幕下相撲の知られざる世界

土俵態度が物議を醸す白鵬。偉大過ぎる人間:白鵬の影が批判を許さぬ今、横綱審議委員会の真価が問われる。

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白鵬の土俵での態度が物議を醸している。

ダメ押し。 懸賞金の取り方。

ダメ押しについてはそもそもあれをダメ押しと 表現することは人によって意見が別れるところではあるが、 態度が悪いと一定数の方が思っていることは事実である。

例えばこれが初めてのことであれば今回の押しも 事故のような扱いを受けるはずだが、 多くの方が問題視するのはつまり、 こうした態度が頻繁に見られるからである。

ファン心理として、普段の行いに対する信頼が置けないとなると 何か際どいことが起こればそれを問題として捉える傾向に有る。 例えばそれが実際のところ合理的であったり、 理由が有ったとしても、そこに理解を示すことが出来ない。

カチ上げ。 張り手。 立ち合いの駆け引き。 土俵入りのアレンジ。

残念なことではあるが、最近の白鵬の土俵での態度は 全てを正当化することが出来ないほど荒れているのが事実だ。

だが、表立って彼を批判するメディアは存在しない。

朝青龍や現役晩年の貴乃花に対して、 メディアは容赦無かった。 確かに彼らの行動は問題も有った。 だが、それは別に良いのではないか?ということでさえ 彼らは紙面で批判を重ねた。

恐らくそれは、世間的に叩いて良い空気だったからだ。

朝青龍の態度は誰が見ても問題だったし、 貴乃花については家庭内で問題が山積していた。 それは誰もが知るところであった。

しかし白鵬の場合は、そうではない。 恐らくそれは、これまでの偉大な実績に対して 良くも悪くも敬意を表しているからであろう。

そして何よりその心理を決定的なものにしたのが、 先の会見拒否である。 我々は人間:白鵬を大いに誤解し、 そして本当の理由を知り、誰もが反省した。

良き人間としての白鵬は、あまりにも偉大過ぎるのだ。

だがそんな偉大な白鵬と、土俵上で態度の悪い白鵬は同一人物である。 そこに我々は戸惑うのだが、偉大過ぎる白鵬の影が批判を許さない。 不満を抱えていながら、誰もそうした声を代弁してくれないので 荒れるのはツイッターだけ。

その声は、白鵬に届くことは無い。 私はこれほど不幸なことは世の中に無いと思う。

どこの世界でも同じなのだが、立場が付けば 意見してくれる者は居なくなる。 あとは自分で気付くしかないのである。

悪いものを悪いと言える人が、白鵬が偉大過ぎるために 身近なところに存在しなくなっている。 相撲協会も様々な行動について強く声を出せずにいるし、 メディアも視聴者の顔色を伺うため、 多くの方が共感しない可能性をはらむ大横綱批判が出来ずにいる。

しかし大相撲の世界には、このような危険性に 歯止めを掛けるためのシステムが存在している。 そう。 横綱審議委員会である。

私は今こそ横綱審議委員会が立ち上がる時だと考えている。 そもそも横綱に物申すというのは、大きな責任を伴う。 相撲界で頂点の力士に対して、相撲とは関係無い者が監視するのだから。

お前は一体何様なんだ? 偉い相手に正論でやり込めて、悦に入りたいだけじゃないのか? そういう損な立場なのだ。

だからこそ、社会的にステータスの有る方だけが、この役割を果たせる。 大新聞の社主や大臣クラスの政治家、映画監督や伝統芸能の家元クラスが 横綱審議委員に成れるのは、こうした理由からである。

相撲を愛するのであれば、今の白鵬の孤独を救うためにも 大横綱に対して一言物申す気概を見せてほしい。 それが横綱審議委員たる彼らの存在意義である。

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記事カテゴリ:
相撲議論
タグ:
横綱審議委員会
ダメ押し
白鵬

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この記事へのコメントコメント一覧

「土俵態度が物議を醸す白鵬。偉大過ぎる人間:白鵬の影が批判を許さぬ今、横綱審議委員会の真価が問われる。」へのコメント

初めまして、コメント失礼致します。
確かに白鵬の土俵上での態度と言いますか、そりゃダメでしょ?と思わせる事がありますね。いつも思ってました。懸賞金の受け取り方…何ですか、あれは。昨日の豪栄道はきちんと受け取りましたよ。
そして昨日の豪栄道との一番。豪栄道は支度部屋で「横綱は張ってからまわしを取りにくる」と言ってたそうですが、そのまんまの取り口。対戦後の豪栄道の左頬は真っ赤に手形がついてましたよ。
もう少し、土俵上でも横綱としての威厳をみせてほしい、そう思いました。

