幕下相撲の知られざる世界

名古屋場所の魅力。レストラン「オリンピア」で生身の力士に会おう。

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地方場所は、楽しい。

東京住まいの私としては、名古屋場所も大阪場所も九州場所も実に魅力的だ。

まず、その地方に行くこと自体が楽しい。もしかすると相撲観戦というよりは旅そのものを堪能しているのかもしれない。

新幹線に乗る。

風景が変わる。 弁当を食べる。 静岡が意外と長い。

その時の自分によって旅のプロセスは変化する。寝ている間に目的地に到着することも有るし、取組について考えている間に到着することも有る。過程を楽しむ時も、気が付いたら何事も無い時も有る。それでいいと思う。

そして、ターミナル駅に到着してから会場に到着するまでが楽しい。

新大阪から地下鉄に乗る。 名古屋から地下鉄に乗る。 博多から迷路のようなバスターミナルに惑わされた末に、バス停を見つける。

そう。徐々に近づく高揚感がまた良いのだ。

そして、到着してからが良い。

地方場所は相撲専用の会場ではなく、体育館を使っている。国技館は相撲を観るのに文句の付けようのない環境だ。それは地方場所を経験すると更によく分かる。

どこから見ても、不便に感じることは無い。お土産も食事も充実している。そして、12000人近い観客と興奮を共有出来ること。それらは国技館ならではのことだ。

では、地方場所は国技館より劣っているかと言えばそうではない。

会場は歪だが、ちょっとした不便さが有ることで発見が生まれたりもするし、歪さ故に周囲と仲良くなったりもする。歪さが逆にスパイスになることも有るのが面白さだ。

力士弁当が無くても、それほど期待せずに購入した幕の内弁当が意外なほど美味しかったり、その土地の名産品の美味しさに期せずして触れることも有る。ちなみに私はこれで、梅ヶ枝餅を2日連続で食べることになった。

そして、地方場所は相撲専用会場ではないために、力士との距離が非常に近いことも特徴だ。

国技館では力士と近づくことも出来るが、自ら意識して距離を縮める必要が有る。だが地方だと会場の構造上、意識せずともそこに力士が居るのである。

土俵に上がるまでの通路や会場から控室までの導線となる道のりを観客と共有しているために、トイレに行ったりお土産を購入したり、会場に到着するまでのふとした瞬間、取組前後の力士と鉢合わせる。

私は力士のサインや力士との写真撮影に興味が殆ど無いので、距離の近さがそれほど魅力的だとは思わなかった。ファンサービスのためにキャラクターを保っている訳ではない、生身の人間としての力士が居る。そのことが新鮮だったのである。

力士だって人間だ。

携帯をいじる。 売店で買い物をする。 あくびやくしゃみもする。

そういう姿を身近に観られる競技が、他のどこに有るのだろうか。2か月に一度査定が行われ、成績に応じて立場が明確に変化する。力士とはそのような不安定で、気持ちの休まることの無い環境に身を置く存在である。畏怖もするし、尊敬もする。

そこにはテレビ向きのトークも、ファンサービス向けのキャラクターも無い。ただの力士であり、ただの若者だ。だから、私はアスリートでも男芸者でもない、本当の力士に触れられたことが嬉しく、新鮮だったのだと思う。

もし地方場所に行ったことが無い方は、一度は足を運んでほしい。大相撲人気はさらに過熱し、チケット入手は困難を極める実情ではあるが、地方場所だからこそ味わえる満足は間違いなく有る。

そして最後に、名古屋場所ならではの楽しみを紹介したい。

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記事カテゴリ:
相撲文化
タグ:
料理は至って普通
生身の人間としての力士
国技館
レストラン「オリンピア」
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オリンピア
名古屋場所
地方場所

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