愛下哲久の「駅伝野郎、らぶりん」

駅伝の距離延長は実現可能な構想か?

このエントリーをはてなブックマークに追加


日本陸連・マラソン強化プロジェクトリーダーを務めている瀬古利彦氏が提唱した「箱根駅伝にマラソン区間の導入」。

低迷する日本マラソンを憂いた上での発言であることに間違いはないが、あまりにも突拍子で実現困難なプランだ。

しかし、中には悪くないと思った人も少なからず、いやもしかしたら半数近くはいるのかもしれない。

東京オリンピックまでに逸材を見つけ出すということや長距離の経験を積ませるという目的を達成するためのプランだとすれば、箱根駅伝という93回まで続いている歴史やコース変更や各大学の承認、実行に移すまでの期間など、クリアしなくてはいけない問題は多く、現実的に考えて実現することは非常に難しい。

ただ、今後のマラソン界を考えていくのであれば、長い目で見ればいずれはマラソン区間導入という未来がないわけではない。


瀬古氏の発言に同調を示したのは、今回の世界選手権の代表にも選ばれている川内優輝選手だ。

彼自身、個人で力をつけているだけに距離を積むことの重要性は誰よりも理解している。

「中・高・大学と走る距離が伸びているのに、実業団で距離が変わらない、減っているのはおかしい」と疑問を感じるのは至極真っ当な意見に思える。

陸上界のトップランナーとして実績を残している佐藤悠基選手や村澤明伸選手、柏原竜二選手などマラソンでは苦しんでいる。

20キロであれば常に上位争いを繰り広げられる選手たちが、マラソンになると後半にガクッと落ちる。

20キロを全力で走ることに慣れている彼らにとって、35キロ以降の実践は想像以上の苦しさになっているのだろう。


瀬古氏・川内選手の発言に共通して感じることは日本マラソン界への危機感だ。

今回は2020年の東京オリンピックというビックイベントが控えている為、若手のマラソン挑戦の意識は高まっている。

ただ、それを過ぎて終わりでは仕方がない。

あくまでステップとして次に繋げていかなければいつまでも設定タイムをクリアしての代表内定を決める選手は出てこない。

世界選手権の代表選手たちは殆どがマラソン主体のトレーニングを積んできている。

川内選手を筆頭に、ベテランの中本選手、大学では箱根路を沸かせた井上選手も実業団ではマラソン部の所属だ。

女子では安藤選手、清田選手が所属するスズキ浜松アスリートクラブは実業団連合を退会し、駅伝を目標としない別の意識を持って競技に取り組んでいる。


「駅伝=マラソンを弱くした」とは個人的には思っていない。

駅伝がなければ、ここまで陸上競技に取り組んだ選手はいなかっただろうし、箱根駅伝から生まれたスターたちは今でも過去の自分と戦いながら成長を続けている。

ただ、日本代表になる為には、世界と戦えるタイムを出す為には、駅伝という媒体は残しつつ何かを変える必要性も出てきたのではないだろうか。

マラソンを主体としている選手たちはそうでない選手たちに負けたくないという気持ちが強いというのはもちろんのこと、取り組んでいる距離や意識が異なっている。

例えば実業団であれば、チームとしては難しくともマラソンに向き合うためにニューイヤー駅伝を回避する選手がもう少しいてもいいのではないかと思う。


個人の取り組みと意識、そして、日本陸上界の方向性とプラン。

2ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
タグ:

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

この記事にはまだコメントがありません

こんな記事も読みたい

伝説のシューズ職人・三村仁司の眼力【Sports Writing Report】

【湘南陸上競技部】日本学生ハーフマラソン選手権大会【東海スポーツ】

世界選手権ロンドン 井上大仁選手はどこまで上位に絡めるか【愛下哲久の「駅伝野郎、らぶりん」】

【湘南アイスホッケー部】1年生トリオ1年間を振り返る【東海スポーツ】

【特別企画~軌跡~】湘南男子バレーボール部【東海スポーツ】

2017年度卒業生・新入生~中央大学・東京国際大学~【愛下哲久の「駅伝野郎、らぶりん」】

【NCAA】2017' #MarchMadness, #Sweet16 、デューク大敗れる。【名寄地区バスケットボール協会HP管理人ブログ】

日米野球好投ハウク率いるミズーリ大 19連勝!前回は全米準優勝!抑え1年生TJ Sikkema驚異の奪三振&無失点記録!【「KC」だよ!「カンザス」ではない!】

ブロガープロフィール

profile-iconnoburin

愛下哲久 (あいしたてつひさ)
出身地:埼玉県

役者をやっています。
よろしくお願いします。
以前のコラム名は「駅伝野郎のぶりん」でしたが、芸名が変わった為変更いたしました。
変わらずよろしくお願いします。
  • 昨日のページビュー:0
  • 累計のページビュー:14795015

(05月24日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 第93回箱根駅伝予選会①~主要チームエントリー分析~
  2. 第28回出雲駅伝を経ての箱根シード校の明暗
  3. 第92回箱根駅伝各チームの区間エントリー分析~前回シード校~
  4. 大迫傑選手は日本選手権で勝てないのか
  5. 第48回全日本大学駅伝統括
  6. 第28回出雲駅伝④~関東勢の区間エントリー予想①~
  7. 第92回箱根駅伝復路統括
  8. 第92回箱根駅伝展望予想
  9. 2015年度卒業生進路~青山学院大学~
  10. 第47回全日本大学駅伝統括①

月別アーカイブ

2017
05
04
03
02
01
2016
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2015
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2014
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2013
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2012
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2011
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2010
12
11
10
09
08
07
06
カテゴリー

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年05月24日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss