幕下相撲の知られざる世界

月別アーカイブ :2014年11月

丹波の想いを背負った千代栄が敗れるのが、幕下相撲。「諦めなければ、夢は必ず叶う」訳ではない幕下の厳しさを考える。

幕下の優勝決定戦をご覧になった方は、 一体どれだけ居るだろうか? 相撲が好きな方でも、地上波しか観ない方にとって 幕下の取組というのは馴染みが無いと思う。 しかし、地上波で唯一放映される取組が有り、 それが正にこの優勝決定戦である。 これまでの人生を相撲に捧げてきた者達が、 一人前になるために最後の闘いを挑む場所。 それが、幕下だ。 東西に60名、計120名が在籍する大所帯の中で、 一人前に成れ......続きを読む»

モンゴル人横綱対決への不満は、稀勢の里戦での妥協無き姿と正反対の予定調和に依るものである。見せてくれ、凄い相撲を。

白鵬が稀勢の里を破り、優勝が鶴竜と白鵬に絞られた。 ここ最近の白鵬の土俵態度に困惑し、怒りすら覚えた私は 彼の原点たる相撲を取り戻してほしいとの想いから そのスタイル目指す稀勢の里に素晴らしさを見せてほしいと切望していた。 だが、白鵬は強かった。 そして、稀勢の里は及ばなかった。 昨日の結果で分かったのは、そういうシンプルなことだった。 ひょっとしたら、もう白鵬は後戻りできないかもしれない。......続きを読む»

18歳の阿武咲が切り開く、背水の陣の強さ。モンゴル人が持ち、日本人が喪失した強さの持つ意味を考える。

幕下3枚目の阿武咲が、勝ち越しを決めた。 十両経験も豊富な明瀬山との対決で、 170キロを超える巨漢とどのように対峙するか 注目していたのだが、予想以上の結果だった。 下から攻めて、下がる明瀬山。 土俵際まで追いつめるのは誰でも出来る。 徳俵に足が掛かってからが難しいのだが、 阿武咲の圧力が想像以上で、あっさり土俵を割った。 明瀬山に関しては十両の力士でも手を焼く力士だ。 組み止められずに絶え......続きを読む»

ダメ押しで高まる、白鵬への批判。今の白鵬を止めるための劇薬が「稀勢の里の優勝」である理由とは?

白鵬の土俵態度が、今まで以上に物議を醸している。 発端となったのは照ノ富士戦でのダメ押しで、 誰がどう見てもそれは非が有るものだった。 相撲協会は親方を呼び出し、注意した。 何故本人ではなく親方を呼び出したのか。 そして何故あのような張り紙を掲示したのか。 これらの一連の対応についても疑問が有るが それはまた別の議論である。 問題は、またしても白鵬がやらかしてしまったことだ。 やらかすのは仕......続きを読む»

「攻めの変化」に生じた迷い。変化すらも期待に変えた逸ノ城が見せた、人間的な弱さの価値を考える。

逸ノ城が、変化で栃煌山に敗れた。 変化に対してあれはダメだ、逃げていては勝てない、 という声が多く、確かにその通りだと思う。 逸ノ城ほどの力士である。 楽をせずに勝つ、大横綱の系譜の相撲が取れる力士なのだ。 ここで小手先の相撲を覚えて小さくまとまってほしくない、 という想いがこの逸材に苦言を呈する結果になっているのは間違いない。 ただ、そういう大きな視点というよりも 感情が先に立つというのは、......続きを読む»

蒼井優さんの「マイブームは相撲」発言から考える、大相撲人気の現在地。まだまだ相撲人気を回復させねばならない、切実な理由とは?

先日、蒼井優さんがマイブームとして相撲を挙げた、 というニュースが報じられていた。 「仕事で中継が見られない時はビデオで撮って見ています。 興奮を煽るカメラワークを含めてすごい楽しいので、生で見たいですね。 来年は中継に映りたいと思います。家に帰ったら相撲を見て ご飯を食べて手芸をやってと、すごく忙しいんです(笑)」 相撲に興味を持って間もない新鮮な感覚で、 私がもう忘れたものでもあるので、 こ......続きを読む»

白鵬の強さは、圧倒的な取りこぼしの無さである。高安の普段着の相撲による白鵬撃破で期待される、「前向きな地殻変動」とは?

