2007年04月17日
フットボールはフットボールをトレーニングすることによってのみ上達する
先日、日本から小学生と中学生のチームがバルセロナに遠征に来ていたので 通訳を務めさせていただきました。 今回はその際に感じた「日本チームの特徴」について書きたいと思います。
まず、彼らのプレーを見たスペイン人たちが驚いていたのは 日本人のテクニックのレベルの高さでした。 また、俊敏なところもスペイン人たちから 高い評価を得ていました。 そして、スペイン人が指摘していた両チームに共通する特徴は 「ボールさばきは上手いが、サッカー(の試合運び)が下手。 ボールを持ったときの状況判断が悪い。戦術的な知識が乏しい」 というものでした。 このような日本チームの特徴は、先日書きました 「攻撃を改善したければ守備を改善せよ(究極のサッカー哲学)」の中で 指摘しました以下のような部分と繋がっているのではないでしょうか。 「守備も攻撃もテクニックもフィジカルも切り離してはいけない。 それぞれの要素を切り離してトレーニングしても各要素が上達するだけで サッカーは上達しない。サッカーの上達はサッカーのトレーニングからしか 生まれない」 現在の日本での指導現場において、ゴールデンエイジでのテクニックの レベルアップを重要視し過ぎていることはないでしょうか? 「小学生年代でテクニックを身につけ、中学生年代でグループ戦術を身につけ そして高校生年代でチーム戦術を身につける」という大まかな年代別の 役割分担が生まれていないでしょうか? もしそうだとしたら、その結果が前述のような 「ボールさばきは上手いが、サッカー(の試合運び)が下手」 という状況に繋がっているのではないでしょうか? そして、この年代別役割分担方式は、 「サッカーはサッカーをトレーニングすることによって上達する」 という理論の全く逆を行く指導論なのではないでしょうか? もちろん、各年代によって効率的に上達する要素は違いますし ゴールデンエイジにテクニックのトレーニングが効果的なことも 疑いのない事実です。 しかし、あまりにもひとつの要素に偏ったトレーニングは その要素の向上には効果はあっても「総合的なサッカーのレベルアップ」には なかなか繋がらないのではないでしょうか? 要は、バランスの問題なのだと思います。 年代に応じて、重点を置く要素を変えて行きつつ 常にあらゆるサッカーの要素を満遍なくバランス良く指導し、 総合的なサッカーのレベルアップに努めるということだと思います。 ちなみに、スペインでは小学校の低学年から戦術についても たくさんトレーニングします。 と同時に、年代に関係なく「試合の中での各状況に応じた適切な状況判断」 に常に重点を置いています。 極端な話、「状況判断能力こそがサッカーのキーポイント」という 価値観がスペインにはあるような気がします。 そして、そのような価値観が存在するためか、小さい頃から 「(状況判断を必要としない)ボールさばき」ではなくて 「(状況判断を必要とする)フッボール」を総合的に トレーニングする習慣があるのではないでしょうか。 と同時に、いくらテクニックがあったとしても状況判断の悪い選手には 小学生であろうと「レベルの低いフッボール選手」という評価が下りますし、 テクニックレベルが多少低くてもフッボール的な状況判断に優れている 選手に対しては「レベルの高いフッボール選手」という評価が下ります。 そこには「状況判断能力は後から身に付く」という考えは存在しません。 「サッカーはサッカーをトレーニングすることによって上達する」 という理論について、もう一度じっくりと考えてみる必要がありそうですね。
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posted by 村松尚登 |06:28 |
バルサを越える為のヒント集 |
コメント(9) |
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振り出しに戻る? U-22シリア代表vsU-22日本代表 【No Football , No Life.】
最終予選進出おめでとうございます 何よりも結果が優先される予選ですから考えられる最短での勝ち抜け決定は素晴らしいものです がしかし、TV画面越しでしかありませんが、そこから見えたU-22のサッカーはとても素晴らしいとは言えないものでしかなかったように思います 水野・家長・本田圭祐・梶山・・・Jリーグでも活躍している選手がかなりいる事からもわかるようにこのチームは選手個々の能力はかなりいいものを持っています このチームの立ち上げ直後の日本・中国・韓国の3カ国で行なわれた試合から、アジア相手の試合ばかりだった
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Re:サッカーはサッカーをトレーニングすることによってのみ上達する
コメント投稿者ID :
そうですよね、私もバランスの問題だと思っています。今年から子どものチームのコーチをしているのですが、やはりボールコントロール重視。もちろん受け持っているのが低学年ということもありますが、徐々にサッカーというゲームの理解度を高めていってあげる必要があると思います。ボールコントロールは家で一人でも練習できる部分もありますし、せっかくチームと言う集団でやっているのですから、集まったときにそういう練習しなければいつできるのでしょう。。。
コーチの中には子どもに勝たせたいからだと誤解する方もいますが、ドイツW杯の後、日本に足らないものというのは、まさにこの部分であり、テクニック偏重の育成の中にあるのではないかと思います。
posted by 才蔵 | 2007-04-17 11:40
Re:サッカーはサッカーをトレーニングすることによってのみ上達する
コメント投稿者ID :
