2007年01月16日
今年に入ってから、「スターズオンアイス」という米国の人気アイスショーの
札幌公演を観に行ってきた。
このショーには、アレクセイ・ヤグディンやフィリップ・キャンデロロ、
トッド・エルドリッジや佐藤有香、イナ&ジマーマン組などなど
豪華なプロスケーターたちが競演している。
また、日本からは荒川静香、浅田真央、浅田舞、高橋大輔、織田信成が参加。
真駒内アイスアリーナには8000人もの観客が詰めかけた。
札幌のショーに8000人。
これは昔のアイスショーでは考えられないことだ。
トリノ以降、どれだけ日本がフィギュアスケートに注目しているかが
手に取ってわかるような集客数だと思った。
今までずっとマイナー競技だったフィギュアスケートが、
スター性あふれる日本のトップスケーターたちの登場で一躍人気スポーツになった。
これは、日本のフィギュアスケート界にとっては大変喜ばしいことである。
しかし、この嬉しいブームの影には落胆も潜んでいた。
観戦マナーの悪さである。
これは、観客のみならず、会場運営スタッフの手落ちとも言えるのだが、
スケーターの演技中にフラッシュをたいて撮影する人が多数いたのだ。
(フィギュアスケートの試合、ショー会場は基本的に撮影禁止)
荒川静香の演技中は、それはもう盛大にピカピカと光り、
一瞬、どこかのクラブにいるのかと錯覚してしまうほどだった。
その上、フラッシュ撮影は遠慮するようにというアナウンスの後にも
会場のあちこちで、ちらほらとフラッシュが瞬く。
私の2つ前の席に座っていた女性も、周囲を気にすることなく
フラッシュをたいて撮影を続けていた。
会場のスタッフは、一度も注意しに来ない。
どうせフラッシュをたいた所でキレイに写るわけでもないのに、
何故撮影を続けるのだろうか。
そして、フラッシュの光は周囲の人に迷惑なだけではなく、
スケーターにとって非常に危険なもの。
だが、何故危険なのか。
それが分からないから撮影を続けるのだろう。
フラッシュ撮影がスケーターにとって危険と言われるのは、
演技中にフラッシュの光が気になるからだ。
近くでフラッシュが光ると目がチカチカして危ないのは当然だが、
遠くのフラッシュに一瞬注意が向くだけで、ジャンプやスピンを失敗することだってある。
ジャンプの前の助走や、技に入る前のエッジのラインや傾き。
フィギュアスケートとは、ほんの数秒や数ミリの違いが成功と失敗を分ける
とても繊細な競技でもあるのだ。
そうやって神経を張り巡らせて滑っている最中にフラッシュがチカチカとしていたら
それはもう気が散って仕方がない。
特に会場がライトダウンされ、スポットライトの中で滑っているショーとなると
ただでさえ方向感覚が狂いがちなのに更に滑りにくくなる。
また、会場が暗いとリンクがどこまで続いているのか分からないため、
距離感を掴むのにも一苦労するという。
そんな状態でフラッシュが光り、そっちに気をとられた瞬間に
場外に飛び出てケガをしてしまう可能性だって全く無いわけではない。
スケーターのことを想うのなら、フラッシュ撮影しようなんて思わないでほしい。
自分のフラッシュのせいでスケーターがケガでもしようものなら
取り返しのつかないことをしてしまったと後悔することは必至だから。
ショーの記録は雑誌やネットの記事などで手に入るはず。
生でスケートを観る機会を得た人は、ファインダーなんて味気ないものを覗かずに
自分の目で、心で、スケーターの滑りを楽しんで頂きたいものだ。
posted by niki |16:40 |
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2006年12月12日
グランプリシリーズが終了し、今週はいよいよグランプリファイナルが行われます。
しかし、最近の試合に関しては様々なブログ等で語り尽くされているので、
ここではあえて語りません。(今は)
さて、スケートシーズン真っ盛りな今、テレビ中継を見逃したとしても
いまはYouTubeという素晴らしい動画サイトがあります。
そこでは世界中のジュニアの選手や、下位選手の動画も見ることが出来、
なかなか侮りがたく、そして有り難く思っております。
動画をアップしてくださる皆様、ありがとうございます。
さて、そんなYouTube。
ガチャピンチャレンジ・フィギュアスケート編の動画があると、
某サイトで紹介されていたので早速拝見いたしました。
ローディングが終わり、流れてきたのは『トゥーランドット』。
なめらかなスケーティングでリンクの端まで滑っていくガチャピン。
そこから、ディープなインエッジに乗ったストレートラインステップ!
