幕下相撲の知られざる世界

外国人力士

日馬富士から相撲を奪わずに、罪を贖う処分を切に求める理由。

日馬富士の暴行事件。 信じ難いし、信じたくない。 だが、これは事実だという。 事件の詳細についてはこれから解明される。是非の判断はそれからでも遅くはないが、事実は大枠で出揃っているので、それほど印象が変わることはないのではないかと思う。 私にとってこの事件の論点はもはや、有罪か無罪かでもない。そして、罪の多寡でもない。そういうことを論じる段階は、もう過ぎている。 問題は、日馬富士が相撲を辞......続きを読む»

日馬富士暴行疑惑に、厳しい処分を求める理由。

寝耳に水とは、正にこのことだ。 日馬富士が、貴ノ岩をビール瓶で殴ったというのだ。 怒りというより、困惑。 困惑というより、動揺。 それが、この不祥事疑惑に対する私の印象だ。 まずは事実関係を究明してほしい。ただ、これだけのことが表沙汰になった以上、事実無根ということは恐らく無いだろう。 問題は、この後の処分ということになる。 一日馬富士ファンとしては、寛大な処分を求めたい一方で、相撲ファン......続きを読む»

照ノ富士の大関陥落を、希望に満ちていると思う理由。

照ノ富士、休場。 先場所負け越しているので、1勝4敗の照ノ富士がこのまま千秋楽まで休場すると2場所連続で負け越すことになる。つまり、この休場は大関陥落を意味している訳だ。 大関陥落は一つの事件だ。大抵の力士の場合、大関を保てなくなった結果が陥落である。だからこそ、大関陥落は時代の終わりを感じることになる。 今年琴奨菊が大関陥落したが、正にそうした陥落だったように思う。カド番を凌ぎ、大関を守り続......続きを読む»

稀勢の里人気に一石を。モンゴル人力士に物語が求められる理由とは。

昨日は、急遽阿佐ヶ谷で相撲観戦会を開催した。 テレビ朝日のサンデーステーションという報道番組から2日前に依頼を受け、八方手を尽くしてどうにか店内は満員。やってやれないことは無いものだと感じた次第だが、2時間の取材の中で使われたシーンは稀勢の里が敗れた時のリアクションの3秒。北朝鮮のミサイル発射ニュースに尺を奪われた煽りを受ける格好になってしまい、無念の極みだった。 同じ相撲という趣味を持ち、普段......続きを読む»

照ノ富士の変化と差別を結びつける前に、考えて欲しいこと。

照ノ富士の変化を批判し、稀勢の里の変化を批判しないのはフェアじゃない。モンゴル人力士に対する人種差別じゃないか。そんな意見をよく目にする。 あれほど素晴らしい感激を産んだ大阪場所の後で、大変残念な話だと思う。そして、稀勢の里を応援する心理をナショナリズムと結びつける記事が掲載された。 その記事のページはこちら。 何故このような意見が後を絶たないのか。相撲と差別、相撲と愛国心を結びつけるのは何故......続きを読む»

4年前の絶望と、初金星の物足りなさ。蒼国来の可能性は、無限だ。

もう、やめた方がいい。 いや、もう見たくない。 しかし、続けねばならない。 そして私は、これを見届けねばならない。 4年前の稽古総見。大人と子供かと思うほど、彼らの差は歴然としていた。いや、大人と子供というのは例えではない。本当にそれほど絶望的な差が有ったのだ。 押す。 押す。 全身の力を振り絞り、押す。 しかし、その力士はビクともしない。 これほどまでに、押すことが出来ないものなのか。たと......続きを読む»

逸ノ城低迷の一因は、上位力士の適応力である。

自分の間合いに入れない。 相手を捕まえられない。 速い動きに対応出来ない。 攻められて軸が残せない。 そして、土俵際でも全く残せない。 この無い無い尽しの相撲を初場所何度目撃しただろうか。もしかすると私は琴奨菊の優勝よりも、嘉風の健闘よりも、この異変が一番驚いたかもしれない。つまり、逸ノ城である。 新入幕で100年ぶりに優勝と騒がれたあの場所で、稀勢の里豪栄道鶴竜と立て続けに破った逸ノ城。当時時......続きを読む»

外国人力士が与えてくれたものと、与えてしまった「呪縛」。栃煌山が挑む、外国人力士が向き合い続けた壁の大きさとは?

