日本はバルサを超えられる

「相手を騙す」ことをトレーニングしていますか!?

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久し振りにブログを更新します。テーマは、最近発見した「日本人選手に指導する際に注意すべき点」についてです。同じテーマについて先日Facebook上にて書いたところ、結構反響があったものですから、今回このブログにてもう少し掘り下げて書いていきたいと思います。

なお、以下の文章の中で、あえて「日本人選手」と記載しているのは、以下に書く内容が必ずしも僕が過去に指導してきた「スペイン人選手」には当てはまらない内容であり、「日本人選手特有」の内容だと感じているからです。

では、本題に入ります。



状況判断能力が乏しい日本人選手や、相手選手に簡単にインターセプトされてしまうようなバレバレのパスを頻繁にしてしまう日本人選手に対して「顔を上げて周りをしっかり見ろ!」とか「次のプレーを考えながらプレイしろ!」とか「誰にパスを出しているんだ!相手にパスを出すな!」とか「仲間だけじゃなく相手をしっかり見ろ!」とかいうアドバイスしてもなかなか効果が現れないことが過去に多々ありました。

で、そんな時に、以下のような「脳科学からのアプローチ」を悶々と考えたこともありました。

何故にパスを相手にぶつけてしまう!? Porque le das el pase al contrario!?

何故に相手にパスをぶつけてしまう!? 続編

ムーンウォークするクマさんから学んだこと

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こういったことを色々と考えながら指導していても、やはり相手選手に簡単にインターセプトされてしまうようなバレバレのパスを頻繁にしてしまう日本人選手を抜本的に改善することが僕にはできずにいました。

そんな時に、先日以下のような練習メニューを実験的にやってみたところ、あら不思議、ビックリするくらい効果があるじゃないですか!!

ーーーーーーー

【練習メニュー】
6対6のミニゲーム

【テーマ】
・相手を騙す
・次に自分がしたいプレイを隠しながらプレイする
・例えば、サイドにパスを出したければ、くさびのパス出すフリをせよ
・例えば、くさびのパスを出したければ、サイドにパスを出すふりをせよ
・例えば、シュートを打つフリをして、パス
・例えば、パス出すフリをして、シュート
・例えば、ロングパス出すフリをして、ショートパス
・例えば、パス出すフリして、ドリブル突破
・例えば、ドリブル突破するフリして、ヒールキックパス
・例えば、バックパスするフリして、前進
・例えば、前に行くフリして、バックパス

【特別ルール】
相手にバレバレのプレイをしてボールを奪われたら、相手にPKが与えられる。

【自分がコーチとして意識していたポイント】
ストップ・ザ・ゲームをほとんどせずに、プレイを流しながら、各選手の1つひとつのプレイに対して「あっ、騙せてるね!」とか「もうちょい騙せるんじゃね!?」とか「ナイスアイデア!」とか「おっしゃれー♪」とか叫び続け、プレイに対するフィードバックを選手たちに与え続ける。

【実際にプレイ中に出てきた現象(駆け引きが得意な選手編)】
・やはり上手く相手を騙せている
・相手を騙すための色々なアイデアが出てくる(=イマジネーション豊か)
・とても楽しそう

【実際にプレイ中に出てきた現象(駆け引きが苦手な選手編)】
・いつもは相手にバレバレのパスを出して簡単にインターセプトされているのに、そのような安易なプレイが激減した。
・いつもは次のプレイをイメージできずに場当たり的なプレイをして容易に相手にボールを奪われているのに、次のプレイをイメージしながらプレイできていた。
・いつもは足元のボールが気になってしまい視線が下がり姿勢が悪いのに、姿勢が良くなり、周りをキョロキョロ見ていた。
・いつもは自分の背後にいる仲間や相手を気にすることなくプレイしているのに、背後の仲間も相手も意識しながらプレイできていた。

ーーーーーーーーーーー

さて、この経験を踏まえて僕は以下のようなことを感じました。

相手選手に簡単にインターセプトされてしまうようなバレバレのパスを頻繁にしてしまうのは、必ずしもテクニックのレベルが低いからではなく、必ずしも状況判断能力が劣っているからでもなく、必ずしも相手が見えていないからでもないのではないでしょうか。

テクニックもある程度ある。状況判断能力もある程度ある。インターセプトを狙っている相手選手のことも実は見えている。しかし、「サッカーとは相手との駆け引きを楽しむスポーツ」だとか「サッカーは相手との騙し合い」という部分をしっかりと理解していないから「相手選手に簡単にインターセプトされてしまうようなバレバレのパスを頻繁にしてしまう」のではないでしょうか。

僕は今まで「状況判断能力(=戦術判断能力)」がサッカーの肝のひとつだと思っていましたが、どうやら「状況判断能力」というのは、いいプレイをするための十分条件ではないようです。必要条件ではある。けど十分条件ではない。そう思えて仕方がありません。

つまりは、「状況判断能力」よりももっと根本的な部分でサッカー選手としての質を分ける要素があるのではないかと。それが「相手と駆け引きをする(=相手を騙す=相手の裏を突く)能力」なのではないかと。

スペインで指導しているときは、決してこんなことを考えたことはありませんでした。ましてや「相手を騙さないとPK」というルールなんて思いもつかなかったと思います。だって、スペイン人の大人も子どもも誰もがみんな当たり前のように相手と駆け引きしながらプレイしているからです。

ひるがえって、日本で日本人選手を指導していると、「相手選手に簡単にインターセプトされてしまうようなバレバレのパスを頻繁にしてしまい、そして実際に頻繁にインターセプトされてしまう」という現象に毎日のように遭遇し、その部分を改善できずに苦労していました。

しかし、少し解決策が見えてきたような気がします。もう少し大袈裟に言うと「もしかしたら、今回僕はすっごい発見をしてしまったのかもしれない!」という感じでしょうか。ですので、ぜひこの想いと発想を多くの方々と共有したいと思い、久し振りにブログを更新してみた次第です。

みなさんのご意見をお聞かせ頂けましたら幸いです。m(__)m

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「相手を騙す」ことをトレーニングしていますか!?

日本で指導している分、その課題には早くから直面していて、今回掲載されている練習メニューを一度試してみようと思いました。


個人的にはムーンウォーク熊の脳科学に凄く勉強させていただきました。
読者のためになる素晴らしいブログだと思います。


私のチームでは、普通のゲームの中で、特別ルールを課す事なく、でもバレバレのプレーをしたらシンクロコーチングで選手に指摘しています。
判断を変える事を常に言っていて、ある程度の成果は出ています。
今回の記事で少し僕の指導法にも少し変化を加えてみます。

「相手を騙す」ことをトレーニングしていますか!?

日本で指導している分、その課題には早くから直面していて、今回掲載されている練習メニューを一度試してみようと思いました。


個人的にはムーンウォーク熊の脳科学に凄く勉強させていただきました。
読者のためになる素晴らしいブログだと思います。


私のチームでは、普通のゲームの中で、特別ルールを課す事なく、でもバレバレのプレーをしたらシンクロコーチングで選手に指摘しています。
判断を変える事を常に言っていて、ある程度の成果は出ています。
今回の記事で少し僕の指導法にも少し変化を加えてみます。

「相手を騙す」ことをトレーニングしていますか!?

初めてコメントさせていただきます。

騙すことを楽しめるようになれば自然と相手にとって嫌な選手になっていくのではないでしょうか。

相手の速さを消すには騙すことが一番大事だと思っています。
次のプレーを予測できるから相手は速く動ける。
そこで騙しが入ると自然と遅くなりますよね。

すごい大事な部分だと思います。

今度ゲームで試してみます!

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