2007年05月16日

新たな名勝負の予感

松坂大輔がメジャー初完投勝利を飾ったその日。
日本では、彼の頼もしい後輩2人が見ごたえ十分の投手戦を展開した。
マリーンズ成瀬善久、ライオンズ涌井秀章がプロ入り後、初めて投げ合う事になった昨日の横浜高OB対決。
立ち上がりこそ得点を許した両者だが、その後は走者を出すも、粘り強い投球を続け、相手打線に得点を許さなかった。

「勝負どころで良いコースに投げられた」とは昨日、無傷の4勝目をあげた成瀬。
2回にGG佐藤に本塁打を浴び1失点を許したが、3回以降は「(西武戦は)前にも抑えているし、自信もあった。気持ち的には楽しんで投げれたと思う」と本人が言うように、ピンチにも動じることがない完璧な投球だった。
個人的に苦手にしていた相手主砲カブレラとの対戦では、2三振を含む3打席無安打に封じた。
これで西武戦は今季3勝目となるが、回を追うごとに自信を深めている様子だ。

一方、敗れた涌井は初回こそ2失点したが2回以降は立ち直り、今季、西武を引っ張るエースの意地を見せた。
1点も許すことが出来ない7回の1死3塁、8回の2死2塁のピンチでは、冷静かつ大胆な配球で相手打者を封じた。この場面の緊張感は本当にしびれた。今季ここまで6勝をあげ、ハーラートップを走るのはけっして伊達じゃない。

対照的だったのは、試合後のふたりのコメント。
勝った成瀬は「負けてはいけないというのがあって、最初は緊張した」と後輩の存在を意識したことを漏らしたが、一方の涌井は「特に意識はしなかった。成瀬さんはコントロールが良かったですね」とだけコメント。
初回の失点についても「いつもより練習あがりが遅くなって、試合前にバタバタしてしまった。完全な準備不足ですね」と淡々と振り返り、いつもの調子だった。

逆に成瀬は、プロ入り後、後輩涌井に出遅れてしまった分、特別な思いがあったのだろう。
試合後、高校の恩師である小倉清一郎前部長が成瀬の祝福に訪れると、感極まったか、うっすら目に涙を浮かべていた。

成瀬が、高校時代に行った左肩手術のリハビリに励んでいた今から3年前。
高校の後輩、涌井はルーキーながら、先発ローテーションの一員に加わっていた。

昨年も2ケタ勝利をあげた後輩と比べて自分は、一軍ローテーション入りを果たすもわずか5勝。
走り続ける後輩の姿を遥か遠くに感じるときもあった。
プロの実績では上回る後輩を指して「向こうの方が先輩ですよ」と謙遜したが、肩を並べて投げ合えた昨日のゲームは、これまでの想いを全てぶつける絶好の舞台だったはずだ。

西武戦にめっぽう強いことを記者団に問われると「たまたまです」とここでも謙遜。敵将の西武・伊東勤監督も警戒を強める存在であることは確かで、今後、成瀬対西武打線でどのようなドラマが生まれていくか楽しみだ。

成瀬善久と涌井秀章。
ポスト松坂を担う2人が再び投げ合う日は、いつになるだろう。
ふたりが今後、良きライバルとして、互いに成長していくことは間違いない。
平成の日本プロ野球に、新たな名勝負が生まれそうな予感だ。

※本日、スポーツナビで連載中のコラムがアップされました。
こちらもぜひ!!
ヤングレオの雄叫び 第5回 窮地を救え白馬の騎士

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posted by 永田遼太郎 |12:36 | 千葉ロッテマリーンズ | コメント(0) | トラックバック(0)
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