幕下相撲の知られざる世界

幕内力士

私が21歳の阿武咲に期待する理由。

阿武咲。 幕下を1年で、十両を2年で通過した逸材。 「武井咲」「ヤンキー」「読み方」という統一感の無い関連検索ワードが出てくるこの力士は、今場所前頭3枚目で臨むことになった。 対するは御嶽海。 当たりが強烈なこの力士にどれだけやれるのか。もし御嶽海を相手に立合で勝れば、面白いことになる。という願望が先行した展望だったのだが、だがそれが願望であることを私は自覚していた。 しかし、その願望が現......続きを読む»

宝富士の成長。四つ相撲は三十路を前に光を放つ。

私は永年、力士が持つ特徴は若い頃から引退まで変わらぬものだと理解してきた。 例えば、ツラ相撲という言葉がある。勝てば手がつけられないが、負けると泥沼にはまってしまうタイプを指している。突き押し相撲の力士によく見られるもので、闘争心を前面に出すことが特徴だ。 最近であれば琴勇輝がこれに該当する。 このタイプは絶好調になれば相手が横綱でも関係ない。触れるもの皆吹き飛ばすような、スーパーマリオがスタ......続きを読む»

正代の被災者への「元気を届けられれば」より伝わる言葉を考える。

正代が横綱大関戦を終えた。 一言で言えば「玉砕」だった。 何もできなかった。 させてもらえなかった。 それだけだった。 正代は勇気ある力士だと思う。相撲を取り続けてきて、ここまで挫折らしい挫折は無い。アマチュアでの輝かしい実績が有り、前相撲からここまで順調すぎるペースで昇進を続けてきた。 立場が付けば、本能的に自分を守ろうとする。負けた時の理由を探そうとする。上位総当たりというのは、そういう厳......続きを読む»

ルーティンを捨てた琴勇輝。野次との闘いは新たな歴史の始まりである。

琴勇輝が5月場所を連敗でスタートした。 2日の内容で今の出来を判断するのは難しいことだ。特に琴勇輝のような相撲は、相手どうこうというよりも自分のコンディションが結果に直結するだけに、一度良い流れが来ると誰も止められなくなる。その代わり、一度悪い流れが来ると飲み込まれていきがちである。一昔前の日馬富士のことを思い出してもらうと、琴勇輝の特徴はよく分かると思う。 さてそんな琴勇輝なのだが、今場所は一......続きを読む»

白鵬のカチ上げが認めた、琴勇輝の価値。

取組前から嫌な予感しか無かった。 初顔合わせ。 人気力士。 そして、1年前の例の騒動。 白鵬が何かする要素は、揃い過ぎる程揃っていた。 今の白鵬は、人気低迷の頃の白鵬とは別のスタイルである。勝つことこそが至上命題。何を言われても、批判されても、勝つことは譲れない。そういう覚悟を持った相撲である。 だからこそ、批判は避けられない。 あの頃の白鵬が残っているからこそ、あの頃と対極の白鵬が受け入......続きを読む»

豊真将の美しさは所作ではなく、その生き様だった。

夜勤明けで私は両国に向かっていた。 錦糸町で風呂に入り、着替えを済ませて総武線の駅を目指す。11時開始ではあるが、最初は下の力士の花相撲なのでそれほど急ぐことも無い。知人から誘いを頂いていた私は、チケットを忍ばせて豊真将引退相撲に向かっていた。 と、その時。 ツイッターで目を疑うことが。 「チケット完売」 何ということだろうか。確かに最近の大相撲人気は過去に類を見ぬものになりつつある。力士人......続きを読む»

琴奨菊の相手は自分自身ではなく、史上最高の豊ノ島だった。

出足は悪くなかった。 押し勝ったのは琴奨菊だったのだから。今場所好調な立合を、この相撲でも見せることは出来た。だが、あくまでも悪くなかったという次元だった。 一気に持って行くところまでには至らず、身体を開いて後退するところを追撃するも、前への意識が強いせいか態勢が低い。展開しながらのとったりをもらい、土俵に落ちた。 悪くはない一番だったと思う。 今場所の琴奨菊の相撲は取れていた。 ただ松鳳山......続きを読む»

「嘉風に出来るのだから、君にも出来る」訳ではない快進撃。高齢力士が努力を重ねる難しさとは?

1995年のヒットソング「スキャットマン」を覚えているだろうか。 ちょっと変わったヒゲのおじさんが、なんか早口でまくしたててる。でもそれはそれで心地いい。繰り返し聞いてみるとクセになる。当時のテレビ番組ではこの変わったおじさんが音楽番組では数多く取り上げられた。52歳でメジャーデビューし、「スキャットマン」は全世界でスマッシュヒットした。 だが、実はこのおじさんは吃音症という困難を抱えており、逆......続きを読む»

外国人力士が与えてくれたものと、与えてしまった「呪縛」。栃煌山が挑む、外国人力士が向き合い続けた壁の大きさとは?

