2008年09月20日
今年のドラフトの目玉の一人である社会人の田沢投手が先日、メジャー挑戦を表明しました。
これまでも日本のプロ野球を経由せずに米国で挑戦する選手は何人かいましたが、ドラフト1位候補がそうするのは初めてのことではないでしょうか。いわゆる〝プロ野球飛ばし〟の端緒となりそうな予感がします。
日本のプロ野球界にとっては由々しき事態ですが、田沢投手の決断そのものに問題があるわけではありません。日本ではこの件に関してプロとアマで協議が始められるようですが、慎重にことを進めるべきでしょう。
今後、無秩序にMLB側の球団関係者が日本のアマ選手と接触すると、以前に起きたような裏金問題が再発しかねません。ですので、これへの対処は必要ですが、それはあくまで「日本のアマ球界」と「MLB」間の課題であって、「日本のプロ野球界」は直接的には関係がありません。
それに、すでにプロ入りしている選手はともかく、アマ選手にまでプロの論理を押し付けるのは明らかにおかしいことです。基本的人権のひとつである「職業選択の自由」を抑えてまでドラフト制度が認められるのも、あくまで当人がそのリーグへ入ろうとしたときのみです。
問題は、日本選手の海外流出にあるのではありません。それは日本のプロ野球界にとっての問題でしかなく、より根本的には有望新人選手の争奪戦が国際間で起きてしまうことの方が大きいはずです。
無秩序なスカウト行為は不正や契約金高騰などの問題を引き起こしかねないため、どの国の球界にとっても好ましくありません。それを回避するためには、確かに日米での協調が必要です。
最も手っ取り早いのは、日本の高校野球のように、本人にプロ野球志望かMLB志望かを正式に書類で提出してもらうことです。その上でドラフト指名を受けるというのが一番わかりやすいかもしれません。
反対に、とりあえず両リーグでドラフト指名を受け、両方の交渉権を獲得した球団の話を聞いたうえで最終的に本人が判断する、という形もありでしょう。
いずれにせよ、MLBの側も日本人選手をドラフト対象にするということです。これは他のプロリーグであるNBAなどでは当然のことですから、MLBの対応が遅れていると言えなくもありません。
プロ選手にとってのFAやポスティングとは性質が異なります。決めるのはアマチュア選手の側だという大前提は守ったうえで、NPBとMLBの双方が納得できる制度を打ち立てるのがベストだと思われます。
posted by narukami |15:03 |
野球 |
2008年09月06日
サッカーW杯最終予選の初戦が迫ってきました。数年前から何かと因縁のあるバーレーンとアウェイでいきなり対戦します。
肝心の日本代表ですが、ここのところ調子がよくありません。長時間移動の疲れと時差ボケのあるウルグアイ代表に攻守両面で完敗し、先日は大学生相手に零封されて負けてしまいました。
岡田監督は練習試合だから関係ないと強がっていますが、通常A代表が学生チームを相手に完敗するというのは有り得ません。これは、チーム状態の悪さを物語っていると考えて差し支えないでしょう。
気にかかるのは、ここ最近強烈なプレッシングサッカーを志向していることです。それ自体が問題というわけではありませんが、それがまったくうまくいっていません。
プレスというのはリスクもあって、相手からボールを奪えればいいものの、かわされると危険な状態に陥ります。人数をかけたプレッシングなら、なおさら自分たちから相手にスペースを与えてしまう危険性があります。
どうも今の日本代表は組織としてのプレスがまったくうまくいっていないようなので、非常にリスクが高いと思えてなりません。
もうひとつの懸念材料は、以前から戦術が一定しないことです。攻撃面では前線へシンプルにボールを当てることを目指していたかと思いきや、ポスト役の選手を代表へ呼ばずにまったく違う攻撃の仕方をしようとしたりしています。
守備面でも、当初はオシム前監督のやり方を引き継ぎ、マンマークの単純なディフェンスをしていましたが、その後組織的な守備に切り替え、そして今度はご存知のとおり激しいプレッシングをするように変わってきました。
岡田監督自身、まだ試行錯誤の段階なのでしょう。しかし、それだけにもう本番が始まってしまうことに一抹の不安があります。
今回はアウェイでの初戦です。この試合は無理をしてまで攻めるのではなく、ある程度は現実的な戦い方が必要なのではないでしょうか。
バーレーンは難敵とはいえ、日本が本来の力を出しきれば必ず勝てる相手です。がむしゃらなプレッシングをして体力をいたずらに消耗したり、守備のリスクを負ったりすることは避け、なんとなく漂う嫌な予感を是非とも払拭してほしいものです。
posted by narukami |19:51 |
サッカー日本代表 |
2008年09月03日
高野連が興味深いデータを公開してくれているので、それをまとめてみました。過去25年間の登録部員数の総計についての表です。
これを見ればわかるとおり、硬式野球に関しては平成3年をさかいに一時は減少に転じたものの、その後は増加の一途をたどり、全体としても基本的に右肩上がりに増えています。
野球人気の低下や少子化の影響が叫ばれていますが、現実には少なくとも高校野球の分野では競技人口が確実に増加しているのです。最も古いデータの昭和57年と比較すると、実に5万人以上もアップしています。
この数字に驚かれた方もいるのではないでしょうか。最近はスポーツの分野でも多様化が進み、またそれ以外の娯楽も数え切れないほどあります。こうした状況下で昔から人気のあるジャンルがそれを維持するというのは、本来、非常に困難なことであるのに、高校野球は逆に人気が高まっています。
最近の甲子園を見ると、観客の入りも上々のようですから、けっして選手にだけ支持されているというわけではないでしょう。野球人気は今も健在なのです。
