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戦術ピリオダイゼーション的なテクニックの反復練習?

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一昨日、バルサスクールの練習において「戦術ピリオダイゼーション的なテクニック」の反復練習を試してみたのでご報告いたします。なお、これはあくまでも私の独断と偏見による戦術的ピリオダイゼーションの応用なので、正しいかどうかは定かではありません。



【テーマはインステップキック】
ここ数週間のバルサスクールの練習メニューのメインテーマは「インステップキック」です。そのため、練習の前半はインステップキックの反復練習が行われ、後半部分はいつもどおりにゲーム形式の練習が行われます。(※練習の後半部分は常にゲーム形式です)

【逆足でのインステップキック】
そして、今週の課題は「逆足のインステップキック」です。ミートポイントの確認や足首の伸ばし方と共に『逆腕の使い方』をしつこく指導しました。

【逆腕の使い方】
左足で蹴る時には右腕を、右足で蹴る時には左腕をまず斜め上(あるいは横)に鳥の翼のように広げ、バランスをキープします。そして、蹴る瞬間には蹴り足とクロスするように腕は斜めに動かします。この蹴り足と逆腕のクロスの動きが上手くシンクロすれば、かなりの確立で逆足でのインステップキックが上手く蹴れるようになります。

【戦術的ピリオダイゼーション的なテクニックの反復練習!?】
いつもであれば、この逆腕の使い方を私はかなり反復練習させるのですが、今回は少し違った方法でやってみました。目指すは「戦術的ピリオダイゼーション的なテクニックの反復練習」です。以下が、練習メニューです。

・10人を2チームに分ける(各チーム5名)
・Aチームの選手全員がゴールを守る。手は使えない
・Bチームの選手がひとりずつシュートを打って行く
・シュートを打ったら、ボールを拾い、列に並ぶ
・各チームの持ち時間は2分
・野球のように専攻と後攻に分け、9回まで行い、ゴールを足していく
・シュートは逆足のインステップキック
・コーチが選手がシュートを打つごとに逆腕の使い方をチェックし、上手くシンクロしていれば「BIEN!」と強く叫び、ダメな場合は「NO」と小さくささやく。また、シュートを打つ直前には「BRAZO!(腕)」とも叫ぶ
・シュートがゴールに入っても逆腕の動きが上手くシンクロしていない時はゴールは無効。つまり「逆腕を正しくシンクロさせる」というのがゴールを決める条件ということ
・そのシンクロが分かっていない選手には、攻守が代わるときにササッと教える。シュートをしている最中には教えない

【選手の反応は?】
で、この練習メニュー中の選手の反応は以下の通りでした:

・結構汗だく ※たくさん打ちたいため走って戻ってくるため
・ゴールの上の部分を狙う ※守備側は手を使えないため
・守備側はでっかくクリアーする ※球拾いにより時間が掛かるように
・強いシュートにも避けずにヘディングでクリアーする ※負けたくないから
・逆腕の使い方が嫌でも身に付く ※ゴールを決めたいから
・成功体験がたくさんある ※逆腕をしっかり使えたら強いシュートが打てるから

【練習後の選手の反応】
あまりにも盛り上がっていたため、予定通り9回までやったら、この練習メニューだけで練習が終了してしまいました。(苦笑)結果は42対42の引き分け。子供たちは気に入ったようで「またやろう!」と言っていました。

【練習効果を分析する】
スペイン人の子供は概して反復練習は好きではありません。得意ではない逆足のインステップキックのトレーニングとなれば尚更です。しかし、今回の“反復練習”には子供たちは興味を示しましたし『逆腕の使い方』も短時間に飛躍的に習得しました。何故なのでしょう?

【面白いと子供の脳が活性化する】
まず練習自体が面白かったことが重要です。子供はシュートを打つのが好きですし、勝敗を争うのも好きですから、こういうタイプの練習メニューは無条件で子供たちは好きなのでしょう。そして、面白ければ子供は集中し、そして脳は活性化していると思われます。

【脳が活性化していれば身体動作も身に付き易い】
そして、脳が活性化している状態であれば、身体動作の習得も促進されるのでしょう。何故ならば、身体動作の習得は単なる筋肉の問題ではなく、神経系と脳内の問題でもあるからです。

【手段としての動作習得】
また、今回の場合は「ゴールを決めたい!」という選手たちの意地や気合が「ゴールを決めるために意地でも逆腕の使い方を習得してやる!」という方向に知らず知らずのうちに働いたと思われます。つまり、動作習得自体が“目的”ではなく、動作習得が“手段”となっていたのです。

【テクニックはあくまでも手段】
戦術的ピリオダイゼーションのフッボール哲学においては『テクニックはあくまでも手段』です。ですから「反復練習で身に付けたテクニックを試合中に使ってみよう」という考え方はありません。その全く逆です。「試合で××が出来ていないから××を実戦に沿った形で反復練習しよう」という考え方です。

【戦術的ピリオダイゼーション的か?】
では、今回の練習メニューが完璧に戦術的ピリオダイゼーション的だったかというと、まだ私にはよく分かりません。ただ、子供たちが楽しみながら逆腕の使い方を素早く習得したことは間違いないので、効果的な練習メニューだったとは言えると思います。

どなたか戦術的ピリオダイゼーション的なテクニックの反復練習のアイデアが浮かびましたら、是非とも教えて下さい。みんなで有用な情報を共有できたら幸いです。

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戦術的ピリオダイゼーション理論とは?
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この記事へのコメントコメント一覧

戦術ピリオダイゼーション的なテクニックの反復練習?