「日本人力士の最後の優勝から9年が経過しており…」 「旭天鵬は日本人です。」 …このやり取り、何度見たことか。まず話題になると「日本人力士」と「日本出身力士」を言い間違えないか、ここにヒヤヒヤする。そして何より、「ファンは日本人力士の優勝を望んでいる」というロジックが出てこないか。言ってしまうと頭を抱えるしかない。 人種差別。 外国人力士へのリスペクト。 そして配慮。 近年大相撲は外国人力士......続きを読む»

豊ノ島はポスト高見盛である。遠藤や逸ノ城を守る、相撲協会広報としての役割の凄さを改めて考える。

夏場所直前ということも有り、最近相撲に関する番組をよく見る。 相撲女子、スージョという切り口の番組も有れば力士の凄さに迫るという切り口の番組も有る。いずれにしても相撲の注目度が高まる中で力士やそれを取り巻く環境にフォーカスした番組構成となっている。 相撲番組となると当然力士が登場することになるのだが、現在その中心に居るのは意外な力士だ。つまり、豊ノ島である。 だが、豊ノ島は相撲ファンの中では広......続きを読む»

琴勇輝が貫いた「ホウッ」の道。勇気ある決断の陰で、論点をずらせたのが白鵬である理由とは?

琴勇輝が「ホウッ」を続けたことが話題である。 ここ数年、琴勇輝が取組前のルーティーンの一部として、仕切る前に「ホウッ」と一声出していたのだが、場所前に白鵬が「犬じゃないんだから、ほえるな!」と指摘したことで、一躍注目を集めることになった。奇しくも同じルーティーンを持つ千代鳳との対戦となった昨日、この取組は取組もさることながらその前の所作が注目を集めることになった。千代鳳が自粛したのとは対照的に、琴......続きを読む»

豊真将引退が特別な意味を持つ理由。怪我の歴史と真摯さを、今改めて考える。

豊真将が引退した。 33歳という年齢と、幕下という番付。 三役まで務めた力士がこの状況で引退することは 自然なことであり、むしろ遅いくらいなのかもしれない。 長く関取だった力士の多くがそうだったように、、 十両から陥落が引退の一つのラインとして存在してきたように思う。 しかし垣添や若荒雄が幕下でも取り続けたこと、 そして栃ノ心や阿夢露が番付を大きく落としても現役を続け、 元の地位に戻ったことはそ......続きを読む»

白鵬の強さは、圧倒的な取りこぼしの無さである。高安の普段着の相撲による白鵬撃破で期待される、「前向きな地殻変動」とは?

高安が白鵬を撃破した。 ここまで好調の高安が立ち合いからの攻防で互角、 そして呼び込んだところで白鵬が態勢を大きく崩し、 何とか立て直しを図るも、そのまま手を付き大波乱に。 今日の結果は白鵬がやらかしたが故であることは 誰の目にも明らかだが、私も含めて相撲ファンであれば この結果は大きな驚きであった。 よく知られていることではあるが、 白鵬の特徴として平幕に対する圧倒的な強さが挙げられるからだ......続きを読む»

豪栄道が挑む、大関獲り。昇進後2年間の苦悩を知る稀勢の里が伝える、大関の厳しさとは?

九州場所も、7日目まで終わった。 大関獲りが懸かる豪栄道は、ここまで5勝2敗。 両横綱と1大関を残して2敗というのは、 少し厳しい展開である。 例えば今場所10勝5敗だったと仮定すると、 来場所は12勝することが求められる。 12勝というのは、日馬富士でさえなかなか 記録することが出来ない好成績だ。 だが、大関を掴むにはこの状況を打破し、 どうにか11勝を記録することが求められるのである。 3......続きを読む»

豪栄道は、運だけで大関獲りを引き寄せた力士ではない。今こそ実力伯仲の時代を生き抜いた、彼の意地を見よ。

先場所、豪栄道は11勝で大関獲りの権利を得た。 相撲内容が充実していたこともさることながら、 白鵬が魅せる相撲へシフトしていたこと、 稀勢の里が翌日の白鵬戦に向けて極度の緊張状態だったことも 作用して、この二つの関門を突破することが出来た。 それ故に私は場所終了後に豪栄道の11勝は 運による要素も有ったために、 残り2場所は更にレベルアップする必要が有る、 ということを書いた。 勿論、こうした......続きを読む»

実力者の不振と不在が意味するもの。優勝のボーダーラインが上がると、白鵬の対抗馬になるのは誰か。

琴奨菊が本日の取組の最中に負傷した。 実は今場所星を伸ばすのではないか?と予測を立てており、 そのことも含めて一つ記事を書くはずだった彼は、 あの尋常ではない痛がり方を思えば、この後の13日間 出場するにしても苦戦は免れられないところだろう。 鶴竜は良くも悪くも鶴竜で、 大きく星を伸ばすこともあまり無い反面で 本当に苦労して勝ち越すこともあまり無い。 現在の琴欧洲は残念ながら成績的にも 豪栄道......続きを読む»

好成績の陰に、2つの幸運有り。豪栄道の大関取りが現状では厳しい理由とは?

