっただけに、我々は話し合いをした上でリスクを引き受けることにした。私は楽観主義者だし、彼らの帰還は大きなものになると信じている」
と述べています。
またザグレブはブラジル人DFルーカス・ロッヘと契約し、昨年秋にテストを受けていた北朝鮮ユース代表のMFアン・イル・ボムと書類さえ整えば契約するつもりです。またザグレブはFWクルノスラフ・ロヴレク(元セレッソ)の復帰を長く働きかけていたものの、前所属のエスキセヒルシュポールとの契約解除に手間取り、その間に韓国の昨シーズンの王者・全北現代モータースと2年契約(推定年俸50万ドル)でサインしています。


posted by 長束恭行 |05:58 | サッカーニュース | コメント(3) |
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2010年01月11日

ディナモ・ザグレブがリヨンとDFロヴレン移籍に合意

冬のクロアチアの移籍マーケットで話題の中心となっているディナモ・ザグレブのDFデヤン・ロヴレン(20・写真)ですが、ディナモとリヨンの間で合意に達したと報じられました。
nogomet-135129.jpg前回のニュースでは、ディナモのマミッチ副会長が提示額に見合わないとしてオファーを拒否したとお伝えしましたが、ロヴレン獲得を諦めなかったリヨンが提示額を上げたらしく、その額は1000万ユーロ(一部報道は800万~850ユーロ)と言われています。

マミッチ副会長はスキー旅行のため、今日にもディレクターのダミール・ヴルバルヴィッチがリヨンに渡って細かい条件の部分を詰めてくる予定で、今週中にはロヴレンもリヨンに渡ってメディカルチェックとサインの運びとなります。リヨンのGMファッチョーリとヴルバノヴィッチは欧州クラブ委員会(ECA)を通しての知人関係ということもあり、ヴルバノヴィッチを交渉窓口としてロヴレンの性格や振舞いなども細かく調査を続けていました。ピッチ上のロヴレンは激情家とはいえ、普段は至って好青年であり、ヴルバノヴィッチも太鼓判を押しての移籍実現となったわけです。

リヨン移籍が合意に至ったことを耳にしたロヴレンは"まだサインするまではディナモの選手だ"と前置きした上でこう語っています。
「ハッピーさ。なぜハッピーじゃないと言えるんだね! リヨンはビッグクラブだし、僕自身、特別に敬意を払っている伝説的なフランスのクラブだ。あのようなクラブでプレーすることは特権だよ。僕に対してトットナムやその他の名門が関心を示してくれたことには興奮しているよ」
これまでチョルルカが21歳、モドリッチが22歳、エドゥアルドが23歳で移籍したことを考えれば、近年のディナモでは最も若くして国外の有力クラブに移籍した選手となります。フランス語は新たに勉強しなければなりませんが、リヨンには言葉が通じるボスニア人のMFピヤニッチが在籍していることもあり、馴染みやすい環境とも言えましょう。


ディナモは新戦力として、インテル・ザプレシッチのブラジル人FWルイス・パウロ・イラーリオ・"ドドー"(22・写真)を獲得。9日に5年半契約にサインしました。移籍金は40万ユーロとされています。
nogomet-135130.jpgドドーはエドゥアルド・ダ・シルヴァと友人関係にあり、一年前にエドゥアルドに代理人を紹介してもらってクロアチアへと渡ってきました。クロアチア・セスヴェッテのテストは不合格、NKザグレブにはテストすら断られ、最終的にはインテル・ザプレシッチに入団。昨季は13試合で5得点1アシスト、今季は17試合で4得点4アシストの結果を残し、晴れてディナモ入団となりました。
サインを結んだドドーは
「ドゥドゥ(エドゥアルドのニックネーム)は偉大な選手だし、素晴らしい人物だ。けれども僕はドゥドゥじゃない。僕はドドーだ! 僕はドゥドゥよりも優れた選手になるよ!」
と野望を述べています。バネのあるスピードだけでなく、ディフェンスにも抜かりないFWで、ディナモとしては即戦力とは期待してないものの、いずれは化ける存在になると期待しています。


posted by 長束恭行 |19:11 | サッカーニュース | コメント(9) |
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2010年01月08日

ディナモ、DFロヴレンに対するリヨンのオファーを拒否

昨年もここでお伝えしましたが、ディナモ・ザグレブ所属のクロアチア代表DFデヤン・ロヴレン(20・写真左)を巡って欧州のビッグクラブが本格的に動き始めました。

昨年の段階でトットナム・ホットスパーが移籍金700万ユーロのオファーを正式提示し、これはズドラヴコ・マミッチ会長が断ったことは既に書きました。
nogomet-134737.jpg続いて動いたのはオリンピック・リヨン。今季はDFラインに怪我人が続出し、リーグアンでも6位に留まる強豪ですが、ロヴレンのポリバレント能力を高く買っているリヨンは獲得に本腰を入れ、6日にGMのマリーノ・ファッチョーリ、スカウトのフロリアン・モーリスがザグレブを訪れ、ディナモのマミッチ副会長と交渉の席を持ちました。

ここ数年で6000万ユーロもの移籍金を稼ぎ出し、オシムが「選手売却においてノーベル賞に値する人物だ」と語るマミッチ副会長を口説き落とすのはたやすい話ではありません。リヨンは700万から800万ユーロに移籍金を上げ、一説には1000万ユーロを提示したと言われていますが、2日間に渡った交渉は不発に終わったまま、帰国の途に着くことになりました。

リヨンでアドバイザーを務めるベルナール・ラコンブは
「まだ国際舞台で実力を証明していない若者に対して素晴らしいオファーを出したと思っていたのだが、ディナモは拒否してしまった。交渉は非常にきついものだったらしい。なぜならディナモの副会長ズドラヴコ・マミッチは交渉相手としてはとても難しいタイプだからだ。それに加えてロヴレンの交渉に何人もの代理人が絡もうとし、それが邪魔となって交渉は複雑化してしまったのだ」
と嘆いています。ただでさえロヴレンの正式代理人はマミッチ副会長の息子であるのに、クロアチアは代理人と名乗る人物がハイエナのように動く国ですから、交渉能力に長けたリヨンのエキスパートですら戸惑ったのは想像につきます。

マミッチ副会長は
「リヨンのオファーを蹴ったことに対し、多くの人々は"まったくもって狂っている"と言うだろう! そのように見えるかもしれないが、ディナモはどこへも急ぐ必要はないのだよ。クラブは財政的に安定しているし、どんなオファーにも食いつく必要はない。たとえリヨンの提示額が良いように見えてもね。我々はチーム力を維持したいし、さらに強くなることを望んでいる。そうとなったら誰も売りやしないんだ。マンジュキッチだろうが、ヴルドリャクだろうが、ロヴレンだろうが」
と口にしていますが、"クラブの財政を本当にアップさせるようなオファーが届いたならば、話は別だ"と最後に加えているように結局は金次第。リヨンもこれでロヴレン獲得を諦めるつもりはなく、事の成り行きをフォローしながら移籍期限が閉じるまでチャンスを伺う模様です。トットナムも移籍金を吊り上げてオファーを出すらしく、またチェルシーも秘密裏に交渉を進めているとも報じられています。


posted by 長束恭行 |20:04 | サッカーニュース | コメント(0) |
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2010年01月08日

失意から始まるクロアチア代表の2010年/初戦の相手はベルギー

今年最初のクロアチア代表の親善試合として、3月3日にベルギーと対戦することが正式に決まりました。場所はベルギーの首都ブリュッセル、会場はキング・ボードワン・スタジアムになります。

nogomet-134682.jpgワールドカップ敗退後、クロアチア・サッカー協会はマッチング交渉で無能ぶりを露呈しており、昨年11月の親善試合ではリヒテンシュタイン戦しか組めませんでした。その際、ヴラトコ・マルコヴィッチ会長は今年こそ強豪国とのマッチングを実現させると豪語していたものの、協会幹部のがめつさも影響したのか苦戦しています。

クロアチアは現在FIFAランク10位で、ワールドカップ予選敗退国では最高順位にあるものの、強豪国を呼べるような資金力もないどころか、そんな国からは呼ばれもしないのが現実。ベルギーはアドフォカート新体制になって最初の試合でありますが、かつての強豪国も現在はFIFAランクで66位と低迷しています。