高安が白鵬を撃破した。 ここまで好調の高安が立ち合いからの攻防で互角、 そして呼び込んだところで白鵬が態勢を大きく崩し、 何とか立て直しを図るも、そのまま手を付き大波乱に。 今日の結果は白鵬がやらかしたが故であることは 誰の目にも明らかだが、私も含めて相撲ファンであれば この結果は大きな驚きであった。 よく知られていることではあるが、 白鵬の特徴として平幕に対する圧倒的な強さが挙げられるからだ......続きを読む»

幕下での回り道は、回り道ではない。幕下で確かな強さを勝ち得た、新十両:輝(かがやき)の活躍に期待する。

達(たつ)改め輝(かがやき)が素晴らしい相撲を取っている。 近頃では珍しい中卒叩き上げとして角界入りし、17歳で幕下昇進。 193センチの恵まれ過ぎるほど恵まれた体躯から繰り出される スケールの大きな相撲は誰もが将来を嘱望するものだった。 それは親方衆も例外ではなく、月刊「相撲」誌で恒例の 期待の若手に関する対談では常に上位に彼の名は有った。 そして彼は、平成6年生まれ以降の力士として初めて 関......続きを読む»

長期欠場で再起を図る「栃ノ心」という選択肢。怪我と付き合うのではなく治す選択肢が見せる、大いなる可能性。

栃ノ心が、幕内下位で無敵の快進撃を見せている。 私の知っている栃ノ心は東欧系力士に有りがちな 格下の力士には滅法強いが、同格から格上に対しては どこか淡泊な相撲を取るような、そういう印象の力士だった。 相撲のタイプは異なるが下位で12勝3敗、 上位総当たりで2勝13敗という、 阿覧や臥牙丸といった力士達と似ていると感じていたのは 恐らく私だけではなかっただろう。 白鵬には0勝15敗。 鶴竜には......続きを読む»

何故白鵬の32回目の優勝は、話題にならないのか。後編。土俵を守り続けた白鵬と、土俵態度に問題の有る2人の白鵬に対する戸惑いを考える。

今場所の白鵬が目指す32回目の優勝は、相撲ファンであれば誰でも その意味を知っている。 本来ならば今場所はこの一点に話題が集中するはずなのだが どちらかと言えば逸ノ城の方が話題が出やすい状況だ。 前回の記事ではその理由として 凄すぎる白鵬がこの記録を達成するのは時間の問題で、 凄すぎる故に感情移入しづらく、 力を入れて白鵬を後押しする心情に成りにくい、 という話をした。 相撲界が危機的な状況だ......続きを読む»

何故白鵬の32回目の優勝は、話題にならないのか。前編。圧倒的すぎることによる副作用を考える。

九州場所で一つ疑問に感じていることが有る。 見所として、報道としては逸ノ城がどれだけやれるか、ということに 注目が集まっているからである。 本来白鵬の32回目の優勝になるべきなのだが、あまり話題にならない。 史上最多の優勝記録を塗り替えること。 そして、その記録保持者が「巨人大鵬卵焼き」の大鵬であること。 歴史的なマイルストーンを実現するかもしれない、 そういう瞬間の目撃者になれるかもしれない......続きを読む»

学生相撲に見られた、とある変化。大学全入時代の今、学生相撲界は新たな遠藤を生み出せるのか。

全日本学生相撲選手権を観戦しに、両国国技館に足を伸ばした。 本場所前日だが今回は九州場所ということ、 そして丹波巡業に先月行っていること、 更には仕事的な事情も有り、今回は福岡への遠征は控えて その代わりにという意味合いも込めて学生相撲を観戦してきた。 相撲関係者の多くが福岡に居る今、 そして相撲ファンの興味が福岡に有るにもかかわらず 両国国技館の升席は熱心なファンでかなりの数が埋め尽くされてい......続きを読む»

日本人力士に期待するのは外国人力士に失礼なのだろうか?「ご当地力士としての日本人」という新概念を考える。

先日、丹波巡業に足を運んだ時のこと。 兵庫の秘境に、テレビでしか観たことの無い 横綱や大関が稽古に取組に精を出す。 この夢のような非日常が眼下で展開される中、 一際大きな声援を受けていたのは何と、千代栄だった。 千代栄とは九重部屋に所属する幕下力士で 近い将来関取に成ることが期待されているわけだが、 幕下力士が横綱大関に匹敵する声援を受けるのには大きな理由が有る。 そう。 彼が丹波市春日町出身......続きを読む»

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スポーツライター:西尾克洋が運営しております。相撲などのスポーツライティング、コラム、企画構成など手広く承っております。お気軽にお問合せ下さい。

【過去のお仕事】
・日本テレビ「超問!真実か?ウソか?」(2017年6月)
・テレビ朝日「サンデーステーション」(2017年5月)
・フジテレビ「グッディ」(2017年11月)
・TokyoFM「高橋みなみの、これから何する?」(2017年11月)
・スポーツナビコラム:西岩親方インタビュー(2016年3月)
・現代ビジネス(2017年2月)
・ビジネスジャーナル(2017年9月)
・オピニオンサイトiRONNA(2017年11月)
・週刊Flash(2017年1月)
・Palm Magazine(2010年)
・大相撲ぴあ(2015年12月)
・静岡新聞(2015年10月)
・SBSラジオ(2017年3月)
 への寄稿など多数。

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(12月13日現在)

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