そして曲の盛り上がりが最高潮に達したところでイナバウアー!
最後はキレの良いバタフライでフィニッシュ。
いやはや。ガチャピン、なかなか良いスケーティングでした。
特にバックイン、フォアインのステップは目を見張るものがあります。
ムックも思わずスタンディングオベーション!
リプレイでは高さのあるシングルアクセルや
スムーズな足替えのシットスピンも映っており、
ガチャピンの無限の可能性を感じてしまいました。
すごいぞ、ガチャピン!
ガチャピンのフィギュアスケートを見たい方は、YouTubeで
green japanese TV show
と検索窓に打ち込めば出てくると思います。
posted by niki |18:22 |
アイスショー |
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2006年11月29日
昨シーズンの世界王者、ステファン・ランビエールが
グランプリシリーズ第6戦・NHK杯の出場を辞退するらしい。
これは、ISUのサイトに公表してあったもので、
どうやら健康上の理由での欠場とあった。
これでグランプリシリーズ出場の可能性がグンと広がったのは
スケートカナダ2位の高橋大輔。
スケートアメリカで優勝している織田信成はすでに15ポイントを獲得しており、
NHK杯では4位までに入賞すればファイナルへ進出できる。
(グランプリファイナルはグランプリシリーズの上位6名が出場できる)
しかし、高橋は現時点で2位の13ポイント。
もし3位だったとしても、トータルスコアが186.77以上であれば
ファイナル進出は確定だったが、何があるかわからない。
なぜなら、男子シングルは既にフランスのブライアン・ジュベールと
アメリカのエヴァン・ライザチェクがファイナル進出が確定しており、
また、現在NHK杯の結果待ちとなっているフランスのアルヴァン・プルベールと
アメリカのジョニー・ウィアーが各24ポイントを獲得。
そこに現在15ポイント獲得の織田信成とステファン・ランビエールがいた。
もし高橋が失敗してしまった場合、上記の6名で確定してしまう。
しかし、ステファン・ランビエールが欠場した今、6名の枠にゆとりが出た。
ベルギーのケヴィン・ヴァン・デル・ペレンが優勝しない限り、
高橋は3位でもトータルスコア関係なくファイナルに進出できるのだ。
明日から開催されるNHK杯男子シングルの注目選手の欠場は、
織田信成と高橋大輔に優勝の大きなチャンスを与えてくれそうだ。
しかし、ステファン・ランビエールをNHK杯で見られると思っていただけに
この欠場は非常に残念でもある。
ヘルスプロブレムとは一体どうしたのだろうか。
単純な風邪などならいいが。
posted by niki |19:46 |
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2006年11月21日
今季、ジュニアグランプリシリーズメキシコ大会と台湾大会を連覇した少女がいる。
彼女の名前はキャロライン・ジャン(Caroline ZHANG)。まだ13歳の中学生。
名前からすると、おそらくミッシェル・クワンと同じチャイニーズアメリカンだろう。
スコアシートを見るとすごい点数なので、早速YouTubeで動画を探してみた。
台湾大会のフリーを見たが・・・
キャロライン、おそろしい子!
思わずガラスの仮面風に言いたくなってしまった。
ルッツやフリップに入る前の動作はとてつもなくデカいものの、
回転不足しているわけでもなく、しっかりとしたジャンプを飛んでいる。
そして柔軟性がものすごい。
韓国のジュニアで同じ台湾大会に出ていたジユン選手もそうだが、
レイバックスピンのまだ頭が下にある状態からエッジを両手で掴むという
ビックリスピンを披露している。(ジユンはそのままビールマンまでもっていく)
昔、初めて浅田真央を見た時と同じ衝撃を受けた。
こうやって若い力がどんどん育ってきて、天才少女と呼ばれている浅田真央も
天才お姉さんくらいになっちゃうんだろうな。
荒川静香ちゃんなんて引退しちゃったから『伝説の選手』とか?!
自分にはミジンコほども関係ないことだが、なぜか少しだけ寂しくなった。
こどもの運動能力ってすごいなぁ。
おそろしい子キャロラインの動画を見てみたい方は、
YouTubeでCaroline ZHANGと検索すると出てきます。
posted by niki |12:41 |
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2006年11月17日
先日、今年の7月に行われたドリームオンアイスの録画ビデオを観る機会があった。
そこで、久しぶりにファンの前に姿を現した太田由希奈に、
テレビ解説のアナウンサーが「帰ってきたエレガンス、太田由希奈」と言った。
選手に勝手なキャッチコピーをつけるテレビの風潮は好きではないのだが、
この言い回しは彼女の滑りにピッタリだと思った。
上品で、美しく、バレエのような幻想的なスケート。
それが太田由希奈というスケーターの持ち味だ。
02-03シーズンは世界ジュニアとジュニアGPファイナルを制覇し、
シニアデビューした2004年も、四大陸選手権でいきなり優勝。
長い手足と日本人離れした表現力で、その将来を期待されていた太田だが、
次のシーズンは怪我に苦しみ、その怪我は完治することのない怪我だと言う。
私も彼女のスケートに魅了されていた1人なので、
もしかして引退してしまうのではという噂は非常に悲しかった。
しかし今季、アメリカでリハビリ兼トレーニングを終えた彼女が帰ってきた。
約2年のブランクはあるが、今の所ブロック、西日本選手権と順調に勝ち上がってきている。
12月末に行われる全日本選手権で、彼女のスケートをまた観られるのは
ファンにとってはとても幸せなことだ。
そして、太田自身もドリームオンアイスのインタビューで
この場所に帰ってこれてとても嬉しいと語っていた。
ここまで来るには想像を絶するほどの苦痛と葛藤があっただろう。
だが、一度全てを失ってそれを取り戻した太田の滑りは、また一段と輝きを増している。
ドリームオンアイスで太田が滑ったナンバーは、今季SPの『白鳥の湖』。
このナンバー1曲だけで、彼女がどれくらい成長したのかがうかがえる。
太田が使用してる曲は、主役の白鳥のオデットではなく黒鳥のオディールの場面で、
ジャンプは失敗してしまったが、このオディールがとにかく美しいのだ。
白鳥の湖ってどんなストーリー?という方のために、
大体のあらすじをかいつまんで紹介しよう。
王子ジークフリートは、成人祝いの舞踏会で花嫁を選ばなくてはなくなった。
その舞踏会の前日、湖にて白鳥が娘に変身するのを目撃してしまう。
その娘は悪魔に魔法をかけられていて、真実の愛を誓ってくれる人が現れるまで
この魔法が解けることはないと言う。
オデットと名乗る娘の美しさに一目惚れした王子は、舞踏会で必ず花嫁に選ぶと約束する。
しかし、それを聞いた悪魔ロッドバルトは自分の娘・オディールを使って邪魔をしようと企てる。
舞踏会当日、オデットと瓜二つに変身した娘オディールは、
オデットが現れる前に自分を花嫁に選ばせ、王子に愛を誓わせてしまう。
真実の愛を失い、そして白鳥から人間に戻るチャンスも逃したオデットは悲嘆にくれる。
しかし、魔法が解けた王子は、オディールを捨ててオデットの元へ走り
2人で湖に身を投げ、永遠の愛を誓う。
これが白鳥の湖の、おおよそのストーリーだ。
単純に物語を観るとオデット=純粋、オディール=悪女という構図だが、
太田が舞うとオディールの切ない悲恋物語に見えてしまうから不思議だ。
ジュニアの頂点を極めた誇り、怪我による絶望、そして復帰の喜び。
様々な感情を経験した太田だからこそ演じられるストーリーは無限にある。
最近は技術のレベルばかりが注目されるフィギュアスケートだが、
技術だけではなく、動きそのものが美しい太田由希奈のスケートに
今シーズンは更に多くの人が魅了されるだろう。
帰ってきたエレガンス・太田由希奈の滑りを、早く間近で観てみたい。
posted by niki |22:11 |
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2006年11月16日
先日、すぽると内のすぽると ON ICEというコーナーを見て、
日本と米国のリンク事情の違いを考えさせられた。
日本では現在、多くのリンクが閉鎖され、選手が行き場を失っている。
関西大学や中京大学のように、トップスケーターを抱える学校は