僕も昨夏、某Jユースの2人が短期留学の際、お世話をすることになりました。その時感じたことは村松さんの今回のブログ内容と共通する部分がありますね。以前僕もそのことをブログで書きましたが、とにかくゲームになると明らかに消えてしまう。もちろん、短期でチームにフィットしてない原因もあるのですが。ユースのHCに彼らには何が足りない?と漠然とした質問をした時、彼らというより日本サッカーに対して「einfach zeit」(ただ単に時間)と言われました。つまり日本サッカーの歴史の浅さの指摘です。これは非常に深い意味を持っていると思います。
posted by kiot | 2007-04-17 16:26
Re:サッカーはサッカーをトレーニングすることによってのみ上達する
コメント投稿者ID :
これは日本サッカーが置かれている状況が影響しているかもしれませんね。
他の国がどうかは分かりませんが、日本のサッカー選手は試合経験が少なすぎるのかもしれません。特に学校の部活に所属している選手は、少ないんじゃないでしょうか。
まず小学校から中学にあがった際に、ほとんどの1年生はボール運びなどをさせられ、1年間ほとんど試合に出ることが無いなんて選手も、かなりの数なのではないでしょうか。
さらに3年の夏の大会が終われば受験があり、高校に進学しても、同じように高校1年間はボール運びをするはめになる選手はかなりいると思います。
下手したら中学から高校卒業までで、計3年間も試合に出場しない選手がいることになり、この差が状況判断などの差になるのではないでしょうか。
以前、雑誌かTVだったかで、アルゼンチンのリーベルの下部組織を特集していたんですが、リーベルでは、ほぼ毎日ぐらい試合をするそうです。
日本も最近は改善され始めたようで、先日JリーグがU-13のリーグ戦を実施することを発表してましたし、部活でも市立船橋などで、クラブチームを立ち上げて、試合出場の場を提供しているようです。(ただし、今現在2重登録は認められていないので、どちらかでしか試合出場できませんが)
また、試合数が増えれば、それを行う会場が必要になりますし、公式大会となれば、審判の数も必要ですから、このあたりは今後の課題でしょうね。
質問なんですが、スペインでも受験はあると思いますが、スペインのクラブなどは、どのような対策が立てられているのでしょうか。
posted by てんねん | 2007-04-17 23:12
Re:サッカーはサッカーをトレーニングすることによってのみ上達する
コメント投稿者ID :
「サッカーはサッカーをトレーニングすることによって上達
する」
「常にあらゆるサッカーの要素を満遍なくバランス良く指導し、総合的な
サッカーのレベルアップに努める」
同意です。全くその通りだと思います。
ただ、これまでのエントリーで空手、剣道、柔道など「武道をサッカーに
取り入れたらどうか?」と提言されていたかと思うのですが、これは今回の
「サッカーはサッカーをトレーニングすることによって上達する」という話と
矛盾はしないのですか?
私も決して高いレベルとはいえない小学校チームのコーチをしていますが、
その教え子の中でも、攻守の切り替えが上手く、両足が使え、バランス
感覚が優れている子供達はサッカーを集中的にやっている子供ばかりです。
武道や水泳など他のスポーツを習いつつ、サッカーをやっている子供達も
かなりいましたが、サッカー馬鹿の方が大抵は上です。
ということで、「サッカーはサッカーをトレーニングすることによって上達するが
大前提で、武道にはサッカーに適用できることもあるが、サッカーを学ぶより
効率的ではない」という意見で、「武道を取り入れる」とは共存できないかな
と思うのですが・・・
posted by 吊られた男 | 2007-04-17 23:58
矛盾してますよね
コメント投稿者ID :
皆さん、書き込みありがとうございます。
「吊られた男」さんのご指摘の通り、「サッカーはサッカーをトレーニングすることによって上達する」と「武道をサッカーに取り入れてみては?」という私の2つの案は矛盾していますよね。ただ、少し表現を変えて「サッカーは分割してトレーニングしない方がいい」と「他のスポーツから多くのことを学んだ方がいい」にすると、この矛盾も多少小さくなりますよね。
とは言っても、矛盾していることは間違いないので、この点は私の中でももう少し整理する必要があると思います。
posted by 村松尚登 | 2007-04-18 01:40
Re:サッカーはサッカーをトレーニングすることによってのみ上達する
コメント投稿者ID :
話がちょっとずれますが
練習方法ということでは、チェルシーのモウリニョーは、最初から最後までボールを使った練習メニューとのこと。彼の持論として、サッカー選手のトレーニングは常にボールと関連すべきであり、例えば、ピアニストの練習は鍵盤をたたくことであり、ビアノの周りを走って体力をつけるようなことは有り得ないと。要するに、関係のない筋肉や神経を強化しても意味がないということでしょう。
それでも、モウリニューの練習方法はユニークということで知られており、シエフチェンコも最初は驚くやら、感心するやら。
そういえば、オシム監督もアップの時からボールを使用した練習方法ですよね。千葉の選手の中には、怪我しないように、アップが始まる前に、自主的に事前のアップをしていると聞いたことがあります。
posted by potao | 2007-04-18 12:06
Re:サッカーはサッカーをトレーニングすることによってのみ上達する
コメント投稿者ID :
「ボールさばきは上手いが、サッカーが下手」
とは、核心を突かれているようで、私も低学年に
ボールをこねくり回すことは教えていますが、
その後どうしたらイイのか?というのを悩んで
いるところです。私が見ている子供達は、決して
選ばれし子供達ではなく、地域のサッカー好きな
子供達です。
状況判断を素早くすることを求めると返って
ネガティブなプレーを誘発するのではないか?
