2007年06月08日

8・9歳にシステムやポジションは決めて指導していますか? Part 1

ご意見箱にRONNIEさんから以下のような質問が届きましたので
ご返答させていただきます。

>私は8~9歳の指導をしています。教えて頂きたいのですが、
>U-9のレベルでもシステムやポジションは決めて指導されているのでしょうか。

【システムは3-2-1】
バルサスクールでは、6歳から11歳の子供たちが全員同じシステム3-2-1でプレーしています。そして、各ポジションに求められるプレーや動きなども小さい頃からドンドン教えていきます。

【3-2-1の理由、その1】
7人制フッボールのシステムには3-2-1以外にも2-3-1、3-1-2などが考えられます。その中でバルサスクールが3-2-1に統一しているのにはいくつか理由があります。
まずは、選手を育てる上でのバランスの問題です。2-3-1と3-1-2ではフォワードとサイドの選手とセンターバックがバランス良く育てられますが、中盤の真ん中の選手が一人だけです。それに比べると、3-2-1では2人いるので(スペイン人が大好きな)このポジションの選手を育てやすいです。

【3-2-1の理由、その2】
もうひとつの理由は、選抜チームによる遠征の存在です。バルサスクールでは、上手い選手を招集してトーナメント戦に出場する場合があります。その際に、全チームが同じシステムでプレーしていると、たとえ一度も一緒に練習せずに大会に参加しなければいけない場合でも、その選抜チームでも3-2-1システムを採用すれば問題なく機能してくれます。


【システムの練習方法】
時々ですが、練習の中で3-2-1システムに基づいた攻撃のパターン練習などをすることもありますが、システムに関するトレーニングは、毎週末に行われるリーグ戦の試合を通して行われていると言えるでしょう。試合の前やハーフタイムにコーチが小さなホワイトボードを使って子供たちに3-2-1システムに基づいたポジション取りをガンガン教えています。

【年齢とレベルと理解度の深い関係】
6歳や7歳でも、レベルの高い選手の中には、サイドチェンジの大切さやサポートの距離の保ち方などを理解する子供もいますが、普通以下の子供たちにとってはそこまではなかなか理解できないと思います。ただ、テクニックのレベルが低くなればなるほど、サッカーらしいことをするためにはスペースと時間がもっと必要になってきますから、団子状態にならないために、システムを明確に提示してあげて、選手間の距離感覚を教えてあげることは、とても大切なことだと思います。

【6・7歳の上手い選手たち】
春のポルトガル遠征に行った選ばれた子供たちは7歳でしたが、立派に大人顔負けのフッボールをしていました。つまり、この歳でもテクニック・フィジカル・知的理解度が高ければ、システムや戦術について十分成長が可能だということです。

【6・7歳の普通以下の選手たち】
思い通りにボールを蹴れなければ、システムも戦術もあったものじゃありません。しかも、ボールに全員が寄って行ってしまう傾向もありますから、無理やりシステムを教えるのではなく、楽しくサッカーに触れることを主目的にした方がいいと思います。

【8・9歳】
上手い下手に関係なく、戦術的にフッボールを理解できる年齢ですから、指導次第で団子サッカーからは容易に卒業できると思います。スペインには「フッボールは頭で考えるスポーツ」という考え方が浸透していますが、この年代からこの部分を強調して指導していると思います。理に適っていないプレーや状況判断ミスを嫌い、戦術的なアドバイスをガンガンして行きます。

【8・9歳の上手い選手たち】
この年代の上手い選手たちを集めてチームを作る場合は、大人と同じプレーと状況判断を求めても全く問題ありません。若いと言えども、例えば、ディフェンスラインでパスを回す意味をしっかり理解しながら彼らはしっかりとパス回しをすることができます。

