幕下相撲の知られざる世界

月別アーカイブ :2016年01月

豊真将の美しさは所作ではなく、その生き様だった。

夜勤明けで私は両国に向かっていた。 錦糸町で風呂に入り、着替えを済ませて総武線の駅を目指す。11時開始ではあるが、最初は下の力士の花相撲なのでそれほど急ぐことも無い。知人から誘いを頂いていた私は、チケットを忍ばせて豊真将引退相撲に向かっていた。 と、その時。 ツイッターで目を疑うことが。 「チケット完売」 何ということだろうか。確かに最近の大相撲人気は過去に類を見ぬものになりつつある。力士人......続きを読む»

世間よ、相撲を舐めるな。第一回:相撲 VS ボディビル

私は怒っている。 相撲に半笑いの世間に対して怒っている。 デブ。 チョンマゲ。 フンドシ。 この話をされる度にうんざりする。そしていつも思う。「またそこですか」と。適当に聞き流しているものの、後日また同じ目に遭う。いいじゃないかよ、こっちは面白いと思って相撲観てんだよ。何故その勝手な物差しで半笑いにされなければならないのか。 そしてそうした意見の中で、見過ごせないものが中には有る。それは大いな......続きを読む»

外国人アラサー幕下力士が相撲を続ける理由と、続けぬ理由。

日本出身力士が10年ぶりに幕内総合優勝を果たした。 非常に感動的な優勝だったことは間違いない。遠ざかれば遠ざかるほど日本出身力士に対する叱咤と激励が増す中、双肩に掛かる重圧も比例していたはずだから。 だが、この優勝から遠ざかる10年で、かつては日本出身力士が果たしてきた責任の大部分を外国人力士達が担ってきたという事実も有る。近年の大相撲については、彼らの貢献を語らずには始まらない。 若くして言......続きを読む»

逸ノ城低迷の一因は、上位力士の適応力である。

自分の間合いに入れない。 相手を捕まえられない。 速い動きに対応出来ない。 攻められて軸が残せない。 そして、土俵際でも全く残せない。 この無い無い尽しの相撲を初場所何度目撃しただろうか。もしかすると私は琴奨菊の優勝よりも、嘉風の健闘よりも、この異変が一番驚いたかもしれない。つまり、逸ノ城である。 新入幕で100年ぶりに優勝と騒がれたあの場所で、稀勢の里豪栄道鶴竜と立て続けに破った逸ノ城。当時時......続きを読む»

我々は、白鵬を批判してはならないのだろうか。

稀勢の里に左手を宛がい、押し出された。 日馬富士相手に、見どころなく完敗した。 これは14日目と15日目の出来事である。 優勝争いがクライマックスを迎えるところで、その一角を成していた白鵬は精彩を欠き、脱落した。琴奨菊は素晴らしかった。彼の頑張りで大相撲ファンは全て救われた。だが忘れてはならないのは、この優勝は白鵬のそうした内容も一因が有るということだ。 白鵬の終盤戦での失速は、2場所連続のこと......続きを読む»

「次の大関、誰よ?」の回答が見当たらぬ2016年。大関候補の若手も見えずベテランが躍進する中、大相撲はどのような時代を迎えるのか。

琴奨菊優勝で幕を閉じた、2016年初場所。 「日本出身力士」の優勝という、外国人力士ファンも「日本出身力士」ファンも蝕まれ続けた、懸案事項が一つ解決したことで皆救われたという話は前回の記事で書いたわけだが、その余韻は冷めることを知らないようだ。 デイリースポーツ以外の一面は琴奨菊。 情報番組にも琴奨菊。あと杉山邦博さん。 喋りがおぼつかない杉山さんにやきもきしながら、相撲ファンからしたら今更な......続きを読む»

琴奨菊の優勝は、全ての相撲ファンを救った。外国人力士への敬意と「日本出身力士」への期待の狭間で揺れた相撲ファンを解放した歴史的意義とは?

琴奨菊、初優勝。 「日本出身力士」として10年ぶり。栃東が優勝したあの時、まさか2016年まで優勝が無いことを誰が想像しただろうか。 遠ざかれば遠ざかる度に掛かる重圧。 叱咤と、叱咤に見せかけた非難。 強過ぎるモンゴル人力士。 「日本出身力士」が闘う相手は、あまりに多過ぎた。 優勝争いの土俵にすら加われない。大関たちはクンロクとカド番を繰り返し、その地位を守ることに追われた。たまの優勝争いで......続きを読む»

白鵬よ、あの立合の意図を説明してくれ。

何が起きたか分からなかった。 呆気に取られたというべきだと思う。 言うまでもなく、今日の白鵬稀勢の里戦のことだ。 痛めている左手を出す。 稀勢の里に詰め寄られる。 そのまま土俵を割る。 それだけの一番だった。 どう解釈すればいいのか全く分からない。 痺れる終盤戦での完全な自滅。 普通なら「こういう相撲も有る」で終わりなのだが、意図が全く見えない。肘の怪我の影響ならば、左手は出さない。そして......続きを読む»

琴奨菊の相手は自分自身ではなく、史上最高の豊ノ島だった。

出足は悪くなかった。 押し勝ったのは琴奨菊だったのだから。今場所好調な立合を、この相撲でも見せることは出来た。だが、あくまでも悪くなかったという次元だった。 一気に持って行くところまでには至らず、身体を開いて後退するところを追撃するも、前への意識が強いせいか態勢が低い。展開しながらのとったりをもらい、土俵に落ちた。 悪くはない一番だったと思う。 今場所の琴奨菊の相撲は取れていた。 ただ松鳳山......続きを読む»

自分に勝つ琴奨菊。自滅する白鵬・日馬富士。二つの「そんなはずがない」が織り成す、魔法の先に有るものとは?

