西の落伍家

【大相撲】勝ち名乗り後の物言いは是か非か

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 12日から始まった大相撲春場所。毎日多くの力士たちによる熱戦が展開されており、前売り券は既に完売しているという状況だ。徐々に盛り上がりを増している中、ふと疑問に思った場面があった。

 それは昨日4日目の結び前、白鵬対勢の一番でのこと。立ち合い後力強く前に出た勢が倒れこみながら白鵬を土俵の外に寄り倒したという一番であった。勢のご当地場所での活躍に観客は大喝采、取組後は物言いもつかず実況も勢の金星が3つ目となったということを伝えていた。しかし、勝者となった勢が勝ち名乗りを受けた直後、勝負審判の1人から突如として物言いがついた。

 物言いの内容は寄り倒しの際に白鵬の体が地面に着くより先に勢の肘が着いていたのではないかというものであった。結局一方的に押し込まれていたのもあってか肘が着く前に白鵬の体がなくなった、いわゆる死に体であったと結論が出て行事軍配通りに勢の勝ちとなった。

 勝負審判が際どい場面を正しく判断するために物言いをつけることは大切なことだ。しかし、今回筆者が気になったのはそのタイミングである。物言いをつけるならば、取り組みが終わった直後にするべきであった。本来は勝ち名乗りの時点で取組の勝敗は決着ということであるはずだ。その決着後に後出しじゃんけん的に物言いをつけられ、「はい取り直しね」なんてことを言われたら力士も見ている観客ももやもやしたまま取り直しの一番に臨まなければならなくなってしまう。こうなってはお互い本来の力を出して相撲をとることは難しいだろう。

 筆者は相撲は「間」の競技であると考えている。立ち合いの時間をはじめとして、取組前に土俵下にいる時間、花道で動きの確認をする時間、支度部屋で集中力を高める時間、その全ての時間が約4.5mの円の中で雌雄を決する相撲において欠かすことのできない「間」であり、力士たちはその「間」を通じて土俵上で最大限の力を発揮している。そして勝負が終われば一喜一憂せず次の取り組みを見据える、これもまた大切な「間」であろう。このような「間」は誰であっても乱すことは許されない。(観客による取組前の過度な声かけや手拍子、取組後の座布団投げが問題視されるのもこのためであろう。)

 繰り返すが、勝負審判がより良い判断を下すために物言いをつけることは大事なことであり、当然のことでもある。ただ、もう少し土俵を取り巻く「間」にも気を使ってやってほしい。土俵上の白熱した取り組み、それを見て一喜一憂する観客の熱狂、それに伴う大相撲ブーム、その全てが力士1人1人が紡ぎ出す「間」によってもたらされているのだから。



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大相撲
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白鵬
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