ニコ小鉢その2(仮)

日本代表 イラク戦 小感

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「手負いの獅子ほど恐いものはない」という、ハンス・オフト氏の言葉があります。およそ20年前の最終予選、それまでの試合に敗北し、後が無くなった状態のイラン代表は、持てる力の全てを持って当時の日本代表に挑み、勝利しました。 イラクは最終予選2連敗中。当時のイランの状況によく似ています。この試合は日本代表相手にアウェーでの戦いでしたが、試合開始からフルパワーで攻撃を仕掛けていきました。その姿に、上記の言葉を思い出した筆者です。

イラクは、これまでの最終予選で対戦した中で、最も「強かった」と思います。 戦術自体は非常にベーシック。守備は典型的な4-4ライン。そして攻撃はミドルパスをテンポよくつないでいく速攻。しかし、それが非常によく整備されていました。4-4ラインでは適度に横に広がり、サイドのスペースを的確に埋めていましたし、速攻のスピードも、日本の守備の戻りのスピードを完全に上回っていました。

対する日本代表。 ハイプレスからの速攻、というハリルホジッチ監督のコンセプトのもと、幾つか良いシーンが作れていました。 原口元気のプレスバックからのボール奪取・速攻からのゴールは、お見事でしたし、同監督のコンセプトの「一つの理想」を表現できていました。 攻守の切り替えの意識も非常に強く、ボールを奪い返したところのクロスカウンターで、幾度かチャンスを演出できていました。

しかし、まだまだ、ボールを奪う回数が少なすぎます。 プレスバックや、攻守の切り替え時のような、相手のミスや混戦を突くような局面では、ある程度奪えるようになりましたが、 「相手にボールを持たせて」おいて、そこから組織的にボールを奪う、自分達で主導権を取ってボールを奪えた場面は殆どありませんでした。

ハリルホジッチ監督の守備のコンセプトは、マンツーマンなのだろうか、という疑問が筆者の中に沸いてきました。 個々の選手が、高い位置からホルダー目掛けて、身体をつける、ボールを突く、それは徹底されているのですが、 そこからパスコースを限定してパスカットを狙う、あるいはゾーンを定めて複数の選手で囲んで奪い取る、そういった「守備の連動」というものが感じられませんでした。

筆者は、日本代表の戦術の転換、いわゆるポゼッション志向(ボール保持を長くしてゲームを支配する)から、プレス・速攻志向(相手ボールを奪うことに重心を置く)の転換には、好意的な印象を抱いていましたが、 連動の部分、いわゆる個々のフィジカル・技術不足を、複数選手の連携でカバーしていく部分を軽視する今のサッカーには、懸念を抱いています。

メディアは、「この勝利でハリルホジッチ監督の首はつながった」と思っているようですが、筆者の印象はむしろ逆です。「このままでいいのか」という意識が強くなっています。

もっともこの部分は、単純にトレーニング不足にその原因があるかもしれず、軽率に結論を出せる部分ではないのですが、 しかし、今後のハリルホジッチ監督の指導・コンセプトが、日本サッカーの将来像に正しくあてはまっているのか、注意深く見守っていく必要があると思います。

原口元気:文句なしのこの試合のMVP。激しいプレスと、速攻時の全力スプリント。凄まじい闘争心を感じました。 もっとも、この彼の闘争心は、多分に彼のエキセントリックな気性によるところが大きいです。イラク戦は、彼の思う通りにプレーできたので、良い循環が生まれていましたが、これから彼のマークもきつくなり、思うようにプレーできなくなる時間も長くなります。そこをいかに我慢できるか、これは彼のキャリアの中での永遠のテーマでしょう。

酒井宏樹:日本代表のレギュラーとして、徐々に安定してきました。もともとフィジカルが高い選手なので、もっと積極的に攻撃に絡んでほしいです。豪州戦の出場停止は非常に痛い。

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