幕下相撲の知られざる世界

今一番視聴率が取れる国内スポーツは、相撲である。相撲が変わらずに数字を獲れる理由を今、考える。

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今日ツイッターを観ていると、面白いデータを目にした。1月の大相撲14日目の視聴率が、22.1%を記録したというのだ。

大相撲14日目の週の視聴率はこちら

それ自体に特に驚きは無いのだが、驚きはそれ以外の視聴率だ。 なんと、サッカーアジアカップよりも、錦織圭の全豪オープンよりも数字が高いのである。 今日本で一番数字が取れるコンテンツはサッカー日本代表だと認識していた私にとって驚き以外の何物でもなかった。

では、この数字はどの程度のものなのか。2014年のスポーツ視聴率を調べてみると、更に面白い結果が待っていた。22.1%を超える視聴率を記録した競技が、なんと3つだけだったのだ。

・サッカー(W杯 コートジボワール戦:46.6%) ・フィギュアスケート(世界選手権:23.0%) ・駅伝(箱根間往復大学駅伝競走復路:27.0%)

この3つを眺めてみると分かるのが、サッカーとフィギュアは国際大会であり、そして駅伝はあくまでも年に一度のお祭りだということだ。つまり、国内で完結するリーグ戦でこのような水準の視聴率を叩きだすコンテンツは皆無なのである。

国際大会や年に一度のお祭りではなく、日常の興行として安定して数字が取れる日本で唯一のスポーツ。それが相撲なのである。確かに相撲は面白いし、その魅力を伝えるためにこのブログを継続してきた。だが、相撲は今現状でもう十分に凄いのだ。

しかし国内リーグが価値を失って久しい今、相撲だけが数字を保てているのは一体何故なのか。それは、スターが変わらずに国内で輝きを放てているからではないかと思う。

考えてみると1995年前後を境に、日本に於けるスポーツの勢力図は一変した。国内から国外へ興味がシフトしたのである。野球では野茂英雄がドジャースに移籍し、サッカーのカズがジェノバに移籍したのがこの頃だ。国内リーグが競技の最高峰ではなく、より高いステージが存在している。それ自体は誰もが知っていたことだったのだが、最高峰に日本人が挑戦する。そちらの方が魅力的に映るのは仕方が無いことなのである。

それでもONと共に育った世代はプロ野球を支持し続けたが、イチロー松井のメジャー移籍が決定打となり視聴率は下降の一途を辿り、地上波での中継は削減に削減を重ねた。毎日視聴率20%を叩きだしていた巨人戦でさえ地上波での中継はなんと5試合。このような時代なのだ。

いくらサムライジャパンで4番を任される中田翔が凄くても、海の向こうを見ればメジャーリーグでオールスターに選出され、サイヤング賞候補に挙げられるダルビッシュ有が居る。国内でのスターはスターに違いないが、それ以上のスターは既に存在している。そして、そのスターが主戦場としているメジャーリーグは日本人選手が少なく、ドラマが共有されにくいので国民的なコンテンツにはならない。野茂が居た頃のドジャースの選手:ピアザやモンデシーのストーリーは覚えたし、中田が居た頃のペルージャの選手:ラパイッチやマッツァンティーニのことは覚えたが、移籍などが多く、チームとして感情移入はしづらい。更に言えばダルビッシュは国内に居ないので、観たくてもテレビ中継になってしまう。情報は得られるのだが、遠いのである。

相撲は、大相撲が世界最高峰のリーグである。そして2015年の今も尚、横綱の価値は保たれている。

徹底して国内に拘り、時代が変わっても変わらずに2か月に一度相撲はやってくる。テレビを付ければ相撲を誰もが見られるし、見れば必ず面白い。時代の変化で人の興味は移っても、相撲に関わる一人一人の努力は変わらない。そしてその努力を続けた人間の頂点に居るのが横綱で、彼らが相撲の強さを体現する。そういう有名無名の全員の努力の結晶こそが、今の相撲の評価に繋がっているのではないかと私は思う。

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データ検証
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