村松さま

ありがとうございます。
PTPが少しわかった気がします。

村松様が言われているある特定の戦術的要素とは具体的にどういうものでしょうか?
攻守の切替を早くするというものでしょうか。
それとも、3-4-3のシステム的なもの
グループ戦術(ワンツーや3人目の動き、チャレンジアンドカバー)というようなもの

村松様が言われていたストリートサッカーから目的を明確にした練習メニューをよく考えています。
これにさらにPTPをとりいれたい。
相反することでしょうか?

発想として別物で、違う次元で考えた方がよいでしょうか?

オシム監督が試合後の改善を促すために試合のシチュエーションから無限に練習メニューが浮かぶと言ったことを思い出しました。

日本に帰られたとき、是非、PTPの講演をお願いします。
あまり遠いといけませんが、必ず参ります。

サッカークリニックに村松さんが載ってましたので、つい買ってしまいました。
村松教に入会してしまったかもしれません(笑い)

現在、2年生と6年生と中学生をみていますが、
2年生を団子サッカーから脱却する方法を書いていただけませんでしょうか?
絵を描いたりして
意識付けはできているようで、『団子になってる』と子供たちからちらほら声が聞かれるようになりましたが、まだまだです。

つかたろうさん、コメントありがとうございます

つかたろうさん、おはようございます。
コメントありがとうございます。

PTP(戦術的ピリオダイゼーション哲学)的かどうかは別として、とても素敵な練習メニューだと思います。特に“外野からのコーチング”が促進される部分はとてもいいですね。少しアレンジして、今度バルサスクールでやってみますね。素敵なアイデア、ありがとうございます!

さて、PTP的かどうかと質問されますと、私からの答えは 「NO」 ですかね。

まずは、改善したいポイントが

 > 試合中、ボール保持者に対してのサポートができていない。状況判断できない。タイミングがわるい。主体的に動けない。

なのに、

 > 1対1からスタートして、1対2、2対2、3対3をしていたのですが、、、、

という小から大へと試行錯誤している時点で、PTP的にはNGですね。PTP的な思考回路は常に「大から小」です。

つまり、11人から少しずつ人数を減らして行くことによって“プレー”の難易度を少しずつ下げて行き、「あともう少しでいい“プレー”ができる」というギリギリの“プレー”の難易度を探し出し、そのポイントから練習をスタートします。

しかも、練習メニューのシチュエーションが試合のシチュエーションに類似していればしているほど良いです。

また、つかたろうさんが提示して下さった練習メニューの中にも絶対に(戦術的な要素と密接につながった)テクニック的な要素も含まれているはずですよね!? インサイドのトラップとかパスだとか、、、、。
それはつまり、ある特定の戦術的要素をメインにトレーニングする過程においても、その戦術的要素と密接な関係にあるテクニック的要素とフィジカル的要素とメンタル的要素も同時に、しかも各要素間の密接した関係を維持しつつトレーニングされているということです。

ちなみに私であれば、同じ練習メニューを6対3くらいの人数から始めると思います。(スペースの広さは選手のレベル次第ですね)

つかたろうさん、今後ともよろしくお願いいたします。

戦術ピリオダイゼーション的なテクニックの反復練習?

いつも楽しく拝見しています。

まだ、戦略的ピリオダイゼーションを理解していないので、まちがっていたら指摘してください。

対象者 小学6年生

問題点
試合中、ボール保持者に対してのサポートができていない。状況判断できない。
タイミングがわるい。主体的に動けない。

テーマはボール保持者にどうサポートするか

練習のオーガナイズ

20m四方でゴールは二つ
10人ぐらいずつ、AとBチームに分ける。
コーチはセンターのコートの外に
こどもたちはコーチの両サイドに3名が待機。
コーチがどちらかのコートにボールをいれる。
入れた方のチームは3名が攻撃側となり、全員がパスをつねげないとゴールできない。
もう1チームは1名が守備をする。
コートの外にでたり、ゴールしたら終了。メンバーチェンジ。元の場所にもどる。たくさんゴールした方が勝ち。

但し、1名の守備側に待機している子供が自分の判断でボールがとれると思ったら、コートにはいってもよい。
1名でも2名でも可。カバーリングのためなら、不可。

もし、守備側の1名がボールをうばった場合、待機している子は、タイミングよく攻撃に加わる。1名からさらにもう1名はいってもよい。

コーチは、浮き球やいろいろなボールを入れる。

待機しているその他の子供たちは、全員がコーチングの声をかけてあげる。

コーチは、途中フリーズして、可能性のある選択肢を説明する。ポイントをコーチング。

20名ぐらいで30分行ないましたが、かなり好評でした。
これまで、相手がくるまで、待っている子が積極的にいけるようになったように思います。

外野のコーチングも楽しくできて、しりごみしていた子がまわりから、『いけよ』と後押しされます。

オレだったら、こうしたのにという声も聞かれて、わたしも楽しくできました。

テーマがテクニック的なところではなく、メンタリティ的な部分もあります。

1対1からスタートして、1対2、2対2、3対3をしていたのですが、いろいろアレンジしているうちに。。。。

戦術ピリオダイゼーション的なテクニックの反復練習?

村松様

アドバイスありがとうございます。非常に参考になります!

私としてはストップをする部分を少なめにしながらトレーニングを進めていってみようと思います。子供達のアイディアも大切にしてあげたいので・・。

いつかロナウジーニョの頭をはたく事が出来るような選手(←表現は悪いですが・・・)を育てられるように指導者としての勉強をガンバります!

これからも色々な情報交換をよろしくお願いいたします!

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