学校の施設としてスケートリンク建設に尽力してくれているのだが、
やはり市営、県営や民営のリンクは、経営事情が大変なようだ。
トリノオリンピックやミキティ、真央ちゃんフィーバーのあおりを受けて、
現在どこのスケート教室にも習いたいと言ってくる人が後を絶たず、
キャンセル待ちまであるという。
しかし、相変わらず新しいリンクが出来たという話題はないに等しい。
一昨日放送のすぽると ON ICEで、キャスター・荒川静香はNYにいた。
NYには2面リンクのあるスケート場や、野外のスケート場などがあり、
一般客も多く、なかなか設備も整っている。
2面リンクのあるスケート場は、年中無休、24時間営業だというから驚きだ。
日本だったらすぐに潰れてしまいそうだ。
しかし潰れないのは何故か。
それは、スケートという遊びが国民に根付いているからだと思う。
日本にも根付いているじゃないか、と思う人もいるかもしれないが、
日本と米国では遊び事情が違うのだ。
日本にはカラオケや漫画喫茶、ゲームセンターなどスポーツ以外の遊び場がたくさんあるが、
アメリカではボーリングやビリヤード、スケートくらいしか遊ぶ場所がない。
もちろんゲームセンターやカラオケもあるにはあるが、やたらと高価なのだ。
だから週末のスケート場にはいつも一般客があふれている。
私がアメリカに住んでいた頃近所にあったスケート場では、
週末は照明を落とし、ミラーボールを回したディスコナイトっぽいイベントの日もあり、
そういった日は家族連れや友達連れの客で大混雑だった。
もちろんそこのリンクにもスケートクラブはあったのだが、
いつクラブの練習をしているんだろう?と思うくらい、そこのリンクは
一般営業に力を入れていた。(週末はかなり遅くまで一般営業している)
夕方を過ぎると貸し切り優先になる日本のリンクとは大違いだ。
いつの日か、日本人もスケートを身近に感じ、楽しんでくれる日がくるのだろうか。
今のフィギュアスケートブームによって、滑ってみたいと感じてくれるのだろうか。
日本のスケートリンク経営者は、米国のスケートリンク経営のノウハウを学び、
それを活かすことはできないのだろうか。
スケート選手の練習場所確保は深刻な問題だが、
経営するにはやはり一般客の利用率が向上しなければ
公共&民間施設はうまく行かない。
もっとスケートを身近に感じられる環境をどうにか作れないものだろうか。
スケートは観て楽しむものではなく、やって楽しむものだということを、
たくさんの人に知って頂けたらと願ってやまない。
posted by niki |10:24 |
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2006年11月08日
昨日、ロシアのフィギュアスケート女王イリーナ・スルツカヤ(27)の
引退報道が世界を駆け巡ったわけだが、どうもこれは誤報の可能性もあるようだ。
Slutsukaya says `Nyet` to retirement talk - Forbes.com
http://www.forbes.com/business/services/feeds/ap/2006/11/07/ap3152272.html
ここには、要約すると「スルツカヤ自身が、一人の記者による誤報道だと語った」
というような事が書いてある。
彼女自身の公式な記者会見はまだ行われていないようなので、
ファンは「引退」と「誤報」の間で一喜一憂している状態だ。
某スポーツ新聞社等もこの情報をネット上に流しているが、
実際どこから情報を得て、記事を書いているんだろうか?
引退を表明したと書いてあったので、てっきりスルツカヤ自身が
発表したものだと思っていたのに。
(スルツカヤが6歳から師事しているコーチも、ニュースを聞いて驚いたらしい)
私自身もこの情報に踊らされてしまった1人なので強くは言えないが、
もし誤報ならば、こういった大切なことを、
さも公式発表のように世間に流すのはいかがなものだろうか。
もしくは上記URLの方が嘘なのか。
何が本当で何が嘘か、分からなくなる。
この一件で、スポーツジャーナリズムの責任が問われることになりそうだ。
追記:
ロシアのフィギュアスケート連盟は、スルツカヤの引退を否定したそうです。
また、中国のペア、シェン&ツァオ組も、東京での世界選手権を最後に引退とか。
これはツァオ自身が明らかにしたことらしいので本当かも?