前々から、マスコミが〝野球人気の低下〟というテーマを煽りすぎている感はありました。というよりも、それ自体をネタとしてわざと騒いでいるように思えてなりません。
ただ、もうひとつの高校野球、軟式のほうでは、登録選手数は減少の一途をたどっています。
この原因はよくわかりません。単に軟式野球の人気が落ちてきたのか、それとも高校生たちが「どうせやるなら硬式野球」と考えるようになったか、いずれにせよ今のまま下降を続けるとかなり厳しい状況になりそうです。
とはいえ、元から硬式野球とは文字どおり競技人口の桁が違いますから、これをもって高校野球の人気低下を指摘することはできないでしょう。数字の面からも、高校野球が特別な存在であることがよくわかると思います。
それだけに、昨今さまざまな問題を抱えている高校球界を、少しでも早く改善していってほしいものです、選手たちのためにこそ。
posted by narukami |23:31 |
野球 |
2008年09月02日
チェルシーへ移籍かと騒がれていたレアル・マドリーのロビーニョが、なんとプレミアリーグ史上最高額の移籍金でマンチェスター・シティ(マンC)へ売却されました。
単にマンCの提示額がチェルシーのそれを上回っただけかもしれませんが、このレアル・マドリー側のやり方を「えげつない」と感じるかもしれません。
クラブ側が移籍はないと明言しているのに、強硬にチェルシーへの加入を希望するロビーニョやチェルシー・サイドへの報復の意味合いも含まれているのでしょうが、私はこれでいいと思います。
プロの世界は遊びではありません。一人のわがままが、チーム全体をおかしくすることもあります。契約途中なのにゴネる選手や、交渉の余地はないのに執拗にプッシュしてくるクラブには、時には厳しい態度で臨むことも必要です。
ある意味、こういった交渉ごとも勝負の世界です。日本のクラブはこの点でかなり甘さがあって、横暴ともいえる選手の行為、特にブラジル人のそれを黙認してしまうこともままあります。
今後はヨーロッパのクラブを見習って、海外の選手やクラブからなめられない、クラブとしての強さを持ってほしいと思います。
posted by narukami |10:27 |
サッカー |
2008年09月01日
野球ファンなら、「ジャイロボール」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。しかし、具体的にそれが何なのかという話になると、ほとんど誰も正確に答えられません。
ネットで調べてみてもまとまった情報がなく、素人が知ったかぶりをしているとしか思えないようなものや、選手が経験上語っているものしか見当たらず、情報がかなり錯綜しています。
もっと科学的な根拠に基づいたものはないないものかと探してみたら、ありました。空気力学の専門家である姫野龍太郎博士が、インタビュー記事で非常にわかりやすく説明してくれています。
http://www.athome-academy.jp/archive/mathematics_physics/0000000232_all.html
本当にきれいにまとめて説明してくれていますのでリンク先の記事を読めば十分なのですが、ここではさらに簡略化して書いてみます。
ジャイロボールとは、ボールの回転軸が進行方向にむいている〝変化球〟のことで、トレーナーの手塚氏が最初に命名したといわれています。
よくわからないという方は、回転するコマをイメージしてください。それを投げたとき、その軸が飛んでいく方に向いているということです。ちょうどドリルが対象をえぐるような感じですね。
しかしこのジャイロボール、実は二種類あります。「対称型」と「非対称型」です。
何についての対称・非対称かというと、進行方向から見たときのボールの縫い目です。これが左右対称だと「対称型」に、非対称だと「非対称型」になります(画像を参照)。
どちらも、空気の抵抗が小さくなるのでボールの速度が落ちないという特徴があり、これが魔球のきっかけになります。対称型の場合は、さらに抵抗が少ないため、速球以上のスピードで飛び、しかも急激に下へ向かって変化します(フォーク並み)。
一方の非対称型は、また少し異なります。縫い目が左右非対称に回転すると、対称型に比べて空気の抵抗が大きくなって速度はやや下がる(それでも速球並み)のですが、その分、下へさらに大きく落ちることになります。
ここまで読んで、ピンと来た方もいると思います。そうです、これは野球ファンにはお馴染みの、縦に変化する高速スライダー、いわゆる「縦スラ」のことです。
"私の見たところ、西武ライオンズの松坂投手が非対称ジャイロボールを投げています。まだ一般に「ジャイロ」という言葉が広まっていないので、解説者は「落ちるスライダー」といっていますが、あれはジャイロです。"
私自身、以前野球中継でスローのリプレイを見たとき、縦スラの回転がきれいなジャイロになっていたので、これがそうじゃないのかと思っていたのですが、やはり当たっていました。
ただし、「ストレートより速い」縦スラも、「フォークより落ちる」縦スラも、ほとんどお目にかかったことがありません。ということは、完璧なジャイロボールを投げることは相当に難しいのかもしれません。
ジャイロボールに関する情報が錯綜していたのは、正確な資料が少なかったことだけが原因なのではなく、おそらく「実は二種類あった」ということも影響していたのでしょう。また速球系の変化球であることも、ストレートの一種だとする誤解を招いたのだと思います。
これでやっとスッキリしました。ジャイロボールとは、二種類のパターンがある速球系の変化球だということです。名称自体が曖昧模糊としたところがあっていかにも魔球という雰囲気でしたが、わかってみると意外にシンプルでしたね。
posted by narukami |12:15 |
野球 |