「日本人力士の最後の優勝から9年が経過しており…」 「旭天鵬は日本人です。」 …このやり取り、何度見たことか。まず話題になると「日本人力士」と「日本出身力士」を言い間違えないか、ここにヒヤヒヤする。そして何より、「ファンは日本人力士の優勝を望んでいる」というロジックが出てこないか。言ってしまうと頭を抱えるしかない。 人種差別。 外国人力士へのリスペクト。 そして配慮。 近年大相撲は外国人力士......続きを読む»

逸ノ城の白鵬撃破。成功体験という名のメッセージを如何に受け止めるかが、今後の鍵を握る理由とは?

逸ノ城が白鵬を撃破した。 仕事が終わった後でTwitterを見て、我が目を疑った。34回の優勝を誇り、且つ序盤に絶対の強さを見せる白鵬が負けたことは確かに想定していなかったのだが、それ以上に大きな意味を持っていたことが有る。 それは、逸ノ城が白鵬に勝ったということである。恐らく4月29日に国技館に足を運んだ方であれば、この光景は予想だにしなかっただろう。 あの日、国技館では息を呑む光景が有った......続きを読む»

中盤での横綱大関の3敗は、地殻変動に依るものである。今場所の最大の興味が白鵬照ノ富士戦である理由とは?

白鵬が全勝を守り、1横綱3大関が3敗で並んだ。 9日目で既に3差が付いている現状を見ると、場所前の騒動は何だったのかと言いたくなるほど白鵬だけが無風で、他の力士には荒れる春場所が猛威を振るっている。いや、むしろあの騒動が有りながら、とても相撲に集中できる状態でないにも関わらずここまで完璧な内容で勝ち続けていること。それこそが最大の「荒れる春場所」なのではないかと思う。 荒れる春場所については白鵬......続きを読む»

長期欠場で再起を図る「栃ノ心」という選択肢。怪我と付き合うのではなく治す選択肢が見せる、大いなる可能性。

栃ノ心が、幕内下位で無敵の快進撃を見せている。 私の知っている栃ノ心は東欧系力士に有りがちな 格下の力士には滅法強いが、同格から格上に対しては どこか淡泊な相撲を取るような、そういう印象の力士だった。 相撲のタイプは異なるが下位で12勝3敗、 上位総当たりで2勝13敗という、 阿覧や臥牙丸といった力士達と似ていると感じていたのは 恐らく私だけではなかっただろう。 白鵬には0勝15敗。 鶴竜には......続きを読む»

自分の土俵に引きずり込む逸ノ城の強さと、相手に「させない」白鵬。100年ぶりの新入幕優勝を阻んだものを考える。

逸ノ城の強さを、一言で表すと何か。 今場所多くの方が考えたことだと思う。 どんな相手も無力化してしまう、あの強烈な上手なのか。 幕内上位の精鋭たちの鋭い出足がそれほど苦にならない、 あの独特の柔らかさなのか。 はたまた、横綱大関が相手でも呑んで掛かる メンタルの強さなのか。 どれも欠けてはならない要素だし、 取組によって勝因が変化しているから、 何か一つに絞ることは難しい。 逸ノ城にはストロン......続きを読む»

変化に対する喜びと、戸惑いと。逸ノ城の9月革命を、我々はどのように捉えるべきなのか。

振り返ってみると、ひょっとしたら過大評価なのかもしれない。 12日間の取組をおさらいしてみた。 軒並み相手に先手を取られているではないか。 立ち遅れる。 圧力を受ける。 押し込まれて徳俵に足が掛かる。 本来ならば、負けの相撲だ。 彼の相撲は、そういう意味ではまだ 幕内に適応出来ていない。 常幸龍がまだ佐久間山という名前で 幕下で連勝を重ねていた時が、このような相撲だった。 普通では考えられな......続きを読む»

蒙古襲来。逸ノ城は大相撲を破壊する革命者なのか。栃煌山と松鳳山を止めた理不尽な強さが齎す、畏怖の念とは?

照ノ富士が上位でインパクトを残す中、 幕内中位では連日我々に新鮮な驚きを与える存在が居る。 逸ノ城だ。 昨年のアマチュア横綱は、今年の力士名鑑が発売された当初は 丸坊主が初々しかった。 部屋頭が三段目の湊部屋を選んだことを不安視する声が挙がる中 幕下、十両を通過し、9月場所は新入幕を果たした。 体格にモノを言わせて組み止める。 組み止めたら後は為すがまま。 身体の自由を奪った逸ノ城が徐々に土俵際......続きを読む»

変化で見せた、新世代の旗手たる矜持。照ノ富士がこじ開ける、一寸先は闇の9月場所とは?