と思うのです。たとえば、FWがDFを背負った
時にすぐにバックパスしてしまうというような。
素早い判断ですが、それが良い判断である場合と
そうでない場合もあります。良い状況判断とは
そのプレーがチームとして「得」であるか?を
踏まえて「判断」することで、分かった上で
早くやるのはイイことですが、よく周りの状況を
把握していないで早くやるというのは、プレーの
選択肢を奪うことになりかねない。
そうであれば、むしろ判断を捻じ曲げてでも
前に振り向くクセをつけた方がよっぽどイイの
では?と思います。振り向くor振り向かないを
状況に応じて判断するようになるのは、その後
ではないか?思っています。
「試合の中での各状況に応じた適切な状況判断」
というのが、どうも上手く伝えられないで
おります。
>スペインでは小学校の低学年から戦術について
もたくさんトレーニングします。
とありますが、具体的にどんなことをやるので
しょうか?差支えなければ教えてください。
posted by ハポンの少年サッカーコーチ | 2007-04-19 02:18
ハポンの少年サッカーコーチさんへ
コメント投稿者ID :
書き込みありがとうございます。ハポンの少年サッカーコーチさんの書き込みをベースに連載?をスタートしてみました。第一弾はこちらです。
【小学生にもっとチーム戦術を教えてみませんか?】
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/naoto/article/35
posted by 村松尚登 村松尚登 | 2007-04-24 19:02
フットボールはフットボールをトレーニングすることによってのみ上達する
コメント投稿者ID : ELG00008275
この問題って、日本の教育と一緒ですよね。
数学オリンピック出場者が、高校の先生している現状。改革が終わってもやっぱり護送船団的な部分がぬぐいされない。その証拠はやはり「平均的にレベルの高い人が多く欲しい」これにつきる。スポーツまでその「くせ」が影響している。サッカーなどのスポーツは文部省管轄よりも各スポーツ連盟を舵とり役にして、文部省は承認するだけにして欲しい。世界のどこでもなされているサッカーでよい例を示せば、日本の重鎮も少しは考えるのではないでしょうか?
後、Youtubeなどのメディアが容易に手に入るので、某ポルトガル選手のフェイントの真似がやたらとうまいけど、試合中は???って子供が多いですね。某選手ではなくて、バルサのジュニアの練習や試合のビデオを見て、これが今自分がやるべきことと、コーチも子供も(子供は大人が説明する)思えるような環境づくりが大切では?もちろん、部屋にポスターを貼ってもよいが(笑)
兎に角、派手なスポーツは広告的部分を大切なことと、勘違いする人(少年)が多すぎですね。
某ポルトガルの選手は試合に勝つマネーと雑誌を飾るマネーと比率が普通じゃないですから。
色々、コメントを見まして皆様素晴らしい意見ですが、私なりにはすべて正解だと思います。
柔道なんかは素晴らしいと思いますが、月一1時間でいいかと。(要領いい子がフィジカルにちょい応用して、そのうち、少しづついい箇所が仲間に広がっていく。
なんか、フィジカルがよくなった気がするだけでいいと思う。)
親やコーチが悩んだ結果、何もメニューを変えなかったら、絶対何も変わらない。
子供はすごく吸収が早いから何もしてもいいと思う。
(子供に説明できる理由は必要)
後は、子供達を信じるべきだと、思う。
試合形式でやらして、親も「柔道のあたりだ~!!!」て。
いずれにしても今日本のスポーツをスポーツを替えられるのはサッカーだと思います。
皆様に期待しています!!
posted by thesellerofjapan | 2010-05-01 00:02
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