幕下相撲の知られざる世界

月別アーカイブ :2016年05月

相撲界のハンカチ世代の苦境。幕内不在の危機に思う。

「ハンカチ世代」が全盛期を迎えている。 野球界では大型契約の真っ只中で田中将大がニューヨークヤンキースのエース格を張り、西を見れば前田健太がロサンゼルスドジャースで奮闘している。 日本に目をやると西武ライオンズには安打記録の秋山翔吾が、ソフトババンクホークスにはトリプルスリーの柳田悠岐が、読売ジャイアンツでは坂本勇人がチームの顔として君臨している。 「ハンカチ世代」で検索すると、あの選手もハン......続きを読む»

暑い名古屋で最高に熱い稀勢の里の闘いを観よう。

今場所で最も意味の有る勝利を、千秋楽で手にした。 勿論、稀勢の里である。 白鵬との熱戦に敗れ、優勝から後退したところで立て直せずに鶴竜にも敗れた。これは致し方ないことだ。誰でもああなる。後退した後は誰でも100%の実力など発揮できない。前の記事にも記したが、優勝争いから後退した後で崩れたのは白鵬も同じだったのだから。 千秋楽の取組に勝てば綱取りは継続すると明言されていた。優勝が懸かった白鵬との一......続きを読む»

国民的行事の爪跡。稀勢の里の2敗目は不甲斐ないのだろうか。

大一番を終えた稀勢の里が、翌日敗れる。この3年の中で繰り返された光景が、そこには有った。 そうなって欲しくない。ここでまた、今場所の稀勢の里を見せ付けて欲しい。今場所の成長は、そういう繰り返されてきた光景を払しょくすることが出来るものだ。そんな風に楽観的に考える自分も居た。しかし、それはあくまでも悲観的な将来から目を背ける行為でしかなかった。 本音で言えば恐らく駄目だろうと考えていた。嫌な予感し......続きを読む»

ありがとう白鵬、稀勢の里。今日の勝者は大相撲である。

良い相撲が観たいと考えていた。何事も無ければ良いと考えていた。そして、稀勢の里の物語が報われて欲しいと考えていた。 槇原敬之は二つの願いは一つしか叶わないと歌っていたが、三つも願うのは理不尽だと思いながら、全て叶えられることを願っていた。 二つの願いは叶えられたが、一つは叶わなかった。そしてそれは、私が最も叶えたかった願いである。だが、私は満足していた。一点の曇りもなく、満足していた。 それほ......続きを読む»

相撲を観よう。白鵬稀勢の里は、15年ぶりの国民的行事である。

30代半ばの私が相撲好きであることを話すと、同世代の人間の反応は似たようなものだ。 「うーん、若貴の頃はよく見たんだけどね」 確かに当時相撲を観ることは自然なことだった。両親や祖父母と共に相撲を観て、アニメが観られないことを怒ったり、舞の海の猫だましを真似たり、休み時間に相撲を取ったりしたものだ。当時は日常の中に相撲が組み込まれていたのだ。 あの頃相撲観戦と言えば、テレビでの観戦を意味していた......続きを読む»

最高の未来と絶望の狭間で、稀勢の里の4日間を受け止めよう。

大関としての勝率が7割を超えた。 幕内で優勝ラインの13勝を5度経験した。 データで見れば最強大関という意見さえ有る。 それも、様々な指標を組み合わせてのことだ。 それでも、この最強大関候補について強いという言葉で表現する人は少ない。ここまで注目を集めてきたのは、その裏側に有る弱さである。 勝負どころでのスキャンダラスな敗北。 序盤で見せる、格下に対する脆さ。 脇甘。 腰高。 苦笑いを浮かべな......続きを読む»

正代の被災者への「元気を届けられれば」より伝わる言葉を考える。

正代が横綱大関戦を終えた。 一言で言えば「玉砕」だった。 何もできなかった。 させてもらえなかった。 それだけだった。 正代は勇気ある力士だと思う。相撲を取り続けてきて、ここまで挫折らしい挫折は無い。アマチュアでの輝かしい実績が有り、前相撲からここまで順調すぎるペースで昇進を続けてきた。 立場が付けば、本能的に自分を守ろうとする。負けた時の理由を探そうとする。上位総当たりというのは、そういう厳......続きを読む»

里山の言葉に思う。全ての力士が弱さと闘うからこそ、相撲は面白い。

「考えることが有るんですよ。『もし自分が負けたら相手が上っていけるんだろうなぁ』って。」 1年半前、錦糸町でそう語った力士が居た。 彼の名は、里山浩作。 ここ数年は十両を主戦場にするベテラン力士である。 34歳の彼のこの言葉には、並々ならぬ重みが有る。今でこそ里山は人気力士だが2年務めた関取の座から転落し、4年あまり幕下で苦しんだ日々が有った。幕下上位では結果が出ず、幕下中位で勝ち越し、上位で跳......続きを読む»

大相撲のコールを、いかに防ぐか。相撲協会に求められる動きとは?

白鵬と正代の一番の直前で、正代を応援するコールが起こった。 立合の出来が取組を大きく左右するだけに、集中力を乱しかねないという側面から応援は控えるのがマナーだ。相撲を自然と観ている方であれば何となく理解しているマナーが共有できていないので、近年こういうことが増えてしまっている。 白鵬が荒れた取組を見せることも相成って、取組後はコールに対する批判が相次いだ。このような流れはコールが起こる度に現れて......続きを読む»

観客が担う、大相撲の美。白鵬の優勝旗返還を大歓声で迎えた美しき光景に思う。

琴勇輝に対する野次について昨日記事を書いた。 一つの重大な覚悟を決め、ルーティンを捨てた力士に対する酷い仕打ちだと私は感じた。これは、今のファンだからこそ起きることなのだろうか。多様な価値観が許容される今だからこそ、その副作用として発生してしまうものなのだろうか。 だとすれば、これから国技館ではいわゆる相撲の美が失われていくのではないだろうか。相撲の美はいわゆる相撲の雰囲気を誰もが共有し、かくあ......続きを読む»

ルーティンを捨てた琴勇輝。野次との闘いは新たな歴史の始まりである。

琴勇輝が5月場所を連敗でスタートした。 2日の内容で今の出来を判断するのは難しいことだ。特に琴勇輝のような相撲は、相手どうこうというよりも自分のコンディションが結果に直結するだけに、一度良い流れが来ると誰も止められなくなる。その代わり、一度悪い流れが来ると飲み込まれていきがちである。一昔前の日馬富士のことを思い出してもらうと、琴勇輝の特徴はよく分かると思う。 さてそんな琴勇輝なのだが、今場所は一......続きを読む»

国技館のいやげものは2016年も健在なり。過去最高額の圧倒的な存在感をご覧あれ。

時は2016年。 両国国技館のサービスは日増しに改善されている。人気低迷以降戦略的にファンサービスを充実させた結果であると言えよう。 手ぬぐい。 クリアファイル。 ガチャガチャ。 全てが話題になり、手にした観客は大いに満足した。相撲協会の努力の縮図が、こうしたグッズに現れていると言っても過言ではないと思う。 だが私は知っている。 相撲協会の手がまだ及ばぬところが有ることを。 そう。 いやげも......続きを読む»

相撲人気過熱の功罪。規制がもたらすのは秩序か、距離か。

私はその日、6時半に両国国技館に到着していた。 稽古総見のために限りなく始発に近い電車を乗り継ぎ、危うく普段どおり飯田橋で降りそうになりながらもどうにか乗り過ごさずに両国に辿り着いた。この3年間で朝早い相撲時間に合わせて行動するのはそう珍しいことではなくなったのだが、辛いものは辛い。眠いものは眠い。そこは変わらないのである。 そして、相撲が面白いのも変わらない。だから私は飽きもせず相撲のために何......続きを読む»

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スポーツライター:西尾克洋が運営しております。相撲などのスポーツライティング、コラム、企画構成など手広く承っております。お気軽にお問合せ下さい。

【過去のお仕事】
・日本テレビ「超問!真実か?ウソか?」(2017年6月)
・テレビ朝日「サンデーステーション」(2017年5月)
・スポーツナビコラム:西岩親方インタビュー(2016年3月)
・現代ビジネス(2017年2月)
・ビジネスジャーナル(2017年9月)
・週刊Flash(2017年1月)
・Palm Magazine(2010年)
・大相撲ぴあ(2015年12月)
・静岡新聞(2015年10月)
・SBSラジオ(2017年3月)
 への寄稿など多数。

【Mail】
makushitasumo*gmail.com
*はアットマークです。

【Ustream】
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(10月16日現在)

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