日本はバルサを超えられる

【古武術 for SPORTS】 (本&DVD)の感想 ★★★★

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もう一冊読んだので感想を書きたいと思います。

タイトル:古武術 for SPORTS
副題:いきなりスポーツが上手くなる! 
著者:高橋佳三
出版社:スキージャーナル株式会社 
価格:1,800円



【初の古武術系の本】
この本が私にとっての初の古武術系の本でしたが、分かりやすく説明されていることもあり、とても好感が持てました。この本のおかげで古武術への興味が更に沸きました。

【映像は重要】
こういった動作に関する理論についてしっかりと理解するためには、やはりDVDなどを通じて映像を見る事がとても大切ですね。例えば、私は「膝の抜き」という動作にとても興味を持ったのですが、動画を見るまではその動きのイメージが掴めませんでした。やはり、百聞は一見にしかずです。

【充実した内容】
昨日読んだ本があまりにもコストパフォーマンスが悪かったので、今回の1,800円という値段に対する内容の濃さは目を見張るものがあります。本の内容も充実していますし、その本の内容を具体的に映像で説明しているDVDも気に入りました。

【非科学的!】
今回初めて古武術に触れたわけですが、この本を読む限り、古武術というのは「科学的かどうか」という点をあまり気にしていないようですね。科学的に証明できるかどうかよりも、人の感覚や実感を大切にしているような感じがしました。もちろん、古武術の動きの中には運動力学の理論によって説明できる部分も多々あるのでしょうが、そういう「科学的な証明」に古武術関係者はあまりこだわっておらず、既に確立された「術」として古武術を捉え、その伝授に集中しているのでしょう。

【非科学的だから、逆に分かりやすい】
古武術は最初っから科学的な説明を無視しているので、(少し無理をして)科学的な証明を試みようとしている他の新理論に比べると、逆に分かりやすいです。感覚的な部分に訴えかけて来ているので、その感覚を自分が理解できれば「賛成」であり、逆にその感覚が理解できなければ「反対」という単純な話しです。

【膝の抜き】
この動きはとても興味深いです。メッシのフェイントの瞬間は「膝の抜き」の動きに近いのではないでしょうか。この動きに関してはもう少し情報収集してみたいです。フッボールに十分応用できると思います。

【股関節のたたむ】
この「股関節をたたむ」という動作もとても興味深いです。ただ、直感ですが、フッボールに応用するのは少し難しいような気がします。

【古武術的な走り方】
これも確かに興味深いと言えば興味深いのですが、「走る」という動作に関しては、もう少し科学的な説明を何故か私は求めてしまいます。おそらく、他の一瞬の動作に比べると「走る」というのは継続的な動作だという点が、その理由だと思います。上手く説明できませんが、古武術的な走り方に関しては“ペンディング”といった感じでしょうか。

【肩甲骨のバラバラ運動】
古武術でも肩関節をバラバラに動かす事を重要視しているようですね。股関節のバラバラ運動に関しては今回の本ではほとんど触れられていませんでしたが、他の動作を見る限り、おそらく古武術も股関節のバラバラ運動を重要視していることが予想されます。今私がやっている人体実験との共通点を古武術の中に見つける事が出来たので、少し嬉しかったです。

【インナーマッスル(深層筋)】
前述の通り、古武術では科学的な分析や表現はほとんど無視されていますから、この本とDVDの中でも古武術の動きとインナーマッスルの関係は何も言及していません。しかし、それは単に言及していないだけであって、古武術が追求している細かな動き(例:膝の抜き)に解剖学的な説明を加えようとすれば、結局は「古武術とインナーマッスルとの深い関係」が浮き彫りになるのではないでしょうか。

【スポーツ力学の限界&古武術の可能性】
人間の体は約200の骨と約400の筋肉で出来ているそうですが、これだけ複雑ですと、スポーツ力学の視点から詳細に分析するというのは限界があるのではないでしょうか。動物実験のように生命を犠牲にするような実験が人間の体を使っても出来るのであれば話は別でしょうが、そんな事が出来るはずはありませんから、スポーツ動作の科学的分析には(研究器具の革命的な進化がない限り)どうしても限界があるのではないでしょうか。そして、スポーツ力学の限界の存在に直面すればするほど、長年の経験則から来る“古武術の感覚を大切にする動作の追求”という視点の可能性が光ってきます。なんだか、面白いですね。

【まとめ】
星、四つですね。古武術に興味を持っているスポーツ関係者にはお勧めです。すぐに指導現場に古武術の動きを応用することは難しいでしょうが、この本とDVDがあなたの(体の動作に対する)知的好奇心をくすぐってくれることは間違いないでしょう。


追記:バルセロナ在住の方でこの本に興味がある方がいらっしゃいましたら9ユーロ(安っ!?)でお譲りいたしますのでご一報下さいませ。

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この記事へのコメントコメント一覧

【古武術 for SPORTS】 (本&DVD)の感想 ★★★★

村松さん こんにちは

残念ながら、どの試合か判りません。
なにせHDDがすぐに満杯になってしまうので、見た試合から消して行く状態ですので。

念のためHDDに残していたクラシコとバルセロナダービーを早送りで確認してみましたが、この2試合では無いようです。
確か、4月中旬頃だったと思うのですが...

4月のそれ以外の試合と言えば、3日のアスレティック、14日のデポルティーボ、24日のシェレス。
記憶が正しければデポルティーボが怪しいですが。

バルサが右から左に攻めているハーフで、ゴールシーンでは無かったので、リプレイは1回だけでした。

この本で両膝抜きの箇所を見てなかったら、スローで見ても判らずに見逃していたでしょうね。
それにしても、3拍の動作を1拍で行なう発想が天才です。
常に速い動きを探求しているのでしょうね。

この技自身は、どうやるのかが判って、両足を浮かす膝抜きさえ出来れば、サッカーやっている人なら、ある程度誰でも出来る動きだと思います。スポーツ素人の私でも、パスの距離を無視すれば、真似事が出来そうな気がしたくらいですから。
発想の勝負ですね。

膝抜きと言えば、そこらじゅうで使われていると感じます。
その動きで、そんな強いインサイドパスが出せるの?って感じる時は、まず軸足の膝を抜いて踵を踏んで蹴っている筈です。
メッシのダッシュの時の走り方なんて、一歩毎に膝抜いている感じですし。


ところで、自分が何故ナンバ、古武術に興味を持ったかを改めて思い出してみると、実は、こちらのHPを見たからだったのを思い出しました。

私はと言えば、高校の授業のサッカー以来35年以上スポーツに縁の無い生活を送ってきた唯の素人親父です。
現在小5の末っ子のサッカーに刺激されて、近所の公園でポコタン蹴り始めたのが、去年の夏過ぎ。蹴り方やサッカーの情報を求めてこちらへ彷徨い込んだのが切っ掛けでした。

リーガを見始めたのも今年に入ってからのサッカー素人ですが、それでも4-2-3-1や4-3-3とか言い始めているのが我ながら面白いところです。

年なので、筋肉を鍛えるなどと言うことは想像するだけで恐ろしいことで。
それでもなんかうまく蹴れる方法は無いかと、探しているうちに、体の使い方で、今ある体力を活かす古武術的動きに惹かれました。

それにしても、海外選手のうまいプレーを説明するのに、筋肉系の動きでは説明出来ず、古武術の動きで説明できるのも面白いところです。

現在骨盤を立てるのを練習中です。
股関節が固く、骨盤後傾で猫背の私には、かなり大変です。

matanapapさん、コメントありがとうございます

 > ところで、一ヶ月位前のバルサの試合、ゴール前でメッシがなんとなく気になるプレイをしたので、その後のアップのスローを更にスロー再生してみたところ...

どの試合の何分くらいのプレーですか?
とても興味深いのでぜひ教えてください。

【古武術 for SPORTS】 (本&DVD)の感想 ★★★★

2周遅れくらいで古武術に興味を抱いている者です。
村松さんのコメントを見て、最近この本を購入、参考にさせていただいています。

ところで、一ヶ月位前のバルサの試合、ゴール前でメッシがなんとなく気になるプレイをしたので、その後のアップのスローを更にスロー再生してみたところ...

状況は相手陣ペナルティエリアの左隅。メッシが右後方へパスを出して、自分はディフェンスの裏へ走りこんでワンツーパスを受けてシュートの場面で、パスのスピードは大して早くないのに、走り込みの速さが印象的シーンでした。

見直してみると、メッシの体が一瞬沈み込みながら両足が地面から離れ、その後左足を体の下に入れつつ、その左足で右後方へボールを押し出しながらパスを出し、着地したその左足を走り出しの第一歩としていました。
明らかに両膝の抜きを使っています!!

その後の試合を見てみると、なんかパススピードが遅いのにメッシの体が飛び出しているな?と思うような時は、この技を使っているみたいです。

KENさん・yottimさん

コメントありがとうございます。
膝の抜き、本当にとても興味があります。
膝の抜きの動き自体はある程度理解できるようになったのですが、それをどうトレーニングすればいいのかまだ分からずにいます。
フッボールに応用できるような“膝の抜き”のいいトレーニング方法をご存知でしたら、是非とも教えて下さい。

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