愛下哲久の「駅伝野郎、らぶりん」

87回箱根駅伝・9区

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レースも終盤とは言え57秒の差で繰り広げられるトップ争い。
決して油断できるようなタイム差ではありません。
裏エース区間と言われる9区は、各チームの復路エースが名前を連ねます。

その中でも、注目はトップを走る早大の八木勇樹選手。
早稲田のエースと呼ばれてもおかしくない実力の持ち主ですが、駅伝で中々思うような成績を残せずにいました。
86回大会では、5区を任され期待の高さを感じましたが、柏原選手のペースについていき後半失速するという悔しい結果になりました。
ところが、今季の出雲駅伝にて遂にその力がベールを脱ぎました。
3区で区間1位となる堂々たる成績。
東洋大の川上選手、駒澤大の千葉選手、日体大の出口選手らを抑えての区間賞は十分評価されるものでした。

力を取り戻した八木選手は、箱根路も果敢に攻めていきます。
トップで走りながらも、序盤から飛ばしていき東洋大とのリードを広げていきます。
早稲田の戦略がピタリとはまりました。

しかし、その勢いを上回ったのが追う東洋大学・田中貴章選手。
柏原選手が、往路優勝インタビューにて「やったぞ! 田中!」と叫んだのは有名なシーンでしょう。
柏原選手と田中選手には、おそらく相当強い絆があると感じます。
今季、柏原選手が不調だったときに彼を支えたのはこの田中選手。
彼なくして、柏原選手の復活はあり得なかったのではないでしょうか。
86回大会でも、7区を走る田中選手に向けて「俺の貯金(タイム)全部使ってもいいから」と柏原選手は言ったそうです。
その言葉の返事は「区間賞取ったるわ!」。
結果として7区区間賞を取り、東洋大学の連覇に大きく貢献しました。

今年も田中選手の走りは力強いものでした。
権太坂で、八木選手に13秒差をつけられてから一気にペースアップ。
しかし、それは無茶な走りではなく焦りのない早い攻めだったと思います。
正直、7区とは違うロードの上、距離も長くなる為、田中選手には分が悪いと感じていました。
ところが、それは大きな間違いだと痛感しました。
元々力のある選手ですし、何より仲間に名指しで「やったぞ!」と言われて燃えないわけがありませんでした。
駅伝ならではの「想い」がレースを動かすという姿を見た気がします。

襷を渡して、トップとの差は遂に40秒差。
最後の10区に各チームの想いが繋がれます。

【区間賞】 田中貴章(東洋大学) 1時間9分46秒(歴代13位)

そして、この区間で繰り上げスタートが1校だけ起こってしまいます。
名門・日本大学。
信じられないという思いもあれば、今年も起こってしまったかという気持ちもあります。
仕方のないこととは言え、皆の汗が染みこんでいない襷で走るというのは悲しい気持ちになりますね。



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この記事へのコメントコメント一覧

87回箱根駅伝・9区

wildhawkさん>

石田選手は、立派にエース区間を走れる選手に成長しましたね。
毎年毎回、早くなって、強くなって、大きくなって箱根路を沸かせてくれました。
襷渡しの瞬間は本当にいい表情していましたよね。
区間5位は立派な成績だと思います!

安藤選手も区間9位と粘りの走りを見せてくれましたね。
順位は変わらずとも、シード権内を維持する走りでした。
安藤選手はこれからも陸上を続けますので、どこかでまた活躍を観たいと思います。

87回箱根駅伝・9区

進歩!!さん>

「裏エース対決」は決して過言ではないですね。
八木選手の粘りも素晴らしければ、田中選手の猛追も非常に讃えられるものでした。
そうですよね~彼らも来年で卒業ですか……。
「柏原世代」というわけではありませんが、この世代の選手たちは箱根路を毎回盛り上げてくれますね!

シード権はこの区間まで来ても全く読めなかったですね!
青山学院の追い上げは鬼気迫るものがありました。
エースが卒業して、どうなることかと思いましたが、シード権を十分に争える戦力になりましたね。

優勝の行方もシード権の行方もとても気になった9区でした。

87回箱根駅伝・9区

こんばんは。

9区は東洋が分が悪いかなと思ってましたが、そんなことなかったですね。
一方、八木もなかなか駅伝で結果は出てなかったけど最後のガッツポーズをみて、なんかホッとしました。

あと個人的には石田亮くんに注目してました。
波乱万丈だった箱根のラストラン。
途中コメントであった「9区で区間賞をとって伊藤さんに恩返しがしたい」っていうのには、グッときました。
チームとしては厳しい結果になりましたが、襷を渡す時の表情をみると満足行く走りだったかなと思い、嬉しかったです。

後輩の安藤も後輩苦しかったけど、良く走ってくれました。
地元の企業に就職するみたいですが(できれば強いとこで続けて欲しかったけど…)、母校の誇りとしてこれからも応援していきます!

87回箱根駅伝・9区

八木選手と田中選手の一騎打ちを僕は勝手に「裏エース対決」と感じました。
二人とも力のある選手ですが、ここぞという大会で大爆発したり、かと思えば失速したりを繰り返し、安定感という意味ではもうひと頑張りが必要な二人の対決でしたね。
前半は、八木選手らしく差を広げる展開でしたが、田中選手は必死の形相でしたね!!後半の追い上げは見事だったと思います。八木選手も後半の失速を見せず、精神力を保ち続けて頑張っていましたね!!
正直二人とも爆発したときの力はそれぞれの大学のエース級の力を持っていますので、今回その力が十分に発揮されたレースを見れて、本当によかったです。
それぞれ来年は最上級生として、選手を引っ張りますね。八木選手については主将を任されているとのこと、チームをどう纏め上げてくるか、楽しみであります。

ここまででシード権争いもさらに激化しましたね。往路16位だった青山学院がじりじりと追い上げて、10区の争いを予感させるものすごい展開でしたね。そんな必死の争いを見せる各チームよりもさらに速く走ったのが早稲田と東洋だったわけですから、いかに二人の争いが凄かったかと思います。

勝負の行方は分からぬまま…シード権の行方はさらに混沌としたまま、ラスト10区!!

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愛下哲久 (あいしたてつひさ)
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変わらずよろしくお願いします。
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