幕下相撲の知られざる世界

大関

終盤連敗の豪栄道への「二つの期待」。

2番手に2差を付けてからの、連敗。普通に取れば負けないとまではいかないが、勝つ確率は高い相手の連敗。 信じられない、という訳ではない。そういう絵を想像できなかったとまではいかない。カド番の多い大関だ。終盤の連敗ではなく、これまで序盤の連敗ですら目の当たりにして来た経緯がある。 稀勢の里ほどの落胆ではない。素晴らしい可能性を見せた後で、格下相手に信じられないような内容で敗れた訳ではない。そして、そ......続きを読む»

変化で照ノ富士が失ったものは、共感である。

ルール上、反則ではない。 食らう奴が悪い。 相撲道の精神に反する。 正々堂々闘え。 毎回人によって見解が異なるが、これは正論で正当化することも、否定することも可能だ。だから私は、この問題について正論を持ち出すのは止めようと思う。 優勝争いのトップを走る照ノ富士。1年半前の怪我以来、精彩を欠き続けている。短い大関としての在位期間の中で、4回目のカド番。8勝と大敗を繰り返しながら、何とか大関を保っ......続きを読む»

琴奨菊大関陥落と、閉塞感の打破。どちらを、望むのか。

近年、大相撲人気が高まった一方で、大きな問題が解消されずにいた。閉塞感を打破できずにいたことである。 モンゴル3横綱。 そして、4大関。 大関は不調や負け越すことは有っても、彼らは常に相撲界の中心に居た。コンディションが良ければ、数場所は彼らに対抗することが出来る力士も存在した。嘉風や高安、琴勇輝がそれに当たるだろう。 だがその数場所が終わると、横綱大関と五分には渡り合えない。普段は不満を語ら......続きを読む»

お帰りなさい、怪物:澤井豪太郎。

豪栄道が、初優勝を決めた。 14連勝。 文句の付けようの無い、素晴らしい優勝だった。 関脇時代から苦労を重ねて大関に昇進し、安住の地を見つけたかと思えば更なる苦難の日々が待っていた。誰が2年あまりの大関在位で4度のカド番を予想しただろうか。そして、誰が関脇時代よりも勝率が大幅に低下すると予想しただろうか。 スランプに陥ったと最初は解釈していた。だが、2年も変わらなければ実力と判断せざるを得ない......続きを読む»

「神ってる」豪栄道の快進撃。苦難の2年間の集大成を見よ。

カド番で迎える9月場所。 2年間大関としての勝率が5割を少し上回るほど苦しみ続けた力士が、ここまで12連勝。 大関としての低迷。 そして、この快進撃。 二つの事実を並べると、今の豪栄道は流行り言葉でこう言い表されることになる。そう。「神ってる」のである。 前に出る豪栄道はとにかく強い。 一度中に入れると手が付けられない。 腰が伸びて、勝負は一瞬にして決する。 それだけではない。中に入れないこ......続きを読む»

【データ検証】今の嘉風は大関にふさわしい力士か?

ここ1年で成長した力士は数多く存在するが、一番の驚きは嘉風であることは間違いない。 33歳にして最高位の関脇にまで昇進し、横綱大関を相手に健闘を続けている。周囲が体力の限界で土俵を去る中、これほどの高齢で自己最高位を更新することは大相撲の世界では異例だ。実力を保つのも難しいのに大きく力を伸ばしているのだから、この活躍には驚きしかない。 そして嘉風本人も最近では目標を大関と公言するようになった。1......続きを読む»

琴奨菊の優勝は、全ての相撲ファンを救った。外国人力士への敬意と「日本出身力士」への期待の狭間で揺れた相撲ファンを解放した歴史的意義とは?