続いて決まったと報じられているのが、オーストリアとの親善試合。日時は5月19日、場所はクラーゲンフルトで、ユーロ2008で対戦した際と同じヴェルーターゼー・スタディオンが会場となります。ちなみにオーストリアも低迷中の国で、FIFAランクは61位となります。

2月7日にユーロ2012の予選抽選会があり、その結果次第ではカードの変更や追加があるかもしれませんが、現時点でオファーがあるのはオーストラリア、中国、韓国といった遠征話ばかり。ワールドカップ出場を逃した後は「蚊帳の外」に追いやられた感が否めません。ビリッチ監督は遠征に反対するつもりはなく、日程さえ都合がつくならば受け入れるつもりのようです。


さて、任期としては第三期を迎えたビリッチ監督(写真)ですが、直近のインタビューで「ユーロ予選突破のキーワード」を三つ挙げています。
nogomet-134683.jpgまず第一が抽選結果。ユーロ2008予選もワールドカップ予選も彼的には欧州最難関のグループリーグに属したと考えており、今回こそは第一シードとして比較的楽なグループに入りたいと考えています。幸いなことに今回は第一シードに浮上したイングランドと同グループに入ることはありません。
第二が選手が健康であること。ワールドカップ予選敗北の最大の原因は予選を通して常に怪我人に悩まされたことでした。前半にエドゥアルドとクラニチャールを欠き、後半はモドリッチ、ペトリッチ、プレティコサ、オリッチら怪我人が続出。現在、トットナムで活躍するクラニチャールとモドリッチが揃った試合は昨年8月のベラルーシ戦のみという事実が、いかに苦しい戦いを強いられたかを物語ります。ビリッチ監督は「少なくとも代表チームの80%の選手が常に健康であることが望ましい」と述べています。
そして第三が、選手が所属クラブで継続的に出場すること。これに関しては現時点で悩む必要はなく、ほとんどの代表選手が高いパフォーマンスで活躍しています。ここ1~2シーズンでステップアップした選手達が新たなリーグやクラブに順応するまで、停滞や不調、怪我は逃れられませんでした。今はその順応期間を終えた段階であり、ビリッチ監督は「この先数年間、選手達は今まで以上のクオリティを持つことになる」と太鼓判を押しています。その一方で、「代表の試合が始まらないうちは、彼らはゴールを決め続けるだろう」と冗談めいても語っています。

あと直近のビリッチ監督のインタビューで興味深かったのが、ワールドカップ予選を通して懸案であったボランチのポジションの話でした。

ユーロ2008の本大会後に代表引退を表明していたニコ・コヴァチを説得して残留させたものの、2008/09シーズンの彼は所属クラブのレッドブル・ザルツブルクでコ・アドリアーンセ監督(当時)に干されてしまい、コンディション不足で2009年1月に改めて代表引退を発表することになりました(シーズン後に現役も引退)。

ビリッチ監督はコヴァチがいたポジションをこう評します。

「あのポジションは、バランスにおける"メガ"的に重要なポジションだ。我々はダブルボランチでプレーしているが、一人のボランチがモドリッチなだけに、クラシックな4-4-2というよりは4-1-3-2でプレーしている。その"1"のポジションに最高の選手を結びつける必要はないが、チームが崩壊しないように最も責任があり、最も賢い選手を結びつける必要があるのだ」

分かりやすいよう、予選を通してボランチにどの選手が先発起用されたか表にしてみました。

2008/09/06 カザフスタン戦(H) 3-0  【コヴァチ、モドリッチ】
2008/09/10 イングランド戦(H) 1-4  【コヴァチ、モドリッチ】
2008/10/11 ウクライナ戦(A)   0-0  【コヴァチ、ヴコイェヴィッチ】
2008/10/15 アンドラ戦(H)     4-0  【ヴコイェヴィッチ】
- - - - - - -(ニコ・コヴァチ代表引退)- - - - - - - -
2009/04/01 アンドラ戦(A)     4-0  【ユリッチ】
2009/06/06 ウクライナ戦(H)   0-0  【ユリッチ、モドリッチ】
2009/08/21 ベラルーシ戦(A)   3-1   【モドリッチ、ヴコイェヴィッチ】
2009/09/05 ベラルーシ戦(H)   1-0   【クラニチャール、ヴコイェヴィッチ】
2009/09/09 イングランド戦(A) 1-5  【クラニチャール、ヴコイェヴィッチ】
2009/10/16 カザフスタン戦(A) 3-2  【クラニチャール、ヴコイェヴィッチ】

