幕下相撲の知られざる世界

琴奨菊大関陥落と、閉塞感の打破。どちらを、望むのか。

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近年、大相撲人気が高まった一方で、大きな問題が解消されずにいた。閉塞感を打破できずにいたことである。

モンゴル3横綱。 そして、4大関。

大関は不調や負け越すことは有っても、彼らは常に相撲界の中心に居た。コンディションが良ければ、数場所は彼らに対抗することが出来る力士も存在した。嘉風や高安、琴勇輝がそれに当たるだろう。

だがその数場所が終わると、横綱大関と五分には渡り合えない。普段は不満を語られることの多い横綱大関ではあるが、トータルで見ると他の力士とは格が違う。この構図に割って入れたのは、数年間で照ノ富士ただ一人である。

相撲界の新たな中心人物は現れぬまま、白鵬を中心にその脇を固める布陣すら変わらぬまま数年が経過すれば、閉塞感が生じるのは当然のことだ。年齢を重ねながら、円熟味を増すとともに更なるレベルアップを重ねる姿は確かに素晴らしい。だが、変わり映えが無ければその素晴らしさを感じることは難しい。人は素晴らしさに慣れる生き物だ。素晴らしいことは分かっていても、大きな枠で同じであれば飽きてしまう。理屈で素晴らしさを捕えようとしても、感情を理屈で封じ込めることは出来ない。贅沢な閉塞感は、こうした慣れが生み出したものである。

ただ、今場所はその構図が崩れるかもしれない。そう。琴奨菊が大ピンチなのだ。

琴奨菊はご当地の九州場所で負け越し、大関の地位を賭けた初場所ではここまで4勝7敗だ。あと1つ負ければ大関陥落、翌場所で10勝以上を挙げなければ大関昇進を賭けてゼロから再出発せねばならない。

琴奨菊は確かにカド番の多い力士でも有るし、2桁勝利も大関の中では少ない部類に入る力士だ。それでも、長期的な成績で彼を上回る日本人力士は、稀勢の里ただ一人だ。

大関としてのここまでの勝率は、5割6分。ハチナナならば5割3分、クンロクならば6割。ハチナナとクンロクの丁度間くらいの成績である。クンロクというと大関の割に成績が振るわないことを揶揄する言葉のように捉えられがちだが、ご存知の方も多いように歴代大関の平均成績は丁度6割。つまり、クンロクである。なお、過去に算出した大関の平幕に対する勝率は7割5分、そして小結と関脇に対する勝率は6割だった。

平幕からすると、仮に平均的な大関が4人居るならばその時点で直接対決の期待値は1勝3敗。横綱が3人居れば1つ勝てれば御の字。3横綱4大関という構図だと、2勝5敗ならいい方、1勝6敗なら普通、場合によっては7敗ということさえも有る。

琴奨菊は、平均的な大関と比較すると少し成績は低い。横綱や大関が多いと、大関自身も成績が低下しやすいことになる。琴奨菊の成績が平均より下なのは、こうした事情も影響していると言えよう。

ただ関脇以下の力士からすると、頭痛の種であることは間違いない。大関が一人番付に君臨すると、それだけで成績が低下することがお分かりいただけたと思う。

横綱と大関が多く居れば、それだけ他の力士が台頭しづらい。つまり、誰かが陥落しなければ閉塞感は生まれやすいことになる。琴奨菊とは、閉塞感を産み出すことが出来るだけの実力者だったわけである。

琴奨菊が仮に大関の地位を守れなかったとしたら、閉塞感を産み出した構図が崩れることになる。それでも横綱大関が6名というのは関脇以下からすると多いが、勝てる確率が低い力士が一人減ると成績が伸びる確率も高くなる。新たな力士が台頭する期待値は高まるのだ。

しかし、私は琴奨菊の大関としての地位が危うい今、別のことを考えていた。大関としての琴奨菊を、失いたくないのである。

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記事カテゴリ:
大関
タグ:
カド番
大関陥落
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失いたくない
閉塞感
琴奨菊

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琴奨菊大関陥落と、閉塞感の打破。どちらを、望むのか。

さすがにこの内容の琴奨菊を見れば、そうも思いたくなります。
感傷的にもなります。察してください。分かってください。そして、もう一度読んでみてください。

琴奨菊大関陥落と、閉塞感の打破。どちらを、望むのか。

いや、そんなセンチメンタルにならなくても、来場所琴奨菊が10勝以上すれば大関に復帰できるから。
でも先場所と今場所の琴奨菊の相撲を観ると、来場所10勝以上できるとは思えない。
同じ昭和59年生まれだが、次の大関を狙う玉鷲に敗れて大関陥落が決まったのが、新時代の誕生を象徴している。
ご心情お察しします。

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