え? 嘘だろ? そんなはずがない。 あまりにも意外な光景が、この2日続いている。 そしてその中心には、琴奨菊が居る。 だが「そんなはずがない」のには二つの理由が有る。まずは、琴奨菊の相撲内容。そして、二人の横綱の相撲内容である。 琴奨菊は人生最高の相撲を見せている。これは素晴らしいことだ。だが、人生最高の相撲を取れているからといって、今この舞台でそれを実行することは容易ではない。 稀勢の......続きを読む»

批判覚悟で勝ちにこだわる白鵬は、全勝の琴奨菊の前に現れるのか。理想の横綱像を求める自分と、例の白鵬を観たい自分との間で揺れる大一番。

大関:琴奨菊。 大関として通算成績は214勝147敗24休。 勝率に換算すると、5割9分2厘。 5回の対戦で大体3勝する計算。 平たく言うとクンロクである。 在位26場所での2桁勝利数は8回。 準優勝は1回。 余談だが大関昇進後の稀勢の里は255勝114敗。 2桁勝利は18回。 準優勝は7回。 日本人力士、というより稀勢の里に期待が集まるのも無理もない。 しかし、琴奨菊は大関を守り続けてきた......続きを読む»

この日の白鵬はブーイングされるべきではない。だが、大相撲を守り続けた大横綱に求められる相撲ではなかった。

あれは、変化ではない。 現場に居た私は思った。白鵬は立合で栃煌山の動きを見て、身体を開いた。そして栃煌山は、その動きに対応できずに落ちた。ただそれだけの一番だった。 本来であれば、栃煌山の不甲斐なさを叱責するだけの一番だ。私自身、栃煌山に対して腹立たしい思いを抱えていた。この日一番のメインイベントがあっけなく終わってしまったのだから。そしてその要因は、栃煌山に有るのだ。もっと白鵬の動きに対応でき......続きを読む»

怪我と公傷と「土俵の充実」。遠藤や照ノ富士が相次いで休場する今、大相撲はどこに向かうべきなのか。

2016年初場所は、幕内力士の休場が相次いでいる。 時天空。 大砂嵐。 千代鳳。 常幸龍。 安美錦。 照ノ富士。 そして、遠藤。 幕内は初日からの累積で7名が休場している。千代鳳や安美錦のように再出場する力士も居るが、最近の特徴は怪我を抱えながら出場し、更に痛めたり成績が思うように上がらないなどの事情から休場する事例が多いことである。 照ノ富士や遠藤のように将来に向けての可能性を見せながら、怪......続きを読む»

「嘉風に出来るのだから、君にも出来る」訳ではない快進撃。高齢力士が努力を重ねる難しさとは?

1995年のヒットソング「スキャットマン」を覚えているだろうか。 ちょっと変わったヒゲのおじさんが、なんか早口でまくしたててる。でもそれはそれで心地いい。繰り返し聞いてみるとクセになる。当時のテレビ番組ではこの変わったおじさんが音楽番組では数多く取り上げられた。52歳でメジャーデビューし、「スキャットマン」は全世界でスマッシュヒットした。 だが、実はこのおじさんは吃音症という困難を抱えており、逆......続きを読む»

正代と御嶽海。大卒エリートへの過大評価と過小評価の狭間で何を求めるべきか。

正代が今場所から幕内で相撲を取る。 大学2年生の頃にビッグタイトルも獲得している力士が、入門後負け越しも無く、更には十両を2場所で通過してここまで来た。番付運が悪く、実績の割に出世が少し遅れた感は有るが、ここまでは順調と言えるだろう。 「対戦したい力士が居ない」 「できればみんなと当たりたくない」 そんな言動は相撲界では異質のネガティブキャラとして報じられ、地位よりもキャラクターが先行している......続きを読む»

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スポーツライター:西尾克洋が運営しております。相撲などのスポーツライティング、コラム、企画構成など手広く承っております。お気軽にお問合せ下さい。

【過去のお仕事】
・日本テレビ「超問!真実か?ウソか?」(2017年6月)
・テレビ朝日「サンデーステーション」(2017年5月)
・スポーツナビコラム:西岩親方インタビュー(2016年3月)
・現代ビジネス(2017年2月)
・ビジネスジャーナル(2017年9月)
・週刊Flash(2017年1月)
・Palm Magazine(2010年)
・大相撲ぴあ(2015年12月)
・静岡新聞(2015年10月)
・SBSラジオ(2017年3月)
 への寄稿など多数。

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*はアットマークです。

【Ustream】
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(10月16日現在)

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