(アイスダンスの渡辺&木戸組も世界選手権を最後に引退を予定しているが・・・)
posted by niki |12:40 |
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2006年11月07日
トリノで金メダルを逃し、「That's Life(それが人生よ)」と語った
イリーナ・スルツカヤ(27)が11月6日、引退を表明したそうだ。
98年の長野オリンピックで5位入賞、02年のソルトレイクシティー五輪は銀。
世界選手権を2度制し、ヨーロッパ選手権ではソニア・ヘニーと
カタリナ・ヴィットの6勝を抜く、過去最多の7度優勝を飾った
ロシアが誇るフィギュアスケートの女王だ。
まだ伊藤みどりが現役だった頃にシニアデビューし、アメリカのミッシェル・クワンや
サーシャ・コーエン、日本の荒川静香と一時代を築いた立役者でもある。
そのスルツカヤの引退。
彼女は1979年2月9日モスクワ生まれ。愛称はイ-ラ。
体が弱かったのでフィギュアスケートを習い始める。
めきめきと頭角を表し、1995年の世界ジュニアで優勝。
翌年にはヨーロッパ選手権で初優勝を飾る。
そこからトップスケーターとして世界で戦っていくが、体重増加などで一時低迷。
しかし、そこから這い上がって以来、クワンとの熾烈な女王争いを繰り広げる。
だが、2003年、彼女の母が重い腎臓病に倒れ、彼女自身も自己免疫疾患にかかる。
もはや引退かと囁かれていたが、不屈の精神で投薬治療を続けながらも競技を続行。
薬を飲みながらの競技生活は心臓に負担がかかると言われながらも、
3度目のオリンピックでの金メダルを手にするために彼女は引退しなかった。
2004-2005シーズン。不死鳥のように蘇ったスルツカヤは他を圧倒する強さを発揮。
2005年、地元モスクワで行われた世界選手権では、歴代最高得点の
198.06をマークし、圧倒的な強さで優勝。
その後、グランプリファイナルで彗星のように現れた天才少女・浅田真央に破れるも、
浅田が出場できないトリノ五輪では、金メダルの本命として名をあげられていた。
そして2006年2月。
トリノ五輪ではショートプログラム2位。(1位コーエン、3位荒川)
コーエンとの点差は0.03。充分に金メダルを狙える位置だ。
1位のコーエンはフリーで失敗することが多いため、
誰もがスルツカヤが金メダルを獲るものと思っていた。
しかし、オリンピックには魔物がいる。
0.03という点差とSP1位というポジションがプレッシャーとなり、コーエンは転倒。
そしてスタンディングオベーションで絶賛された、荒川の完璧な演技。
1位の転倒と3位の最高の演技がスルツカヤにプレッシャーをかける。
その上、ペア、ダンス、男子シングルとロシアの選手が優勝している。
女子シングルも優勝できれば、全種目ロシアが制することとなる。
ノーミスなら悲願の金メダル。そしてロシアの全種目制覇。
もし失敗したら・・・・・
これ以上のプレッシャーがあるだろうか。
最終滑走者としてリンクに上がったスルツカヤの表情は硬かった。
細かいミスが目立つ。そして中盤のトリプルループでまさかの転倒。
自分を信じ、無欲で戦った荒川が金メダルを獲得し、
転倒するも、途中で巻き返したコーエンにも破れ、スルツカヤは銅メダルに沈んだ。
優勝候補と言われるも、ルーキーのサラ・ヒューズに優勝をさらわれたソルトレイク同様、
キス&クライから裏に戻ったあとは、悔し涙を流していたそうだ。
試合終了後の会見で、スルツカヤは少し寂しそうに微笑みながらこう言った。
That's Life
彼女の口癖。それが人生。
困難に打ち勝っても、女王と呼ばれても、五輪の金メダルは手に入らなかった。
しかし、イリーナ・スルツカヤの愛らしい微笑みと、感情豊かなスケーティング、
観ていて気持ち良い大きなジャンプ、多彩なスピンは多くのファンを魅了した。
オリンピックでの記録では、スルツカヤの金メダルはない。
しかし、他の競技会での記録は充分過ぎるほどに残っているし、
ファンの記憶には有り余るほどに刻まれている。
ライバルのミシェル・クワンが選手活動を休止し、コーエンもGPを欠場、
荒川静香も引退した今シーズン、スルツカヤも引退を表明。
彼女の口癖と共に、ひとつの時代が幕を下ろしたような気がした。
posted by niki |12:41 |
ひとりごと |