豪栄道の大関獲りが話題になっている。 9月場所の成績は、11勝4敗。 大関を目指すには堂々たる成績である。 ご存知の通り、大関を目指すには 目安として3場所で33勝を挙げる必要が有る。 そして、単純に考えると豪栄道は 9月場所でこの水準に達したのである。 単純計算で言うと、今場所の再現をあと2場所で 果たせばよいのだ。 豪栄道は、1度成功を体験した。 出来たということは一つの自信として 良い......続きを読む»

好調:千代大龍への大関獲りの期待の薄さ。アマチュア出身故の弱さ・甘さを考える。

千代大龍が好調である。 元:学生横綱で、幕下付け出しデビューをするほど アマチュアでのキャリアが傑出していた力士で、 約2年で上位を相手に5勝1敗ということだから 順調過ぎるほど順調な出世と言える。 負け越しの殆どが休場絡みで、まだ底を見せてない。 逆に休場がここまで3場所有るので、 そちらの方が不安になるほど、 実力に関しては今のところ申し分ない。 だが、千代大龍についてはこれほど 順調であ......続きを読む»

豊真将への大歓声に見る、「俺達の豊真将」への変貌とは?

今日は休日だったが飯田橋で 面談が予定されていたことも有り、 朝から総武線を使い、要件を済ませた。 休みだが、時間が有る。 するべきことは有るが、緊急度はそれほどでもない。 ならば、国技館に行こう。 三段目から相撲を見続け、 実はいろいろ有ったのだがそれはまた後日に。 稀勢の里の連勝や白鵬の鮮やか過ぎる勝利にも沸いたが、 一つ意外なことが有った。 そう。 豊真将に対する大歓声である。 ...続きを読む»

高見盛の引退から、超個性派力士誕生の可否を考える。

遅まきながら、高見盛の引退について。 高見盛が引退し、近頃紙面を賑わせている。 親方になったのだから、今度は嫁取りとか 自販機を相手に鉄砲をしたという類の高見盛伝説であるとか 野球もサッカーもオフであることも手伝って 連日「高見盛盛」ともいうべき現象が起きている。 相撲を見たことが有る人も、普段は見ない人も 等しく知っている存在だからこそ こうしたニュースは成立している。 強さに対する尊敬や相......続きを読む»

ブロガープロフィール

profile-iconnihiljapk

スポーツライター:西尾克洋が運営しております。相撲などのスポーツライティング、コラム、企画構成など手広く承っております。お気軽にお問合せ下さい。

【過去のお仕事】
・日本テレビ「超問!真実か?ウソか?」(2017年6月)
・テレビ朝日「サンデーステーション」(2017年5月)
・スポーツナビコラム:西岩親方インタビュー(2016年3月)
・現代ビジネス(2017年2月)
・ビジネスジャーナル(2017年9月)
・週刊Flash(2017年1月)
・Palm Magazine(2010年)
・大相撲ぴあ(2015年12月)
・静岡新聞(2015年10月)
・SBSラジオ(2017年3月)
 への寄稿など多数。

【Mail】
makushitasumo*gmail.com
*はアットマークです。

【Ustream】
http://www.ustream.tv/channel/makusearch
  • 昨日のページビュー:486
  • 累計のページビュー:13045941

(10月17日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. デーモン閣下の白鵬への問題提議。何故閣下だけがこの損な役割を引き受けられるのか?その根底に有る、相撲に対する想いとは?
  2. 序ノ口力士:服部桜の3度に亘る敗退行為に、深い悲しみを覚える。
  3. 史上最強の大関は誰か?歴代大関ランキング 後編
  4. 遠藤の新四股名が決定!「清水川」。この四股名が優れている理由とは?
  5. 土俵態度が物議を醸す白鵬。偉大過ぎる人間:白鵬の影が批判を許さぬ今、横綱審議委員会の真価が問われる。
  6. 琴欧洲の短期間での衰えは、肉体的なものだけではない。引退前に大砂嵐との対戦を希望する理由とは?
  7. 日馬富士への問題発言に見る、守屋氏が横綱審議委員に相応しくない理由。
  8. 稀勢の里は、麻薬だ。
  9. 舞の海さんの排外発言騒動。しかし、実は直後に真逆の発言をしている。どちらが真意か。各自観て判断頂きたい。
  10. 照ノ富士の変化と差別を結びつける前に、考えて欲しいこと。

月別アーカイブ

2017
09
07
05
03
02
01
2016
12
11
10
09
08
07
05
04
03
02
01
2015
12
11
10
09
08
07
06
05
03
02
01
2014
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2013
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2012
12
11
10
09
08
07
06
05
03
02
01
2011
12
11
10
09
08
07

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年10月17日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss