西の落伍家

【大相撲】誰が何と言おうと、金星は「配給」されるものなのだ。

このエントリーをはてなブックマークに追加

今日は力士のお話ではなく相撲用語のお話。

四横綱時代となって、横綱の取組を見ることができる時間が増えた。一昔前の白鵬一人横綱時代は、おおよそ17時50分過ぎからNHKの大相撲中継が終わる18時前までの間しか横綱の取組は楽しめなかった。

しかし、今現在ではその白鵬が17時30分台から登場し、そこから次々と横綱の取組が続く。なんともいい時代になったものだと思うし、このような時代にリアルタイムで大相撲を観戦できている自分は幸せ者だなとも思う。

一方で、四横綱時代になってもう一つ増えたものがある。それは「金星」の数。横綱の数が増えたのだから、金星の数が多くなるのもある意味では当然の話。

只今絶賛開催中の大相撲五月場所でも、本日四日目を終えた時点で二個の金星が生まれている。場所が終わって振り返れば、その数はもう少し増えるだろう。

ところで、このように金星が生まれた時のことを皆さんはどのように呼んでいるだろうか。私は「金星配給」と呼んでいる。むしろ大相撲を見始めた幼少期からこの言葉しか使っていない。それが正しい用法であるとずっと思っていたからだ。

ところが、最近は「金星献上」という言葉をよく目にする。SNSなんかで検索をかけると、この言葉を使っているファンは少なくない。大相撲を伝えるプロであるはずのスポーツ紙でさえも用いている時がある。

「そんなのどっちでもいいじゃん」という人もいるかもしれない。しかし曲がりなりにも6歳から今まで16年,17年大相撲を見てきた筆者としては、「どっちでもよくない」のだ。

そもそも、「配給」と「献上」では日本語としての意味が大きく違う。前者は目上の者から目下のものに、後者は目下のものから目上のものに対して用いられる。

そこで「金星献上」という言葉を使うと、まるで横綱が平幕より低い地位であるかのような言い方になってしまう。このことを考えると、やはり「金星献上」という言葉には違和感しか感じない。

横綱という地位は特別だ。「一枚違えば家来同然」、「一段違えば虫けら同然」と言われるほど絶対的な上下関係を持つ大相撲の番付。その番付における最上位の地位である横綱は、全ての力士の夢である。その夢を叶えるため、力士たちは日夜死にものぐるいで努力を続ける。

その力士の夢に、ファンはそれぞれの想いを乗せ、土俵に声援を送る。力士に託された夢、力士と共有した夢。その夢が叶うまでの物語がファンを魅了する。

初場所後、稀勢の里が横綱に昇進し日本中が歓喜に沸いたのはなぜか?それは彼が日本出身力士だからではなく、モンゴル勢へのアンチテーゼとなるからでもない。稀勢の里が入門以来紡ぎ続け、そして多くのファンと共有してきた夢物語、それが成就したからなのである。

このようなことを考えると、私はどうしても「金星献上」という言葉は使えない。その言葉を一度使ってしまうと、横綱が叶えた夢物語、その全てを否定してしまうことになってしまいそうだから。

繰り返すが、横綱という地位は特別だ。だからこそ、「金星献上」ではなくちゃんと「金星配給」という言葉を使ってほしい。それが、横綱に対する敬意というものではないか。

今まで用いていた人は、これを機に言葉を改め、一緒に横綱をリスペクトしようではないか。そしてそんな横綱が4人も見れる今現在の大相撲を、一緒に末長く楽しもうではないか。



1ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
大相撲
タグ:
金星献上
金星配給
横綱
大相撲

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

この記事にはまだコメントがありません

こんな記事も読みたい

観戦記1310 UFC208 ウィルソン・ヘイスvs佐々木憂流迦【人生マイペンライ】

朝潮以降の大卒で大関以上になった力士の数、知ってる?【幕下相撲の知られざる世界】

闘え、稀勢の里。【スポーツ観戦素人の素人観】

ブロガープロフィール

profile-iconnishi-rakugo

ライター(仮)です。大相撲を中心にスポーツについて執筆中。ご用件の方はgb.murasaki.13@gmail.comまでお気軽にどうぞ。
  • 昨日のページビュー:8
  • 累計のページビュー:206139

(11月07日現在)

関連サイト:nishi_rakugo

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. 【大相撲】三月場所の展望あれこれ
  2. 【大相撲】春場所、中日を終えて
  3. 【大相撲】五月場所の展望
  4. 【大相撲】誰が何と言おうと、金星は「配給」されるものなのだ。
  5. 【大相撲】敢えて、新大関の高安に進言を
  6. 【大相撲】勝ち名乗り後の物言いは是か非か
  7. 【大相撲】昨今の大相撲ブームを考える。前編
  8. 【大相撲】ラオウが稀勢の里、ケンシロウが高安ならば、トキは日馬富士だ。
  9. 【大相撲】「無謀」と「執念」の末に
  10. 【大相撲】今日の結びの一番について

月別アーカイブ

2017
08
07
06
05
04
03
2016
12

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年11月07日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss