日本はバルサを超えられる

日本らしいプレースタイルとは? Part 7.5  【戦術の基本はチーム戦術?】

このエントリーをはてなブックマークに追加

いつものように少し寄り道をさせていただき、今回は「戦術の基本」について考えてみたいと思います。



【戦術とは?】
少し前回のおさらいです。私の戦術の定義は「戦術とは状況判断」であり「戦術とは状況判断を伴った機能的なプレーの知的セオリー群」です。

【戦術の基本はチーム戦術?】
これを踏まえて、今度は「戦術の基本」という言葉を定義してみたいと思います。私にとっての「戦術の基本」の定義は以下のようなものです:

「戦術の基本は(状況判断を伴った)チーム戦術」

グループ戦術でもなく個人戦術でもなく、チーム戦術が私にとっての「戦術の基本」です。なお「状況判断を伴った」という言葉は本来は必要ないのですが、私の考える戦術は常に「状況判断を伴った」ものなので、強調するためにあえて付けてみました。眼ざわりだったらごめんなさい。

【戦術の基本は個人戦術じゃないの?】
普通は「戦術の基本は個人戦術」と考えるのかもしれませんが、私はそうは思っていません。そもそも私はフッボールを「細かな部分の積み重ね」とは思っていません。何故ならば「フッボールの本質はカオス」だと私は思っているからです。(説明になっていませんかね?)

【大まかな全体から細かな全体へ】
甲野善紀氏の古武術を研究されている半身動作研究会のホームページに「大まかな全体から細かな全体へ」という素敵な言葉を見つけました。私の考える戦術論やフッボール論はまさにこのことです。以下、引用させていただきます。

~~~~ 以下、こちらより引用させていただきます ~~~~

第二に、技の進展は、大まかな全体が技の感覚が拓け認識が深まるに連れ、より細かな部分に割れていき、総体としての細かな全体へと生成されていくということを憶えておいてください。細かな部分の積み上げではないのです。これは人物の像を彫るのに、大まかな全体を作ってそこから少しずつ人物に仕上げていくのか、足の部分をまず完全に仕上げてから次はくるぶしを、という彫り方をするのかというのに似ています。学校を代表とする教育の一般的な方法は、完全な部分を積み上げていけば、完全な全体ができ上がるというものです。極端な場合は完全な部分が出来ないうちは、次の部分を見せない、あるいは学習者が漠然とした全体も掴めないうちに、完全な部分の習得を求めるというようなこともあります。

しかし学びの自然な姿は、大まかな全体が大まかな部分の総体へ少しずつ割れていき、部分が総体的に深まっていくというものです。つまり「大まかな全体から細かな全体へ」ということです。決して「細かな部分から細かな全体へ」ではありません。

~~~~ 以上、こちらより引用させていただきました ~~~~


【チーム戦術 → グループ戦術 → 個人戦術】
この「大まかな全体から細かな全体へ」という考え方は、戦術の学ぶ順番を「チーム戦術 → グループ戦術 → 個人戦術」と捉えることです。逆に、「個人戦術 → グループ戦術 → チーム戦術」という順番で戦術を学ぶということは、「細かな部分から細かな全体へ」という考え方と言えます。

【フッボールの楽しみを教えるとは?】
小学生年代の指導に携わっている指導者の方であれば、一度はこんなことを感じたことはないでしょうか?

 「サッカーの楽しさを知って欲しいからドリブルをたくさん教えています。その結果、選手たちはドリブルはとても上手くなりました。けど、試合になるとそのドリブルをあまり活かせないし、団子サッカーになってしまいます。いや、団子サッカーになってしまうからドリブルが活かせていないのかもしれません。いずれにしても、試合での子供達のプレーを見ていると“私は本当にサッカーの楽しさを子供達に教えているのか?”と考えさせられてしまいます」

【フッボールの真の楽しさを伝えたい】
私は今も昔もこのようなことを痛快しています。バルサスクール内でもしばしばこのようなことを考えさせられています。そして、そのような思考の旅の末に辿り着いた考えが「フッボールの本質はカオス」というものであり「大まかな全体から細かな全体へ」というものであり「戦術の基本は(状況判断を伴った)チーム戦術」というものです。私はこの考え方の方が選手達にフッボールの真の楽しさを伝えられると確信しています。また、根底の部分でフッボールの本質を理解し、フッボールの本質(=カオス)と友達になり、自分自身の体と心の中に眠っている100%の才能を全て発揮しながらフッボールをプレーするためには「戦術の基本は(状況判断を伴った)チーム戦術」という考え方でフッボールに接することが絶対条件だと私は思っています。


※次回こそは「日本らしいプレースタイルのための戦術」について書こうと思います。

1ページ中1ページ目を表示中

記事カテゴリ:
日本らしいプレースタイルとは?
タグ:

【お知らせ】
Yahoo! JAPAN IDで記事にコメントできるようになりました

このブログの最近の記事記事一覧

この記事へのコメントコメント一覧

日本らしいプレースタイルとは? Part 7.5  【戦術の基本はチーム戦術?】

始めてコメントさせて頂きます。
サッカーと人間の歴史は限りなく同調しているように感じてなりません。
世の中には限りない不確定要素のうえで時間が進み変化しているのと同じように、サッカーもルールは決まっていますが、非常に不確定な要素が多いゲームだと思います。
人は何の為に生きているのでしょうか?
唯一無二の答えは思い浮かびません・・・
でも人は何かを求めて生きています。
なぜサッカーをするのか?
「楽しいから」私自身の明確な答えはありますが、どうしたらもっと「楽しめるか」を常に探求しています。
でも、唯一無二の答えは見いだせていません。
時代が変化するようにサッカーも戦術や技術だけではなく、ゲーム中に現在進行形で変化していくので、状況に応じて常に変化し、変化を求められるゲームだからこそ、世界中の人々が熱狂するのではないかと感じています。
「美しく勝利する」それを追及するデティールを楽しめる。
サッカーを愛する人達の思いに触れられて幸福を感じます。
新たなチャレンジに向けて遠くから応援しています。

takamaroさん、コメントありがとうございます

takamaroさん、懐かしい文章に対するコメント、ありがとうございます。アップした日付けを確認したら、2007年となっていました。懐かしいですねー。

 > ビジャやトーレスなど素晴らしい個人技を持っている選手が多々いますよね。このような選手がどの様にして凄い個人技を身に着けたのかがとても疑問に思いました。

あくまでも僕の個人的な意見・感想ですが、スペイン代表等で活躍している選手のテクニックのレベルが高いのは、決して幼少期に地道に反復練習をしたわけではなく、もともと才能があったのだと思いますよ。そして、その持って産まれた才能を少しずつ実戦(=毎週末のリーグ戦)で磨き続けてきたのではないでしょうか。

 > またスペインでは、個人技をどの様にして育成しているのでしょうか?

スペインにおいて、チーム練習でテクニックの反復練習をすることはとても少ないと思います。そもそも、「個人技を伸ばす」という目的のための練習をほとんどしていないと思います。ほとんどすべては「今週末の試合に勝つため」の練習です。「じゃあ、どうやって個人技を伸ばしているんだ!?」という疑問がわいてくるわけですが、逆に僕は「個人技を伸ばすことを主目的にしたトレーニングをしなければ個人技は伸びないのですか!?」と疑問がわいてきます。要は、サッカーというゲームをどう捉えるか、ということだと思います。

答えになっていませんかね!?苦笑

スペイン 個人技

どうも初めてコメントします。村松さんに質問です。日本らしいプレースタイルとは?を読んでいて、「スペインでは戦術(状況判断)が重視されている」と僕は思いました。しかしスペインでは、ビジャやトーレスなど素晴らしい個人技を持っている選手が多々いますよね。このような選手がどの様にして凄い個人技を身に着けたのかがとても疑問に思いました。またスペインでは、個人技をどの様にして育成しているのでしょうか?是非教えてください!!

ちゃたさん、コメントありがとうございます

ちゃたさん、おはようございます。
コメントありがとうございます。

 > 「なぜ言うとおりにしない?」と聞かれ「バレバレだから」と応えていました。

それこそがフットボールの本質だと思います。

相手の心を読むと同時に、相手を欺くことこそがフットボールですからね。

 > よって”状況判断”を伴う練習は、gameの要素が必要ではないでしょうか。

そのとおりです。
私が最近ハマっているPTP(戦術的ピリオダイゼーション理論)でもgameの要素をとても大切にしています。

こんな記事も読みたい

ブロガープロフィール

profile-iconnaoto

【Facebook】
https://www.facebook.com/naoto.muramatsu.7

【今年の三つの抱負】
・速読の習得
・ビデオ編集の習得
・英語の継続的な学習

【最近の好きな言葉】
・ドウスルジブンガスキデスカ?
・If people don't laugh at your dream,the dream is not big enough.
・Be Water My Friend
・More is Different

【指導の三本柱】
・戦術的ピリオダイゼーション理論
・Be Water My Friend
・速読術&脳トレ

【メールアドレス】
cruyffista+blog@gmail.com
  • 昨日のページビュー:149
  • 累計のページビュー:4252206

(11月19日現在)

ブログトップへ

このブログの記事ランキング

  1. バルサスクールの定番練習メニュー (6歳からポセッションゲーム)
  2. ミニハードルとラダートレーニングはサッカーに不向き?
  3. ブラジル体操は体幹の可動域を回復するためだった!
  4. 戦術的ピリオダイゼーション哲学の概要
  5. 古武術の『膝の抜き』の秘密はハムストリングの伸張反射!?
  6. 一本歯下駄が面白い
  7. 「相手を騙す」ことをトレーニングしていますか!?
  8. 骨盤前傾が大切な理由は大腰筋の伸張反射!?
  9. 最近のお気に入り練習メニュー Part, 2
  10. moltenのTR430(大きさは3号球、重さは5号球のボール)の実験

月別アーカイブ

2013
09
08
07
03
2012
07
06
05
02
01
2011
12
11
10
09
08
07
06
04
03
02
01
2010
12
11
07
06
05
04
03
02
01
2009
12
11
10
09
08
07
06
05
03
02
01
2008
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
2007
12
11
10
09
08
07
06
05
04

このブログを検索

スポーツナビ+

アクセスランキング2017年11月19日更新

アクセスランキング一覧を見る

お知らせ

rss