土俵態度が物議を醸す白鵬。偉大過ぎる人間:白鵬の影が批判を許さぬ今、横綱審議委員会の真価が問われる。

>そして古くは相撲は神事であったのかもしれませんが、
>それは日本人のみの価値観であって外国人に門戸を開いたなら
>それを徹底すべき、そうでないなら相撲は格闘技に近いものだ
>と認識すべきだと思いますよ
>どちらも曖昧にして日本人の価値観のみで相撲を語り、
>その所作で力士にのみ文句言うのは愚かではないでしょうか?

外国人に門戸を開いたとしても、
彼らに相撲の価値観の教育を徹底すればいいだけの話です。

あなたの言うことが正しいならちょん髷を結う必要はありません。
白鵬が「白鵬翔」を、日馬富士が「日馬富士公平」を、
鶴竜が「鶴竜力三郎」を名乗る必要もありません。
懸賞金を受け取る直前に、手で「心」と書く必要もないし、
木村庄之助が「差し違えの際には切腹覚悟」という由来で
常に携えている脇差もまったく必要ありません。
刃物なんてむしろ物騒なんだから廃止すればいい。
そして、堂々と女性を土俵に上げればいい。

しかし、たとえ外国人であっても日本名を名乗らせ、
たとえ時代錯誤であっても切腹用の脇差を携える世界なんです。
大銀杏を結う伝統も、土俵上に塩をまく習いも、
すべて神事であることを指しています。

女人禁制の土俵について、女性の権利団体が文句を言いますか?
絶対に言いませんよ。
だって相撲は神事なんだもの。
懸賞一本ごとに出される広告をラウンドガールが掲げますか?
そんなもの、女性のほうから願い下げでしょうね。
だって相撲は格闘技じゃないから。

Re:土俵態度が物議を醸す白鵬。偉大過ぎる人間:白鵬の影が批判を許さぬ今、横綱審議委員会の真価が問われる。

最初にコメントした者ですが、ネットは所詮ネットなんですよ
匿名性が強い弱いなんて問題ではありません、結局は顔が見えないんですから…

そして古くは相撲は神事であったのかもしれませんが、それは日本人のみの価値観であって外国人に門戸を開いたならそれを徹底すべき、そうでないなら相撲は格闘技に近いものだと認識すべきだと思いますよ

どちらも曖昧にして日本人の価値観のみで相撲を語り、その所作で力士にのみ文句言うのは愚かではないでしょうか?

そして白鵬の土俵での態度ですが私は許容範囲内と思っています、がその辺りは価値観の違いなので問答は無用かもしれませんね

土俵態度が物議を醸す白鵬。偉大過ぎる人間:白鵬の影が批判を許さぬ今、横綱審議委員会の真価が問われる。

まったくもっておっしゃる通り。

白鵬は土俵外の態度に特に問題を感じませんが、
土俵上での態度はそのほか大勢の力士に悪い影響を与えています。

その最たる例が、張り差しです。
張っておいてから差す、という取り口は本来、弱者のとる相撲。
そのうえ白鵬の張り手は、むしろ横殴りのビンタになっており、
横綱でもやっていい、という不文律が新たに出来てしまったのか、
日馬富士も鶴竜も、横殴りのビンタをこぞって真似ています。

大砂嵐のかち上げもほぼエルボーバット。
稀勢の里が「ケンカじゃないんだから」と批判したのも頷けるほど。

頂点に立つ人間のふるまいを、特に本来の横綱像を知らない外国人力士が真似始めている。

また、懸賞金の取り方もおっしゃる通りひどいものです。
横綱戦の懸賞金というのは、もし横綱を破ったらご祝儀を、
という挑戦者に対する期待がこもったお金。
もちろんその見返りに広告を出すことができるわけですが、
これを単なるスポンサー料と受け止めてはいけません。

よって横綱が勝って受け取るときは、その意味合いをしん酌して
謹んで受け取らなければならないはずです。
それが、神事として、神様の前で皆を代表して相撲を取る者の
本来あるべき姿だと思います。

横審もそうですが、まずは相撲ファンの認識から。
そして相撲ファンにとって最も重要な窓口である相撲解説者が、
その先鞭を取るべきと思います。

北の富士ならモノ申せるはずなんですけどねえ。
べた褒めですもんねえ、、、残念なことです。

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