2007年12月09日
日本らしいプレースタイルとは? Part 7.5 【戦術の基本はチーム戦術?】
いつものように少し寄り道をさせていただき、今回は「戦術の基本」について考えてみたいと思います。
【戦術とは?】 少し前回のおさらいです。私の戦術の定義は「戦術とは状況判断」であり「戦術とは状況判断を伴った機能的なプレーの知的セオリー群」です。 【戦術の基本はチーム戦術?】 これを踏まえて、今度は「戦術の基本」という言葉を定義してみたいと思います。私にとっての「戦術の基本」の定義は以下のようなものです: 「戦術の基本は(状況判断を伴った)チーム戦術」 グループ戦術でもなく個人戦術でもなく、チーム戦術が私にとっての「戦術の基本」です。なお「状況判断を伴った」という言葉は本来は必要ないのですが、私の考える戦術は常に「状況判断を伴った」ものなので、強調するためにあえて付けてみました。眼ざわりだったらごめんなさい。 【戦術の基本は個人戦術じゃないの?】 普通は「戦術の基本は個人戦術」と考えるのかもしれませんが、私はそうは思っていません。そもそも私はフッボールを「細かな部分の積み重ね」とは思っていません。何故ならば「フッボールの本質はカオス」だと私は思っているからです。(説明になっていませんかね?) 【大まかな全体から細かな全体へ】 甲野善紀氏の古武術を研究されている半身動作研究会のホームページに「大まかな全体から細かな全体へ」という素敵な言葉を見つけました。私の考える戦術論やフッボール論はまさにこのことです。以下、引用させていただきます。 ~~~~ 以下、こちらより引用させていただきます ~~~~ 第二に、技の進展は、大まかな全体が技の感覚が拓け認識が深まるに連れ、より細かな部分に割れていき、総体としての細かな全体へと生成されていくということを憶えておいてください。細かな部分の積み上げではないのです。これは人物の像を彫るのに、大まかな全体を作ってそこから少しずつ人物に仕上げていくのか、足の部分をまず完全に仕上げてから次はくるぶしを、という彫り方をするのかというのに似ています。学校を代表とする教育の一般的な方法は、完全な部分を積み上げていけば、完全な全体ができ上がるというものです。極端な場合は完全な部分が出来ないうちは、次の部分を見せない、あるいは学習者が漠然とした全体も掴めないうちに、完全な部分の習得を求めるというようなこともあります。 しかし学びの自然な姿は、大まかな全体が大まかな部分の総体へ少しずつ割れていき、部分が総体的に深まっていくというものです。つまり「大まかな全体から細かな全体へ」ということです。決して「細かな部分から細かな全体へ」ではありません。 ~~~~ 以上、こちらより引用させていただきました ~~~~ 【チーム戦術 → グループ戦術 → 個人戦術】 この「大まかな全体から細かな全体へ」という考え方は、戦術の学ぶ順番を「チーム戦術 → グループ戦術 → 個人戦術」と捉えることです。逆に、「個人戦術 → グループ戦術 → チーム戦術」という順番で戦術を学ぶということは、「細かな部分から細かな全体へ」という考え方と言えます。 【フッボールの楽しみを教えるとは?】 小学生年代の指導に携わっている指導者の方であれば、一度はこんなことを感じたことはないでしょうか? 「サッカーの楽しさを知って欲しいからドリブルをたくさん教えています。その結果、選手たちはドリブルはとても上手くなりました。けど、試合になるとそのドリブルをあまり活かせないし、団子サッカーになってしまいます。いや、団子サッカーになってしまうからドリブルが活かせていないのかもしれません。いずれにしても、試合での子供達のプレーを見ていると“私は本当にサッカーの楽しさを子供達に教えているのか?”と考えさせられてしまいます」 【フッボールの真の楽しさを伝えたい】 私は今も昔もこのようなことを痛快しています。バルサスクール内でもしばしばこのようなことを考えさせられています。そして、そのような思考の旅の末に辿り着いた考えが「フッボールの本質はカオス」というものであり「大まかな全体から細かな全体へ」というものであり「戦術の基本は(状況判断を伴った)チーム戦術」というものです。私はこの考え方の方が選手達にフッボールの真の楽しさを伝えられると確信しています。また、根底の部分でフッボールの本質を理解し、フッボールの本質(=カオス)と友達になり、自分自身の体と心の中に眠っている100%の才能を全て発揮しながらフッボールをプレーするためには「戦術の基本は(状況判断を伴った)チーム戦術」という考え方でフッボールに接することが絶対条件だと私は思っています。 ※次回こそは「日本らしいプレースタイルのための戦術」について書こうと思います。
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posted by naoto |19:56 |
日本らしいプレースタイルとは? |
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日本らしいプレースタイルとは? Part 7.5 【戦術の基本はチーム戦術?】
コメント投稿者ID :
失礼致します。
私の考えが正しいかどうかは分かりませんが、私も同じように思っています。
戦略→ゲームプラン
グループリーグ突破の為のプランなど
戦術→得点を取る為の方法
ボールを奪う為の方法
キーマンを抑える為の方法など
以上のように考えているからです。
これをチームの共通認識として行う必要があるからで、戦術は、チーム戦術からだと思います。
もし、一人で先に挙げた事が出来るのなら別ですが・・・。(日本では浦和レッズが去年、戦術ワシントンと言われていました。)
「フットボールはディテールで決まる」と言う言葉があるそうですが、(昔から独に「ディテールに神は宿る」と言う言葉がありました。)前後の記述は知りませんが、この言葉だけ聞いて私が考えましたのは、おおまかな戦略・戦術は監督とかが与えられますが、最終的に試合を決めるのは、選手個人のディテールであると捉えました。(この言葉の真意を知っている人、笑わないで下さい。)
いずれにしても個人戦術のみでは、プレーがぶつ切りになってしまうので、個人戦術は、全体の戦術の中で生きるし、またある意味個人戦術はその選手の質だとも捉えております。
サッカーは、団体競技ですのでチーム戦術は重要だと思います。 長文失礼致しました。
posted by 傍観者 | 2007-12-09 23:48
日本らしいプレースタイルとは? Part 7.5 【戦術の基本はチーム戦術?】
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初めまして!!
村松さんが風間さんの番組に出てましたよ。
将来、日本で指導・育成をするんですか?
posted by bayashi | 2007-12-10 02:54
日本らしいプレースタイルとは? Part 7.5 【戦術の基本はチーム戦術?】
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初めまして
フジテレビの「日本サッカーの救世主を探せ!」を見て検索したらここにたどり着きました
面白いブログなのでこれからもお邪魔させてもらいます
では
posted by オレンジ | 2007-12-10 06:25
日本らしいプレースタイルとは? Part 7.5 【戦術の基本はチーム戦術?】
コメント投稿者ID :
以前にテレビで見たのですが、日本人はボールを扱う技術は高いが、基本的な個人戦術が稚拙だといっていた記憶があります。
ボールをキープまたはドリブルするときに体をどう使うか、パスを出すときに足元に出すか少し前に出すか、ディフェンス時の間合いをどのあたりにするか、などは人数(1対1か2対1か1対2)やコート上の位置によっても違ってきます。が、こういう状況判断(行動の選択)が適切でないことが多いように思います。
これは個人戦術の問題だと思っていましたが、サッカーというゲーム全体がわかっていなので、今自分がどういう状況にあるのかを把握することができない(=適切な行動の選択ができない)という問題だという気がしてきました。
つたない文章ですが、チーム戦術に個人戦術も含まれるというのはこういうことかと思って書かせていただきました。
posted by も | 2007-12-10 09:54
日本らしいプレースタイルとは? Part 7.5 【戦術の基本はチーム戦術?】
コメント投稿者ID :
記事の内容が先を越された感じで少し悲しかったです(苦笑
私が議題にして欲しかった内容がそのまま書いてありました。
この週末は2年生~6年生までの試合をみっちりと観戦してきました。チーム戦術をあまり感じない事は割愛させて頂きます。
もの凄く気になったのがどのチームのどのカテゴリの年代の子供も自分の受け持つエリアからボールが出ると傍観者になっています。まるでゲーム参加していないようにも感じるくらいです。
これはチーム戦術が無く個人戦術(村松さんも以前書かれていましたが個人戦術という言葉は私には違和感があるのですが指導者の方には定着している言葉のようなのであえて使わせて頂きます)-グループ戦術とトレーニングしてその上のチーム戦術が無いのが原因では無いのかと思ってしまいました。
皆チームとして一貫した目的意識が低く自分のグループ戦術のエリアの外にボールが出ると自分の役割は終わったと思ってしまうのではないでしょうか?