照ノ富士が琴奨菊を下した。 驚くべきはその内容。 大関との初対戦で、事も有ろうに変化しての勝利。 変化というのは2種類有る。 変化してしまったパターンと、 意志を持って変化したパターンである。 前者は逃げの、後者は攻めの変化と言う言葉で 当ブログでは表現している。 大関戦ともなると大抵の場合は変化してしまった、 というパターンが出てしまい、 結果がついてこない上に取組としても期待を裏切るという......続きを読む»

照ノ富士は、モンゴル人力士としては新種である。モンゴルからの直接入門力士と、高校相撲出身者の強みと弱みを考える。

照ノ富士が凄い内容の相撲を見せている。 遠藤を相手に攻めを封じ、攻防の末に上手を掴み、 土俵の外に追いやる。 上位との対戦でも対応力を見せてきた遠藤に対して 身体能力だけでなく相撲を取って、相撲で勝った。 上手が入れば、この地位であれば誰でも勝てるのではないか? そう思わせるほど力強く、難攻不落であるように思えた。 また、上手を掴むだけの技術も有る。 この地位で、照ノ富士に一体誰が勝てるのだろ......続きを読む»

大砂嵐が好調な一因は、土俵経験の少なさ。予測不能な相撲のメリットと、今後を左右するデメリット。

大砂嵐が4連勝と好調である。 私が初めて稽古見学した際に、北の湖部屋で異彩を放っていたのが 当時幕下の大砂嵐だった。 幕下なのに、北太樹・鳰の湖・北はり磨との申し合いに加わり、 この3名を圧倒する場面も随所に見せていたのだ。 これにはさすがに驚いた。 だが、体力が無いし身体が信じられないほど硬い。 底知れぬ潜在能力と相反する脆さが コインの裏と表のように代わる代わる出るので 観ている方は呆気......続きを読む»

大砂嵐新入幕。これまでの外国人力士に見られた不安要素を、彼は乗り越えられるのか?

新番付が先日発表された。 ここから数字は番付に関する話題を記事にしていきたい。 今回の番付で気になる点は幾つかある。 まずは大砂嵐の新入幕だ。 5月場所前に北の湖部屋に見学に行った際は まだ幕下だった彼が、鳰の湖も北はり麿も、 幕内上位の北太樹まで圧倒する様に衝撃を受けた。 そんなわけで、このスピード出世も驚きではなく 来るべくして来た、と言うのが私の感想である。 3人の関取を圧倒する、アスリ......続きを読む»

阿覧引退に対する惜しむ声。力士に対する批判の裏に有る、ファンの心理。

阿覧が引退した。 現役時代は(という枕詞にも違和感が有るが) 身体能力を最大限に活かした取り口で幕内上位に定着した。 という実績についての説明をするよりも、 彼の場合触れなければならないのは、何よりも 「何故その能力が有るのに、活かしきれないのか」 という点に有る。 身体能力と体格を備えたる力士には、 我々はその能力を最大限に発揮することを期待する。 だが、阿覧はその期待に応えたとは言い難かっ......続きを読む»

蒼国来を取り巻く厳しい現実。幕内に潜む土俵の鬼達の凄みを考える。

蒼国来が復帰した。 八百長問題で2年間のブランクが有る中での復帰。 事の是非を語るのは当ブログの役割ではないので 別のサイトを参照いただければと思うが、 周囲の力士達が引退する中で現役にこだわり、 復帰に漕ぎ着けたことについては本当に頭が下がる。 以前土俵に復帰した蒼国来を、4月の稽古総見の際に 白鵬が相手し、愛あるかわいがりを行ったことが 非常に印象的だったのだが、あの時に思ったことが二つ有る......続きを読む»

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スポーツライター:西尾克洋が運営しております。相撲などのスポーツライティング、コラム、企画構成など手広く承っております。お気軽にお問合せ下さい。

【過去のお仕事】
・日本テレビ「超問!真実か?ウソか?」(2017年6月)
・テレビ朝日「サンデーステーション」(2017年5月)
・フジテレビ「グッディ」(2017年11月)
・TokyoFM「高橋みなみの、これから何する?」(2017年11月)
・スポーツナビコラム:西岩親方インタビュー(2016年3月)
・現代ビジネス(2017年2月)
・ビジネスジャーナル(2017年9月)
・オピニオンサイトiRONNA(2017年11月)
・週刊Flash(2017年1月)
・Palm Magazine(2010年)
・大相撲ぴあ(2015年12月)
・静岡新聞(2015年10月)
・SBSラジオ(2017年3月)
 への寄稿など多数。

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*はアットマークです。

【Ustream】
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