2007年05月18日
動かずに後手を踏ませる
「後手を踏む」という言葉がある。 碁や将棋などで手を打つ順番があとになること。敵や競争相手に先を越されることと辞書には書かれている。 昨日の千葉ロッテ対西武。 2-1西武1点リードで迎えた6回裏の攻防は、それを感じさせる不思議な展開だった。 はじまりは、ロッテ竹原直隆のキャッチャーフライを西武細川享が落球した場面からだった。 マウンドには、ギリギリのところで、この回まで持ちこたえていたアレックスグラマン。 ここでボビーバレンタイン監督は、左腕のアレックスグラマンに対し、左打者の橋本将と塀内久雄をそのまま打席へ送った。 同点のチャンスのこの場面。 定石なら右の里崎智也や青野毅が代打で送られていたことだろう。 しかし、バレンタイン監督は、あえてそれをしなかった。 これが結果としてロッテに好転をもたらす事になるのだから野球は面白い。 橋本が倒れ、2死1塁に変わったが、続く塀内の打球はセンター左を破る同点2塁打。さらに2番堀が左翼線へ2塁打を放ち逆転。これが決勝打となった。 試合後、バレンタイン監督は「我々が勝利を掴もうと思い起用したまで」と言葉少なに、この場面を振り返った。 そこで、私の見解はこうだ。 バレンタインは、味方失策で動揺する相手投手グラマンをマウンドから下ろしたくなかったのではないか。 先ほども書いたが、この日のグラマンは毎回のように走者を出し、ギリギリのところで持ちこたえていた。 ここで、橋本、塀内をベンチに下げ、里崎、青野を打席へ送っていたら、間違いなく西武ベンチは右の長田、もしくは岩崎を投入していただろう。 リフレッシュされた長田、岩崎と勝負するより、多少なりの動揺を残しているグラマンを、マウンドに残す事で逆転の糸口を見出したかもしれない。私は瞬時にそう考えた。 動かないことで、相手ベンチにも動かせない。 西武ベンチは己の意思とは関係ないところで、自然と後手を踏まされていたのかもしれない。 ロッテには、バレンタインが信頼するポール・プポを中心とする統計アナリスト部隊が存在する。バレンタインは彼達から上がってくる様々なデータを信頼し、時折、われわれ日本人が考える定石を覆す起用法を仕掛けてくる。おそらくこの場面も何らかの根拠があったに違いない。 結果的に「動かない」という作戦をとり、相手を後手に回らせたバレンタイン監督。これこそがボビーマジックといわれる所以なのかもしれない。 この勝利で西武3連戦を2勝1敗で乗り切り2位を死守したロッテ。 首位福岡ソフトバンクが破れたことで、再びゲーム差を2に戻した。 来週からは2年連続優勝を果たしている交流戦へ舞台が変わる。 ロッテ、西武にとって、この1戦が今後どう左右するか興味深く今後のペナントを見守りたい。
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posted by 永田遼太郎 |10:38 |
千葉ロッテマリーンズ |
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