琴奨菊、初優勝。 「日本出身力士」として10年ぶり。栃東が優勝したあの時、まさか2016年まで優勝が無いことを誰が想像しただろうか。 遠ざかれば遠ざかる度に掛かる重圧。 叱咤と、叱咤に見せかけた非難。 強過ぎるモンゴル人力士。 「日本出身力士」が闘う相手は、あまりに多過ぎた。 優勝争いの土俵にすら加われない。大関たちはクンロクとカド番を繰り返し、その地位を守ることに追われた。たまの優勝争いで......続きを読む»

琴奨菊の相手は自分自身ではなく、史上最高の豊ノ島だった。

出足は悪くなかった。 押し勝ったのは琴奨菊だったのだから。今場所好調な立合を、この相撲でも見せることは出来た。だが、あくまでも悪くなかったという次元だった。 一気に持って行くところまでには至らず、身体を開いて後退するところを追撃するも、前への意識が強いせいか態勢が低い。展開しながらのとったりをもらい、土俵に落ちた。 悪くはない一番だったと思う。 今場所の琴奨菊の相撲は取れていた。 ただ松鳳山......続きを読む»

自分に勝つ琴奨菊。自滅する白鵬・日馬富士。二つの「そんなはずがない」が織り成す、魔法の先に有るものとは?

え? 嘘だろ? そんなはずがない。 あまりにも意外な光景が、この2日続いている。 そしてその中心には、琴奨菊が居る。 だが「そんなはずがない」のには二つの理由が有る。まずは、琴奨菊の相撲内容。そして、二人の横綱の相撲内容である。 琴奨菊は人生最高の相撲を見せている。これは素晴らしいことだ。だが、人生最高の相撲を取れているからといって、今この舞台でそれを実行することは容易ではない。 稀勢の......続きを読む»

批判覚悟で勝ちにこだわる白鵬は、全勝の琴奨菊の前に現れるのか。理想の横綱像を求める自分と、例の白鵬を観たい自分との間で揺れる大一番。

大関:琴奨菊。 大関として通算成績は214勝147敗24休。 勝率に換算すると、5割9分2厘。 5回の対戦で大体3勝する計算。 平たく言うとクンロクである。 在位26場所での2桁勝利数は8回。 準優勝は1回。 余談だが大関昇進後の稀勢の里は255勝114敗。 2桁勝利は18回。 準優勝は7回。 日本人力士、というより稀勢の里に期待が集まるのも無理もない。 しかし、琴奨菊は大関を守り続けてきた......続きを読む»

もう休もう。照ノ富士。

照ノ富士がここまで4勝5敗と苦しんでいる。 2横綱に好調の琴奨菊、旋風を巻き起こす嘉風まで残っているのだから、勝ち越しはかなり厳しい状況だ。誰がどう見ても、優勝を争ってきたここ数場所の内容とは異なるそれである。 攻める時はまだいいのだが、受けると堪えられない。強靭な足腰で攻めを受け止め、上手を取ってそのまま寄る。照ノ富士の相撲は基本的にこのようなものである。攻めを凌ぐ強さこそが生命線の相撲であり......続きを読む»

白鵬が勝つ名勝負が持つ意味。名勝負を名勝負たらしめた、照ノ富士の存在の大きさを考える。

凄い一番だった。 素晴らしい一番だった。 こういう相撲が観たかった。 言うまでもなく、その取組とは白鵬照ノ富士の一番である。白鵬の狙いはただ一つ。そして、照ノ富士の狙いもただ一つ。 上手を取ること。取らせぬこと。 焦点はこの1点だった。 照ノ富士に上手を与えることは、極めて危険な状況を招くことを意味する。右四つも左四つも問わない。一応右四つが照ノ富士の形ということになっているが、左の合四つでも......続きを読む»

豪栄道の隠れた強さは、ミスを勝利に結び付けるところである。ミステイクヒッター:豪栄道は、初春に波乱を巻き起こすのか。

白鵬が10連勝で終盤戦を迎える。 様々な伝説に彩られた横綱が、今場所も勝利を重ねて 遂にここまで来た。 その伝説を育む要因は様々だ。 横綱昇進後に休場の無い、健康。 48場所連続2桁勝利の安定感。 そして、32回優勝の勝負強さ。 こうした強さに関してはもはや言いつくされた感も有る。 圧倒的な数字を並べただけでも、本人を目にせずとも その凄さが伝わるのが白鵬の凄さである。 だが今場所の10連勝......続きを読む»

琴欧洲負け越し。「晩節を汚すな」という意見と、現役に拘ること。元大関は一体いつ引退すべきなのかを考える。

琴欧洲が負け越した。 相撲内容については改めて語るまでもないが、 気になるのは先日も記事にしての通り、「闘う理由」。 大関に残る、そして大関に復帰するという理由は 今の琴欧洲には無い。 かつての名大関がそうだったように、 上位で結果を残せない琴欧洲に対しては 一つの議論が巻き起こりつつある。 そう。 引退、である。 かつて一時代を築き、そして大関という 相撲界の顔まで勤め上げた力士なのだから......続きを読む»

琴欧洲の短期間での衰えは、肉体的なものだけではない。引退前に大砂嵐との対戦を希望する理由とは?