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2006年11月03日
フィギュアスケート女子シングルのトップスケーターが見せる、
あの、ちょっとやそっとじゃ鼻っ柱が折れそうもない、気位が高そうな女王の笑み。
ほら、私の滑りをご覧なさいとばかりに微笑む
挑戦的ながらも余裕の眼差し。
ミッシェル・クワン、サーシャ・コーエン、イリーナ・スルツカヤ、
そしてちょっと昔ではクリスティ・ヤマグチやカタリナ・ヴィット。
女王と呼ばれてきたスケーターがよく見せる、この艶やかな表情。
調子が良かろうと悪かろうと、彼女らの表情は自信に満ちあふれている。
もちろんそれは「演技」のひとつであり、自信を保つための手段でもある。
ジャンプが失敗した場合、しょんぼりしたり、焦ったり、自暴自棄になっていると
観客は盛り上がらないし、自分自身も次のジャンプに不安を持ち越してしまう。
しかし、失敗しても「これくらい屁でもないわ」と気丈に振る舞えば
客も応援したくなるし、次のジャンプに失敗が響きにくい。
演技中に笑顔の仮面をかぶることは、いい事づくしと言っていい。
世界を制した女王たちは、経験でこれを身につけてきたのだろう。
しかし、日本人選手はそういう事が苦手な選手が多いようだ。
演技がノーミスで出来ている時はニコニコと微笑んでいるが、
1つ、2つと失敗していくともうダメだ。
表情に焦りが見え、ニコリともしなくなる。
感情がモロに出てしまうのだ。
しかし、スケートアメリカでの安藤美姫は違った。
SPでは青い衣装に身を包み、アラビアンナイトの曲に乗って次々と技を決める。
そして、それまでミスがなかったからなのか、自信をつけてきたからなのか、
ステップに入る前の表情が今までとだいぶ変化していた。
「ステップは見せ場。さぁ、見てなさい」とでも言いそうな、自信に満ちた表情。
シェヘラザードの語る物語に魅入られた王のように、
観客は見せ場であるステップを期待して待つ。
もちろんその後に披露したステップは素晴らしく、観客席には拍手の嵐が巻き起こった。
安藤美姫は成長した。
昨シーズン、軸がずれまくっていたジャンプも戻り、一つ一つの要素を大切に滑っている。
技のつなぎにも手を抜かず、精一杯やりきっている。
女王たちの象徴である、自信たっぷりに見える微笑みも手に入れた。
もうアイドルとは呼ばせない。
トリノの失敗を見返したい。
シェヘラザードの物語にも負けない安藤のストーリーは、これからが見所だ。
posted by niki |22:31 |
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2006年10月30日
今回は泣かなかった。
昨年のNHK杯を初制覇した織田は、彼の演技そのものよりも
織田信長の末裔である事と、優勝時の大号泣で一躍世間で有名になった。
その織田信成が、今度は演技で世界に存在を知らしめた。
米国コネティカット州ハートフォードで行われたスケートアメリカで、
日本人男子では、本田武史に並ぶGPシリーズ2勝目をあげた。
昨シーズン、惜しくもオリンピック代表の座を逃した織田は、
ただスケート技術だけを練習してきたわけではない。
オフシーズンとなる夏場、コアトレーニングやバレエで
みっちりと基礎トレーニングを積んだ成果が発揮されていた。
より高くなったジャンプと、日本人男子には珍しいエレガントな身のこなしは、
誰が見ても世界トップレベルの演技。
SPではプルシェンコに次ぐ歴代2位の高得点を叩き出した。
そして、フリーではステップのつまずきやグラつき、
後半のトリプルアクセルが両足になった場面もあったが、
それでも彼が成長したことは充分に分かるプログラムだった。
王者プルシェンコがGPを欠場する今季、
織田は自ら「天下統一したいですね」と言っていた。
彼なら天下統一の野望も不可能ではない。
次のNHK杯では連覇がかかっているだけにプレッシャーもあるだろうが、
それをはね除けるくらいの精神力も彼は持っている。
大号泣の織田信成から、天下人の織田信成になるために。
織田信成の歴史は、まだ始まったばかりだ。
posted by niki |14:39 |
テレビ観戦 |
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