【8・9歳の普通以下の選手たち】
例えば、テクニックのレベルが低くても「適切なパスコースを探してポジションを取る」という戦術的な部分は理解できます。もちろん、ポジション取りを誤ることも多々ありますが、過ちを指摘してあげると「あっ、そうだ!」と気づきます。(6歳だと気づかない子がほとんどです) 
そして、レベルが低いとは言え、8・9歳のレベルの低い子供たちのテクニックも6・7歳に比べたら高いですから、ある程度のフッボールっぽい試合展開が可能になります。子供たち自身もシステムに沿ってしっかりとポジション取りをしたらよりフッボールらしいプレーができることをしっかり理解できていますから、指導者としては、レベルの高い選手よりもレベルの低い子供に対してより多くの戦術的アドバイスをした方がいいと思います。別の表現をすると、「ドリブルで局面を打開できてしまうようなテクニックを持つ選手よりも、敵が近くに来たらすぐにボールを奪われてしまうような選手の方が戦術的な知識とアドバイスを必要としている」と言えるのではないでしょうか。

【10・11歳】
8・9歳の段階から更にステップアップした形だと思います。走るスピードが速くなりますから、必然的にプレースピードもアップします。そしてそれは、考えるスピードもアップしなければいけないことを意味します。また、パワーもついてきてロングパスもできるようになりますから、その分視野も広げる必要が出てきます。つまり、すべての部分でのレベルアップが必要になってくるということです。


長くなったので、ポジションについてはまた改めて書くことにします。


【関連記事】
ご意見箱
8・9歳にシステムやポジションは決めて指導していますか? Part 1
8・9歳にシステムやポジションは決めて指導していますか? Part 2

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posted by naoto |07:18 | バルサのスクール(普及部) | コメント(4) | トラックバック(0)
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Re:8・9歳にシステムやポジションは決めて指導していますか? Part 1

コメント投稿者ID :

僕も小さい頃から戦術的な要素を選手に伝えていくということには賛成です。恐らく日本の問題は、チーム内の選手のレベル差が激しいため(欧州のような育成システムでないため)指導者がどのレベルに合わせて指導したらよいかというのが難しいのだと思います。
あとは、やはり日本では、小学生の間は、自由にさせるべきとの指導者が多いのではないでしょうか?戦術的な指導は、チーム、そして個人がいあかに、持っている力を効果的に、そして、効率的に使うかということであり、サッカーには欠くことのできない要素だと思います。ある程度のボール扱いの技術が身についたなら、それを活かす方法を指導していくのは、指導者の大切な役目だと思います。

posted by かっつーぞ | 2007-06-08 07:49

Re:8・9歳にシステムやポジションは決めて指導していますか? Part 1

コメント投稿者ID :

こんにちは

>>>日本では、小学生の間は、自由にさせるべきとの指導者が多い

そうだと思います。
でも、これはおかしいと思います。

自由と言いながら、指導者は試合中に絶えず声を発しています。
それに、ルールがある中での自由は勝手ではない、という事は教えなくてはならないですから。

>>>持っている力を効果的に、そして、効率的に使うかということ

これはどうかなぁ。
夢中になっちゃう子は、FWからDFまでやっちゃうし、滅茶苦茶走ります。
この辺りは「自由」で良いと思いますけど。

簡単な戦術は、定石であって知ると知らないとでは大違い。でも、そこから逸脱するのは、全く構わない。
そういう姿勢で良いんじゃないでしょうか。

posted by こんち | 2007-06-08 15:57

Re:8・9歳にシステムやポジションは決めて指導していますか? Part 1

コメント投稿者ID :

ありがとうございます。
日本では団子サッカーをあえて子供たちに経験させることで、その中でドリブル突破の挑戦をしたり、スペースにボールを運ぶことを覚えたり、守備の必要性ややり方に気づいたりして、子供自身が自分でいろんなことに気づいていく中で、徐々にポジションやシステムを決めていく・・といったやり方が多いのではと思います。
でもスペイン(バルサ)でのやり方を教えて頂いて非常に勉強になりました。考えることができる年代になった早い時期から良い判断でプレイすることを積極的に指導していくことは大切だということですね。

posted by RONNIE | 2007-06-08 16:01

Part 2を書きました

コメント投稿者ID :

http://www.plus-blog.sportsnavi.com/naoto/article/94
Part2を書きました。

posted by 村松尚登 村松尚登 | 2007-06-08 21:32

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