琴欧洲が土俵生命の危機を迎えている。 もはや1勝7敗という成績が全てを物語っており これ以上に説明の余地も無いようにも思うのだが、 今の琴欧洲は大関時代の面影が無い。 自分の形が作れない。 踏み止まれない。 盛者必衰という言葉が有るが、 力士はここまで短期間で変わってしまうのかと驚く。 今私達が観ているのは、私達が知っている琴欧洲とは 別人と言っても過言ではない。 付け加えると、7敗の中に......続きを読む»

琴奨菊の強さは、取りこぼさない強さ。強みを出せない琴奨菊に迫られる「決断」とは?

琴奨菊も、苦しい土俵が続いている。 カド番の脱出には8勝せねばならない。 後半戦は小結関脇大関横綱が待ち受けるだけに、 序盤で取りこぼさないことが必須条件である。 特に、琴奨菊の強みは関脇以下に対する強さだ。 平幕を相手にキチンと勝つ。 観ている側は安易にこの水準を要求するが、 結局これが出来ない力士が多いからこそ、 なかなか大関は誕生しない。 琴奨菊は格下力士との対戦の多い 10日目までの......続きを読む»

横綱大関が、結果を残す要因とは?

大相撲5月場所が始まった。 相撲が始まることに対する喜びを覚えながら たった今幕内後の取組などをチェックした。 強い者が実力通りの結果を残しているという 実感を抱いた初日だった。 結果を全て確認すると、大関横綱が全勝。 そして、関脇2力士まで勝利。 このような結果はあまり記憶にない。 そもそも大関が敗れることが波乱として 報じられることの少ない昨今である。 むしろ全勝であることの方がニュースな......続きを読む»

大関陣の低迷と、序盤の大関対決の相関性。

8日目が終わった。 全勝は白鵬、1敗で日馬富士。 ここまでは大方の予想通りだが、 気になるのが大関陣である。 把瑠都休場という想定外の事態が発生する中で 残された4大関の成績はどうなのだろうか。 3敗が3人、2敗が1人。 ここまでは見事に期待外れである。 全員ほぼ優勝争い圏外という惨状は確かに 由々しき事態だが、今場所は少し事情が異なる。 そう。 序盤から大関同士の対決が組まれているのだ。 ......続きを読む»

把瑠都降格に見る、大関復帰の高い難易度。

把瑠都の関脇降格について先日 あまりにも現実味が無い、という話を書いた。 体格とパワーに裏打ちされた、 圧倒的な取り口であることが強いという印象を 更に強くしているのだと感じる。 また、初場所に優勝しており、その時に 白鵬をも凌駕したパフォーマンスについても 印象に残っているということも一つの要因である。 そんな強い印象の有る把瑠都だからこそ、 来場所戻ってきたら、10勝以上を残すことによって......続きを読む»

把瑠都陥落、という違和感。

把瑠都が今日から休場することになった。 大関の2場所連続の休場が意味するもの。 すなわち、大関陥落である。 個人的にも、世間的にも次期横綱は 心情としては稀勢の里だが、実力的には把瑠都という 評価が根強かったものだが、 クンロクの常連だった日馬富士が突如覚醒し、 そして把瑠都は2場所連続の休場してしまうのだから 判らないものだ。 そんなわけで、「把瑠都」と「陥落」が どうにも結びつかない状態の......続きを読む»

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スポーツライター:西尾克洋が運営しております。相撲などのスポーツライティング、コラム、企画構成など手広く承っております。お気軽にお問合せ下さい。

【過去のお仕事】
・日本テレビ「超問!真実か?ウソか?」(2017年6月)
・テレビ朝日「サンデーステーション」(2017年5月)
・スポーツナビコラム:西岩親方インタビュー(2016年3月)
・現代ビジネス(2017年2月)
・ビジネスジャーナル(2017年9月)
・週刊Flash(2017年1月)
・Palm Magazine(2010年)
・大相撲ぴあ(2015年12月)
・静岡新聞(2015年10月)
・SBSラジオ(2017年3月)
 への寄稿など多数。

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