ビリッチ監督が当初から"ポスト・コヴァチ"として第一プランに挙げていたのがイェルコ・レコ。しかし、彼はモナコでくすぶることになり、ニコラ・ポクリヴァチュもまたモナコで不遇な日々を過ごしました。チャンスを得たのはオグニェン・ヴコイェヴィッチ。しかし、彼はクロアチア・リーグでプレーしていた時からの悪い癖で、「頻繁に自分のポジションを離れてしまう」(ビリッチ談)といった問題を抱えていたのです。

「話し合いを通して直そうとは試みた。しかし、自分に何が必要とされるかを彼が完全に理解し、その役割を引き受けられるようになったのはディナモ・キエフでのプレーを重ねてだった。あのポジションで重要視しているのは、ゴールを5つ決めることではなく、常にボールよりも後ろに位置することなのだよ」

nogomet-134684.jpgヴコイェヴィッチがディナモ・キエフに移籍したのが2008年6月。10月のウクライナ戦とアンドラ戦に先発出場させたものの、悪い癖が抜けない彼をビリッチ監督は諦め、新たに呼んだのが33歳で初キャップを飾ることになったイヴァン・ユリッチ(ジェノア所属)でした。しかし、彼の起用は大失敗でした。大事なウクライナ戦を前にしたインタビューでチームの士気を下げる問題発言を犯しただけでなく、試合でもシェフチェンコへのマークを忘れて失点を許してしまったのでした。ビリッチ監督は今でもユリッチを"素晴らしい選手だ"と弁護していますが、

「結果的に良くなかったアイデアがあったことは明らか。そのうち完全に取り除く必要はないアイデアもあることは間違いないが、再び第一プランに挙がるかと聞かれたらノーだ」

と、ユリッチ起用はこの先無いことを示唆しています。ヴコイェヴィッチが成長をこのまま続けていけば安泰なのですが、新たな競争や解決策も問われるポジションといえましょう。
(写真は、後半にヴコイェヴィッチに指示を出すビリッチ)

もう一つ懸案となるポジションは左サイドバックです。予選10試合中8試合にプラニッチ、残りはポクリヴァチュとチャレが1試合ずつ先発起用されたものの、イングランドを筆頭にクロアチアの左サイドは徹底的に攻略されてしまいました。

「左サイドは我々を苦しめているポジションの一つだ。プラニッチを起用すればオフェンシブとなり、ディフェンスが弱い相手には有効だろうが、それをカウンター攻撃の理想と考える相手も存在する。シムニッチを起用すれば守備はカバーできるが、クラニチャールが二人の選手と相対することになり、突破力を失ってしまう」

このように嘆くビリッチは、イングランド戦の秘策としてチョルルカの左サイドバック起用を6ヶ月に渡って準備してきたものの、前試合のベラルーシ戦で彼が退場したために封印されてしまいました。
このポジションを専門にする選手として、リヒテンシュタイン戦で初召集が掛かったものの怪我で見送れたストゥリニッチ(ハイドゥク)、そのリヒテンシュタイン戦で追加召集されて90分間プレーしたバルトゥロヴィッチ(クリフバス/ウクライナ)、頻繁に代表に呼ばれながらも信用に欠けるチャレ(トラブゾンシュポール/トルコ)、攻撃力は魅力だが未知数なパミッチ(スパルタ・プラハ)といった若手らが挙げられますが、いずれも決め手に欠けるのが現状です。

新たなテスト、そして自信回復のためにも試合をこなすのが今のクロアチア代表に必須なわけですが、果たしてサッカー協会が目先の金にこだわらず、どこまで有意義なテストマッチを組んでいけるのか。ユーロ2012の予選が始まる9月まで、思っているほどの時間は残されてないはずです。


posted by 長束恭行 |06:43 | サッカーニュース | コメント(0) |
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