西の落伍家

【大相撲】昨今の大相撲ブームを考える。後編

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後編では若手ファンによりブームが作り出されることのリスクについて考えたい。

そのリスクとは、ブームが終わった後のことである。

ブームが終わるというのはどういうことか。それはそれまでブームを作り出してきた若手ファンがその場を離れてしまうこと。

その場を離れてしまう理由としては、それによって先述したような自分の承認欲求を満たすことができなくなったということ。

基本的に若者は熱しやすく冷めやすい。毎年若者向けのファッション雑誌などで紹介されるファッションスタイルが多様に変化しているのもそのためだろう。

若手ファンが離れるとどうなるか?ブームが訪れる以前のように中高年ファンがファンの中枢を担うのか?

私はそうは思わない。ブームが訪れる以前にチケットを買って会場に来ていた中高年ファンは姿を消しているだろう。なぜなら、先述したように若手ファンによってチケット争奪戦から駆逐されてしまっているから。ブームがファンの若返りを引き起こしてしまうのだ。

プロ野球広島東洋カープの試合を見れば一目瞭然であろう。筆者はこの数年10回以上はマツダスタジアムに足を運んでいるが、「カープ女子」と呼ばれている人々を含め若者が多いという印象が強い。たまたま隣の席にいたご老人と話してみると、「今日が今シーズン最初で最後の球場観戦よ。チケットもなかなか取れんし、年寄りはテレビで見る回数が増えたのう。」と言っていた。

だからこそブームは危うい。担い手である若手ファンが離れた時、そこには若者も中高年もいない、ファンの空洞化という寂しい現実が引き起こされるリスクがあるから。

私は大相撲が好きだ。だから今のブームは大変嬉しく、長く続いて欲しいと心から願っている。それと同時に、ブームがブームでなくなることも願っている。力士の一挙手一投足を観にファンが会場に大挙して訪れる。この状況が「スゴイ」ことではなく「ふつう」のことになってほしいのだ。

「スゴイ」が「スゴイ」のままならば、その後に待つのは寂しい未来だ。女子サッカーにしかり、男子ラグビーにしかり。

逆に「スゴイ」が「ふつう」になれば、プロ野球のように末永い繁栄の未来が待っているだろう。

「大相撲は日本の国技である」と胸を張って言える未来に向けて、ファンも協会も現在のブームによって試されているのかもしれない。



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