そう思ってチーム全体の目標があってそのためにグループ戦術をトレーニングしてそのグループ戦術のために個人戦術をトレーニングするといった流れのほうがよりチーム全体として動けるようになるのではないかと・・・意見を書こうかと思っていたら「あら?」といった感じでした(笑
posted by kan | 2007-12-10 22:04
みなさん、コメントありがとうございます
コメント投稿者ID :
みなさん、コメントありがとうございます。
【傍観者さんへ】
戦略と戦術に関する分類は、私も同じような感じです。(というか、そういう分類をあまり気にしていません)
「個人戦術は選手の質」という表現は少し理解できません。何故ならば、私はあくまでも「戦術」を人間ではなく知識だと思っているからです。
【bayashiさんへ】
私の希望は今も昔も「日本に帰って日本サッカーのレベルアップに少しでも貢献する」ことです。今すぐにでも帰りたいのですが、いかんせん、帰る場所がありません、、、。指導者を探しているクラブがありましたら、是非とも教えて下さい。
【オレンジさんへ】
どんどんお邪魔してして下さい。お待ちしております。
【もさんへ】
将棋で言う「大局観」が我々日本人サッカー選手には足りないんでしょうね。やはり、戦術の基本はチーム戦術なのではないでしょうか。
【kanさんへ】
一歩私の方が早かったようですね。私の勝ちです、はい。笑
posted by 村松尚登 | 2007-12-11 00:19
日本らしいプレースタイルとは? Part 7.5 【戦術の基本はチーム戦術?】
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10年という短いジュニア&ジュニアユースでの
サッカー指導経験から、個人=>グループ=>チームへと戦術指導方向が向いていることへ
疑問を持ち続けていました。
またトレセンコーチとしても昨今の個人技術
(ドリブル偏重)指導に対して疑問を持っていた
のです。
我々がサッカーの本質を理解していないのでは
ないかと思っていた矢先にこのブログに出会い
ました。読んでいて、やっぱりそうなんだなと
これまで自分の中であったものが確信に変わり
ました。
posted by kazu | 2008-01-03 18:52
kazuさんへ
コメント投稿者ID :
kazuさん、コメントありがとうございます。
手前味噌で申し訳ありませんが、少し宣伝を。
私がコラム連載を執筆させていただいております月刊サッカークリニックの2月号においても、この「戦術の基本はチーム戦術?」を取り上げてみました。
もしよろしければご覧下さいませ。
posted by 村松尚登 | 2008-01-18 03:34
日本らしいプレースタイルとは? Part 7.5 【戦術の基本はチーム戦術?】
コメント投稿者ID :
はじめまして。ちゃたと申します。いつも楽しく拝見していました。
自分も状況判断の重要性を強く感じます。
自分は昔から「練習」が大嫌いで(試合で”全く”同じ場面が存在しないことと、相手がいる中で発揮できる技術もあると思うから)練習中もいつもどんな場面の何のための練習なんだろう?と常に疑問を抱いていました。
たとえばサイドからのクロスにFWがあわせる練習などでもクロスがあがってくるのがわかっているGKが動くのを見てわざとゴールを狙ったり、オフェンス2対ディフェンス1で中央からワンツーで崩すという練習だぞと伝えられて一発目でドリブルで突破するなど指導者泣かせだったと思います。ただ、クロスでゴールを狙うのもワンツーをドリブルで突破するのにも意図はありました。「なぜ言うとおりにしない?」と聞かれ「バレバレだから」と応えていました。
そういう理由で練習が嫌いでした。サッカーは好きだったけど。状況判断は常に動きがあり相手がいてこそ身に付きますし、相手の心理やキックのモーションを見て飛距離や方向を判断するということは相手側が「だましてやろう、だしぬいてやろう」という意志が働かないと身に付かないと思います。よって”状況判断”を伴う練習は、gameの要素が必要ではないでしょうか。
自分もブルース・リーが好きなのですが、板を手刀で割って見せた男に対して「板は反撃してこない」と言うセリフにしびれたのを憶えています。村松さんこれからもご自身が楽しんでサッカーの発展にご尽力されますように。では長文ですみませんでした。
posted by ちゃた | 2008-04-23 14:58
ちゃたさん、コメントありがとうございます
コメント投稿者ID :
ちゃたさん、おはようございます。
コメントありがとうございます。
> 「なぜ言うとおりにしない?」と聞かれ「バレバレだから」と応えていました。
それこそがフットボールの本質だと思います。
相手の心を読むと同時に、相手を欺くことこそがフットボールですからね。
> よって”状況判断”を伴う練習は、gameの要素が必要ではないでしょうか。
そのとおりです。
私が最近ハマっているPTP(戦術的ピリオダイゼーション理論)でもgameの要素をとても大切にしています。
posted by 村松尚登 | 2008-04-23 18:09
スペイン 個人技
コメント投稿者ID : OOH00024325
どうも初めてコメントします。村松さんに質問です。日本らしいプレースタイルとは?を読んでいて、「スペインでは戦術(状況判断)が重視されている」と僕は思いました。しかしスペインでは、ビジャやトーレスなど素晴らしい個人技を持っている選手が多々いますよね。このような選手がどの様にして凄い個人技を身に着けたのかがとても疑問に思いました。またスペインでは、個人技をどの様にして育成しているのでしょうか?是非教えてください!!
posted by takamaro | 2011-02-15 22:19
takamaroさん、コメントありがとうございます
コメント投稿者ID : naoto
takamaroさん、懐かしい文章に対するコメント、ありがとうございます。アップした日付けを確認したら、2007年となっていました。懐かしいですねー。
> ビジャやトーレスなど素晴らしい個人技を持っている選手が多々いますよね。このような選手がどの様にして凄い個人技を身に着けたのかがとても疑問に思いました。
あくまでも僕の個人的な意見・感想ですが、スペイン代表等で活躍している選手のテクニックのレベルが高いのは、決して幼少期に地道に反復練習をしたわけではなく、もともと才能があったのだと思いますよ。そして、その持って産まれた才能を少しずつ実戦(=毎週末のリーグ戦)で磨き続けてきたのではないでしょうか。
> またスペインでは、個人技をどの様にして育成しているのでしょうか?
スペインにおいて、チーム練習でテクニックの反復練習をすることはとても少ないと思います。そもそも、「個人技を伸ばす」という目的のための練習をほとんどしていないと思います。ほとんどすべては「今週末の試合に勝つため」の練習です。「じゃあ、どうやって個人技を伸ばしているんだ!?」という疑問がわいてくるわけですが、逆に僕は「個人技を伸ばすことを主目的にしたトレーニングをしなければ個人技は伸びないのですか!?」と疑問がわいてきます。要は、サッカーというゲームをどう捉えるか、ということだと思います。
答えになっていませんかね!?苦笑
posted by 村松尚登 | 2011-03-06 17:04
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