西の落伍家

【大相撲】ラオウが稀勢の里、ケンシロウが高安ならば、トキは日馬富士だ。

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5月14日から始まる大相撲夏場所に向けて、各力士の調整が今日も続いている。

そんな中、ライターの佐藤祥子さんが大相撲のコラムを執筆されていた。大関とりに挑む高安とその兄弟子稀勢の里の関係性を漫画「北斗の拳」のキャラクターと重ね合わせた切り口の記事で、目のつけどころが面白いなあと思いつつ読ませていただいた。

文中では、高安が主人公であるケンシロウ、稀勢の里が兄であるラオウという位置づけとなっていた。これは先日送られた「北斗の拳」の化粧回しから着想したものだ。かたや頂点に君臨する兄弟子、かたやその兄弟子の背中を追いながら力をつけてきた弟弟子という両者の関係を考えると、まさに言い得て妙。

ただ、筆者としてはここにもう1人とある力士を加えると、この関係がさらに面白いものになってくると考える。では、そのとある力士とは一体誰なのか。

その力士とは、横綱日馬富士。

なぜ日馬富士を加えるのか。それは、日馬富士は「トキ」になりうる力士だからである。佐藤さんのコラムでは言及されていないが、実は兄弟であるラオウとケンシロウの間にはもう1人このトキという兄弟もいるのだ。「北斗の拳」ではこの3兄弟それぞれの関係性もまた魅力の1つである。

ではここからは、なぜ日馬富士が「トキ」となりうるのかをラオウである稀勢の里、そしてケンシロウである高安との関係性から説明しよう。

【ラオウである稀勢の里とトキである日馬富士の関係】

稀勢の里という力士は、とにかく休場を嫌う。過去1日だけ休場したことがあるのだが、それを今でも悔やんでいるという。そんな稀勢の里だが、先場所日馬富士によって力士人生2回目の休場へ土俵際まで追い込まれた。

先場所の13日目、横綱同士の対戦となった稀勢の里対日馬富士の一番。場所前には限界説も囁かれた日馬富士の、まるで「刹活孔」でも突いたかのような強烈な立会いは、優勝に向かって全勝街道を突き進んでいた稀勢の里に、黒星及びに左胸部と上腕付近の怪我という痛烈な一撃を見舞った。しかし、前半戦の黒星もあり日馬富士は優勝を逃し、手負いの稀勢の里はその後執念で優勝をもぎ取った。

「北斗の拳」の作中では、ラオウとトキが闘う場面がある。トキが一時的に力を得てラオウを追い詰めるが、病に侵されていたこともあってその後ラオウに敗北してしまう。正に先場所の状況といえるのではないだろうか。相対する両者ではあるが、そこにはお互いへのリスペクトがあったという点も共通している。

【ケンシロウである高安と、トキである日馬富士の関係】

高安という力士は、とにかく稽古好きだ。今場所は大関とりがかかっていることもあり、稽古に拍車がかかっている。兄弟子稀勢の里と稽古ができない分を埋めようと、違う部屋への出稽古に積極的に参加。今日に至っては稽古のしすぎで下半身に力が入らなくなっていたほどである。

そんな高安の姿勢を、日馬富士は高く買っている。春場所での対戦後には、「入った頃から胸を出してきた。強くなって向かってきてくれるのは嬉しい」と高安を評価した。その後の春巡業では自ら高安を指名して三番稽古を行い、先日行われた稽古総見でも連続で10番相撲をとるなど、高安に稽古をつける場面は多い。

作中、トキはケンシロウを助ける場面が多い。死に際においても、トキはケンシロウを諭し、ケンシロウに未来を託していた。こう見ると、日馬富士が高安に稽古をつけるのは高安に相撲界の未来を託しているからーーというのは少々考えすぎだろうか。

【大相撲版北斗三兄弟が織りなす物語】

今場所は主に2つの見どころがある。1つは稀勢の里の3連覇、そしてもう1つは高安の大関昇進である。ただ、この両力士は同部屋であるため、これらの見どころが直接的に交わることはない。

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記事カテゴリ:
大相撲
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